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平成30年(2018年)10月5日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成30年10月5日)

知事記者会見
2018年10月5日(金曜)
16時00分~16時56分

知事冒頭発言

1 「国際金融都市・東京」構想について

【知事】今日は、私から、6本、冒頭ご報告させていただきます。
その前に、今日、内藤唐辛子が置いてありますので、新宿御苑は内藤家のお屋敷だったところと聞いておりますけれど、あの辺りは、昔は唐辛子を育てていたということで、地産地消というか、江戸野菜の典型の一つでございます。ご紹介しておきたいと思います。都立瑞穂農芸高等学校の皆さんが育てておられます。
まず一つ目でありますが、「国際金融都市・東京」構想に関してのご報告でございます。「国際金融都市・東京」構想については、もう冒頭、2年前から取り組んでいる案件でございますけれども、アジアの金融拠点として人材、資金、情報、そして技術が集積する国際金融都市・東京を実現するための取組ということであります。
その中で、海外企業誘致などを推進するために、官と民が一体となった金融プロモーション組織の設立を目指しているところでありまして、今年度は、官民の実務担当者が集まりまして、「金融プロモーション組織設立に向けた検討会」というのを開催いたしております。
昨日開催されました検討会におきまして、この金融プロモーション組織のトップとして、株式会社 大和総研の理事長で、そして、前日銀副総裁でいらっしゃいます中曽宏さんに就任をお願いしたいということで合意をしたと報告を受けたので、皆様方にお知らせするというものであります。
この組織ですけれども、設立は来年度を目指しております。そして、そのトップについては、来年度設立される際に、会員の方々の間で合意が形成されて、正式に決定される運びとなると聞いております。世界に冠たる国際金融都市・東京の実現に向けまして、この組織が大きな役割を果たすということを期待しておりますし、また、正式にトップに決まった際には、中曽さんからは、これまでのご経験を活かして、ご活躍いただきたいと考えているところでございます。

2 東京2020大会ボランティアの応募件数について

【知事】次が、2020大会のボランティアに関してであります。先週から、東京2020大会のボランティアの募集を開始し、私も都の都市ボランティアの方に入力して登録しましたという話もさせていただきましたが、都が募集いたします、この都市ボランティアの現在の応募件数でございます。これは、今日の午前10時現在で3,426件でございます。組織委員会が募集している大会ボランティアにつきましては、同じく今朝の10時現在で31,982人と聞いております。この1週間でたくさんの方々に応募いただいているところで、皆さんに感謝申し上げたいと思います。
都市ボランティアでありますけれども、開催都市・東京の顔といたしまして、国内外から訪れられる多くの選手、そして観客をお迎えする、とても大切な存在となります。都市ボランティアの方は5日間から参加できるということで、より日程的には余裕が、大会ボランティアよりは若干短い期間にもなりますし、もちろんそれ以上でも結構です。
それから、例えば、ご夫婦で参加するとかご家族、それから、ご友人同士などで、グループによります応募も可能と、申し込みしやすくなっておりますので、是非、多くの方々にご参加いただきたいと存じます。
それから、できるだけ応募しやすくするために、さまざまな工夫を凝らしまして、申し込みしやすくするということで、必要事項を記入するだけで簡単にご応募いただけるリーフレットも作成いたしております。もちろんネットでも、私自身、そのようにやりましたけれども、応募する際の工夫なども凝らしておりますので、ご活用いただければと思います。
このリーフレットができ上がりましたら、関連施設であるとか、さまざまなイベントで配布いたしまして、さらに多くの方々に都市ボランティアにご参加いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。

