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令和元年(2019年)8月9日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年8月9日)

知事記者会見
2019年8月9日(金曜)
14時00分~14時42分

知事冒頭発言

1 第101回全国高校野球選手権大会について

【知事】私から、ちょっと多うございますが、7件ご説明ご報告がございます。
その前に、今日は、府中にある東京都立農業高等学校都市園芸科の学生さんたちが、緑いっぱいの観葉植物の寄せ植えを2種類寄せてくれました。
まず1件目ですけれども、高校野球で西東京代表の国学院久我山高校が、昨日初戦を突破しました。令和初の東京代表でありまして、甲子園の初戦勝利をもたらしてくれました。先日、西と東の代表2校が表敬訪問に来られましたけれども、とにかく勝つんだということで頑張るとおっしゃっていました。見事に約束を果たしてくれたと思います。
明日が東東京代表の関東第一高等学校であります。都民、応援していますので、いつもの練習どおり全力で伸び伸びと戦って、勝利を勝ち取ってほしいと思います。

2 令和元年度東京都名誉都民候補者の選定について

次に、名誉都民の候補者が決まりましたのでお知らせいたします。今年度の候補者は3名です。まず、赤松良子さん、さいとう・たかをさん、「ゴルゴ13」ね。そして三宅一生さん、この3名の方を選定いたしたところでございます。
赤松さんですが、女性の社会的地位の向上を目指されて、男女雇用機会均等法の成立に、当時、役所の職員として、大変尽力なさいました。長きにわたって社会の改革を推し進めて、今もWIN WINという組織を立ち上げて、そのリーダーでいらっしゃいます。例の女性の候補者が少ないじゃないか、政治参加が少ないじゃないかというところの旗振り役として現在、90歳でいらっしゃいますけれども、大変活発に活躍しておられ、女性社会進出の先駆者であり、後進への支援を惜しまないという高い志をお持ちでございます。積極的に前進し続けておられる方であります。
さいとう・たかをさんですが、劇画の分業制を定着させて、長年にわたって多くの作品を描きおろされて、人気を博してこられました。財務大臣もファンだと、そのように記憶しております。「ゴルゴ13」は50年以上にわたって一度も休載されることがない。すごいですね。そして、記録的な長期連載作品で、世代を超えて多くの読者を魅了しているのはご存じのとおりです。劇画の先駆者として、今もなお活動を続けておられるということで、今回ノミネートされています。
それから、三宅一生さん。日本を代表するデザイナーで、コレクションや作品展などを通じまして、世界中からの支持を集めて、長年にわたって活躍されておられます。そして、身体とそれを覆う布、その間に生まれるゆとりであるとか間の関係を根源から追求するということで、「一枚の布」という考えのもとで自由な発想から研究、実験を重ねられまして、革新的な服づくりを現実化し続けておられるということで、私も時折愛用させていただいております。
3名の方々のすばらしいご功績ですが、人々に希望、そして活力を与えてこられました。そして、都民が敬愛して誇りとするものでございます。この選定につきまして、次の定例都議会でご同意をいただいて、顕彰式を行う運びとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
詳細は、生活文化局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:290KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 東京2020パラリンピック競技大会の開催1年前イベントの実施について

