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令和2年(2020年)12月17日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年12月17日)

知事記者会見
2020年12月17日(木曜)
18時45分~19時38分


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知事冒頭発言

1 新型コロナウイルス感染症への対応について

【知事】はい。お待たせいたしました。整ってないんですけれど、よろしくお願いいたします。本日、モニタリング会議の方で感染状況、すいません、ついてないです。感染状況・医療提供体制ともに赤となりました。本日の重症者数が66人で、昨日よりも3人少なくなっております。一方で、ご承知のように本日、新規陽性者数が、822人となっております。過去最高であった昨日が678人、それを大幅に上回る数であります。
そして、専門家からは「医療提供体制がひっ迫している」との指摘がございました。これまで以上に危機感を持つ必要がございます。ひとえに、皆様一人ひとりの大切な命だけではありません。皆様が大切にされている方の、周りの方々の命を守るため、そのための策を講じていくこと、このことを強く訴えているのが、今日の数字だと、このように考えます。間もなく、年末年始を迎えるわけでありますが、年末年始というのは言うまでもなく人の動きが活発になります。普段と違う動きになるわけであります。それはすなわち、別の感染リスクが高まるということも意味するわけであります。
この年末年始を感染拡大の機会にしない。ウイルスはカレンダー持ってないんです。年末であれ、年始であれ、クリスマスであれ、どの時でも襲ってくるわけであります。この年末年始を、感染拡大をストップさせるための特別な時期にしなければならない、このように考えております。よって、特別な時期といたしまして、「年末年始 コロナ特別警報」これを発出いたします。
今日のモニタリング会議、24回を数えますけれども、このモニタリング会議の方で、このペースで進みますと、「1日当たりの新規陽性者数は遠からず1000人の大台に乗る可能性がありますよ」と、このような強い指摘を受けたところでございます。
感染者数が増えた後に重症者が増加していくという、重症者は遅れて増えるというのはご承知の通りであります。今こそ命を守る、その観点から危機感を共有していかなければなりません。重症者の約6割、その6割は、70歳以上の方であります。そして、今週報告されました21名の死亡の方々のうち、16人が70歳以上なんです。明らかに高齢者の重症化、それがすなわち死に繋がっているということであります。ここで踏みとどまらなければ、大切な命を守れない、この強い意識を、今、私は持っております。そして、その意識を皆さんと再び共有させていただきたいと存じます。この厳しい状況を、なんとしてでも乗り越えていきましょう。そして、今こそ、心を合わせてコロナを抑え込むべく、皆様方のご協力をよろしくお願いを申し上げるため、この記者会見を開かせていただきました。
そこで、医療提供体制の充実が必要になってまいります。現在、都におきましては、3000床確保しているところでございます。そして、昨日の段階で、この感染拡大を踏まえまして、昨日の段階で重症病床を250床、そして中等症以下の病床は3750床、合わせますと4000床になるわけでございますが、この4000床の確保について、都内の医療機関に要請をしたところでございます。ちなみに、昨日の段階で退院なさった方も542名おられるということも計算に入れてください。ずっと積み重なるようなイメージがあるかもしれませんけれども、退院の方も必ずおられるということも、あわせてお考えいただきたいし、私たちもそのことも踏まえて、病床の確保をしっかりしてまいります。また、年末年始にそれぞれの病院で患者を受け入れていただけるような、新たな支援策も検討していかなければなりません。特に年末年始は、毎年、手薄になってしまうというような状況になるわけでございます、医療施設において。それから加えまして、宿泊療養施設について、今日、新たに1施設が開設したところでございまして、これまでの9施設と合わせて合計10施設となります。部屋数にしますと約4000室でございます。これらを有効に活用しまして、陽性者の皆さんを確実に受け入れてまいります。それからこれまで、65歳以上の高齢者については一律入院ということにいたしてまいりましたが、今日、モニタリング会議で東京iCDCの賀来先生の方からご説明をいただきました。今後、基礎疾患がない70歳未満の方については、宿泊療養施設での受け入れを検討していくように、ということでございます。