(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 築地市場の閉場について

【知事】それから、築地市場の豊洲市場への移転がいよいよ、明日から始まるわけでございます。その前に、まず、明日が築地市場の最終営業日ということになります。築地市場でありますけれども、申し上げるまでもございません。昭和10年に開場して、以来80年以上にわたって、都民の食生活を支えてきた、その大きな役割を担ってまいりました。日本の食文化の発展に貢献してきたと言っても過言ではないと思います。また、それを支えてきた市場関係者や地元の皆さんでございまして、改めて感謝を申し上げたいと存じます。
私も今朝、築地市場を訪問してまいりました。市場業者の方々の活気溢れる取引の様子を確認して、明日また、メディアの皆さんもいらっしゃる、それから、今日も最終の前のタイミングということで、あまり混乱することなく、また、市場関係者の皆さんと、これからの移転についても、その後、打ち合わせなどもやってまいったところでございます。
そして、業界団体の皆さんと、明日の正午から始まります大規模な引越を滞りなく進めていくということと、それから、新しい豊洲市場の運営に、都と業界とが力を合わせていくことを確認することができたということで、今朝は3時起きでございます。
これから、世紀の大きな引越がございます。そして、11日(木曜日)には、いよいよ開場ということとなって、初セリが行われるということになります。豊洲市場は時代の変化に対応できる最新鋭の市場として整備したものでございますが、開場当初は、正直、市場関係者の皆様にとりましても、習熟訓練をしたとはいえ、方向性とか、自分の店の場所も含めて、どっちに行くのかというのは、それはなかなか環境に慣れるには、時間が必要だと思います。また、混乱するところも出てくるかもしれませんけれども、しかし、新しい市場での業務ができるだけ早期に軌道に乗るように、都としても、きちんと対応していく所存でございます。
それから、築地市場跡地部分の環状第2号線の件でありますけれども、市場が移転しましてから、速やかに整備に着手いたします。そして、移転後1か月以内に暫定の道路を開通させるという見込みでございます。開通日は現在、関係機関と最終調整しているところでございますので、追ってお知らせしたいと思います。
豊洲市場の開場に伴いまして、暫定道路が通るまでの間というのは、晴海通り、それから有明通りを中心にして、周辺道路の交通混雑が予想されるところでございます。皆さんのご理解、ご協力をお願いしたいというところでございます。
これらの混雑を少しでも緩和するということで、環状第2号線の未開通区間のうち、地図がございますけど、豊洲・晴海間の晴海方向について、市場関係者を対象として、豊洲が開場してから、10月11日(木曜日)以降、速やかに通行できるようにしてまいります。これを使えるようにすることで、豊洲市場からの搬出ルートが増えるということになるわけであります。一部の交差点の混雑を緩和したり、市場内の渋滞解消に寄与するものと考えております。
ちなみに、ここの部分はオリパラの工事車両は許されているところに、今回、この引越に伴います渋滞緩和ということで、暫定道路が完成するまでの間、これを使えるようにするということであります。
いずれにしましても、豊洲市場の開場まで1週間を切りました。市場がつつがなく開場できますように、都といたしましても、万全の態勢で臨むつもりでございます。まずは、円滑な引越に向けての対応ということでございます。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:401KB)

4 東京2020大会における子供の競技観戦について

【知事】オリンピック・パラリンピックに関連してであります。都内の公立・私立学校に在籍し、観戦、大会を見たいという、応援したいという子供たちを対象に、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」を直接に観戦する機会を提供することといたします。都内の学校では、オリンピック・パラリンピックの教育を、現在実施しているところでございます。この教育の集大成として、実際に東京2020大会の開催時には、多くの子供さんが学校単位で競技を直接観戦する機会を都として提供するということであります。東京で開催されます大会でございますので、これは貴重な体験になることはもとより、子供たち一人ひとりに、人生の糧となる、忘れ得ぬひと時といいましょうか、そこで「応援に行ったんだよね」という記憶に残る、そのような、まさにレガシーを残すことができるのではないかと考えております。
観戦する競技ですけれども、大会組織委員会が子供用の企画チケットとして提供する「学校連携観戦プログラム」の対象となる競技といたします。
それから、対象者でありますが、それは都内の公立・私立学校に在籍して、観戦を希望する全ての子供たちで、今後、区市町村教育委員会、それぞれの学校への意向調査を実施してまいります。ということで、子供たちにとって記憶、まさしくレガシーを、大会会場でいろいろな競技を実際に見ることで、一生の思い出をつくってもらいたいというものであります。
詳細は、教育庁及び生活文化局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:46KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 「東京味わいフェスタ2018」について

