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平成30年(2018年)9月28日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成30年9月28日)

知事記者会見
2018年9月28日(金曜)
14時00分~14時36分

知事冒頭発言

1 平成30年台風第24号について

【知事】それでは、私から、まずご報告をさせていただきます。
またまた台風がやってこようとしております。そこで、前もって皆様方にお願いをしておきたいと思います。今週末から週明けにかけまして、台風が西日本から北日本を縦断する勢いとなっております。今後、台風の進路によっては、秋雨前線とか、台風本体の影響で、明日以降、首都圏にも影響がある恐れがございます。台風が接近して交通機関の運休、遅延などが発生することもあるかと思いますので、週明けの通勤時間帯には十分な警戒をお願いしたいと思います。
都といたしまして、総合防災部を中心に気象庁など関係機関と連携いたしまして、被害などの発生に備えて情報収集する。そしてまた、台風21号のときは、強風、高潮で関西を中心に大きな被害が出たわけでありますが、都におきましても、東京都防災ツイッターに台風関連情報を積極的に発信してまいりますので、都民の皆さんも最新の気象情報、それから交通情報などの運行情報に、交通機関の運行状況などにご注意いただきたいと思います。
また、あらかじめ、危険な場所や避難経路を確認しておくなど、早め早めの行動をお願いしたいと思います。それから、必要なときは避難するということをためらわない。そのことを、この夏のさまざまな災害で、それは教訓になっているのではないかと思いますので、ためらうことなく、「逃げるときは逃げる」ということをお願いしたいと思います。

2 ラグビーに関する取組について

それから、ラグビーに関連してでありますが、いよいよ、ラグビーワールドカップの開幕まで1年ということで、先日も1年前のイベントを行いました。ラグビーの体験といってもあまり上手くはできなかったのですが、大会に向けてさらに気運の醸成を図っていくということであります。
そこで、11月3日(土曜日)、祝日になりますが、日本代表と、あのニュージーランド代表が対戦するテストマッチが、ラグビーワールドカップの会場となっております東京スタジアムで開催されます。是非、この機会に会場に行って“生"の迫力を体感していただきたいと存じます。できるだけ多くの方に見ていただきたい、楽しんでいただきたいということで、都内にお住まいの方など、100組200名を、試合にご招待するというものでございます。是非、応募していただいて、ラグビーのあの迫力を身近に感じていただきたいと思います。
この試合のパブリックビューイングのイベントも行います。「東京ラグビーファンゾーン2018」と、これは有楽町インフォス、旧1000days劇場で開催する予定といたしております。ここでも、迫力ある試合の観戦ができますので、是非お越しいただき、応援していただきたいと思います。イベントでは、大型のスクリーンを複数台設置いたしまして、スポーツバーとか、カフェなど、お好みのスタイルでパブリックビューイングを楽しんでいただけるようにしております。そのほか、DJとアーティストによるミニライブなども実施する予定でございます。
それから、ほかにも、大会1年前の機会に合わせまして、ラグビーワールドカップ2019について、さまざまなPR事業を展開しておりますので、ご紹介していきたいと思います。
都バスです。都バスのラッピングで、大会マスコットの「レンジー」を活用したデザインになった都バスを、都内で11台運行いたしております。
それから、京王電鉄の車体のラッピングでありますけれども、東京スタジアムの最寄駅が「飛田給」でございますので、そこを通る京王本線1編成の車体を「レンジー」のデザインでラッピングして運行するというものであります。
それから、無電柱化に伴って、上にあったトランスが、最近は地上におりてきている。そうすると、また別の意味で利用価値が出てきておりまして、地上機器の歩道面に看板を掲出しているわけでありまして、銀座など、人通りが多い都内の五つのエリア、120基に「レンジー」と迫力あるラグビー選手の写真を使ったデザインを組み合わせての設置ということでございます。無電柱化の思わぬ効果の一つかもしれません。
それから、このほか、キヤノン株式会社にご協力いただいて、今度は小田急線であります。小田急線の「下北沢」駅の旧南口付近が連続立体事業になって工事がされているのですが、その工事の仮囲いに、加えて調布市にもご協力いただいて、調布駅前の工事の仮囲いに、ラグビー選手の迫力ある写真を使った大型看板を載せてまいります。
こうしていろいろな取組を通じまして、ラグビーワールドカップに向けての盛り上げを図っていくということでございます。詳しくは、オリンピック・パラリンピック準備局に聞いていただきたいと思います。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:720KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 「BEYOND FES 丸の内」について

