舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年1月23日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年1月23日(金曜)
14時00分〜14時24分

知事冒頭発言

1 小笠原への視察について

【知事】第一点ですけど、小笠原への視察についてお知らせいたします。ご承知のように、先般、残念ながら中止となりましたが、改めまして、都議会議長はじめ、都議会の方々とご一緒に、来月の9日に父島を視察することにいたしました。外国漁船の違法操業による漁業への影響など、島の現状につきまして、直接、都民の皆様のお話をお伺いしたいと思っております。その上で、それを今後の取組に生かしたいと考えております。
 また、来週の29日には、外国漁船の違法操業に関する連絡会議を開催いたします。今回、これで第3回目の連絡会議になりますけれども、国や小笠原村と連携して、島民の皆様が二度と不安を抱くことのないよう、都としましても、引き続き気を緩めることなく取り組んでまいりたいと思っております。
 詳細につきましては、所管局の総務局、産業労働局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会選手村及びレガシー検討に係る「事業協力者」の募集について

【知事】次に二点目ですが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会選手村およびレガシー検討に係る「事業協力者」の募集についてお知らせいたします。
 選手村を限られた時間の中で確実に整備すること、また大会後のレガシーとして、より魅力あるまちとしていくためには、早い段階から民間の知恵やノウハウを入れた事業計画案をつくることが必要であります。このために、高い技術力や豊富なまちづくり経験を持つ「事業協力者」を選定していきたいと思っております。
 この「事業協力者」は、まず都心に近接した立地や、豊かな水辺空間等を踏まえた魅力あるまちづくりと、さらには、単身や子育て、外国人など、様々な世帯に対応した多様な居住プラン、そして、水素を初めとした新エネルギー、太陽光発電などの再生可能エネルギー等の導入、こういうことについて、東京都と共同して検討したいと思っております。
 本日より募集を開始いたします。そして、3月上旬には募集を締切りまして、計画の立案・実現能力等を審査して、プレゼンテーションを経た上で、3月下旬には「事業協力者」を決定いたします。その後に、「レガシー委員会」におきまして「事業協力者」等の意見も反映させながら、誰もが憧れ、住んでみたいと思えるようなまちを実現したいと考えております。
 この件は、詳細につきまして、都市整備局にお伺いいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 「安全安心TOKYO戦略」について

【知事】三点目は、「安全安心TOKYO戦略」についてお知らせいたします。今回、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据えた上で、世界一の都市に相応しい安全安心の実現を目指し、新たな指針となる戦略を策定いたしました。これは、東京の治安の現状等も分析した上で、都民の不安感の解消にも目を向け、今後10年の取組の方向性を示したものであります。
 地域の取組に重点を置き、区市町村、警察、企業等と連携を強化する他、犯罪の取締りだけでなく、都民に不安感や不快感を与えるルール・マナー違反なども視野に入れて取り組んでまいります。
 来年度は、緊急対策としまして、いわゆる振り込め詐欺を撲滅するために、自動通話録音機を高齢者世帯へ1万台設置いたします。来週の27日には、「東京の安全安心に関するシンポジウム」を都庁で開催し、私も出席いたします。
 今後、この戦略によりまして、誰もが安全安心を実感できる東京の実現を目指して、行政、警察、地域、企業等の総力を結集して取り組んでまいりたいと思っております。
 この件の詳細は、青少年・治安対策本部に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、朝日新聞歌野から幾つかお尋ねいたします。選手村なんですけれども、これ、最終的に事業協力者を1者に絞るような想定をされておられるのかということと、あと、どのようなですね、事業者に手を挙げてもらいたいというふうにお考えかということですね、その1点、1点といいますか、はい。