【知事】今度は「食」に関するお知らせでございます。「東京味わいフェスタ2018」、これは、もう今日から始めております。日曜日まで3日間、「東京味わいフェスタ2018」を開催しておりますので、どうぞ、この後でもいらしていただければと思います。私も明日は会場に実際に視察に参りまして、トークセッションにも参加する予定といたしております。
今回から、新たに東京ミッドタウン日比谷を会場に加えました。これによって、よりスケールアップしたイベントとなっているかと存じます。それから、丸の内エリアにおいては、古くから伝わる、先ほど唐辛子をご紹介しましたけど、新宿の産品としてあったわけでありますけど、内藤カボチャということで、江戸東京野菜をはじめとする東京産の新鮮な野菜、果物を使用したお料理をキッチンカーで提供するというものであります。有楽町エリアの方では、全国各地の地酒を楽しむことができます。ご当地料理も楽しむことができます。ということでは、これは有楽町編。
次に、日比谷編でありますが、演劇の街でもありますけれど、東京産の食材を使用したお料理に加えて、今月の25日(水曜日)から開催されます東京国際映画祭と連携した無料上映会も行うことといたしております。そして今回は、江戸から東京へ改称されて150年ということから、いろいろなイベントも行っておりますけれども、江戸から明治、昭和にかけての代表的なお料理を提供するということで、例えば、松本楼さん、老舗ですね。特別出店をしていただいております。10円ではないかもしれませんけれども。
それから、今晩は、例えば、夜9時まで、また、明日、明後日も開催しておりまして、仕事帰りの方々も含めて、ちょうどビジネス街でもございますので、多くの方にお越しいただきたいと思います。また、日曜日には、どうぞ、都心のこの場に来ていただいて、食も楽しんでいただきたいということでございます。
詳細は、産業労働局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:902KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

6 旧前田家本邸洋館リニューアルオープンについて

【知事】次に、今度は都が所有いたしております重要文化財についてであります。その一つが、旧前田家本邸洋館の修理工事をやっておりましたが、いよいよ完了いたしまして、一般公開が再開されるというお知らせであります。この旧前田家本邸洋館でございますが、もうまさしく洋館ですが、旧加賀藩主であります前田家の第16代当主利為侯爵が昭和4年に竣工された邸宅であります。今は、目黒区立駒場公園内に、和館とともに残されているものでありまして、そこをリノベーションした。平成25年に国の重要文化財に指定されております。当時は空調とか給排水設備が老朽化しておりましたし、また、幅広い活用ができない状態であったと聞いております。このために、平成28年7月から修理工事に着手いたしまして、このたび竣工に至ったということです。一般公開は、10月27日(土曜日)からということであります。
旧前田家本邸洋館でありますけど、ちょっと素敵ですよね。広大な敷地で、それから昭和初期の華族の邸宅をほぼそのままとどめている重要文化財でありまして、保存・復元を最重視した工法で、老朽化した建物を修理して、また、空調、給排水設備も更新したということであります。
特に、2階の書斎ですけれども、当時の写真を基に、前田家の皆さんが居住しておられた時期の状態に、できるだけ近づけて復元したということであります。それから、1階でありますけれども、大客室では、当時の写真のイメージを再現しながら、また、レセプション会場などとして、今後、利用できるように整備いたしております。何かいろいろ、映画とかロケにも使えそうなところかと思いますけれども。
リニューアルオープンした後は、歴史と伝統のある建物の特徴を活かした演出ができます、いわゆる「ユニーク・ベニュー」としての活用を図っていくことといたしております。多彩な魅力を体験できる施設として、例えば、レセプション、サロンコンサートを行ったり、それから会議など、是非ご利用いただければと思います。
今回、このように素晴らしいリニューアルができたことを記念いたしまして、その事業の一環として、東京都教育委員会が「東京文化財ウィーク2018」ということで、10月27日(土曜日)から11月4日(日曜日)まで、通常、公開していない東庭、それから、この洋館と和館を結ぶ渡り廊下があるそうですが、そこの特別公開などをいたします。それから、ボランティアによりますガイドも用意しておりますので、是非ご来館いただいて、国の重要文化財、美しくまた蘇ったところをご覧いただければと思います。
詳細は、教育庁にお聞きください。
ということで、私の方から以上6点、ご報告させていただきました。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:783KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】10月幹事社の読売新聞の村山です。それでは、今月の幹事社の方から、冒頭、何点か質問をさせていただきます。
冒頭にもありましたけれども、築地市場が、明日6日(土曜日)に最終営業日と。そして、11日(木曜日)に豊洲市場が開場ということで、知事就任から2年余り、いろいろ市場をめぐってはいろいろあったと思いますけれども、改めてその所感を伺うとともに、移転開場自体が約2年遅れになったということについて、その意義について、改めてご説明いただければと思います。