さて、ここから都民の皆様方へのお願いでございます。今日のモニタリング会議で、賀来先生の方から、いつもと違う年末年始の過ごし方として、初詣や帰省、会食での注意点をお示しをいただいております。賀来先生からのアドバイスにおきましては、年末年始は「いつもの小さなグループ」で過ごすこと、そして「久しぶりの人」に会うのはできるだけ避けましょう。忘年会、新年会は避けましょう。帰省はできるだけ避けましょう。帰省する場合には、2週間前から会食を控えてくださいなど、一人ひとりの取組をお願いする内容でございました。また、東京iCDCにおいては、都民の皆様向けの感染予防ハンドブックも作成していただきました。今日から早速、都のホームページなどに掲載をいたしますので、ぜひご覧をいただきたいと存じます。
それから次は、事業者の方々へのお願いであります。酒類、酒類(さけるい)を提供する飲食店などの皆様方には、改めて、明日から来年の1月11日(月曜日)まで営業時間の短縮を要請をいたしております。何度も申し上げます、書き入れ時です。大変心苦しいところでございますが、会食そして人出が増えるこの時期、ぜひご協力を申し上げたい。ご協力をよろしくお願いを申し上げたい。事業者の方々には、改めてガイドラインにある対策を確認して徹底をよろしくお願い致します。お客様にもその旨、対策への協力を呼びかけていただきたいと思います。
それから職場でも感染します。更衣室、休憩室などでも感染の可能性があります。こまめに換気、そして共有しておられる椅子やテーブルの定期的な消毒、お願いします。さらには年末年始の混雑を防止するために休暇の分散取得をお願いいたします。テレワーク、時差出勤、この定着も強力に進めていただきたい。
都内各地では現在多くのイルミネーションのイベントが行われています。とても綺麗ですね。でも、今年の冬は感染症拡大防止の観点から、地域のまちづくり団体などが主催しておられます大規模施設でのイルミネーションイベントにつきましては、来年の1月11日(月曜日)までの間、ライトアップの停止や点灯時間の短縮などの取組をお願いを申し上げます。何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
また、昨日、1都3県、つまり東京、埼玉、千葉、神奈川、この1都3県が共同で、鉄道事業者、そして国に対しまして、大晦日の終夜運転の中止を要請をいたしました。これから年始にかけましては人出が増えます。人々の移動も多くなります。感染予防を進める上で、1都3県の連携というのが非常に有効、重要であります。そこで、来週にも知事同士でテレビ会議をまた実施をするよう、ただいま調整をしているところであります。年末年始に向けた取組でございますが、情報の共有、意見交換も行ってまいりたい。そして、都におきましても現下の厳しい感染状況、そしてまたひっ迫した医療提供体制を踏まえて、改めて東京都庁内の各局に対して、年末年始に向けたさらなる感染拡大の防止対策を検討するように指示をしたところでございます。感染拡大の防止、それにはお一人おひとりの「新しい日常・正しく予防」、この行動が何よりも重要です。「死亡者を出さない」、「重症者を出さない」、「医療提供体制の崩壊を防ぐ」、いつも申し上げているこの三つの柱、これによって都民の命を守る、そのための皆様方のご理解、ご協力をよろしくお願いを申し上げます。
今日は、モニタリングの分析にご尽力いつもいただいております、東京都医師会副会長の猪口先生、そして国立国際医療研究センターの大曲先生にもご出席をいただいているところでございます。
どうぞ皆さん、この年末年始の重要な時期だからこそ、「年末年始 コロナ特別警報」、これを皆さんと共に意識を共有しながら、行動を伴うようにご協力の方よろしくお願いを申し上げます。
私から以上です。
(詳細は、総務局、福祉保健局、都市整備局、政策企画局にお聞きください。)

