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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年12月22日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年12月22日(火曜)
14時00分~14時24分

知事冒頭発言

1 「2020年に向けた東京都の取組-大会後のレガシーを見据えて-」の策定について

【知事】まず冒頭、4点ほどございます。
 最初は、大会後のレガシーを見据えた「2020年に向けた東京都の取組」を取りまとめましたので、お知らせいたします。「大会後のレガシーを見据えて」というサブタイトルがついています。
 11月に素案を公表して、パブリックコメントを募集しまして、143件のご意見をいただきました。また、都議会においても様々な議論をいただきました。これらも踏まえまして、新たな取組を打ち出しましたので、主なものを紹介したいと思います。
 まず、大会後の選手村のまちづくりについてですけれども、ごらんのように新たなコンセプトを明らかにしております。多様な人々が交流して快適に暮らせる、水と緑に親しみ、憩いと安らぎが感じられる、それから新技術の活用により環境に配慮を、こういうことがあります。
 次に、多摩・島しょ地域の豊かな自然をめぐる魅力でありますけれども、大会を機に東京を訪れる外国の旅行者の方々に多摩・島しょ地域に行っていただくために、観光ルートの開発、さらに多様なメディアを通じた情報発信を進めていきたいと思っています。
 さらに、今回、74項目の主な取組につきまして、大会までのロードマップを「行動計画」として、年次に従いまして明らかにしております。
 行動計画の例でありますけれども、例えば特別支援学校の体育施設を障害者スポーツの拠点の1つとして、活用するために、来年度、地域バランスや施設の状況等を考慮して、5校をモデル校として選定し、順次拡大してまいります。
 次はボランティアの育成ということで、ボランティアのリーダーを1年前倒しして、2017年度中に募集して、2019年のラグビーのワールドカップに間に合うようにすると。
 それから、大会成功の鍵は多くの都民の皆様が大会に関わって、自分たちの大会だと感じていただくことであります。そういう意味で、今回明らかにした行動計画を都民の皆様にも広く知っていただいて、参加するきっかけにしてもらいたいと思っています。
 この2020年に向けた取組を着実に進めるとともに、今後も不断に進化させていきたいと思っております。そして世界で初めて2回目のパラリンピックを開催する都市として、誰もが暮らしやすい東京を実現するなど、確かなレガシーを残していきたいと思っております。
 この件につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局の方に詳細は聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 救急隊の機動的な運用の試行開始について

【知事】2点目は、消防の救急隊の話であります。12月25日からJR東京駅におきまして東京消防庁の救急隊の機動的運用に向けた試行を開始しますので、お知らせいたします。
 119番通報による救急隊の年間出動件数は、ここ数年、過去最高を更新し続けておりまして、救急車が急病人などの元へ到着するまでの時間が長くなってきております。やはり、119番が多いものですから、だんだん時間が、7分切っていたのが7分を超えて増え続けるようになっている。
 それで、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピック、こういう開催を控えて、今後も外国人旅行者が増えるということが想定されますので、さらに出動件数が増えることも予想されます。
 そこで、この「救急車の到着時間の短縮」を実現する一環として、東京駅の建物の一部をお借りして、救急隊を東京駅に待機させるということをやりたいと思っております。
 JR東京駅というのは、ご承知のように利用客の大変大きいターミナル駅でありまして、そういう意味で、救急車の要請が非常に多いと。駅の付近を含めますと、年間約1、500件の救助要請があると。今までですと、丸の内消防署にいたわけで、ここから東京駅まで4分かかる。外国に比べれば4分というのはとても速いのですけれど、我々の日本だと、もっと短くしろということがありますので、それで、東京駅の中にこれを、救急隊を置くということで、1、2分で到着できると。
 これを実験で、試行期間を12月25日から来年3月の末までやってみて、というのは、やはりこの年末年始、出動件数が多くなる時期をわざと選んでやってみようということであります。
 試行開始当日に私も東京駅に行って、救急隊の皆さん、大変なお仕事なので激励の言葉をかけたいと思っております。今後は、この試行を通じて、どういうふうに本格運用するかというのを考えたいと思っています。
 この点の詳細は東京消防庁にお伺いいただければと思います。