それから、オリンピックに続いて、今度はパラリンピック競技大会の1年前セレモニーが迫ってまいりました。8月25日日曜日になりますが、東京2020パラリンピック開催の1年前に、これを記念するイベントを行います。場所はNHKホール。IPCのケール副会長にご登壇いただきます。競技団体や会場自治体の代表の方など関係者をお招きいたしまして、パラ1年前のセレモニーを行うものです。
当日ですが、パラリンピックのメダルデザイン、先日はオリンピックのデザインが発表されましたけれども、今回はパラのメダルデザインが発表されます。オリンピックのメダルと同様に、これも全国の皆様から、都民の皆様から寄せていただいた古い携帯電話など、小型家電から集めました都市鉱山でつくった金、銀、銅のメダルになっております。すばらしいメダルが発表されますことを私も楽しみにしているところでございます。
パラの1年前セレモニーの中身ですが、これは招待制になりますけれど、広く都民の皆様にご参加いただけるイベントとなりますと、隣接した代々木公園のサッカー・ホッケー場、陸上競技場を使いまして、みんなのスポーツ×ファンフェスティバルというイベントを開催いたします。そこで車いすテニスの上地選手や国枝選手、それから、海外のトップアスリートでおられます走り幅跳びのマルクス・レーム選手などが出演することになっております。エキシビジョンのほかに、東京2020パートナー企業などによるブースもございますので、ぜひ多くの方々に足を運んでいただきたいと思います。
これはいつも申し上げていますけれども、オリンピック・パラリンピックはスポーツだけではありませんで、文化の祭典でもございます。そこで、25日の2日前、8月23日に、2020年に向けました文化の祭典、Tokyo Tokyo FESTIVALといたしまして、「No Border “ART×SPORTS” 芸術とスポーツの融合」と題したイベントを立川で開催いたします。
皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか、リオ大会の閉会式でダンスパフォーマンスを披露された義足のダンサー、大前光市さんでございます。すばらしいダンスでありました。それから、全盲のギタリストの田川ヒロアキさんとの組み合わせでパフォーマンスをご披露いただくこととなっております。あわせまして、この間も1,000キロメートル縦断リレーのときに来ていただきましたパラリンピアンの山本篤選手を交えましたトークショーなども実施いたします。芸術とスポーツが一体となる、そのような可能性、融合をお伝えしたいと考えております。司会は、スポーツにも詳しいというお笑いコンビのカミナリ。カミナリさんと呼べばいいのでしょうか。私も会場に伺う予定にしております。出演者の皆様と会場を盛り上げたいと考えております。
そのほかにもまだまだございまして、隅田川にかかります駒形橋など3つの橋に加えて都庁舎ですね、この都庁舎などを、パラリンピックのシンボルカラー、赤、青、緑、アギトスの3色でライトアップいたしまして、気運を盛り上げてまいります。こうした取組を通じて、1年後に迫りましたパラリンピックへの期待感をさらに高めていきたいと考えております。ぜひ、このパラリンピック会場が、満杯になるということによるパラリンピックの成功は、すなわち2020年の大会の成功につながる、そういう目標を持って進めていきたいと思います。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局、生活文化局及び建設局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:374KB)
(「東京2020パラリンピック1年前キャンペーンを開催」は、こちらをご覧ください。)
(「「No Border“ART×SPORTS”」を開催」は、こちらをご覧ください。)
(「隅田川橋梁群(駒形橋・厩橋・蔵前橋)の点灯開始」は、こちらをご覧ください。)

4 「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会(第2回)」の開催について

同じくパラ関係でありますが、第2回の東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会、長くてすみません、こちらの2回目の開催についてのお知らせです。この懇談会は、東京2020パラリンピック競技大会を盛り上げたり、大会を契機にバリアフリーを推進することを目的といたしております。学識経験者、パラアスリート、そして、それぞれいろいろな分野でご活躍されている方々にご参加いただいて、今年の6月にキックオフミーティングを開催したところです。
2回目ですが、8月21日、海の森水上競技場で開催いたします。海森のバリアフリーなどについても、実際に見ていただければと思っております。懇談会の名誉顧問は谷垣禎一さんで、ご出席いただく予定です。海の森水上競技場ですが、もうご承知のように、東京2020オリンピック・パラリンピックのボートとカヌーの会場となります。この会場を含めまして、都が整備いたします2020大会の競技会場は障害の有無にかかわらず、全ての人々にとって利用しやすい施設となるように設計段階で、障害のある方、それから学識経験者などのご意見をお聞きして整備に反映させてきておりますが、改めてこうした点を当日、メンバーの皆様にご覧いただく。また、今後の懇談会活動のアイデアなどについてメンバーの皆様と意見交換する予定といたしております。
懇談会のメンバーも増えました。パラリンピックを盛り上げてバリアフリー推進のムーブメントをさらに広げるということで、12名の新たな方々に加わっていただくということで、ご覧いただいてるような各分野で大変ご活躍中の方にお越しいただく、参加いただいて、合計しますと40名となります。今月は、先ほどお伝えしましたパラの1年前セレモニーもあって関連イベントが都内の各地で行われますので、パラのチケットの第1次抽選販売もちょうど始まるところでございますので、懇談会のメンバーにはご自身の発信力を生かしていただいて、いろいろな活動を通じてパラスポーツの魅力や心のバリアフリーを広めていただきたいと考えております。
そして、こうした応援をいただきながら、パラリンピックの観客席を満員にするということ、それから、あらゆるバリアのないダイバーシティーの実現に向けていくということで、引き続き取り組んでいきたいと考えております。
詳細は、政策企画局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:112KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 ラグビーワールドカップ2019日本大会の1か月前装飾の実施について