【知事】いよいよ開場が迫ったと。今日も実際、セリに参りましたけれども、もう皆さん、引越のことでかなり頭がいっぱいと、段取りを考えたりして、大変お忙しいところでありました。そして、しかし、豊洲移転に対して、非常に前向きに対応してくださっているということを目の当たりにしてまいりました。
一昨年8月に、私は豊洲市場への移転の延期を発表いたしました。その理由を改めて申し上げますと、三つございます。一つが安全性への懸念、二つ目が巨額かつ不透明な建設費、三つ目が、情報公開が不足しているのではないかという、三つ申し上げたところでございます。移転を延期した後、専門家会議を改めて開いて、また、市場問題プロジェクトチームでさまざまな検証をしていただきました。
その中で、主要な建物の下に盛り土がなされていなかったこと、それから、地下水への対応。環境基準などの問題、それから、市場会計の持続可能性といったような、これまで議論の対象にあまりなってなかったようなことも光を当てて検討を重ねたということであります。
市場の用地については、改めて専門家会議を開いたと先ほど申し上げました。ここでの検証で、法的、科学的な安全性についてのご確認をいただき、また、提言をいただいて、将来のリスクにも備えた追加対策工事を行い、大気への暴露を防止するなど、さらなる安全性の向上を図るということができたと考えております。
こうしたさまざまな検証の過程や測定データについて、情報公開を徹底しております。いろいろなデータをホームページに載せてあります。見ていただきたい。その姿勢と、もちろん数値もそうでありますけれども、そういったことが信頼を呼ぶのではないか、また、検証、対策、確認という一連のステップをオープンに進めるということで、市場移転問題に対しての都民の皆さん、それから、市場関係者の理解を深めることに努めてきたところでございます。
よって、この2年間、「無害化」という言葉が飛び交ったときもございました。それから、それについての議会での附帯決議が設けられたこともございました。そういったいくつかの課題がある中で、今申し上げましたようなステップを経て、今日に至ったということであります。
いずれにしましても、移転はしっかりと進めて、業者の皆様とともに、この豊洲市場、築地が、これまでの83年間の間に世界的にも大変ブランド力を高めた。そのブランド力を高めた皆様方が豊洲に移られて、今度は豊洲ブランドというものをともに築いていければ、そして、豊洲を日本の中核市場として育てていきたいと考えております。

【記者】次に、先ほどですけれども、都議会の三定が閉会しまして、注目の人権条例も可決をしたということで、ただ、その施設の利用制限基準の検討などは今後ということで、言論の自由との関係を不安視するなど、そういった声もあるということで、基準策定で留意をしていく点について、ご説明いただければと思います。

【知事】ご指摘のように、今回の定例議会において、人権条例がお陰様で可決されました。そして、東京2020大会のホストシティでありまして、オリンピック憲章に謳われております人権尊重の理念を実現することが不可欠ということから、今回、人権尊重のための理念の実現を目指す条例を提案いたしまして、可決していただいたところでございます。
人権については長年、この東京都でも例えば17の項目についての取組も進めてまいりました。それに加えて、誰一人取り残すことはないという姿勢の下で、ヘイトスピーチの問題であるとか、今回のLGBTなどにも取り組む、そのような条例を可決していただいたところでございます。
公の施設の利用制限などについては、今後、学識経験者などにご意見を伺うということも今回指摘されております。制限の運用においても、第三者機関で審査会の意見を踏まえて判断するということとなっております。
これらのことにつきましては、今回いろいろと真摯にご審議いただいた議会での内容も踏まえ、そしてまた、今回盛り込みました条例の中身、内容をしっかりと踏まえながら、多様な個性が輝いて活力溢れる東京の実現に邁進したいと考えております。

【記者】昨日になりますけれども、会計検査院が、五輪関連事業費の支出の状況について、8,011億円との検査報告を公表しました。うち、約7,000億円が、組織委が試算する大会経費という中に含まれていなくて、実際の規模感が不透明だというような指摘も出てます。
一方、都は、今年の1月、20年度までに関連経費が8,100億円、恒久施設の整備費などを加えると1兆4,100億円という試算は出してるんですけれども、これまでの関連経費の支出の状況がどうなっているかというところと、あと、今回、規模感の透明性という指摘がありましたけれども、それを確保するために、こんなことを考えているということがあれば、ご説明いただければと思います。