3 「東京都女性活躍推進大賞」の決定について

【知事】次、3番目ですけれども、「東京都女性活躍推進大賞」について、今年度の受賞者が決まりましたので、お知らせいたします。これは女性が意欲と能力に応じて多様な生き方が選択できる、そういう社会にしたいということで、昨年創設しました。今年度の大賞受賞者ですけれども、産業分野については「DACグループ」、それから「社会医療法人財団大和会 武蔵村山病院」、「学校法人 芝浦工業大学」、「特定非営利活動法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」の4団体であります。
 大賞を受賞しました団体は、トップの強いリーダーシップのもとに一人ひとりの従業員が高い意欲を持って働ける職場風土の醸成を積極的に進めるなどしておりまして、女性の活躍推進に向けて、模範となる取組をやっていただいていると。
 それから、今年度は、団体に加えて個人部門を創設しました。その受賞者が、株式会社キャリア・マムの代表取締役の堤香苗さんであります。堤さんは、小さい子供を抱える主婦層などがインターネットを活用しながら自宅で働くことができる、そういう「共同請負型在宅ワーク」という新たなビジネスモデルで、延べ1万6000人以上の就業機会を創出したということであります。
 そこで、こういう方々に対する贈呈式ですが、1月27日に東京ウィメンズプラザにおいて開催しまして、私の方から大賞を授与したいと思っています。
 そのすぐれた取組を発信するために、同時にパネルディスカッションを行います。コーディネーターには、経済ジャーナリストで、女性のキャリア形成等に見識のあります治部れんげさんにやっていただきたいと思っております。これは生活文化局に詳細はお尋ねいただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「&TOKYO」年末年始イベントについて

【知事】4番目ですが、年末から年始にかけて都内とニューヨークで、「東京ブランド」をPRいたしますので、お知らせをいたします。まず、東京駅ですけれども、12月24日から27日まで東京・丸の内で行われる光を用いた「東京ミチテラス2015」というイベントにおいて、駅の丸の内駅舎を「&TOKYO」のマークの5色を使ってライトアップすると。
 それから、海外は、ニューヨークで、「ギフトラッピング・パーティ」というのがあるのですけれども、これ12月22日にニューヨークのブライアント・パークで開催されるイベントなのですけれど、ここでも東京ブランドの宣伝をすると。
 これはどういうイベントかというと、慈善活動として、子供たちに渡すクリスマスプレゼントを募るもので、寄付のために来られた方々に、「WISH FOR JOY & TOKYO(東京は皆様の幸福を願っています)」というのをデザインした包装紙とかメッセージカードを提供したいと思っています。東京ブランドのPR映像の放映、ポスターを張り出すということをやりたいと思っております。
 それから、さらにニューヨークですが、ニューヨークは姉妹都市でありますので、12月28日から1月3日まで年末年始で多くの人々が集まりますニューヨーク・タイムズスクエアの街頭ビジョンでも、「YOU & TOKYO」、「&TOKYO」とやりたいと思っております。今後も様々な機会を捉えて、「&TOKYO」の活用ということで、東京の魅力を世界中に発信していきたいと思っております。この件の詳細につきましては、産業労働局の方に聞いていただければというふうに思っております。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、朝日新聞の吉浜です。幹事社から3点ほど質問があります。1点目は、本日、新国立競技場の案がA案に決まりました。新国立競技場を巡っては、今年5月に、知事の指摘をきっかけに、いろいろなことが明らかになったと思いますけれども、その一連の経緯を踏まえて、今回決まったA案についての感想を教えていただけますでしょうか。

【知事】A案、B案、どちらも大変すばらしい案だったと思います。専門家の方々が厳正に審査なさってA案に決まったということでありますので、開かれた形での議論ができて良かったなと思っております。これからの、やはり政策決定というものは、透明性を確保しながら、多くの国民が参加する、ないし参加しているという実感を持てるような形でやるということが、実は迂遠のように思えても、一番政策決定過程をスピーディーにする。一旦決まったら、ぐらつかないで前に進むことができると思っております。今日は私も参加いたしまして、安倍総理のもと閣僚会議を開きました。そして、きちんと説明をいただいて決まったということで、これからはもう、この案をしっかり実現していただいて、我々ももう、財政負担を含めて協力するということは申し上げているので。そして、前から言っていますように、2020年1月ぐらいには完成しておかないと、リハーサルや何から困るということなので、11月完成ということですので、是非その期日に間に合うように、しっかりと、あとは建設していただきたいと思っています。

【記者】すみません。A案についての感想はありますか。

【知事】私はA案でもB案でも、どちらも優れているなと思っていますし、木材をああいうふうに使うし、自然と調和するというようなことで、両案、甲乙、優劣つけがたしという感じなので、あとはアスリート・ファースト、それから、これからのレガシーとして残っていかないといけないので、そのことが必要だと思っています。特に東京の中にありますし、我々が財政負担するということは、東京都民に対して大きな利益があるという、つまり、先ほどこのレガシー、まとめましたけれど、レガシーとしてしっかり残ってもらうということなので、これからの運営をどうするかということも非常に大きな話になるので、ただ建てればいいものではない。だから、建てる過程において、これから国や組織委員会でも十分に議論をしていきますけれども、今後、大会後にどうするかという観点も入れながら、建設を進めてもらいたいと思っています。これからは積極的に今のような観点から、国や組織委員会と協力し、議論しながらやっていきたいと思っています。