【知事】これは、まだ白紙です。とにかく、先ほど申し上げたようなウォーターフロントですから、そういうところに相応しいまちづくりをやるとか。水素社会ということも私は申し上げているので、そういう観点。それから、やはり国際都市・東京として、外国の方も一緒に住めるようなまち、そういうことを東京都と共同してやりますから、その時に、1者にするか2者にするか、それはプレゼンテーション、たくさん応募が来られる可能性がありますので、プレゼンをやってもらって、それで良く検討する。
 だから、場合によっては、これは全く未知数ですけれども、二つとか三つの会社が、我々は共同でやりたいと思ってこられるかもしれません。だから、そこは、どういう形で応募に応えられるかを見て検討したいと思いますので、あらゆる可能性はとっておきたいと思います。
 今申し上げたように、やはり経験豊富でないと、全く初めてというのは難しいと思うのです。だから、まちづくりの経験があって、先ほど申し上げたウォーターフロントの開発とか、再生エネルギーとか水素エネルギー、こういうものについて積極的にやれる方でないといけないと思います。取り敢えずは公募を開始して、応募状況を見て、そしていろいろなディベロッパーの方が手を挙げられると思いますので、その上で検討したいと思っています。
 やはり世間から見て、それは信用できるところだな、それから資金的にも問題ない会社だなとかですね。それと、やはり何といっても、私は経験というのは非常に重要だと思いますので、そういうところの総合的な観点での検討だと思いますので、是非我と思う事業者、名乗りを上げていただきたいと思っています。

【記者】読売新聞の山村です。葛西臨海水族園のマグロについてお伺います。マグロ類がですね、今、大量に死ぬという事態が相次いでいるんですけれども、25年間、同園ではマグロを目玉で展示でやってきてですね、どう受けとめていらっしゃるか。また、もうかなり数が少なくなっているんですけれども、追加の補充について、知事はどういったお考えを持っているのか、お願いいたします。

【知事】本当に、これは非常に残念ですね。約160匹ぐらい、クロマグロ、スマ、ハガツオがいて、正確に言うと159いたのが、今日の段階で、クロマグロ3匹、それからスマはゼロ、ハガツオは2匹で、5匹しかいないという極めて寂しい状況で、それでいろいろな研究機関に調査をお願いして、病理解剖したりしていて。それで20日に日本大学にお願いしていたのですけれども、日本大学からウィルスが検出されたということであって、ただ、他の所の研究センターも一生懸命研究していただいているので、原因の確定をしないといけない。原因の確定をした上で、その上で、この3匹しかいないで展示を続けるかということもあると思います。確定して、仮にウィルスだったらどういうふうに除去するのか。例えば水を替えればそれで済むのかとかいうことがあるので、検討の時間が要ると思いますけれども、できるだけ早くこれは何とかしたいと思っています。
 私も自宅で熱帯魚と金魚を25ぐらいの水槽を管理しているので、本当にショックなのです。それで、病気になったら私も、一生懸命、金魚などの治療をするのだけれど、なかなか治らないのがあって、ある日突然、パッと死んだりすることがあるのです。だから、日々の管理を相当やったりしてもそうなので、やはり何といっても生き物なので。ただ、解明することが非常に必要だと思っていますので、是非、元の形に1日も早く直したいというのが希望で、総力を挙げて取り組みたいと思っています。

【記者】産経新聞の福田です。今年は戦後70周年ということで、本日、先日悪天候で流れてしまいましたけど、硫黄島で追悼式をやってると思いますけれども、今日、日にちは変わりましたけど、代理出席となったのは、5月にまたあるからということなんでしょうか。

【知事】要するに、いろいろな公務があって、今、予算の復活折衝をやったりということがありますし、予定が合う限りはいろいろな行事にも出たいと思っていますけれども、その時期によって優先順位というのがあるので、そういうことも調整しながらやりたいと思っています。

【記者】その、今の復活予算なんですけれども、今日都議会への説明をされたということ。詳細は後ほど出ると思うんですけれども。今回、何かポイントというか、そういうの、何かございますでしょうか。

【知事】200億円の総額ということで、要するに、新しい仕事をやるというのは、投資的経費が増えないといけない。この比率がそのことによって若干増えましたということと、1兆円を超えたということですから、新しい事業がやれたと思います。中身については、後ほど詳細についてお話があると思いますけれども、それは区市町村、多摩島しょ部含めて、そういう所の要望も入れるし、特に福祉の面において、新しいいろいろな要望が出てきます。そういうことについても、細かい手当てをしてありますので、各党から様々な要望を入れましたので、できるだけ各党の皆さん方のご希望に沿うような形になっていると思います。

【記者】日本テレビの久野村です。東京都の安全安心戦略についてなんですけども、こういう高齢者世帯に自動録音装置というのを入れるのは、前例があるのかということと、いろいろと問題というか、懸案がある中で、振り込め詐欺に特に重点を置いたことについてお伺いしたいんですが。