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:1,163KB)

【事務方】続きまして、専門家の先生にご発言をいただきます。大曲先生、よろしくお願いいたします。

【大曲委員】はい。国際医療研究センターの大曲でございます。モニタリング会議での報告事項、私の方からは感染状況についてご説明いたします。
感染状況総括としては感染が拡大していると思われると、赤の印にしております。65歳以上の新規の陽性者が増加しているということです。ですので、高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすことが重要ということで申し上げております。
また、もうこれだけ感染が広がっております。日常生活の中で感染するリスクが高まっております。医療提供体制の深刻な機能不全を避けるための最大限の感染拡大の防止策が必要ということで判断しました。
具体的に見ていきますと、新規の陽性者数に関しましては、7日間平均で見ますと、前回は約425人でありましたが、今回513人であります。これは、これまでの最大値を更新して最多でございます。増加比は約121%でございます。この新規の陽性者数は、週当たり3300人を超えております。これはこれまでに経験したことのない非常に高い数値でありまして、そこで推移しているというところです。
複数地域あるいは色々な感染経路でクラスターが発生しておりまして、感染拡大を続けているという状況でありまして、通常の医療が圧迫される深刻な状況となっております。これはもう新規陽性者数の増加をしているということが最も重要と申し上げております。この増加比121%と申し上げましたが、1週間持続しますと、次には約1日あたり621人の方が陽性となります。2週間同じペースで継続しますと、その数は約1.4倍です。計算しますと、1日当たり約751人、これが4週間継続しますと約2.1倍であります。これは1日当たり約1100人の陽性の患者さんが発生するということになります。これはこの121%で増加比の前提でお話をしましたけれども、もしこの増加比がもっと上がればこの新規の陽性者数の増加がもっと早くなる、爆発的増加するということが十分に起こり得ます。最大限の感染防止対策を早急に講じる必要がございます。
また、私達は年齢構成、陽性の方々の年齢構成を非常に重視しておりますが、今週の新規の陽性者数に占める65歳以上の高齢の方の数、こちらは、前回は468人でございましたが、今回は494人であります。非常に高い水準のまま推移しております。
65歳以上の新規の陽性の方の7日間平均、これを見ますと、前回は約67人、今回は約73人ということで、増加をしております。
このように、65歳以上の方は、実際に罹患されると、病気にかかると、重症化するリスクが非常に高いわけなんですが、その新規の陽性の方の7日間平均は非常に高い水準で動いております。
家庭ですとか、あるいは、施設をはじめ、こうした高齢の方々への感染の機会をあらゆる場面で減らしていくと。
基本的な感染対策、それは手洗いであり、マスクを着用する、あるいは3密を避ける環境の清拭、消毒といったところを徹底する必要がございます。
また重症化リスクの高い高齢の方々の家庭内での感染、これも大変目立っております。この理由としては家庭の外から持ち込まれるということがございますので、ご家族、家庭の外で活動されるご家族が新型コロナにかからないということが最も重要でございます。また、濃厚接触者を見ていきますと、その感染経路別の割合でありますが、これも、前週と同様に同居する方からの感染が、42.3%と最も高いという状況でありました。その次は職場で12.4%、外食6.7%として、接待を伴う飲食店が2.9%と出ております。また、濃厚接触者、その感染経路を年代別で見ていきますと、80代以上を除く全ての年代では同居する方からの感染が最も多いという状況なのであるわけですが、80代以上になるとこれは施設での感染が約58.1%と最も多いという状況になります。このように日常生活の中でも感染するリスクが高まっております。その結果、保健所業務への大きな支障、あるいは医療提供体制の深刻な機能不全、これが起こり得ます。これを避けるための最大限の感染防止対策が必要であります。また、70歳以上に目を向けますと、施設での感染が前週はこれは120人、今週は113人であります。非常に高い水準で、推移しております。高齢者施設における感染予防策の徹底ということが求められます。また同居する人からの感染は多いわけなんですが一方で、他の経路としては、職場、施設や会食、そして接待を伴う飲食店というところで、本当にあの感染経路は多岐にわたっています。そういう意味で日常生活の中でも感染し得ると申し上げております。
こうした職場や施設、寮などの共同生活、あるいは家庭内などでの感染拡大を防ぐためにも今一度、自ら基本的な感染対策、環境の清拭、消毒等を徹底する必要がございます。
また、特に不特定多数の方が集まる場では、本当に今週も冷え込んでおりますけども、暖房入れていても、窓を開けてしっかり換気をすると、換気を徹底していただく必要がございます。また先ほど知事からのお話でも年末年始の話がございました。例えば忘年会新年会といったものがあります。ただこうしたものに関しては、人と人が密に接触してマスクを外してということが起こり得ます。起こります。長時間または深夜にわたる飲酒、あるいははしごする複数店にまたがって飲酒や飲食を行う、こうした場はどうしてもお酒が入ったりすると相手の声も聞こえなくなって、大きな声で会話をしたりということが起こります。その結果、感染のリスクは著しく高まります。こうした場で感染対策をしないまま長時間に会食したり、あるいは密集して大声の発声を伴うイベントをしたりということで、新規の陽性者数がさらに増えるということが懸念されるわけでございます。
また我々が懸念しているのは、クラスターであります。都内各地で多くの病院、高齢者施設でクラスターが起こっております。感染防止対策の徹底が必要であります。こうやって施設等でクラスターが起こり始めると医療体制には非常に大きな影響があります。特に院内感染が起きますと、その院内感染が起こった病院の医療体制は著しく低下します。また、陽性の方が出れば、重症の患者さんが出たり、あるいはその結果、亡くなったりということが出るわけです。その結果、医療にも影響が出ます。具体的には例えば病院の中でクラスターが起きると、そこでの救急、例えば、救命救急センターで院内感染が起こったとしますと、救急患者さんの受け入れというものができなくなったりということが現実に起こります。そうすると周りの医療機関での受け入れということが必要なってくるわけなんですけども、その結果、医療にも制限が出てきて、病床の確保が一番厳しくなるということが起こります。また無症状者に関しましては、今週は新規の陽性者の方のうち3308人のうち無症状の方が752人、全体としての割合は22.2%ということでありました。無症状あるいは症状の乏しい感染の方からの感染者の行動範囲が広がっているということで、感染機会があった無症状者を含めた集中的なPCR検査等が必要と考えております。また都内の本当に全域で感染が拡大しております。日常生活の中で感染するリスクは高まっております。保健所あるいは医療提供体制の深刻な機能不全を避けるための最大限の感染防止対策が必要と考えております。
また#7119は、我々は感染の広がるときの予兆ということで見ておりますが、この7日間平均も前回56.9件だったのが今回63.4件まで上がっております。
また接触歴等の不明者数、こちらも、前回は約230人だったんですが今回は約293人にまで増えてきております。もともと高い水準だったわけですが、こちらの数が増加に転じております。今後の動向について厳重な警戒が必要と考えています。この新規の陽性者数の中の接触歴等の不明の方の増加比もこれは126%であります。これ1週間続くと1週間後で約1.26倍、1日当たり369人になりますし、2週間後には約1.6倍で約465人の接触歴の不明の方が発生することになります。
最大限の感染防止対策は、必要でございます。私からは以上でございます。

