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令和元年(2019年)6月4日更新

令和元年第二回都議会定例会 知事所信表明

令和元年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。

天皇陛下におかせられましては、5月1日、都民・国民がこぞって寿ぐ中、御即位なされました。首都・東京の知事として、心よりお慶びを申し上げます。

1 「成長」と「成熟」が織り成す令和の東京

東京にとって歴史的に重要な「令和元年」を迎えて

令和の時代が幕を開け、最初の定例会を迎えました。都議会の皆様、都民の皆様と共に、誰もが輝ける希望溢れる東京を創り上げる。今、そうした決意を新たにしております。
令和元年は、新しい東京づくりを加速する新たな時代の始まりの年であり、かつ、未来への跳躍台とするべき、東京2020大会の準備の総仕上げを進める年であります。本年が、東京にとって歴史的に重要な年であることは、論を俟ちません。
この令和の時代、我が国では、高齢化と人口減少が同時に進みます。また、世界においても、2050年には約6人に1人が高齢者になるとされ、高齢化は世界的な課題となります。その中で、既に現在、65歳以上の人口が28%近くに上り、今後益々高齢化が進む日本は、いかに成長の軌跡を描いていくのか。世界に先駆け、新たな成長モデルを示すべき我が国には、これまでの常識では太刀打ちできない局面を打開するための「パラダイムシフト」が求められます。そして東京は、その先頭に立つべく、誰もが安心して暮らし、いきいきと活躍する中で成長を生み続ける成熟都市として、さらなる進化を図らなければならないのであります。

新たな発想で大胆に挑戦を重ねる「東京大改革」に邁進

そのための柱となるのが、過去最大の規模で編成をいたしました今年度予算のポイント、「都市力の強化」「稼ぐ東京」「人と人とを繋ぐ」の3点であります。災害や気候変動への対応力を強化し、「稼ぐ力」を高め、東京の発展の原動力である「人」の力を最大限に引き出していく。これらの取組を通じて、都市としての成熟度を高め、人口減少の中にあっても我が国の経済を力強く牽引していくことこそ、首都としての使命に他なりません。これを果たすべく、今年度は、戦略政策情報推進本部や住宅政策本部の立ち上げなど、執行体制を強化しました。共存共栄に向けた全国との連携、高齢者の安心や女性活躍のための環境整備、特区制度や先端技術の活用など、局横断的な政策課題につきましても、工夫を凝らした施策の迅速な展開に向けて、密接な横の連携を図る体制を整えております。引き続き組織の生産性を高めながら、令和の時代も、新たな発想で大胆に挑戦を重ねる「東京大改革」に、力強く邁進してまいります。

「新たな長期計画(仮称)」の検討

大きな変革期にある時代に的確に対応していくため、2020年のその先を見据え、長期的な羅針盤として策定するのが、4月より検討を始めた「新たな長期計画(仮称)」であります。2040年代の姿を念頭に、2030年の東京の将来像について、全庁的な議論を開始いたしました。3つのシティ、つまり「セーフ シティ」「ダイバーシティ」「スマート シティ」をさらに進化させ、「人」の力が支える持続的な「成長」、そして、大会のレガシーを礎に、誰もが安心して豊かに暮らせる「成熟」、この2つが両立する、新たな都市像を実現する。そのために、俯瞰的な「鳥の目」を持ち、都民の皆様のご意見や都議会における議論のほか、「SDGs」といった世界基準等も踏まえながら検討を進めることといたしており、まずは8月を目途に、論点を整理してまいります。

都庁グループの機能強化を目指した都政改革の推進

都政の手法と体質を変えるために進めてまいりました「2020改革」は、これまでの成果を踏まえ、さらに加速してまいります。今年度より、各局がその事業を不断に見直すための仕組みとして開始した「政策評価」につきましては、今月、有識者による分科会を立ち上げ、各局による自己評価の実効性を高めるとともに、制度のブラッシュアップを図ってまいります。また、都と共に政策実現を担うとの位置づけをより明確にした政策連携団体については、先月、都としての「活用戦略」及び各団体による「経営改革プラン」の改訂版を公表いたしました。今後、私自身も各団体のトップと意見交換を行いまして、その政策推進力や経営戦略の一層の強化に繋げてまいります。激動の世界情勢や目まぐるしい技術革新の中、東京の「成長」、そして「成熟」を果たしていくため、政策連携団体を含めた都庁グループ全体の機能を着実に高めてまいります。