【知事】過去にも例があったと思います。詳細は担当に聞いていただきたいのですけれども、やはり自動録音装置があるというのは、一つの抑止力になると思います。そういうことをきっかけとして、先日もお話しましたけども、子や孫をかたって騙すので、ご高齢の方だけではなくて子や孫の方々にもしっかりと啓発をするということをやりたいと思っていますし、技術進歩で敵もまたそれをかい潜っていろいろなことをやると思いますので、あらゆる手を尽くしたいと思っています。予算の議案の説明の時に申し上げましたけれども、来年度、私の方針として、とにかく東京都が率先して二つのことをまず撲滅したい。それは、今の特殊詐欺と振り込め詐欺と、もう一つは危険ドラッグということであって、そのために必要な予算もつけていますし、担当の警視庁、福祉保健局含め、全力を挙げてやってもらうよう直々に指示を出し、お願いをしてあります。例えば危険ドラッグについて言うと、全く無辜の民が、危険ドラッグを飲んだ人の車で轢かれて亡くなるという残酷なことが起こって、これは絶対に許されることではありません。それから、一生懸命お年寄りが老後のために蓄えてきた大事なお金を、ああいう形で騙し取るというのは、これも許されることではありません。犯罪というのは、全て許されることではありませんけれども、首都東京が世界一安全で安心なまちだという時のシンボリックな課題として、この二つは絶対に東京から撲滅するんだと、そういう思いでやりたいと思っています。

【記者】フジテレビの相澤です。明日の深夜の西武池袋線で工事が行われて、練馬高野台から大泉学園までの高架が完了しますけれども、そういう高架下を利用して待機児童対策を掲げていらっしゃると思いますが、改めて高架下の利用について、どのように活用するお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

【知事】鉄道事業者の方も、そういうことに対して非常に問題意識を持っておられて、もう既にいろいろな鉄道の路線でそういうことを言ってくださっていますけれども、鉄道の路線というのは、傍に駅がある訳ですから、通勤通学の人にとっても非常に便利が良い所で、その近くに、つまり高架下を利用して保育所があるということは、勤めに行く前に預けて、帰る時に子供を受け取るということができるので是非活用したい。今までは、どうしても駐車場とかショッピングモールとか、そういうことの発想しかなかったのですけれども、ニーズが非常にあると思います。音がうるさいなんていうのは、いろいろな騒音対策を技術的な問題で解決できますから、常に申し上げていますように、東京の場合は土地の値段が非常に高い。福祉、社会保障のための老健でも、特養でも、保育所でも、保育園でも、つくるのに非常にブレーキとなっている。そういう意味で、有効な土地がそこに空いたということは、これを活用するのは良いと思います。今、世の中の見る目も非常に変わってきて、あの鉄道会社にはたくさん保育所をつくってもらった。素晴らしい鉄道会社だという評価になっているので、我々も協力できるところは協力してやりたい。ただ、その時に、問題は高架の下でお庭がつくれないと思うのです。そうすると、近くの公園を皆が取り合ったりする。だけど、背に腹はかえられないので、認証保育所はお庭がなくてもやろうということでやっていますので、いつも申し上げているように、そのための対策で公園を規制緩和して、公園の中に保育所をつくるというようなことも、新しい手法として考えたいと思います。取り敢えず、貴重な高架下をそういう意味で利用したいと思っています。

【記者】共同通信の小柳です。すいません、2015年度予算の関係で、私立外国人学校運営費補助について、ちょっとお尋ねします。都は2015年度予算でもインターナショナルスクールとか、韓国学校、中華学校の15校を対象に、7071万円を盛り込んでますけれども、今年度も朝鮮学校については対象外となっています。今年度も知事は対象外とする判断をなされたということでよろしいのかということと、そう判断した理由について教えていただけますか。

【知事】基本的に都民の税金を使って予算を組む訳ですが、片一方で拉致の問題というような大きな問題はあります。そういうことのバランスを考えた時に、果たして支出して良いものなのかどうか、そういう大局的な考えに立った上で、やはり今回もこれは見送った方が良い。そういう判断であります。都民の納得ということが、最大限のポイントだと思われて、結構だと思います。