続いて、あと三つですが、ラグビーのワールドカップ2019はいよいよでございます。大会1カ月前ということで様々なシティードレッシングなどの装飾の実施についてであります。1カ月前が8月20日になりますけれども、全開催都市の試合会場の周辺などで、ご覧の、いろいろカラフルに並んでいますけれども、全国統一デザインの街路灯フラッグや横断幕などで一斉に装飾を行うものです。
都内での実施場所については、実際東京での会場になります東京スタジアムの周辺、それからラストマイル、ファンゾーン、都庁の周辺などといたします。これと連動しまして都内の商店街の皆様、東京都商店街振興組合連合会、東京都商店街連合会など、全面的な協力を得まして、東京都オリジナルデザインの街路灯フラッグを8月から順次掲載してまいります。その総数ですが、約1100商店街、4万3000枚のフラッグを予定いたしております。お近くのところで、商店街で見ることができると思いますので、ご覧いただきたいと思います。
また、東京スタジアムへのアクセス拠点は京王線になります。京王線新宿駅でこの装飾を行います。京王電鉄株式会社の全面的なご協力を得まして、京王線新宿駅の改札の内側と外側、それからホーム、大々的にこの大会やファンゾーンをPRしてまいりますので、ぜひご覧いただきたいと存じます。
それから、大会公式マスコットのレンジーです。このレンジーも大会の盛り上げの一翼を担ってもらう。例えばレンジーをかたどった、ご覧のモニュメントを、スタジアムとか、ファンゾーン、スタジアムへのアクセス拠点となる駅、空港、それから、ここ都庁の第1本庁舎の下にもう既にきらきらと光る感じのレンジーが二つそろって、白と赤とございます。合計16カ所に設置いたします。通りがかる皆様も、ぜひ一緒に記念撮影などしていただいて、それをSNSなどで発信していただければなと思います。
それから、もう1カ所、都庁にレンジーに出張ってもらおうというのが実はこの都庁第1本庁舎の2階に熊手がありますけれども、熊手にこのレンジーが乗っかるということで、期間限定でありますけれども、この特別な熊手はぜひお見逃しのないようにご覧いただければと思います。
開幕までいよいよ42日であります。日本代表も明日がもう既にアメリカ戦が予定されていて、それから9月に入って、強豪南アフリカ代表とのテストマッチということになります。前回のときもやはりこの南アフリカに勝ったというところから、わっと火がついたわけで、すばらしい試合になるようにぜひ応援していきたいと思います。これによって、ラグビーへの興味、関心がいよいよ高まってきているようにいたしたい。また、都としても大会の盛り上げにさらに力を入れていきたいと考えております。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:616KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