2 2020年のその先も輝き続ける東京の実現

東京が、2020年のその先も、世界で輝き続ける。そのための持続可能な都市のモデルを築くべく、幅広く政策を講じてまいります。

持続可能な社会の実現に向けた環境対策

「ゼロエミッション東京」を目指した取組

気候変動という地球規模の課題の解決は、もはや各国政府のみに委ねられるものではありません。世界人口の半数以上が都市に居住する時代におきまして、都市こそがリーダーシップを取り、力を合わせて共に行動する。東京は、その先頭に立ってまいります。
先月、東京が議長都市として開催をいたしました国際会議、「U20メイヤーズ・サミット」におきまして、都市の声をG20へと届けるべく、気候変動や持続可能な経済成長などのテーマにつきまして、世界の主要都市と精力的に議論を交わしました。最終日には、都市の力強いメッセージをまとめた「コミュニケ」を採択いたしまして、今年のG20議長国の代表であります安倍総理にお届けをいたしております。このサミットの場で、東京は2050年、世界のCO2排出量の実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現することを宣言いたしました。そのために、具体の戦略を年内に策定いたしまして、気候変動の緩和策と適応策を総合的に展開してまいります。
また、プラスチック削減や、電気自動車、いわゆるEVの普及につきましても、意欲的な目標を掲げたところでありまして、取組を広く推し進めてまいります。プラスチックにつきましては、4月に廃棄物審議会より、その利用のあり方を大きく変革すべきとの中間答申をいただいております。今後、廃プラスチックの輸出入規制など、国際的な状況も踏まえた最終答申を基に、都といたしましての「プラスチック削減プログラム」をまとめてまいります。EV普及に向けましては、車両購入費の補助対象を、今年度から個人や大企業にも拡大をいたしました。併せて、EV社会のインフラとなります充電器につきましては、商業施設等への設置費の補助を開始するほか、都市開発やまちづくりの機会を捉えました整備促進策を検討いたします。都自らも「ゼロエミッション都庁推進会議」を立ち上げて、全庁一丸で率先した取組を推進しながら、東京から世界を変えていく、環境先進都市としてのイニシアティブを、遺憾なく発揮してまいりたいと存じます。

「RE100」による再生可能エネルギーの利用拡大

企業がその事業に要する電力を、再生可能エネルギーで100%賄うことを目指す世界的な取組、「RE100」の輪が、国内でも広がりを見せております。都もこの動きを後押しするべく、8月から、第一本庁舎に供給されます電力を100%、再エネへと切り替えることといたしております。また、昨日、「RE100」に取り組む企業や電気事業者を交えました「アクションミーティング」を開催をいたしまして、優れた先行事例や今後のビジョンを官民で共有したところであります。これを機に、幅広い企業へ再エネ利用を呼びかけるなど、都は「RE100」の旗振り役といたしまして、この取組をさらに広めてまいります。

東京の成長と成熟の大前提となる安全・安心の確保

都市の防災ビジョン「東京宣言」の発信

都市の活力を支える「人」の安全・安心の確保につきましては、東京の「成長」と「成熟」の大前提であります。先月、メイヤーズ・サミットと併せて開催をいたしました国際会議、「都市の防災フォーラムTokyo」では、災害から得た教訓や、それを踏まえた具体の対策等につきまして意見を交わし、都市として目指すべき防災のビジョンを、「東京宣言」として世界に発信をいたしました。併せて、参加都市間での相互支援について合意したところでありまして、国境を越えた連携を財産として、引き続き東京の防災対策の進化を図ってまいります。