【知事】ご質問にもありましたように、今年、平成30年度の予算案を公表する際に、大会に直接必要となる、まず大会経費、それから、それ以外にかかる大会に関連する事業。要は、大会を契機として取り組む事業。この二つについて明確にお示しし、後者については、平成29年度から32年度までの4年分の大枠が8,100億円だという規模感をお示しさせていただきました。
これは、そもそも本来、行政目的に行われるものでありますけれども、この大会を契機として重点的に取り組む。例えば、バリアフリー化、それから、インバウンドの観光客を増やしたり、災害のときにいろいろな言語でちゃんとお伝えができるような多言語のサイネージなど。ですから、オリンピック・パラリンピックのホストシティとして、こういったものを2020年の大会を契機としてさらに充填するといったようなものを盛り込んだものでございます。
結果として、それがレガシーになるというものも、当然含んでいるわけでございます。
これについては、以前から既に公表させていただいておりますけれども、私、これからも、この予算については、しっかりと節目節目でチェックしながら、この都民の皆さんの大切な税金が有効に使われるようにということで考えております。
もう一度申し上げますと、「大会に直接・密接に関わる事業」として、バリアフリー化、多言語化、それから各種ボランティアの育成・活用、それから教育や文化プログラム、それから「大会の成功を支える関連事業」として、例えば、無電柱化をコアエリアで進めていくなど、これを重点的に行う。観光振興、それから東京や日本の魅力発信ということで、文化の面。こういったことについては、これからもしっかりと皆様方にご説明していきたいと考えております。
今回、国についての会計検査院のチェックということですが、往々にして、国の予算の、国会議員としての経験から言うと、特別枠というのを設けて、そのときにIT関連とか、働き方改革関連とか、そういうのでバッとまとめる傾向がございますけれども、そういった中で、この積み上げになっているのかなと思った次第でございます。

【記者】幹事社からは以上です。
各社さん、よろしくお願いします。

【記者】テレビ朝日の古武家です。築地に関してなんですけども、6日(土曜日)に閉場して11日(木曜日)に豊洲が開場する。それ以降、11日に豊洲が開場するということで、それ以降に解体工事がいよいよ本格化していくと思うんですけども、特に、やっぱり中央区に住んでいらっしゃる皆さんが心配されているところが、やっぱりネズミの問題、そしてアスベストの問題、そういうところを特に皆さん、ご住民の方が心配されていると思うんですけども、都として3,500億円、予算でネズミ対策に対して。

【知事】ネズミ、そんなにかけません。

【記者】失礼いたしました。3,500万円です。失礼いたしました。投入されているということで、これまでの対策で足り得るものなのか。この住民の方々の心配というのを、除去、あるいは、ネズミをちゃんと駆除できるのかどうかというところの受け止めについて、ちょっとお伺いしてもよろしいでしょうか。

【知事】築地市場が解体されますと、それまで住んでいたというか、そこにいたであろうネズミの行き場所ということについては、大変関心が払われているところかと思います。近隣の方々からすれば、「うちに来ないか」と心配しておられる、そのことは十分承知いたしております。
とにかく外部へ、市場から外へ逃がさないという、そこのための遮断をする。波板にすることによって上りにくいとか、それから、そこの下のところに、ちょっとタワシのようなものをヒューッと置いておくとか、それから、「ごきぶりホイホイ」のネズミ版と言った方がわかりやすいでしょうか。そういう粘着シートを置くなど、そちらの専門の方々のアドバイスとともに、対策していくということであります。9月からもう既にスタートしておりますけれども、11月にかけまして一斉駆除ということで取り組んでまいります。
あと、捕獲かごなど、ありとあらゆる方法でネズミを捕らえるということで、近隣の皆様方にちょっとでもご安心いただけるように、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