【記者】そうなると、国際的な拉致の問題であるとか、そういったものが解決しない限りは、支給していかないというお考えなんでしょうか。

【知事】毎年、その年、その年で様々な判断をする材料があると思いますから、国際状況全体が変わるとか、日朝関係が変わるとか、いろいろなことがありますので、それは適宜判断していきたいと思っています。

【記者】テレビ朝日の北本です。今、日本人2人がですね、「イスラム国」に人質という形で拘束されていると見られているんですけれども、この案件について、知事としてどうごらんになられているのかということと、もう1点、やはりこういう「イスラム国」とかそういう集団がですね、東京に関係者が来て、テロみたいなことをやるということもですね、今後可能性もあると思うんですけれども、その点についてどのようにお考えなのかお伺いしたいんですけど。

【知事】最初の問題は、こういう人質に捕るような形でテロ行為を行うというのは許してはならないことであって、断固として弾劾していかないといけないと思いますし、政府の発表では30分後ぐらい、2時50分が72時間の期限だというけれども、一刻も早い二人の釈放ということをお願いしたいと思っています。やはり国際社会が協力して、断固としてこれに対応すると。世界各国のイスラム教徒の方々が反応されているように、自分たちは本当に平和を愛するので、こういうことをやるのはイスラムの教えに反している。私がいつも申し上げるように、人道主義、ヒューマニズムと平和というのがイスラムの基本的な教えですから、是非世界中の方々に声を上げてもらいたいと思っています。この件は、政府が懸命になっていろいろなルートを使って解決への努力をなさっていると思いますけれども、しかし今、北本さんがおっしゃったように、5年後のオリンピック・パラリンピック大会を控えて、テロ対策というのは非常に大きくなります。そして、我々も決してセーフティーゾーンにいる訳ではありませんので、徹底的なテロ対策を今後やっていかないといけないと思っていますので、とりあえずは今回、外交での解決が見出せるようにやっていきたいと思っています。
 先般、江戸博で「Explore Tokyo」をやりました。中東からもたくさんの国の大使はじめ来られていたので、そういうことも話題になりました。私の方からも皆さん方でいろいろなアイデアがあったり、話し合いのチャンネルがあったりしたら、是非日本政府に協力してあげていただくとありがたいですというようなことは、一緒にお話をしながら申し上げたので、政府が全力を挙げてやってくれることを我々もサポートしていきたいと思っております。

【記者】新宿区新聞の喜田です。関連です。この件につきましては、ジャーナリストの自己責任で行ったことなのだという問題で、自己責任論も結構一方である訳ですね。こういう考え方については、舛添都知事はどうお考えになりますでしょうか。

【知事】それは喜田さんが、外国に行くのでもどこに行くのでも、あなたの責任で行くことは全く変わりありません。しかし、これを人質にとって身代金を要求する、何時間以内に殺すと言うことは、断じて許しがたいテロだということは、まず最初にあるのだと思っております。
 それから皆さん方の仕事ですけれども、やはり報道の自由。よく私は皮肉を込めて喜田さんに現場に行け、現場に行けというのを申し上げているので、私も相当危ない目をして、本当に戦争は嫌だと思ったら。戦場に行ってみればわかるけれど、戦争とか平和というのは頭の中の問題ではなくて、自分が殺されるかどうかというがまず現実なのです。そうすると、そういう所に行って、シリアの子供たちがどう苦労しているか、どれだけシリアがひどい状況になっているか。
 私も、サダム・フセインがまだいる時にイラクにも入りました。自衛隊が来る前に入りました。カンボジアも自衛隊来る前に入りました。そうすると、そういうことをきちんと誰かが伝えてくれるということは、真実を国際社会に知らせることであって、私はジャーナリズムの需要というのは極めて重いので、皆使命感を持って、命がけでやっているのだと思います。だから、それに対してああいう卑劣なことをやるというのは許しがたいということを、新宿新聞の喜田さんもやはり一ジャーナリストとして、私とともに、ジャーナリズムの自由を守るということをおっしゃっていただくことをお願いいたしまして、本日、時間となりましたので、何にもなければ終わりたいと思います。よろしいでしょうか。では、また是非現場でお会いしたいと思います。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)