水害への備えを固める

今年も間もなく、梅雨、台風の季節を迎える中、都市型水害に対する備えも固めてまいります。発災時の行動を時系列で整理、確認できる「マイ・タイムライン」につきましては、このたび、洪水、高潮、土砂災害等、様々な災害に対応いたしました都独自の作成セットを開発をいたしました。今月、檜原村と共に実施をいたします風水害対策訓練をはじめ、様々な機会を通じて普及拡大を図ってまいります。また、先週、私も出席いたしました「河川の氾濫に関する減災協議会」では、区市町村長と共に、氾濫や避難につきましての確実な情報提供等によります減災の重要性を、改めて確認をいたしました。「マイ・タイムライン」の展開や、区市町村と連携した適時適切な情報発信を、災害時におけます都民の皆様の的確な避難行動へと繋げてまいります。
昨年度実施いたしました防災事業の緊急総点検を受けまして、前倒しして実施することといたしました新たな調節池の検討につきましても、早速着手しております。今後とも「備えよ、常に」の精神の下で、ハード・ソフトの両面にわたります水害対策を、総合的に推し進めてまいります。

痛ましい交通事故を無くしていくために

高齢運転者による交通事故が、社会問題となっております。安全運転の確保や、運転免許の自主返納への理解促進等の観点から、事故防止のための手を迅速に打たねばなりません。今般、緊急対策といたしまして、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐなど、事故防止に効果的な装置の取付に対しましての補助を、新たに実施することといたしました。また、これまで取り組んできた運転免許の自主返納の促進につきまして、返納された方々への特典をさらに拡充をしていくべく、関係機関への働きかけを進めてまいります。
加えまして、今後、さらなる対策を講じていくため、明日、庁内に新たなプロジェクトチームを設置をいたします。交通不便地域におけます、高齢者の移動支援に向けました実証実験をはじめ、局横断的に知恵を絞って、広く取組を検討してまいります。
さらに、子供を事故から守るためには、その移動経路における安全確保も欠かせません。警視庁や区市町村等と連携いたしました道路の緊急点検を実施をいたしまして、その結果を踏まえて必要な取組を進めるなど、痛ましい交通事故を無くしていくべく、対策を多面的に展開をいたしてまいります。

誰もが安全・安心を実感できるまちの実現

東京の治安向上に向けましては、いわゆる「アポ電」によって、特殊詐欺に加えて強盗等の凶悪な事件も発生している状況を踏まえまして、自動通話録音機の設置の促進など、対策を積極的に進めます。また、繁華街におきまして、暴力団と飲食店等との間で、用心棒料やみかじめ料が未だに授受されている実態を受けまして、「暴力団排除条例」の一部を改正する条例案を、本定例会に提案をいたしました。都内の主な繁華街を「暴力団排除特別強化地域」と定めまして、用心棒の役務の提供や、それに対しましての利益の供与等への取り締まりを、一層強化するものであります。誰もが安全・安心を実感できるまちの実現に向けまして、引き続き幅広い取組を推進をいたしてまいります。

東京の「稼ぐ力」に磨きをかける

「Society5.0」及び「国際金融都市・東京」の実現

東京と日本が、未来に向けて成長を生み続けるため、新たな価値の創出に繋がる成長戦略に果敢に取り組んでまいります。その要となります「Society5.0」の実現に向けましては、先月、金融・経済、情報など、幅広い分野の専門家からなる検討会を設置をいたしまして、東京のあるべき姿や、先端技術を活用した施策展開の方向性につきまして、議論を開始をいたしました。行政の枠を超えた多様なアイデアをいただきながら、東京の「稼ぐ力」にさらに磨きをかけてまいります。
世界の都市間競争を勝ち抜くためには、経済の血液とも言われる金融の活性化も欠かせません。「国際金融都市・東京」の実現の一翼を担う、我が国初の金融プロモーション組織、「FinCity.Tokyo」が、今週7日、いよいよ始動いたします。官民がそれぞれの強みを生かし、互いに連携しながら、金融市場としての東京の魅力を効果的に発信をすることで、国内外におけます金融ネットワークの構築、海外金融系企業の誘致、これらを一層加速してまいります。