【記者】あともう1点なんですけども、ちょっとまた別の話になるんですが、10月1日(月曜日)からたばこが増税されたというところで、都として条例で受動喫煙禁止条例をつくられたというところで、喫煙者側からして、飲食店の中では吸えなくなってくる。そういうところで、外の喫煙所の整備というのを進めていかれるということだとは思うんですけども、なかなか現時点で進んでないという部分がありまして、特に、渋谷の駅前とかの喫煙所だと、もう喫煙所じゃないところで吸ってる人がたくさんいて、あんまり良くないのかもしれないですけど、吸い殻が落ちてたりとかということもあったりとかもするんですけども、そこを、そういったところでの、今後、受動喫煙防止条例を進めていく上で、建物の中で吸えなくなる、では、外でどういうふうに整備するかというところの動きをちょっと、見解を教えていただければと思います。

【知事】たばこが、税金分値上がりをするということでも、愛煙家の方はそれでも吸いたいという方々はおられるのだと思います。特に日本の場合というか、東京の場合、屋外の規制から始まったということから、今度は屋内からもということで、「では、一体どこで吸えるのか」という話はよく聞くことがございます。そういう中において、今、国の方の受動喫煙の法律が、健康増進法というのが改正されまして、それが今、さまざまな、法律ができたけれども、では、具体的にどうするかという政令とか省令とか、今その段階で取り組んでおられると聞いております。ですから、都の方としましても、そちらの方と上手く合わせていくという形で、今後取り組んでいきたいという構えでおります。
一方、屋外でありますけれども、これは、それぞれ都道にあったり、区市町村のところにあったりしますけれども、区市町村などともしっかり連携をしながら、見栄え的にも、また、実際にそこでたばこを吸われる方々にとっても、入りやすいといいましょうか、使いやすい形にしていくのかな。いろいろ工夫した方がよろしいかと思います。特に駅前などで、喫煙所で本当に多くの人がたばこを吸っていらして、逆に、「その前をベビーカーで子供連れていくのが嫌だ」とか、いろいろな声もお聞きしております。吸いたい方も、吸わない方も、ともに快適な東京であるためのさまざまな工夫も、今後も凝らしていきたいと思っております。
また、それぞれ保健所も絡んでくるわけでございまして、それらも含めて、その都の機関と、それから市町村の機関と連携がとれるような、そしてまた予算的にもサポートしていくということであります。

【記者】新宿新聞の喜田です。先ほどの五輪経費について、ちょっとお聞きしたいと思うんですが、17年5月のときには、五輪経費の総額が1兆3,500億円と試算されて、組織委員会と東京都が6,000億ずつ、国は1,500円。

【知事】1,500円は安過ぎます。

【記者】1,500億円負担するとしていたわけです。それで、これが今回は、総額にしますと1兆いくらだ、2兆か。2兆6,000億ぐらいになりますね、ザッと見ますと。最初、小池都知事の方は、ちょっと前は「2兆、3兆、とんでもない話だ」と、それを非常に批判しておりましたんです。それが、実際にはこういうふうに、2兆4,000、2兆6,000億になってしまいそうだということについては、どういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。

【知事】どちらも国の税金であったり、都の税金であったり、それは皆さん、タックスペイヤーの皆さん、納税者の皆さんのお金でございます。それから一方で、切符を販売したりということで、IOCからの収入など、インとアウトが明確になっているところだと思います。
私が指摘していたのは、やはりそこの中身が一体どうなっているのかということを、その当初から指摘させていただき、また、大会そのものの経費、つまり会場もいくつか新会場をつくります。今建設中であります。それから、古いといいましょうか、64年のときに使ったレガシーの会場も、これも改修をするなど、実際に大会そのものにかかる経費というのは6,000億円ということを上限に考えて、予算の配分や実施をしているところであります。
それから、プラスアルファで、先ほど申し上げましたように大会そのものと密接に関係しつつも、元来が行政的な経費、これが8,100億円規模になるということを今年5月に発表させていただいている。
中身については、今、先ほど申し上げたようなところでございまして、今も、例えば、暑さ対策などというのは、今年の夏を経て、大きな課題として改めて見直されている。ですから、その8,100億円の中でどう経費を、割り当てを有効にしていくかということを、これからますます詰めていかなければならないと思います。
いずれにしましても、大会の経費と、それとプラスの、大会を行うことによって、従来からの行政経費もあるけれども、大会を契機に重点化していくものなど、このAプラスBのところは、都の税金としては、使い方としては、さらに皆様方にもしっかりお知らせし、有効に活用して、そしてそれがちゃんと後世に残るような、そのようなことを念頭にしながら、これからも進めていきたいと思っております。