6 使い捨てプラスチック削減に向けた東京農工大学との協定締結について

それから、国立大学法人東京農工大と今朝ほど会議をいたしました。これは、東京農工大と使い捨てプラスチックの削減に向けた協定の締結ということで、今朝ほどお目にかかったところであります。これは、今年5月に開催した大学との定例懇談会、今こちらのほうも参加大学が増えているところですけれども、様々な分野で専門の先生方がおられる、研究室をお持ちになったりということで、各大学にいろいろな協力を依頼したところです。今回、東京農工大学から使い捨てプラスチックの削減に関しての先進的なご提案をいただきまして、そして、都と大学とが今日、協定を締結したということであります。
この取組でありますけれども、3R、Reduce、Reuse、Recycle、それに加えて大学ならではで、Renewable。これは再生可能資源への代替品について。それから、Research、これこそ大学ということで、Rが二つ増えまして、合計5Rとなります。今日は大野学長がお見えになりまして、大学構内のペットボトルや使い捨てプラスチックの削減だけではなくて、プラスチック汚染や代替素材などに関します先進的な研究、そして、社会への情報発信に取り組まれるというところで、大変心強いお話をいただいたものでございます。
他の大学との連携についても順次調整を行っておりまして、せっかく東京都にある大学の皆様と、予算の面でも既に連携いただいているわけですけれども、様々な面で都民の皆様へのサービスをより向上していくなど、いろいろな面でのご協力をお願いするところです。こういった取組を通じまして、使い捨てプラスチックの削減に向けた機運も高めていきたいと考えております。
詳細は、環境局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:135KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

7 レンタカー・カーシェアリングにおけるZEV導入促進事業について

次に、同じく環境関係でありますけれども、ゼロエミッションビークルの普及促進を図るための取組についてのお知らせで、最後になります。以前から東京都は2030年までに都内の乗用車、新車販売台数に占めますZEV、ゼロエミッションビークルの割合を5割とすることを目標としまして、様々な取組を推進しているところであります。
今回はZEVの普及を促進する取組の一環としてレンタカー、カーシェアリングの事業者と共同事業を実施するということであります。具体的にはEV、電気自動車、それから、FCV、燃料電池自動車、この利用料金を通常のコンパクトカークラス料金以下の6時間3,000円から5,000円程度という手ごろな価格に設定して、都民の皆様のZEVの利用機会を作っていくということで、ZEVに乗ったこともない方々も、料金を安くすると一度乗ってみようということになろうかと思いますので、これらによって利用機会の創出が目的であります。
決定いたしました事業実施者と導入台数でありますけれども、電気自動車のほうが4事業者60台、燃料電池自動車が3事業者で計40台となっております。今後各事業者と協定の締結を行いまして、今月から順次事業を開始いたします。そして、令和3年3月まで実施する予定でございます。ZEVについては、既に区部でも、多摩地域でもそうでありますけれども、一部の島しょ、島でも取組を進めているところであります。
今回のこのカーシェアリングや車のレンタルですね、導入予定時期、配備地域などは環境局と事業者のホームページなどで順次公開して参ることといたします。それから、車両には、やはり広めていく必要がございますので、ZEVだということが一目でわかるように、ゼロエミステッカーを張っていただいて、走行時などにPRも行っていただきたい。この機会に一人でも多くの都民の方にZEVを体験していただきたいということでございます。
ということで、今日は7本、たくさんになりましたけれども、私からお伝えしたところでございます。以上です。
詳細は、環境局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:92KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】8月の幹事社、NHKの成澤です。幹事社からまず3点質問したいと思います。
まず1点目なんですけれども、冒頭にありました東京パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会について伺いたいと思います。
パラリンピックの気運醸成について、現在盛り上がっているのかとかですね、まだまだなのかとかですね、知事の現状認識、気運醸成についての現状認識をまずお聞かせください。その上で、懇談会にですね、多岐にわたる分野の新たなメンバーが加わるとのことですけれども、さらなる気運醸成に向けて新メンバーに期待することなどありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