【事務方】ありがとうございました。続きまして、猪口先生よろしくお願いいたします。

【猪口委員】東京都医師会の猪口でございます。医療提供体制について、お話をさせていただきます。
総括コメントは、「体制がひっ迫していると思われる」ということで警戒段階の一番上、赤に今週からさせていただきました。入院患者の引き続く増加傾向に伴い、新型コロナウイルス感染症患者のための医療と、通常医療との両立が困難な状況になりました。新規陽性者数の増加を抑制するための対策を強化し、重症患者数の増加を防ぐことが最も重要であります。
詳細なコメントを述べさせていただきます。PCR検査等の陽性率ですが、11月初旬から増加傾向にありまして、前回の6.1%から6.7%に増加しました。7日間平均のPCR検査等の人数は、前回の6509.4人で、12月16日(水曜日)時点では7049人。検査数は増えておるんですけれども、陽性率はなかなか減らないという状況です。
入院患者数です。12月16日(水曜日)時点の入院患者数は、前回の1820人から1960人と増加しました。今週、入院患者数は一時、2000人を超える非常に高い水準まで増加し、医療提供体制がひっ迫しております。新規陽性者数の増加比は121%、先ほど大曲先生の方からもお話がありましたが、このまま増加比が2週間継続しますと、新規陽性者が1日当たり1.4倍の751人になります。2週間後の12月31日(木曜日)には、医療提供体制の深刻な機能不全や保健所業務への大きな支障の発生が危惧されます。こうして、医療提供体制の方は、今の新規の患者さんが発生すると、ほぼ確実に未来が確定してきます。こういう将来のことを考えると、こういうひっ迫してくることが、今日時点でだいたい明らかになってくる。というところで、この警戒レベルを一番上に引き上げているというところです。
前回のモニタリング会議の意見を踏まえ、都は今週、レベル3の1、重症患者病床を250症、中等症等病床を3750床の病床の確保を要請しました。これは今、先ほど述べた通り、ほぼ確定的な未来に対して準備を行ったところであります。新型コロナウイルス感染症患者のための病床を確保するため、医療機関は通常の医療を行っている病床を新型コロナウイルス感染症用に転用します。入院患者の引き続く増加傾向に伴う病床の転用や人員の配転等によって、新型コロナウイルス感染症患者のための医療と通常の医療との両立が困難な状況となってきております。都は、病院の実情に即した入院調整を行うため、毎日、医療機関から当日受け入れ可能な病床数の報告を受けて、その内容を保健所と共有しています。保健所から入院調整本部への調整依頼件数は、新規陽性者数の増加急増に伴い、160件、1日当たり、超える高い水準で推移し、入院調整が前週よりもさらに難航し、連日、翌日以降の調整に繰り越し、待機の延びる例が多数生じています。
入院患者の年代別割合は、60代以上が11月中旬以降増加しており、全体の50%を超える高い割合を占めています。家庭、施設をはじめ重症化リスクの高い高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすとともに、基本的な感染予防策、環境の清拭・消毒を徹底する必要があります。
全療養者数は増加傾向が続き、前回4429人から5070人となりました。内訳は、入院患者が1960人、宿泊療養者が938人、自宅療養者1255人、入院療養等調整中が917人です。東京iCDCのタスクフォースにおいて、入院宿泊療養の確保および安全な自宅療養のための環境整備や、急変時を含めた療養者のフォローアップ体制を地域医療の支援の下で構築する等について、検討を進めています。保健所と協働し、東京iCDCのタスクフォースにおいて整備した宿泊施設療養・入院判断フローが活用されており、宿泊療養対象者の増加に確実に対応できるよう、さらなる宿泊療養体制の強化が求められます。
重症患者です。重症患者数は、前回の59人から12月16日(水曜日)時点で69人と増加しました。今週、新たな人工呼吸器を装着した患者は40人であり、人工呼吸器から離脱した患者は19人、人工呼吸器使用中に死亡した患者さんは3人でした。今週、新たにECMOを導入した患者さんは4人で、ECMOから離脱した患者は1人であり、12月16日(水曜日)時点において、人工呼吸器を装着している患者は69人で、うち4人の患者がECMOを使用しております。新規陽性者が、先ほども出ている話ですが、約1.4倍、1日当たり751人となり、新規陽性者数のうち約1%が重症化する現状で、その重症化率が同様であれば、2週間後の12月31日(木曜日)の重症患者数は約104人となり、医療提供体制の深刻な機能不全が危惧されます。現状では、新規陽性者数のうち約1%が重症化していますので、新規陽性者数の増加を抑制するための対策を強化し、重症患者数の増加を防ぐことが最も重要です。重症用病床の診療体制の確保には、通常の医療を行っている病床と医師、看護師等を転用する必要があります。レベル3の1以上の更なる重症用病床の確保には、医療機関はさらなる救急の受け入れや予定手術等を制限せざるを得なくなります。12月16日(水曜日)時点の重症患者数は69人で、年代別内訳は30代が1人、40代が4人、50代が7人、60代が18人、70代が25人、80代が13人、90代が1人です。年代別に見ると70代の重症患者数が最も多かったです。70代以上の重症患者数が約6割を占めておりまして、重症化リスクの高い人への感染を防ぐために、引き続き、家族間、職場及び医療・介護施設における感染予防策の徹底が必要です。基礎疾患を有する、肥満、喫煙歴のある人は、若年であっても重症化リスクが高いことを普及啓発する必要があります。
今週、報告された死亡者数は21人で、そのうち70代以上の死亡者が16人でした。新規重症者の7日間平均は12月9日(水曜日)6.0人、12月15日(火曜日)時点で4.7人となりました。新規重症患者数は週当たり40人と高い水準となっており、12月8日(火曜日)の1日で、たった1日で新規の人工呼吸器を装着した患者が11人に上りました。例年、冬は脳卒中、心筋梗塞などの入院患者が増加する時期であり、現状の患者動向が継続すれば、年末年始に休日対応となる医療機関において、新型コロナ感染症、重症患者のための病床の確保と両立がより一層困難になります。
ということで、医療提供体制としては、余力をずっとうまく残しながらやってきたんですけども、なかなかちょっとその余力が無くなってきて、持てる力をうまく色々な形で使いながらやっていく時期に入ってきたと思います。この事態を回避するためには感染者が少なくなるだけ、それしか方法がありません。ぜひ都民の皆さんよろしくお願いいたします。