【記者】国立競技場について、1,500億円が国が負担すると。東京都は、そこの中で400数億、470億ぐらい、負担するというふうな話を聞いておりますが、この中に、いつも聞いてることなんですが、帰宅困難者施設については、先ほども災害用のサイネージについては言っておりましたけれども、この400億の中に具体的にもう確保されると、間違いなく。そのことは確定してるんでしょうか。それとも、これからの話なんですか。

【知事】約400億円、都から拠出するということをJSC法で定められて、東京都と国と、それからtotoで1対2対1というスキームが決まっております。そして、都が負担する費用の額、負担の方法について、JSCと都が協議して定めると、このような内容になっております。
今年8月も関係閣僚会議が開かれまして、JSCから整備費が変動、資材が上がったりとか、そういった変化があるという説明がありましたけれども、現時点では、まだJSCから支払いの請求が来ているわけではございませんけれども、これからも協議を行って、来年度竣工ということでありますので、これらのことについては、これからも協議を重ねていきたいと思っております。
そして、拠出する、最大の都としての理由というのは、防災の機能として、またスタジアムの中で防災の、ストックしておくための場所であるとか、そういったものを確保すると、このような中でこれまでも協議が行われてきたということであります。

【記者】避難場所についてはどうなんでしょう。

【知事】もちろん避難場所も含めて。

【記者】含めて。

【知事】はい。

【記者】何人くらいの収容になるんでしょうか。そこを知りたいんですよね。

【知事】それは規模から考えてもらえれば。

【記者】8万人ですか。

【知事】非常に多数だと思います。そのときによるかと思います。

【記者】オリンピックの収容人数は8万人と言われてますけれどもね、国立競技場は。

【知事】そうですね。でも、それは椅子席であって、どのような形でどうするかということについては、これからも詰めていきたいと思っております。

【記者】日本経済新聞の亀です。今日、三定の閉会日だったので、どうしてもちょっと工業用水道と人権条例についてお伺いできたらと思うんですが、今日、一部、反対討論などで、やっぱりちょっと拙速ではないかと、あとは委員会つくって継続的にもう少し審議したらどうかという意見がありまして、具体的には、自民党さんは両議案に反対されたわけですけれども、何かそれに対する、知事から反論がございましたらお願いいたします。

【知事】今回、合計で13、条例が成立いたしております。中でもメジャーな条例といたしましては、今ご質問がありました、いわゆる「人権」で、オリンピック憲章に謳われる人権尊重の理念と実現を目指す条例、それから二つ目が、いわゆる「工水」、工業用の水道条例を廃止する等の条例、長いですけれども、この二つが重要な条例であり、かつ、この二つに対して、自民党さんが反対に回られたのは大変残念なところでございます。
その理由で、今仰られた件でありますけれども、特に工業用水については、14年間ずっとこの課題について、特に老朽化ということが課題となって、有識者会議などで議論されてきた。よって、拙速どころか、どうしてもっと早く取り組んでくれなかったのかと思います。
そしてそれによって、実際に使っておられる方々が、もっと早くに安心できる状況があったのかもしれないし、そこに至るまでに廃業せずに済んだ方もいらっしゃるかもしれない。よって、拙速であるとかその手続き論のところ、重要な話もございますけれども、今や求められているのは、皆さんへのきっちりと内容をお知らせすると同時に、スピード感ではないだろうかと感じておりますし、それは責任を持って、これまで積み残してきたことについては、しっかりと対応していきたいと思っております。
また、人権については、今、これについても、国の方でも法律がつくられようとご議論されるとは存じておりますが、やはり2020年の大会、先ほどの大会経費とプラスアルファで、2020年に合わせて加速度的に重点的に進める経費、8,100億と申し上げましたけれども、それではありませんけれども、同じような形で、この人権やSDGsと言われている現代において、なすべきことは、都民の皆様方や議会の皆様方のご理解を得て、スピード感を持って進めていくのも大きな責任ではないだろうかと感じております。