【知事】はい。いよいよパラリンピックも1年前と迫ってまいりました。そのタイミングで2回目の懇談会を開くことといたしました。場所も、せっかくですから、実際の大会会場にいたしまして、パラリンピックのアスリートの方もおられます。そしてまた、障害を抱えた方もおられます。そういった方々とともに、よく見ていただいて、また、ご意見もいただきたいと思います。
また、パラリンピックについては、最近、皆様報道機関でいらっしゃいますが、大変力を入れていただいていることを感謝いたします。そして、このパラリンピックについての都民の、また、国民の意識というのも大分高まってきているのではないだろうかと思います。パラのほうのチケットの販売も間もなく、8月中になるかと思いますけれども、ぜひオリンピックのときに何分待ちといって、アクセスにご苦労があったかとは思いますが、その辺は大分技術的な面で改善はされていると思いますが、ぜひパラリンピックのチケットの申込も、皆様にご協力いただいて、できるだけ多くの方々にご覧いただきたいと、このように思います。
また、特にパラリンピックはやはり今、東京が目指している、例えば64年のときは成長につながったわけでありますけれども、これは社会であり、経済であり、日本の大きなスプリングボードになったわけでありますけれども、この2020年の大会、特にパラリンピック大会を行うということは、持続可能な成長に加えて、成熟というもう一つの大きなテーマ、これを満たす、もう不可欠なところだと思っておりますので、そういう意味でもしっかりと、このパラリンピックを、またスプリングボードとして、東京が誰にとっても、障害のある方にとっても、ない方にとっても、また、高齢社会においても住みやすい街にしていく、そういう意味で、今回新たに12名の方もお加わりいただきました。
いろいろなテレビやコンサートなど、客席の皆様やテレビカメラの向こうにおられる多くの視聴者の方々に語りかけるような機会の多い方に特にご参加いただいて、大変感謝いたしております。そして、そういう方々を通じて、パラリンピックに対してのご興味をさらに高めていっていただければと思っております。

【記者】次、2点目です。日韓関係の悪化によるスポーツへの影響について伺いたいと思います。
韓国北東部にある江陵市はですね、8月16日から日中韓3カ国のカーリング女子チームを集めた大会を開催する予定だったんですけれども、日本側にチームを招待するのが難しくなったと伝達したことを明らかにしています。日韓関係の悪化がスポーツの世界にも影響していることについて、知事の受けとめをお聞かせください。また、日韓関係の悪化による東京オリンピック・パラリンピックへの影響というのをですね、あって、あるべきじゃないとは思うんですけれども、そういったことをどのように見てらっしゃるか、お聞かせください。

【知事】いや、それはスポーツの世界で、この友好的なというか、そのような交流が中止になるというのはとても残念なことであります。ほかにも友好姉妹都市とのイベントが中止などと報道されているわけでありますけれども、とても残念な流れではないかと思います。特にスポーツというのは政治と関係はないというのが、例えばIOCの精神などはまさしくそういうものであります。それから、様々な文化交流、姉妹都市交流というのも、これは国民と、あちらの国民との関係などでありまして、これもこう、全部ひっくるめてしまうということはとても残念なことだと思います。
また、これについては、むしろスポーツを通じて相互理解が深まるということがよりよい姿ではないかと思いますので、いずれにしましても、政府には引き続き外交上の努力も重ねていっていただきたいと思っております。

【記者】すいません。最後、3点目なんですけれども、都立の工業高校について伺います。入学試験で定員割れが相次ぐなど、都立の工業高校の生徒の確保というのが難しくなっている中で、東京都の教育委員会は、企業や中学生などに工業高校のニーズを尋ねる大規模な調査を初めて行うことになりました。まず、これについて知事の受けとめをお聞かせいただきたいのと、工業高校のあり方についてですね、知事はどのように考えていらっしゃるか、あわせてお聞かせください。