【事務方】ありがとうございました。それではこれより質疑に入ります。知事から指名をさせていただきますので、社名とお名前を名乗ってからご質問をお願いいたします。

質疑応答

【記者】テレビ東京の吉田です。よろしくお願いします、知事にお伺いしたいんですけれども、今日822人と、700人台を飛び越えて過去最多となったわけですけれども、この数字を聞いたときの率直な感想、受け止めをお願いします。

【知事】はい。過去にない数字でございます。これについては、非常にもちろん多いということ、そのためにも体制を整えていく必要があるということ、それを第一印象でございましたし、また今日モニタリング会議で、改めて医療の皆様方から、専門家の先生方から具体的にどうあるべきという、そのご指示をいただきました。そういったことから、都民の皆さんがまず感染者数の数で驚いておられる、そこのところが不安に繋がらないように、早速体制を敷かせていただいたということです。ただ、やはり感染症は、人と人との接触や飛沫で起こるということは、ここまでの段階で分かってきていることでございますので、そこをどう控えていくかというのは、皆様方への呼びかけに頼る以外、現在の法律のたてつけでは、それが唯一の道でございますので、そういった意味で、今回も皆様方にご協力お願いをしていると。特に事業者の皆様方には、お店の書き入れ時の中で、非常に心苦しいところではございますが、引き続きのご協力をお願いしたところです。
また一方で、これがずっと続くようなことがあれば、さらに経済のダメージも大きくなるということも考えながら、どのような形でバランスを取っていくのがいいのか、ずっと色々な方々の知見、また各国の例なども参考にしながら、これからも、都民の皆さんの不安を取り除きながら、感染者の抑制などにあたっていきたいと思います。一方で、検査の能力は十分要しているわけでございますので、有効な検査によって、早期に発見、そして早期に治療、対応策を定めていくという、この繰り返しなんだろうというふうに考えております。
それから、今も、先ほども申し上げましたように、今日も大変多くの方々が感染者になり、これで保健所の皆様方が、「どの方は移動してください。療養施設の方で何時にお迎えに行きますよ」、「入院の方は、こちらの方にいらしてください」、「何を持ってきてください」、それぞれ一つひとつの作業をしておられるんですね。
今日も17人が突然、お迎えに行っても来られなかったりした例もありました。そしてまた、それぞれの皆さんにどういう経過でどういう行動に、この間なさっておられましたかって、若い人の方がむしろ積極的に教えてくれるということですけれども、そうでないケースも、人数も多いことですし、それで結局不明になってしまうということであります。
ちょっと長くなりましたけれども、この一つの警告であり、また皆様方と共にこの意識、危機意識を共有したいという、そういう思いであります。