【知事】三つ目もスポーツでありますけれども、パラスポーツの選手や競技はたくさんあるわけでありますけれども、より多くの方々に競技会場で応援していただきたいということで、10月12日(金曜日)から21日(日曜日)まで、東京駅の丸の内仲通り周辺で「BEYOND FES 丸の内」を実施いたします。
10月13日(土曜日)と翌14日(日曜日)に、多くの「TEAM BEYOND」企業、そして団体のメンバーが所属するパラアスリートのトークショーを行います。それから、競技体験会も実施いたしまして、一緒にフェスを盛り上げていきたいと考えております。
それから、14日(日曜日)ですが、パラアスリートを応援する作品を募集いたしました「BEYOND AWARD 2018」の締めくくりとして、音楽パフォーマンス部門の最終審査・絵てがみ・音楽パフォーマンスの両部門の授賞式を実施いたします。授賞式には、去年も出ましたけれども、私も参加することといたしております。
また、このフェスに先行いたしまして、来週から山手線の車内広告、それから東京駅構内、丸の内周辺のビルなどで、パラアスリートの迫力ある写真とメッセージを組み合わせましたパラアスリートの紹介や、それから、今後開催されます競技大会の情報のお知らせを展示して、広く周知するというものであります。
フェスの期間中の20日(土曜日)ですが、渋谷区の主催でウィルチェアーラグビーの大会が行われまして、こちらの観戦会も実施いたします。ウィルチェアーラグビーなどは、アイスホッケーは、私は平昌でも見ましたけれども、本当にすごいです。もうガッチャンガッチャンとぶつかり合う、あれはものすごい迫力だし、日本選手もとても頑張っておられるので、是非応援を兼ねていらしていただきたいと思います。
それから、その中で、先日の世界選手権で金メダルを獲得した日本代表選手も多数参加していただきますので、是非会場にお越しになってエールを送っていただきたいと思います。
これら取組を通じまして、パラスポーツのより一層の盛り上げを、皆さんとともに進めていきたいと存じます。
詳細は、オリンピック・パラリンピック準備局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:296KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 小学校での特別授業(環境学習)の実施について

【知事】それから、環境大臣のときも、よく小学校などに出前授業をやってまいりましたけれども、今度、10月4日(木曜日)に、品川区立第三日野小学校を訪れて、4年生の子供たちに、「海ごみ」に関します特別授業を行うことといたします。
授業のテーマが、「『海ごみ』を減らすためにできることを考えよう」ということであります。昨今、「海ごみ」は、ご承知のように、先ほども、庁内における紙ストローの導入ということで、お集まりいただきましたけれども、地球規模の環境問題として大変注目されている。街でポイ捨てされたプラスチックが、川を通じて海に流れ込むという具合になっている。東京からも「海ごみ」が発生しているのも事実であります。こうした現状をできるだけ子供さんが理解をして、海を汚さないために一人ひとりが考えて、日常生活の中で取り組んでもらう、そして地球のことを考える、自分は何ができるかを考えるということで、小学校に行ってまいりたいと思います。
具体的には、まず、「ポイ捨てしないでね」、「地域の清掃活動にも参加してね」、それから、「すぐごみになっちゃうものは使わないでね」といったようなことを、子供たちと一緒に共有したいと思っています。「あっ、これだったら自分もできるわ」と思って行動することが重要ではないかと思います。
今回の特別授業は、次世代を担う子供たちにこういうことを伝えていく。そのことは、おうちに帰ると、「ママ、こんなことを、今日は小池さんが来たよ」と言って、そして、そこでまた会話が始まるというのは、とても自然な環境学習だと思っておりますので、久々にそうやって、小学校の子供たちの前で授業を行うことを、私自身も大変楽しみにしております。
それから、もう発表しておりますけれども、10月31日(水曜日)までの間は、都民の皆さんに、今のこのプラスチックストローに代わるアイデアを募集中であります。ですから、この品川の小学校の子供たちにも、「さあ、どんなアイデアがある」と聞いてみたいと考えております。記者の皆さんもどうぞ、「こんなアイデアはどうか」ということでお寄せいただければと思います。誰かがやるのではなくて、「私がやるんだ」というのが基本になるかと思います。
詳細は、環境局及び教育庁にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:169KB)