観光振興と全国との連携

東京の重要な成長戦略であります観光振興につきましては、島々の豊かな自然を活かした取組を進めてまいります。小笠原諸島と同じく、我が国が誇る世界自然遺産であります知床、白神山地、屋久島。こうした魅力的な観光資源を有する自治体と連携をいたしまして、共同ウェブサイトによる情報発信や、新たなツアーの開発に向けました商談会の実施など、世界遺産としてのブランドイメージを活用して、さらなる旅行者の誘致に取り組んでまいります。
雄山が作り出す独特な自然環境と景観を誇る三宅島につきましては、その魅力を活かした観光振興を進める一方で、貴重な自然を守るべく、小笠原諸島及び御蔵島に続いて、東京都版のエコツーリズムを導入いたします。観光客の立ち入り制限エリアなど適正なルールを定めまして、来週、三宅村と協定を締結いたしまして、モニターツアーによる検証等の準備を経まして、来年度より運用を開始してまいります。
また、都といたしましては現在、福島への観光目的の旅行者を中心として、「被災地応援ツアー」を実施をいたしております。今後、ビジネス旅行者の訪問を拡大すべく、明後日には福島県知事と面会をいたしまして、新たな協定を締結をいたします。東京で開かれる国際会議等の参加者が、福島を訪れるモデルコースを開発するなど、復興のさらなる後押しと全国との連携の一環として、東京と福島のそれぞれの魅力を活かしたMICEの誘致を強化してまいります。
なお、先月には宮城県知事と面会をいたしまして、災害時の相互支援や都の技術・ノウハウの提供など、水道事業における連携について合意をいたしました。今後とも、共存共栄の観点から、様々な分野で全国との連携を深め、それぞれの強みを生かして活力ある地域を築く真の地方創生を推し進めることで、我が国全体の持続的な発展へと繋げていきたいと存じます。

東京の成長を支えるまちづくり

東京の持続可能な成長を支えますまちづくりに向けましては、都内各地において、それぞれの特性を活かした都市機能の充実を図ってまいります。
例えば、「人」を中心としたまちの実現に向け、誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編に取り組む新宿駅周辺につきましては、年内の都市計画決定に向けた手続きを開始をいたします。また、大規模な都心の一等地として、大きなポテンシャルを有します築地につきましては、都民の皆様からのご意見や都議会での議論を踏まえまして、3月に「築地まちづくり方針」を策定いたしました。この方針の下で、民間の知恵等も活用しながら地域の魅力を大いに引き出し、東京全体の価値の最大化へと繋げてまいります。

「稼ぐ力」の礎となる幹線道路ネットワークの充実

多様な経済波及効果を生み出し、国際競争に勝ち抜く基盤ともなります道路につきましては、東京の「稼ぐ力」の礎でございます。昨日、かねて早期開通を要請してまいりました国道357号東京港トンネル東行きが開通いたしまして、既に供用されている西行きと併せて、臨海部の新たなネットワークが完成をいたしました。今週8日には、放射第5号線等が開通をいたしまして、甲州街道の渋滞緩和、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックの競技会場へのアクセス向上に繋がる、区部と多摩地域を結ぶ新たな骨格が形成されることとなります。今後とも、東京の持続的な発展に向けまして、幹線道路ネットワークの形成に着実に取り組んでまいります。

国際競争力向上のための羽田空港の機能強化

我が国の国際競争力の向上や、東京2020大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化は極めて重要であります。国が提案した飛行経路の見直しにつきまして、都はこれまで、地元との協議が着実に進むよう積極的に協力するとともに、丁寧な情報提供や騒音・安全対策の徹底を要請をしてまいりました。これを受け、国は、5期にわたる住民説明会の実施、そして、航空会社への落下物防止対策の義務づけなど、総合的な対策を進めており、先月には、都民の皆様のご意見に対する対応方策を取りまとめたところであります。こうした国の対応は、一定の評価ができるものでありますが、都民の皆様や関係自治体の理解がさらに深まるよう、なお一層の取組を求めてまいります。