【記者】すいません。もう1問、猪口先生にお伺いしたいんですけれども、今回、医療提供体制を赤に引き上げられたわけですが、専門家の皆さんの中でどういう議論があったのかをもう少し詳しく教えていただきたいのと、先週、まだ大きな破綻がないから、赤にしなかったとおっしゃいましたが、何か大きな破綻などがあったのか、その辺も含めて教えてください。

【猪口委員】先ほどのコメントを読んでるときにお話をしましたけれども、破綻があったり、それからですね、患者さんと我々が用意しているベッドとの割合のバランスが崩れてきた場合に、赤にするというか、一つ警告段階を上げなくてはいけないなっていうふうなところだったんですが、今回は、何かの破綻が起こしたような事象があったからということではないです。
むしろこの患者の発生動向を見ていて、その増加率が全然減らない、むしろ増加比が上がってきている状況から考えると、将来的に1週間は2週間、それから4週間ぐらいの先を見たときにですね、今のレベル2の医療提供体制の維持では決して賄えない、多分そういう段階ではなくて、このレベル3の1に上げないと、これ間に合わないんだと、ただこのレベル3の1はですね、それぞれの医療機関にアンケートをとって、色々と調べてそれを用意するわけなんですが、医療機関側は、通常の医療にそのまま何とかできる数字ではないですと、それぞれの医療機関がちょっと無理しないと、このベッドが用意できないというアンケート結果が返ってきています。要するに3の1のレベルに上げるということは、通常の医療にそのまま影響が出てくる数字であるということ。ということはですね、やはり余力だけでやっている時期は過ぎた。医療提供体制としては、かなりひっ迫しているということで赤にさせていただきました。

【記者】(日本テレビ・中丸記者)日本テレビです。知事に1問お伺いいたします。先ほどモニターにもありましたが、「年末年始コロナ特別警戒」ということですが、これを発出するということですが、具体的にこれに係るその対策であったり、いわゆる都民への呼びかけであったり、かつての東京アラートのときは分かりやすくライトアップを赤くしたりもしましたけど、何らかのそういったメッセージとかというのは、この特別警戒に伴ってあるんでしょうか。

【知事】はい。まず特別警戒の状況にあるということを皆様方にお伝えするのが1点、そして、この後、先ほどの大晦日の、鉄道の終夜運転をお控えいただくというのも、一つの初詣などの特別な時期に、ストップをさせると、していただくということも含めて、またこれらのことについては、パッケージでお伝えをしていきたいというふうに考えています。これについてはいずれにしても年末年始への色々な方策なども含めてお伝えすることになろうかと思います。
ただ、今日は赤と赤が灯ったということは、もう既にあの警報の意味を成しているかと思います。警戒の意味を出しているかと思いますし、また、これは特に年末年始は色々これからのご予定もございましょうから、そのときに先ほどの賀来先生が、ご覧いただいた東京iCDCとしての色々なノウハウ、これも皆様方によくご理解いただきたいと思います。

【記者】すいません。猪口先生に1問お願いしたいんですが、先ほど猪口先生、「ほぼ確定的な未来」というお言葉を使われました。なかなか医療従事者、専門家の先生、医療崩壊という言葉をお使いにならないかと思うんですが、この今の都内の感染状況が続いた場合、この猪口先生が意味する「ほぼ確定的な未来」というのは具体的にどういうものなのか。あと、先ほど東京iCDCの方からもありましたが、70歳未満の方、高齢者の方、その基礎疾患がない場合は宿泊療養施設に行っていただくことを検討するって言いましたが、これはやはり都内、今の現状、東京都においては速やかに行った方がよろしいでしょうか。