5 都庁職員食堂における「ベジ・メニュー」について

【知事】次に、「ベジ・メニュー」はわかりますか。ベジタリアンの方々が、これからもさらに東京オリンピック、それからインバウンドのお客様でいろいろな方が来られるときに、ハラールもそうでありますけれども、こういう食事も多様化していくということも必要と。それを「隗より始めよ」で、この都庁の食堂で行うということであります。
これは10月1日(月曜日)から新たなメニューとして「ベジ・メニュー」の提供を開始するので、皆さんもこの都庁の食堂で召し上がっておられるかとは思いますので、是非この「ベジ・メニュー」を試していただきたいと思います。
第一本庁舎と第二本庁舎、2か所の職員食堂があるわけですが、そのうち、第一本庁舎32階の職員食堂、そちらで10月1日(月曜日)にちょうどリニューアルオープンすることに合わせまして、毎週月曜日が野菜、それから植物性の食品のみを使用したベジタリアン対応の料理、「ベジ・メニュー」の定食を提供するというものであります。また、定食以外に、野菜小鉢などの単品の「ベジ・メニュー」も、月曜日から金曜までの毎日、第一本庁舎そして第二本庁舎の食堂で提供いたします。
今も申し上げましたように、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えている東京でございます。これからも多くの観光客の皆さんが訪れられるということで、この機会を捉えまして、多様性を尊重し合いながら、「食」についても楽しむことができる魅力的な都市として、東京を成長させていきたいと考えております。
都庁の職員食堂ですが、職員の皆さんだけでなく、もちろん皆さんもそうでありますし、観光客でも誰でも利用することができますので、ベジタリアンの方もそうでない方もちょっと「ベジ・メニュー」を試していただければと思っております。
詳細は、総務局にお聞きください。
以上、私の方からは、何点かお伝えをさせていただきました。

(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】9月幹事社の東京新聞の森川です。冒頭、幹事から一つ質問させていただきます。北海道の地震で東京都が提供した液体ミルクが、昨日時点でも保管されたままになっていると聞いています。現地では、「馴染みがない」と、ためらいの声もあると聞いています。こういう、馴染みがない防災品の使用については、ちょっと課題も出てきたのかなという気がします。例えば、情報提供をもっとできなかったのかという辺りとか、都内で災害が起きたときも同じような状況になってしまわないのかなという気もしますが、この辺り、知事、どのようにお考えでしょうか。