3 東京の発展の原動力である「人」の力を活かすために

続いて、東京の発展の原動力である、「人」の力を活かす取組につきまして申し上げます。

実を結びつつある待機児童対策

誰もが、育児に仕事に輝ける社会を築くための待機児童対策については、「保育所等の整備促進」「人材の確保・定着の支援」「利用者支援の充実」、この3つを柱といたしまして、区市町村と連携して進めてきた取組が着実に実を結びつつあります。都内の認可保育所は、昨年から約260か所増加をいたしました。そして、平成28年4月1日の時点で8466人を数えた待機児童数は、今年、保育所等の利用を申し込む児童数が増えた中にありまして、四半世紀ぶりの水準であります約3700人まで大きく減少する見込みであります。今後とも、受け皿の整備を進める「量」の確保はもとより、安心して子供を預けられる「質」の向上の両面につきまして、対策を力強く進めてまいります。

「人」を守る取組の加速

東京2020大会のホストシティにふさわしい社会の実現

次に、「人」を守る取組としての受動喫煙防止対策であります。昨年度可決いただいた「受動喫煙防止条例」は、来年4月の全面施行まで1年を切りました。施設管理者や区市町村等の理解と協力の下、対策の実効性を高めるべく、説明会の開催やハンドブックの配布を進めているほか、宿泊施設及び中小飲食店に対しましては、喫煙専用室の設置等への補助を実施しております。官民一体となって効果的な対策を推し進めまして、オリンピック・パラリンピックのホストシティとしてふさわしい、誰もが快適に過ごせる社会を実現をしてまいります。

かけがえのない子供たちを社会全体で守る

児童虐待防止につきましては、この4月から施行した「子供への虐待の防止等に関する条例」に基づきまして、子供たちの健やかな成長を守るための取組を幅広く進めております。今年度は、児童福祉司や児童心理司等を増員したほか、児童相談所と子供家庭支援センターの効果的な連携につきまして、区市町村と合同で検討を進めるなど、東京全体の児童相談体制の強化を図ります。先日の九都県市首脳会議におきましても、虐待防止に一丸で取り組むとの共同宣言を行いました。引き続き、警察や学校など関係機関と連携をいたしまして、都民の皆様とも一体となって、社会全体でかけがえのない子供たちを守ってまいります。

「犯罪被害者等支援条例(仮称)」の制定に向けて

このほか、「人」を守る取組といたしまして、犯罪被害に遭われた方やそのご家族に対する支援を一層推進するため、「犯罪被害者等支援条例(仮称)」の制定を目指してまいります。先月には、そのための有識者懇談会を立ち上げたところでありまして、大都市特有の課題や都民の皆様のご意見を踏まえながら、幅広く検討を進めてまいります。

新たな時代を担う「人」を育む

教育現場における働き方改革の推進

学校が抱える課題が複雑化・多様化する中で、いわゆる「過労死ライン」相当にある教員が多数存在するなど、教育現場におけます働き方改革は喫緊の課題であります。先月、教育委員会において、都立学校の教育職員の勤務時間について、その上限を示した方針を策定をいたしました。そして来月には、学校をきめ細かくサポートし、教員の負担軽減に繋げる全国初の財団法人、「東京学校支援機構」を設立いたします。教員OBや地域の方々などの力を活かして、学校への多角的かつ効果的な支援を充実させることで、教員一人ひとりが子供たちとしっかり向き合って、質の高い教育を持続する環境づくりを推進してまいります。

時代に即した新たな教育プログラムの検討

IT技術の飛躍的な進展により、様々な分野でIT人材が求められている中、都立高校においてその計画的な育成を図るべく、新たな教育プログラムを検討をいたします。企業や専門学校と連携いたしまして、最先端で活躍する人材による指導や、企業でのインターンシップなど、卒業後の進学・就職を見据えた実践的なカリキュラムを実現したいと思います。
また、世界に羽ばたくグローバル人材の育成に向けまして、都立学校と、国内外の大学・企業・国際機関等とのネットワーク、「Diverse Link Tokyo Edu」を構築いたしまして、より高度な学習の機会を提供いたします。海外の大学教員や、グローバル企業トップ層によるワークショップ、国内外の学校とのオンラインでの討議等、社会や世界との繋がりの中での学びを通じて、高度な英語力はもとより、AI時代に求められる探究心や創造性、コミュニケーション力などを育成してまいります。