【知事】都立高校のあり方については、ちょうど今年の受験のシーズンの頃、例えば日比谷高校でもう一度受験、2次募集というのが大変話題になりました。今、私立の事実上の授業料無償化など、様々な異変が起こっているところかと思います。
そして、今お尋ねの都立工業高校の件でありますけれども、中には、例えばデザインを教えている、例えば工芸高校などは大変倍率も高いのですね。そして、それぞれ特色のあるところなどは競争率が1を超えるということであります。工業高校というのは、基本的に東京の産業を支える人材を育成する重要な役割があるわけでございますけれども、入学希望者は残念ながら減少している傾向で、これは今の時代に求められる工業高校のあり方を検討せよと言っているのではないか。企業が求める人材像や知識、技能などに関しての幅広い、まず調査を行うことによって、ニーズを、都の教育委員会が行うということで、しっかりやっていただければと思います。
工業高校の実態が、実際に中学生や、その保護者の方々に理解されていないということも1つの課題だと、このように考えております。よって、今年度から工業高校の実態を知ってもらうという様々な取組、各学校で実施しているところですけれども、例えば工業高校の卒業生のロールモデルを、中学生向けの説明会でPRするとか、学校案内を刷新するなど、積極的な広報活動も続けていただきたいと思います。
要は、やはり都立工業高校の魅力を高めるために、どういう人材が今望まれているのか。例えば、IT系の人材確保のために、日本の企業でも、給与体系というか、報酬を見直したりしているわけですね。その人材が足りないと言っているわけですから、その人材を高校から育てるというのは、もう調査を待たずとも必要な分野ではないかと私は思います。また、教えるほうも、様々な経験を積んだ方々に来ていただいて、そして、実際に学生に教えるということがあってもいいのではないかと私は思います。その技術革新があまりにも速いというのが現実ですから、教えるほうもまたそれについていくどころか、先を行って、子供たち、学生に教えなくてはなりませんよね。
そういう意味で、いろいろな意味で、工業高校含め、都立高校のあり方というのは、やはり次の東京を担う人を育成する大変重要なところでありますので、今回調査されたその結果なども分析しながら、さらにこれからの東京のあり方、長期戦略などにも生かせるような、そういった方向性を持っていく1つのモデルケースになろうかと思います。大変いいご質問ありがとうございます。

【記者】MXの奥野です。今週6日に京成線で停電が起きて、その中で乗客が熱中症の疑いで救急搬送されるというトラブルがありました。今日は国のほうでも緊急会議が行われているということなんですけれども、来年の東京大会控えて、万が一このようなトラブルが起きた際に、避難誘導の対策ですとか、都として何か対応ができるのかについてお伺いいたします。

【知事】その報道には接しております。皆様、熱中症で救急車で運ばれたり、また線路をずっと歩かれたりということでご不便があったかと思います。危機管理という観点では、ありとあらゆる想定をしなければなりません。電力もそうでありますし、暑さ対策もそうであります。
例えば、停電が起こったりすると、鉄道とはまた別路線、別回線かとは思いますけれども、それによってエアコンが動かなくなったときにはどういう対応をすべきかとかですね、様々な危機管理を想定しながら対応できるようにしておく、特に大会期間中の外国の方々などがいらっしゃったときに、それに対してのアナウンスをどうするか、とかですね。それらも含めて、総合的にしっかり対応できるように、細かな部分も含めて、改めて今回の鉄道における停電についても、一つの課題とした取り上げた上で、ソリューション、解決策はきちんと持っておきたいと思っています。

【記者】朝日新聞の丸山です。愛知県内で8月1日に始まりましたあいちトリエンナーレの企画展につきまして2点お尋ねしたいんですが、この企画展は慰安婦を表現した少女像などが展示されたことをめぐりまして、多数抗議の電話やテロ予告のようなファクスが殺到するなどして、安全確保などを考慮して中止を3日にされました。このことへの受けとめをまず率直に教えていただきたいのとですね、この件に関しては、名古屋市の河村市長が展示内容について日本国民の心を踏みにじるものがあるということでしたり、血税でこれをやるのはいかんとおっしゃったりしておられます。大阪市の松井市長でしたり、大阪府の吉村知事も展示の内容に踏み込みまして、あと、公金を投入してやることへの、やったことへの疑問を表明されておられます。
一方で、愛知県の知事の大村さんは税金でやるからこそ、表現の自由は守られなければいけないですとか、公権力を持つ立場の人が、この内容はよくて、この内容はだめだということは検閲ととられても仕方ないというふうにおっしゃっておられます。都もたくさん、文化施設でしたり、イベントにかかわっておられますが、知事はこの議論に関して、ご自身、どのように今考えておられますでしょうか。
また、公権力を持ち、文化政策のトップでもある首長さんが、その展示内容に関して介入されるということ、また指摘されるということは検閲に当たると思われますでしょうか。この2点について、長くなりましたが、お願いいたします。