【知事】これは、御社の記事。

【記者】そうです。

【知事】はい。すごいよね。「危険、飲むな」って書いてあるのね。

【記者】書いてますね。

【知事】これは、誰が張ったのですかね。

【記者】ちょっとわからないですね。

【知事】今回、東京都から提供させていただいたときに、北海道庁のご担当の方に、6か月未満と、6から12か月用ということで、それぞれ、もっと簡単にしても良いぐらいだったのですけれども、注意書きも、送らせていただいた分だけ、ペーパーも付けてお送りさせていただきました。
そもそも、今まだ日本ではつくっていないので、知られていないのは事実であります。ただし、水がない、ガスがない、電気がないといったときに使えるからこそ、こういうときには出していて、だからこそ、緊急の物資としてあります。ですから、まだ知られてないことは事実でありますが、逆に、こういったときに知らせることによって、急にストレスで母乳が出なくなったお母さんや、水、ガス、電気が使えないといったときに、「あ、こういう代替品があるのだ」ということで知っていただく。ですから、緒に就いたばかりではないかと思います。
それから、ご承知のように、既に液体ミルクのあり方ということで、ようやく厚労省の方でも基準を作っていただいておりますので、今、業界などもいろいろな動きがあると聞いております。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大君、「君」なんて言っては駄目ですね、田中さんの奥さんの里田まいさんが、いつか、私は覚えてるのですが、ツイッターで「液体ミルクって、海外ではね、普通に使われて便利」とかいう、ちょっと中身は忘れましたけども、そんなことを発信しておられたのを覚えておりますが、日本にはないということで、世界では広く使われて、逆に言えば、これをきっかけに知ってもらえれば良いと思いますし、これはいざといったときの、今、緊急物資として東京都でも保管しているわけでございますので、これはまた、いつ何時この必要が、出ないのが一番ですが、そのときまでに保管して、そして必要ならばご活用いただきたいと思います。
ちなみに、熊本地震などのときも送っておりますけれども、使い方などもしっかり伝わって、お使いいただいたと聞いております。そもそもは東日本大震災から始まっているということです。その旨を、是非、皆さんはペンの力できっちりとお伝えいただければと思います。

【記者】幹事からは以上です。それでは、各社さん、どうぞ。

【記者】フジテレビの小川です。すみません。東京都の都市ボランティアじゃなくて、組織委員会の大会ボランティアの件なんですけれど、「応募フォームが難しい」という声が非常に多く上がっていまして、開催都市の首長としてのご意見を聞かせていただけたらと思います。

【知事】今週の26日(水曜日)から、東京2020大会の大会ボランティアと都市ボランティア、両方の募集が始まりました。ちなみに、昨日、たまたま、私は「どんなフォームになってるのかな」と思って、試しに都市ボランティアの方に登録してみました。一言で言うと、約5分でできました。「職業欄のところに何て書こうかな」と思って、「知事」と書こうかなと思ったけれども、「ひょっとして人数が多くて落ちちゃったとき、どうしようかな」と思ったので、一応、「地方公務員」ということで、職業欄には書いておきました。大体5分ぐらいで、必要な、「必ず書いてください」というところも全部埋めて、「登録されました」とメールで戻ってきました。
それと同時に、またこのメールアドレスでもって、いろいろな情報がこれから来る。どんな情報が来るのか、私自身がチェックしたいので、オリパラ局の皆さん、頑張っていただきたいと思います。
大会ボランティアの方は、私は、「非常に書く欄が多いな」という印象でありますので、また、そちらの方も「地方公務員」でエントリーしてみたいと思います。
例えば、都市ボランティアの方は、会場の近くの駅などでご案内するといったような役割になって、大会会場の外回りが主になるかと思いますけれども、3万人。募集するのは、現実には2万人近くということにはなりますけれども、4人1組で、お友達同士で、自分がスキルを活かしたり、何よりもおもてなしの心を持っていただける方なら、是非皆さん、ご応募いただきたいと思っております。
いろいろ始まったばかりで、そういう声を、是非、今のうちに出しておいていただければ、それぞれ、私どもの方のエントリーの仕方も、また大会の組織委員会側の方のエントリーの仕方も、どんどん研ぎ澄まされていくのではないかなと思っております。地方公務員からの声でございました。

【記者】MXテレビの白井です。中央区の築地市場の隣にある「場外市場」が、名前が「築地場外市場」で残るということになりました。「場外市場」自体は残ることは、元々決まっていて、都の施設ではないんですけども、その親しみのある名前が「場外市場」として残るということについての受け止めと、あと、今、都が検討を進めている築地再開発の、進めてらっしゃるかと思うんですけども、この親しみがずっとある名前が残ることによって、何かしらの影響ですとか、その連動とかも含めて、何か可能性の話でも構わないので、お願いいたします。