人にも動物にも優しい社会の実現

人にも動物にも優しい社会、これを目指しまして、就任以来力を入れてきた動物愛護の取組については、目標よりも1年早く、犬・猫の殺処分ゼロを達成をいたしております。今後とも、多大なご協力をいただいているボランティア団体等との連携をさらに深めながら、適正飼養・終生飼養、この普及の啓発や、動物の譲渡促進等の取組を一層推進してまいります。

4 ラグビーワールドカップ2019TM及び東京2020大会へ向けて

開催迫るラグビーワールドカップ2019

ラグビーワールドカップ2019は、来週12日、いよいよ開催100日前を迎え、16日には、これを記念いたしましたイベントを開催いたします。また、誰もがいつでもラグビー情報に触れられる拠点を有楽町に開設いたしまして、8月末まで、多彩な企画を実施をいたしております。都内各地におきましても、商店街でのフラッグ掲揚や鉄道車両の装飾、ウォールギャラリーの掲出等のPRを展開いたしまして、目前に迫った大会の気運を一気に高めてまいります。
大会期間中は、国内外から集う誰もが「ラグビー熱」を共有して、大会を楽しむ場といたしまして、有楽町と調布に「ファンゾーン」を設置をいたします。4月には、その具体的な運営計画案を公表したところでございまして、ラグビー体験、多様な交流などを通じまして、訪れる全ての人が特別な記憶を刻む、そんな場となるよう取り組んでまいります。このほか、円滑な観客輸送や、事故の未然防止に向けましたセキュリティ体制の確保など、準備万端に整えて、ワールドカップを成功に導くことで、東京2020大会の準備の総仕上げにも弾みをつけていきたいと存じます。

東京2020大会の成功に向けて

大会準備の総仕上げを着実に進める

東京2020大会に向けましては、今月、海の森水上競技場が完成披露式典を迎えるなど、熱戦の舞台の準備は着々と進んでおります。また、アリーナ施設として国内で初めて、管理運営に「コンセッション方式」を導入する有明アリーナについては、民間事業者に運営権を設定する議案を、本定例会に提案をいたしました。民間の力を活かしながら、将来にわたって、都民・国民の貴重な財産として有効に活用してまいります。
ソフト面の準備は、間もなく大会1年前を迎える中で、計画立案から実践準備の段階に入りました。今月末から、各競技会場で本格的に開始されるテストイベントを活用し、会場周辺における安全確保や暑さ対策、シティキャストの運営等について、具体的な検証を進めてまいります。そして、大会の円滑な運営のための重要な課題であります交通混雑の緩和に向けましては、「テレワーク」「時差ビズ」「交通需要マネジメント」の取組を一体的に進める「スムーズビズ」について、先週、キックオフイベントを開催したところでありまして、企業等の皆様と共にさらなる加速を図ってまいります。特に、来月、再来月の大会相当期間でございますが、これを集中取組期間と位置づけまして、都は、大会時を想定したテレワークや時差出勤等の実施、庁有車の利用抑制、備品納品ゼロなどに取り組んでまいります。企業等の皆様にも、改めまして、重点的な取組へのご協力をお願い申し上げます。併せまして、首都高速につきましては、入口や本線料金所におけます流入調整を試行するほか、国などと共に、料金施策を含む追加対策を検討していくなど、安全かつ効率的な大会輸送と、経済・都市活動の両立に向けまして、引き続き関係機関と密に連携しながら準備を重ねてまいります。
大会全体の安全・安心の確保に向けましては、昨年3月に策定をいたしました「対処要領」につきまして、先般、改定を行いました。治安対策、サイバーセキュリティ、災害対策、感染症対策、この4つの視点から想定される事態につきまして、昨年度実施いたしました訓練や専門家の意見を踏まえた検証を反映させるなど、具体の対応をより明確にしたところであります。引き続き、この夏のテストイベントを通じた検証を積み重ねるとともに、ラグビーワールドカップの開催によります経験等も活かしながら、大会におけます安全・安心の確保に万全を期してまいります。