【記者】共同通信の井上です。目黒区で5歳の女の子が虐待で亡くなった事件について、3日(水曜日)に厚生労働省の専門委員会が報告書をまとめまして、香川県の児相の方では危険度高いと認識していなかったこと、また、その転居に伴っての東京都との引き継ぎが十分ではなかったことなどが改めて指摘されました。
東京都では、検証部会でまだ議論続いていると思いますけれども、この件について受け止めをお願いします。

【知事】本件でありますが、またこのような悲しい事例を出してはいけないという思い、改めて重く受け止めていきたいと考えております。そして国の報告書では、「両自治体でも検証が行われていて、それぞれの個別の対応に関する詳細な検証については、両自治体の検証結果に委ねる」となっているわけであります。香川県が今回、早く出されたわけでありますけれども、東京都といたしましても、今、検証を行っているところであります。
とはいえ、検証は詳細に行うと同時に、なすべきこと、先にすべきことは、スピーディーにやっていきたいということで、子供の安全確認ですが、ここは一番肝心ですが、東京都として「安全確認行動指針」を策定いたしまして、48時間以内に安全確認ができない場合は、速やかな立入調査を行うということといたしております。
それから検証部会、香川は先に出されているということでありますが、この香川県の検証委員会と連携しまして、より詳細に事実を確認しながら検証を進めて、11月中を目途に公表する予定といたしております。
いずれにしましても、この結愛ちゃん、かわいい女の子の死を無駄にすることなく、このような事例が発生しない、そのためのしっかりとした検証を重ねていきたいと考えております。

【記者】東京新聞の榊原です。市場移転の問題にちょっと戻ってしまうんですが、移転に反対されて、築地市場が閉場して豊洲が開場した後も、複数の業者の方が築地で営業を続けたい、続けるというふうに言っています。改めてではありますが、これらの業者の皆さんに対して、知事としてどのように対応されていくお考えですか。それをお聞かせ願えますでしょうか。

【知事】一部、仲卸業者の方々、市場を閉鎖しても営業をやりたいんだという思い、その思いについては、やはり築地への愛着というのが非常に強いことを示しているという部分もあろうかと思います。
ただ、一方で現実問題として、速やかに、豊洲市場の引越が行われますと、その後、解体工事に着手することとなります。よって、安全性の確保ということもございますし、大規模な工事になりますので、お気を付けいただくために、10月18日(木曜日)以降は、工事関係者以外は中に入れないということではないと、工事の進捗に課題があるということでございます。
それと、いったん閉場してしまいますと、水道であるとか電気などを使えなくなってしまいますので、それらのことを考えますと、事業者の皆様には、それぞれ豊洲市場への移転を円滑に行っていただくようにお願いしたいと存じます。

【記者】MXテレビの白井です。すみません、ありがとうございます。練馬区の認可外保育施設で生後6か月の男の子が亡くなった件についてなんですけども、こちら、東京都が今年1月の時点で検査をしていて、指導も行っていたということで、今年度中にもう一度その検査、立入検査、確認するということだったんですけども、この男の子、遺族からしてみれば、生まれる前に、ある意味指摘していたということで、今後の指導体制のあり方など、今お考えのことがあればお願いします。

【知事】今回のケースにつきましても、まずはお悔やみを申し上げたいと思います。
今、質問にもありましたように、職員が、何度も施設は訪問いたしております。そして、立入検査の結果、平成27年から29年、3年連続で立入調査をして、昨年度は、併せて巡回指導も実施しているにも関わらずといったところかと思います。
今年の1月に実施しました立入検査なんですけれども、指摘した内容として、「保育従事者の数が不足している」、人が足りない。それから「児童1人当たりの面積が不足している」、狭い。それから「乳幼児突然死症候群予防への配慮が不足している」とか8項目指摘させていただいておりまして、そして残念ながら、こういったことが不幸な結果を、結果として呼んでしまっているのも事実であります。
ただし、今「8項目」と申し上げましたけれども、それなりに、事業者の方で改善をする努力はしてきた、八つのうち7項目までは改善されてきた。にも関わらずというのが何ともですけれども、これは、現在は警察の方が捜査中でございまして、そしてその亡くなった原因などを確認をすると同時に、都としても引き続き、実態の把握を進めまして、必要な指導を実施してまいるということでございます。
先ほどの結愛ちゃんの話もそう、それから今回の練馬の事件もそう、小さな命がしっかり守れるように、都としてもしっかり対応していきたいと考えております。
以上です。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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