【知事】「場外市場」のネーミングについては、広く募集をされたということで聞いております。皆さんでお決めになって、また、この際、「場外」というのを「JOGAI」みたいな形で広めるというのも一つありかなと思います。
それから、では、その後、豊洲に場内が移転した後の築地市場でありますけれど、再開発については、やはり「築地というのはポテンシャルが高い」ということを何度も申し上げています。魅力を高めて、そして、それが一つの東京の持続的な発展につながっていくというようなことから、築地再開発検討会議で、「築地まちづくりの大きな視点」ということで、今年の5月に取りまとめしていただいたところであります。そこで、隣接する場外市場について、今も本当にすごい賑わいです。そして、そこで築地の食文化の拠点の一翼を担っていただいてきたわけですし、これからも、賑わいの維持・増進を図っていくということは重要だと。これは、まちづくりの大きな視点の取りまとめの中にも盛り込まれております。
行政としてのまちづくりの方針の検討を進めているところでございますけれども、これからも場外が、あの独特の賑わいを保ちながら、また、年明けには、まちづくりの方針の素案を、広く都民の皆さんの意見も聞くということにいたしておりまして、また、時間的なことを申し上げると、年度内に方針を取りまとめるということといたしております。よって、場外の皆さんがそのように決められ、また、引き続き築地の良さを担っていただければと思うところでございます。

【記者】新宿新聞の喜田です。この前、8月31日(金曜日)に、私が質問しました帰宅困難者のことで、そのときに帰宅困難者の対象人数について見直しをするように、私の方から申し上げたところ、小池都知事が「確認してご返事します」ということになっておりました。この件について、確認されて、見直しをされるのかされないのか、その辺について、今日、お伺いしたい点が1点。
もう1点あります。もう1点は、帰宅困難者についての、いわゆる条例を都でつくれないのかということを検討してもらえないかというお話をしたところ、「検討会議で議論を深めていきたい」と、このように、前回、回答されております。その検討、ひと月ちょうど経ちましたので、その検討の進捗状況などがあれば、お聞かせ願いたいと思います。

【知事】「92万人という数字、それは見直さないのか」という、そのようなご質問だったと記憶いたしております。帰宅困難者というのは、行き場がないということから、「帰宅困難者」と名付けられていることですけれども、その中身は、被災者のうち、会社や学校、宿泊場所など、言ってみれば、「身を寄せる場のない帰宅困難者」ということでございます。
それから、旅行者が増えているから積み重ねるべきではないかというお話かと思いますけれども、宿泊を伴う旅行者の方々は、ホテルなどに身を寄せることができるということから、行き場のない帰宅困難者とは、また別という整理になっているようでございます。ケース、考え方によっているようでございます。
仰るように、訪都外国人は増加しておりますけれども、今申し上げたように、基本的には宿泊先を伴っている旅行者で、行き場のない帰宅困難者の想定数に与える影響というのはほとんどないという考え方であります。
それから、元々の92万人に対しての対策はどうかというご質問になろうかと思いますけれども、行き場のない帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の確保は、今も約35万人分と、34万9,000人分ということでございまして、これについては、区市町村や民間事業者などとの連携を進めて、一時滞在施設の確保については、今後とも推進していくという考え方でございます。

【記者】条例の検討のところはどうなんでしょうか。

【知事】それもまた検討を重ねていきたいと思います。必要性も含めて。

【記者】では、まだ、今後もそれは検討課題の一つとして、取り上げると。

【知事】今、私が思うに、このところの災害の激しさであるとか、そういったことを考えますと、いろいろな意味で総点検を、先日もいたしました。そして、いくつかポイント、12項目を出させていただいて、タイムラインなどももっと設定してまいりましょうというようなことで、課題の見直しということをやっております。それら一つひとつ、「災害がいつかやってくる」ではなくて、もう「いつでもやってくる」という緊張感を持った対策にしていきたいと考えております。
今も、元々92万人のところが、対応が35万人に止まっていることなどを含め、これからもしっかりと災害対策、つまりは「セーフ シティ」の確立ということについては、しっかり取り組んでいきたいという考え方には変わりがございません。