都民・国民と共に、大会気運のさらなる醸成を図る

先月、オリンピック公式チケットの抽選申込受付が行われまして、夏には、パラリンピック公式チケットの販売も始まる予定でございます。先週には、大会の幕開けを告げる聖火リレールートの概要が公表されました。都民・国民の皆様に、大会を益々身近に感じていただく中、夏に開催するオリンピック及びパラリンピックの1年前イベントなどを契機に、大会に向けた気運をさらに高めてまいります。
聖火リレーは福島県を出発点といたしまして、また、その出発に先立ちましては、宮城・岩手・福島の各県において、聖火が「復興の火」として展示されることも決まりました。改めて、大会の原点であります復興オリンピック・パラリンピックの理念に思いを致しながら、東北3県及び熊本県におけるライブサイトの実施や、被災地の子供たちの大会観戦への招待など、さらなる復興への力を届ける取組を進めてまいります。
これまで、東京2020大会の盛り上げに取り組む中で、特にパラリンピックにつきましては、私自身、全22競技を体験するなど、その魅力を積極的に発信をいたしております。その取組をさらに進め、パラリンピックの成功と、大会のレガシーとするべきバリアフリーの推進に向けまして、このたび、学識経験者、パラアスリート、各界の著名な方々からなる懇談会を立ち上げることといたしました。メンバーの皆様に、その発信力を活かしたパラスポーツの応援活動や、バリアフリーの取組に対します助言等を行っていただくことで、パラリンピックへの期待を益々高めるとともに、大会を契機としたバリアフリーを一層加速してまいります。
また、パラリンピックの陸上競技の一種目、「こん棒投げ」につきましては、大会本番で使われるこん棒の製作を、都立工芸高校の定時制課程の生徒たちが担うこととなりました。教育委員会と組織委員会とが共に進めるこの取組は、当該生徒たちにとりまして忘れられない心のレガシーとなるとともに、パラスポーツへの理解を一層広めるものと確信をいたします。引き続き、多彩な取組によりましてパラスポーツの魅力を広く発信をいたしまして、来年には、パラリンピックの会場を満員の観客で埋め尽くしていきたいと存じます。

5 持続可能な都市として、全力で走り続ける

先日、スイスのビジネススクールIMDが、63の国と地域を対象とした、恒例の「世界競争力ランキング」を発表いたしております。我が国は、1989年から4年連続第1位でありましたが、その後、低下の傾向を辿りまして、今回、過去最低となる30位に転落しております。1位はシンガポール、2位は香港、そして、14位に中国、28位に韓国と、アジアの中でも日本の地盤沈下は鮮明であります。項目別にみましても、例えば「ビジネスの効率性」は46位と低迷しておりまして、その中に含まれる「ビッグデータの活用・分析」「国際経験」「起業家精神」といった個別の指標は、いずれも最下位となっております。極めて憂慮すべき結果でありまして、私たちは、日本が置かれているこうした危機的な現状から、目を背けてはならないと考えます。
ルイス・キャロルの小説であります、「鏡の国のアリス」に登場する「赤の女王」は言います。「その場にとどまるには、全力で走り続けなければならない」。そして進化遺伝学では、この言葉にちなんで、「生物の種は、絶えず進化しなければ絶滅する」との仮説が提唱されております。この「赤の女王」の仮説で言うならば、令和の時代の東京とは、激動する世界のエコシステムの中で、持続可能な都市としてさらに進化をし、厳しい現状にある我が国を再び活性化する牽引役となるため、全力で走り続けなくてはなりません。そして、走り続けるその先に、東京と日本の明るい未来を切り拓いていく。そうした強い決意の下、新しい東京を創り上げる施策を、力強く推し進めてまいります。「上を向いて歩こう」、その精神でいきたいと思います。都議会の皆様、都民の皆様のご理解とご協力、よろしくお願いを申し上げます。

なお、本定例会におきましては、これまで申し上げたものを含めまして、条例案が17件、契約案7件など、合わせまして40件の議案を提案をいたしております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
ご清聴、誠にありがとうございました。

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