【猪口委員】最初のほぼ確定的な未来っていうのは、患者さんが例えば100人、新規の患者さんが出ますと、1%の確率で重症の患者さんが発生しますというか、重症になられますんで、これは4、5日後に重症化します。だから、新規の患者さんをどんどんどんどん増えていきますと、しばらく5日、6日、1週間遅れた形で重症の患者さんが出てきます。そういう具合で、患者さんの発生動向によって、将来我々が提供しなくちゃいけない医療体制というのが、だいたい決まってきちゃうんですね。だから、それがほぼ確定的な未来という表現をさせていただきました。
それから、70歳未満の方は、 65歳から70歳未満に引き上げるって話ですけれども、これはもともと65歳で切るっていうこと自体が、どれだけの意味があるのかと、重症度っていうことを考えると、確かに新型コロナウイルスっていうのは、年齢的要素が非常に高くて、そして、高齢であればあるほど重症化していくのは、これは本当なんですが、そこの療養、宿泊療養とそこのところの線引きを65歳にするかどうかっていうのは、かなり色々なエビデンスがあった中で、それが66歳じゃなぜ駄目なのか、67歳じゃ駄目なのかって話でいくと、70歳ぐらいまではいけそうだなっていう、そういうような話です。そうすることによって、入院の方に行く流れがですね、非常に数が少なくなるのであるならば、なるべく早く、今、我々の医療提供体制から考えると、早い方が、そういう流れを早く作った方がいいと思います。

【記者】時事通信の斉藤です。知事は大晦日の鉄道の終夜運転とかライトアップの中止ということを要請してますけれども、カウントダウンイベントとか終夜営業を予定している商業施設などに対して自粛を求めるような可能性はあるのでしょうか。

【知事】はい、カウントダウンイベントそれぞれのところでどういう形が取れるか全部把握してるわけではございませんが、毎年恒例のようなところもあるかと思います。そこに対しては、大規模、密になってしまうことを考えれば、お控えいただくのがこの感染症拡大の防止に資するのではないかと。そしてまた、各事業者、例えばお店などについても、これらのことを考えながらご判断いただきたいと思います。

【事務方】あと2問でお願いします。

【記者】読売新聞の菅原です、よろしく願います。知事にお伺いします。現在午後10時までの時短要請が続いていますが、なかなか効果が見えないとの声もあり、現に感染拡大が続いている。他県では午後8時や午後9時までの時短とされる地域もあるようですけども、例えば、より効果を上げるために営業時間の前倒しを検討されるなど、時短要請に関する考えがあればお願いします。

【知事】緊急事態宣言が出ていた頃に夜8時ということで7時ラストオーダーそして8時に閉店ということをお願いを申し上げました。そして、当時はそういうより高いというか強い段階でそれをお願いをしたわけであります。
一方で、今、それをさらに要請をするかというと、多分なかなか休業要請に応じていただけるかどうかの確信は持てません。そしてまた一方で、今、賀来先生のお話が出ましたように、どのようにしてこの食事をするかなどについては、アクリル板であるとかマスク、小皿等と、当時、ガイドラインというのがまだなかったような時代でありました。そのあたりのことを考えながら、10時というこの時間を維持したというところがございます。

【記者】(フジテレビ・小川記者)すいません。これは専門家の先生か知事かのどちらにお答えいただくのかお任せするんですが、以前に夜の街の感染だと言われた頃は、あの検査を増やして集団検査などで割と大規模なクラスターであっても、収束が見えてきたと思うんですが、今回は、私どもが取材していても、やはりあまりに色々なところで小規模中規模のクラスターが頻発していて、こういったものを検査でどのように収束に向けてやっていけばいいのか、また都民の中からは、自分がやれる対策は結構尽くしているんだけれど、どうしたらいいのか分からないっていうような声も聞こえてきます。こういう様々なところでクラスターが起きている中で、いつも呼びかけはいただいているんですけれど、改めてここで今一番必要なこと、どうやって収束に向けての道筋を我々が見ていけばいいのかっていうのを教えていただきたいのと、あともう一点、猪口先生に「もう余力は使ってしまった」っていうことなんですが、そういった中で、さらに病床確保していくために、実際どのようなことが必要なのか、本当にこの病床数を新たに確保していくことができるのか。このあたりをお願いします。