【記者】ちょっと、今の関連になるんですが、国立競技場につくる帰宅困難者施設ですね。これについては、今現在どういうふうな状況になっているんでしょうか。

【知事】基本的に、都が400億円を拠出すると。それは災害対策用だということになっているわけでございます。そういう意味で、JSCになるわけですけれども、地域防災力を高める災害に強いスタジアムとして整備するということでございます。それに資する対策になっているのかどうか、東京都としても、しっかり確認はしていきたいし、400億円、都民の皆さんのためのお金が国立の施設に使われるということについて、その意味も含めて、しっかり見ていかなければならないと考えております。

【記者】共同通信の井上です。すみません。サマータイムについてお伺いします。昨日の自民党の研究会で、遠藤元五輪相をはじめ、結構、慎重意見が相次ぎまして、中間報告はまだですけれども、議論のスタートから、結構厳しい状況になっているのかなと思います。知事、先月の記者会見で、「メリットとデメリットがある」と、で、「国民生活への影響も大きい」と仰っていましたけれども、改めてサマータイムについてのご見解をお願いします。

【知事】今回は、自民党の方で、そういう議論がされているということを伺っております。これも、環境大臣当時ですけれども、サマータイムのプラス、マイナスということで整理いたしたところであります。つまり、省エネ対策として、どれぐらい効果があるのかなど、いろいろな分析もいたしました。
そして、今、もう、2018年の10月になろうとしている中で、これからの元号が変わり、消費税がどうなるのか、いろいろなプログラム、システムに関する作業というのは膨大なものが既にあろうとしている中で、環境大臣だったころと比べても、もしくはY2Kか、ミレニアムのとき、西暦2000年のときも、随分時間をかけてシステムチェンジというか、やったと思うのです。それを考えると、これだけデジタル化がさらに進んでいる世の中に、ITの技術者を、そこにまた怒濤のように入れることが、AI技術だ何だで、世界的な競争をやっているところに、人材の配分としてどうなのかなというような現実的な話もあります。
ただ、私は、逆に、よく「サマータイムにしたら、ますます日本人は残業するんじゃないか」、「働きっ放しになって、それこそ逆行するんじゃないか」というご意見がありますが、今の若い方々の働き方を見てますと、逆に、サマータイムで夕方の時間を活用するようになれば、また別のライフスタイルで、ナイトタイムエコノミーなどを提唱している東京都としても、新たな需要ができてきて、そして、人生を楽しむ機会が増えるきっかけになるのではないか。つまり、オリンピックというデッドラインが決まっていることを外せば、引き続き、サマータイムは検討しても良いのではないかなと思っています。
それと、何か混ぜっ返すようで恐縮ですけれども、私は北方対策沖縄担当大臣というのをやっていたときに、根室に行った後、沖縄に行きますと、大体2時間の時差というか、日の出と日の入りと差は激しいのです。日本は小さな国だとお思いかもしれないけれども、十分すごい広がりのある国で、私は、むしろ、北海道と沖縄で時差を付けたらどうだと。
北海道に商品市場をつくって、先進国で一番最初にマーケットがオープンするというのは、これは別の、例えば、金融、商品マーケット、シカゴとかああいうところと組み合わせていけば、例えば、シベリアのガスとか、石油とか、それから北海道の穀物とか、そういったところのマーケットをつくれば、金融のマーケットができるので、先進国の中で、ニュージーランド、それからシドニー、東京の前に一つマーケットをつくれば良いではないかということは、前から提唱いたしておりまして、「せーの」で変えるのではなくて、1時間サマータイムにするとかではなくて、北海道にサマータイムとか、何かそういう形でやっていくと良いのではないかなと。
でも、そんなことをすると余計混乱すると、飛行機の時間がややこしくなるとか、また意見もあるところかと思います。
逆に、中国は、あんなに広いのに一つの時間帯でやっているではないかと言われるのですが、それは中国共産党の政策上の問題ではないかなと思ったりします。
いずれにしても、今回、良いヒントを提供してくれているかと思いますので、サマータイムについては、私は全く否定的ではないし、むしろ、これをどうやって日本の、また働き方や、東京の一つの成長戦略の中の項目として考えて良いのではないかなと思っております。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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