【知事】これ、そもそもやめられたのが、脅迫によってやめられたという、これは一番最低な話だと思います。ガソリンを、ちょうど京都の事件があった後ですから、こういう形で脅しをすると、逮捕されたようでありますけれども、そのことはまず、一番忌みすべきところではないだろうかというのがまず1点あります。
それから、公金を使ってということでありますが、学芸員さんが多くの場合は選ばれるケースになろうかと思いますが、今回は学芸員さんというよりも、主催された方が選ばれたとも聞いております。そこにかなり、ご自身の意思が入っていたのかなと。東京都で行われて、かつて慰安婦を象徴したような、2012年に平和の少女像のミニチュアが公募展の主催者が展示されたということで、そのときは自主的に撤去されたと聞いておりますけれども、公金で、そしてまた、職員である学芸員が選択するということでありますので、そこが一つの区切りではないかなと思っております。様々な知事さんや市長さんがそれぞれ闊達にご議論されていることは、議論を深めるという意味では意味があるのではないか、その点のことを考えます。

【記者】テレビ朝日の前田です。すいません、都の監察医務院の調査で、監察医務院の調査で、7日までに53人が23区で熱中症で死亡しているという統計があるんですけれども、都としての受けとめと、今後何か具体的に対策などとられる予定など、検討とかあれば教えてください。

【知事】多くの方々が高齢だという、そのような報道などにも接しているところであります。多くの方、高齢者の方々で、エアコンをつけておられ、設置はしているけれども、使わないという例も結構あるのではないかと思います。こういう場合は、もったいない精神を逆に、控えていただいて、そして、お使いいただいたほうがよろしいのではないかということが1点。
それから、これについては、2004年か、3年か、欧州大陸が大変な高温に襲われまして、フランスだけで1万人を超える方々が亡くなられて、それはほとんどが高齢者で、フランスなどは夏でも涼しいところが多いので、もともとエアコンが部屋についてない。個々の部屋などに全然ついてないし、パリの街並み見ても、エアコンの室外機などご覧になったこと、ほとんどないと思いますけれども、そういうことで、多くの方々は高齢者で、持病を持っておられる、もしくは弱いというところに高熱が、熱波が来ると、それだけ多くの方々が亡くなられたということであります。
いずれにしましても、熱中症については、部屋の中でも、熱中症で亡くなられるケースもありますので、小まめに水を飲んでいただくとか、お部屋につけてあるエアコンは、ここはむしろしっかりとご活用いただければと思っております。
ぜひ、まだこれからも暑さが続きますので、そういったことで身を守っていただきたいと思います。

【記者】共同通信の清です。毎年9月1日に開かれている関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式なんですけれども、これに追悼文を寄せられるご予定はありますでしょうか。

【知事】昨年と同様で、その予定はございません。

【記者】理由をお聞かせ願えますか。

【知事】それは毎年申し上げてるとおりでございまして、毎年9月と3月に横網町の公園内の慰霊堂で開かれる大法要で、関東大震災、そしてまた、さきの大戦の犠牲となられた全ての方々への哀悼の意を表しております。大きな災害で犠牲になられた方々、そして、それに続いて、様々な事情で犠牲になられた方、これらの全ての方々に対しての慰霊という、その気持ちには変わりがないということでございます。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

 

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