【記者】今の、レガシーのことについて、東京都として積極的に話し合っていくということなのですが、具体的に何かこんな形でとか、協議会を作って働きかけるとか、何か予定しているものはあるのですか。

【知事】財源がふんだんにあるわけでもないし、全ての人の要求に全て応えられるわけではありません。ですから、どこかで妥協しないといけませんから、コストを下げたということは、その分、犠牲にしないといけないものもあったと思います。しかし、そういうことを言うと、もう天文学的な数字を出すしかなくなってきますから、今のコンパクトな予算のもとで、しかし最大限の効果を上げるということをやっていく必要はあるので。それから屋根がありません。その中で、では、レガシーをどういうふうにしてやっていくのかということで、なかなか文化的なイベントなどは、雨が降るとできないものもあります。そういう中で、しかしオープンエアーでやることに意味があるいろいろなイベントもあるので、それはこれからの知恵の働かせ方だし、何よりもやはり、オリンピックの開会式をやったということで、メインスタジアムで陸上競技をやったということは、私も陸上競技の選手でしたから、そこで走るということはやはり憧れなのです、アスリートにとっては。だから、そうすると、例えば、都民が老若男女を問わず、今日は国立競技場で思う存分体を動かせるという日を設ければ、それが収益として上がるわけではないですけれども、私たちが参加したということの十分な意義があると思います。これからはきちんと建設会社がやってくれると思いますから、レガシーということをもっと前向きにみんなで考えたいと思っています。

【記者】もう1点、すみません、消防隊を東京駅に待機させるという件なのですけれども、これは試行するということなのですが、その結果によって、今後、東京駅だけでなく、広げるということがあるかもしれませんが、その点は。

【知事】それは駅のスペースの問題もあって、東京駅の場合は比較的スペースが広いということもあると思います。やりたくても、スペースがなくてやれないところもあると思うので、しかし、やはり駅周辺というところは非常に出動要請が多いので、駅の中に設けるかどうかは別として、とにかく出動時間を減らすということに資するのであれば、駅のそばでもいいし、いろいろ試行錯誤をやっていきたいと思っています。広げることも十分あり得るということです。

【記者】NHKの中島です。話は少し変わってしまうのですけれども、金曜日の報道で、組織委員会の大会経費が1.8兆円という報道があったと思うのですけれども、これまで、知事が組織委員会の関係者、または都庁の関係者から、組織委員会の大会運営経費がおよそ1.8兆円、またはそれに類似する数字を説明されたことはございますか。