【大曲委員】まず最初の質問は私の方からで。なかなか難しい質問ですけれども、まず何でしょう、検査に関して言うと、やはりそれをたくさんやることによって、2波頃は封じ込めていけたんじゃないかっていうご意見で、そういう面は確かにあると思います。現状これだけ患者さんが出てらっしゃる中で、なおかつそのどれぐらいどこまで広がっているかよく分からないという状況の中で、それをたくさんやれば見えてくるのかというご意見はよく分かります。
確かに難しい面あると思うんですけども、それでもやはりその感染の広がりを知っていく、どこからどこに動いてるか知っていくという意味でやっぱり僕は意味があると思っています。何よりも、やっぱり早く診断をつけて、悪くならないようにすると、悪くなる前に病院に来ていただくというところに繋げられるという意味で非常にやっぱり重要だと思ってます。あとは、今やるべきこと、「もうやることはやっている」と言う声もすごく聞くんですけども、「今はやっぱり違う」と、「通常ではない」、ということは申し上げたいと思います。今日、「日常生活の中でも」と言うことを何回も申し上げたんですけども、例えば通常であれば、そこそこ安全なんだと思います。ちゃんと対策をしていれば、でも今であれば出かけて会食をしたり、あるいは、それこそ年末年始の話が出て、忘年会、新年会の話が出ましたけれども、やっぱりその中に無自覚で、陽性の方がいらっしゃったりということは、今起こり得る、そのリスクは一番高い状況であるということは言えると思います。だからこそ今は避けなきゃいけないということをまず強くお願いしたいと私は思います。

【猪口委員】病床をどういうふうに確保するのかと言う話なんですけれども、今までなるべくその医療の質を下げないということで、どの病院も一生懸命通常の医療を心掛けてきたと思うんですね。例えば、こういう病状の患者さんだったら予定手術を組みましょうということで、「1週間後の何日、この日が空いてますけど、来れますか」とか、そういうような患者さんのニーズに合ったような形で手術を組むということもできただろうと思います。だけど、今空いてるこのときにやらないとできないとか、そういうことにもなるでしょうし、救急の患者さんを見るのにちょっとしたこの時間の遅れが出てくるとか、色々なことがあると思うんですけれども、今まで常識であったことよりも、やっぱり一つ回転を早くしなくちゃいけないとか。色々なやっぱり患者さん側が望む今までの状態とはちょっと違ってくる。そういうようなあのやりくりをしていかないと、ベッドは出てこないだろうと思います。
特に新型コロナ感染症を診る病院は急性期の病院ですので、急性期でかなり治療だとかそういうことが、急性期として重要な時期を担う病院がやっておりますので、そういう面に結構大きく出てくるんじゃないかなと思います。

【知事】先ほどクラスターの件でありますが、先日あの番組でご一緒した先生が、「もうクラスターを追うのは無理だ」と言ったようなニュアンスのことをおっしゃったので、びっくりしました。私は、東京で今起こっている様々な事象の中で、やはり院内感染や特養など、高齢者が多くおられるところについては、やはりそれが重症化に繋がり、また、死を招くという危険性が高いことから、これらのクラスターについては、やはり追っていくべきだというふうに思っております。そしてまた、この検査を行うことによって無症状の方がかなり見つかっているわけですね。それによって、その方々の行動について一定期間日常から離れていただくことによってそれ以上増やさないということにも繋がっていますし、より多くの検査を行うっていうのも有効な手段だというふうに考えておりますので、また専門家の先生方の様々なアドバイスも伺いながら進めていくと、両面から進める必要があるというふうに思います。その際、トレーサーの方々もまた新たに加わっていただいて、公募しまして、今ご登録いただいています。そうやってできるだけ、やはり多くの方々のどういう形で広がっていったのか、濃厚接触者を確認をするということで、是非その際には、ご協力をいただいて、どういう形でどういう接触があったのか、ちゃんと個人情報は守りますので、必要なことについては、ですから教えていただく、これは感染症なんだという意識を皆さん持っていただいて、ご協力をいただきたいと思います。
それから、先ほどもう今日は800人を超える多くの感染者があの分かりました。前から申し上げているように新しくこの自由診療というか自由検査の数字、これもその中に含まれております。昨日の段階だけで、都内はその自由検査も含めて71名が加わっておるということなど、よって首都圏の知事との連携なども、このクラスター情報なども共有するということで、ともに感染を抑えていく、そのことに繋がっていくのではないかと考えておりますし、また昨日の段階の退院者も500何十人、増えていくのと出る方もいるということでそこは病床のインとアウトを調整するその役目をしっかりと担いながら、とはいえ、カツカツになるとそこが両立ができなくなるので、今日は赤をつけていただいたこともきっかけとして、更に加速して、病床の確保に繋げていきたい。そう考えております。

【事務方】それでは時間でございますので、これで終了とさせていただきます。

テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

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