【知事】どれぐらいお金がかかるかというのは、どの項目を入れるかとか、いろいろあると思うのです。私が対外的に発信したのは、森会長もそうですけれども、森さんは確か2兆円ぐらいということをどこかでおっしゃったと思います。私はパリで、それを超えて3兆円ぐらいになるのではないかという、これは目の子勘定なのですけれども、それは、ロンドンなどの例で、皆招致段階ではコンパクトな形で数字を出しますけれども、やはり、例えばセキュリティに対するお金がたくさんかかったとか、いろいろ項目が出てきて、それから一般的な人件費の増加とか、資材の増加とかもあります。だから、この問題は、不断にどれぐらいかかるだろうということは、東京都も組織委員会も遠藤五輪担当大臣のところも検討なさっているし、我々も検討をしているので、どこでどういうふうにああいう数字が出たかつまびらかにしませんけれども、今後とも、これは厳しく見ていって、あまり甘い見通しで、お金はかかりませんよと言うのは無責任になると思います。特に、パリのテロの後は、ものすごい、やはりセキュリティの経費がかかります。例えば皆様方のボディーチェックをしたり、鞄の中身開けて見せてくださいと、これらはただでやれるわけではなくて、ガードマンに対してお金を払わないといけないから、ものすごくお金がかかるわけです。そういうものを、誰がどうするのですかということなので、一番の問題は、だから、何が運営費に入るのだろうということなので、数字をどこかで。いろいろなところがいろいろな案を持ってきます、1兆8000億円かどうか、もっと大きな数字も含めて、少ない数字も含めて。ただ、どこまで何が入っているのかということは明らかではないです。だから、今言った、国全体のセキュリティまで考えると膨大なお金になってくる。では、サイバーセキュリティ、例えば防衛庁がチェックしているのは、これはどこの予算から出るのですかと、これまで経費に含めたら、それはもう天文学的な数字にならざるを得ないと思いますので。
 しかしながら、基本は、できるだけコストを削減して、効率の良い運営をやるということが一番大事なので、いろいろな案やいろいろな数字が出てくると思いますけれども、リオが終われば、これは本格的にやらないといけないので、今まで以上に国や組織委員会と協力してやる体制はできています。今日の閣僚会議もそうですけれど、必ず都と国と組織委員会が協力しながら、意見や情報を共有しながらやっていくということですので、あまり一つのことを、先ほどの1兆8000億円とか何兆円とかいう数字を気にするのではなくて、全体をいかにコンパクトにするかということをやっていく必要があると思っています。
 そして、例えば、セキュリティ強化とか、サイバーテロへの対策というのは、別に2020年があるからやっているわけではなくて、日本全体の国益、日本国民の生命と財産を守るためにやっているわけです。
 それから、東京都の都市整備にしても、それはきっかけは2020年の大会だったかもしれないけれども、例えば、スポーツの競技場にしても、大会のためにやるのであっても、仮に大会がなくても、それはやるべきであるということもあるわけです、スポーツ振興のために。そうすると、どこまでが大会の経費で、どこまでがということを言えないので、極論すれば、膨らませようと思えば、意図的に膨らませることもできるし、縮めようとすると、いや、それは国全体に関係がありますから、これは皆に関係があるので、「オリンピック・パラリンピックといったら、ぐーっとこうなりますよ」と言うこともできるので、私はあまり数字のことを言うのは、生産的ではなくて、むしろ一つひとつについて、できるだけ無駄な経費を省いていく。
 そして、逆に安かろう、悪かろうじゃだめだといつも言っているので、都民、国民が納得する形で、透明な議論をして、「そこまでならいいですよ」と、「それはちょっと無駄じゃないですか」と、こういう議論をやっての結果であればいいと思っていますので、私はこの数字はあまり気にしておりません。

【記者】すみません、追加で。確かに公正に議論をしていくことが大事だと思います。大事だと思いますが、1点だけ確認なのですが、いろいろな数字があると、いろいろ入ってきているということですけれども、おおよそ1.8兆円という数字も知事のもとには入っているということでしょうか。

【知事】そういう数字も聞いたことはあります。ただ、私はやはり基本はロンドンオリンピックを、私が一番参考にしたのはロンドンなのです。ロンドンでの伸び方を見て、ヨーロッパに行ったときに、森会長は2兆円だけれど、私はおそらく3兆円ぐらい行くなというのは、そういうことなので、やはり過去の経験に照らすのが一番良いと思いますので、確か1.8兆円もどこかで数字は聞いたと思いますけれども、いろいろな数字が入りますけれど、天才ではないので、全部が私の頭の中に、永遠にとどまっているわけではありません。

【記者】毎日新聞の武本です。また五輪関係なのですけれども、昨日、大会組織委員会の豊田副会長が辞任されたかと思います。そちらの方、知事はこの辞任について、どう受けとめていらっしゃるか、あるいは、何かその理由等についてお聞きおよびのことがあればおっしゃっていただければと思うのですが。

【知事】私も若干唐突だったので、驚いているのですが、やはりトヨタの総帥でありますし、本業がとてもお忙しいと思います。だから、なかなか組織委員会の理事ないし副会長としてのお仕事を続けていかれるというのは、どちらにも穴があくようなこともおありになって、お考えになったのだと思いますので、いてくださるのは非常に心強かったのですけれども、それぞれの立場がありますし。ただ、経済界としてしっかり支援していただくということで、IOCのオリンピックのパートナーにもなっておられるので、次の後任の方も決まるということでありますから、そんなに大きな差し障りはないと思います。
 だから、いつも申し上げているように、人が替わったら動かないのではなくて、やはり組織のガバナンスというのは誰がやってもきちんとやらないといけないと思いますので、これからもトヨタさんのいろいろな識見、特に、組織委員会の改革ということで、トヨタ方式なんかを活用して、改革に大なたを振るっていただいて、一つの改革案をまとめていただいたので、それでおそらく、一区切りつかれたのでということだと思います。
 そのほかのことは私も報道以上のことは存じ上げておりませんけれども、今後とも協力していただくということで、経済界の代表として、しっかり我々とも協力してやっていただければという思いでしたので、今後ともよろしくお願いしますということです。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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