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平成29年(2017年)4月21日更新

都政のしくみ/都と区市町村[都と市町村]

1 法制関係

東京都には、前述の特別地方公共団体である特別区と普通地方公共団体である市町村があります。

地方自治法においては、都道府県も市町村も同じ普通地方公共団体として、一部の例外を除き、同一の規定により規律されており、それぞれ完全に独立した地方公共団体として位置づけられています。都道府県が、市町村を包括するという二層構造をとっていますが、都と市町村は、上下の関係にあるものではありません。

都と市町村は対等の関係ですが、その処理する事務についてみれば、一般的に市町村は、基礎的な地方公共団体として、住民に最も身近な日常生活に直結する事務を処理し、都道府県は、市町村を包括する広域的な地方公共団体として、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの、その規模または性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるもの、を処理するとされています。

2 市町村の行政

(1) 市町村の事務

市町村は、基礎的な地方公共団体として、住民の福祉の増進のため、各種の事務を処理しています。

市町村が処理する事務は、次のように自治事務と法定受託事務に区分されています。

自治事務=地方公共団体の処理する事務のうち法定受託事務を除いたもの(例えば、都市計画決定、飲食店営業の許可等)

法定受託事務=法律等により市町村が処理することとされる事務のうち、国または都道府県が本来果たすべき役割に係るものであって、国または都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律等に特に定めるもの(例えば、国政選挙、旅券の交付等)

(2) 市町村の組織とその機能

市町村の機関は、議決機関と執行機関に大別され、議決機関として議会が、執行機関として、長及び各種の行政委員会及び委員があります。

議決機関である議会は、住民の直接選挙により選ばれた議員(任期は4年)で構成されます。

執行機関である長は、地方公共団体を代表し、地方公共団体の事務一般について管理執行します。また、各種行政委員会及び委員は、専門性、中立性の見地から、選挙、教育、監査などの特定事務を管理執行します。

議決機関と執行機関は、その機能を分任し、ともに住民に対し責任を負っており、例えば、市町村長に対する議会の不信任議決権、長の議会解散権にみられるように、権能の相互の均衡と抑制のうえに、市町村行政の運営が行われる仕組みとなっています。

(3) 市町村行政の現状と課題

都の市町村の区域は、区部に隣接し西方に広がる多摩地域と、太平洋上に散在する島しょ地域に大別され、それぞれに地域的特性を有しており、行財政運営上の課題も異なっています。

また、本格的な地方分権の時代を迎え、新たな行政需要や広域的な行政課題への対応のために、市町村は、行財政基盤の強化を求められています。

各市町村においては、それぞれの行政需要に対応するため、基本構想や中・長期計画の策定を行って計画的行政を進めています。

しかし、市町村の財政状況を見ると、児童福祉費や生活保護費などの義務的経費が増大し、依然として厳しい状況にあります。また、今後は、公共施設の老朽化に伴う維持・更新経費の増加なども見込まれ、一層の財政のひっ迫が懸念されています。そこで、各市町村とも行財政改革に取り組み、収支の改善に努めています。

 都は、それぞれの地域が抱える行政課題を解決する施策を推進するとともに、各市町村の個別の行政課題に応じた財政支援、技術的助言などを行っています。また、消防事務の市町村からの受託、上水道の都営一元化、流域下水道の整備促進など、補完行政、広域行政を積極的に推進しています。特に多摩地域においては、平成13 年に基本構想の「多摩の将来像2001」を策定後、実行計画である「多摩アクションプログラム」「多摩リーディングプロジェクト」(改訂版を含む。)及び「多摩振興プロジェクト」を順次策定し、都事業の着実な推進や、国や市町村との連携強化を図ってきました。

 平成25年には、人口減少・少子高齢化への対応、大規模工場の撤退など、多摩地域を取り巻く状況が厳しさを増す中で、「右肩上がりの成長・拡大」から、「活力ある都市の成熟・持続」へと発想を転換した「新たな多摩のビジョン」を策定し、多摩の進むべき方向性を明らかにしました。

 平成26年には、「新たな多摩のビジョンで」で示した目指すべき多摩の姿の具体的な内容を明らかにするとともに、都や市町村、民間等の取組を体系的に取りまとめた「新たな多摩のビジョン行動戦略」を策定し、魅力にあふれ、活力に満ちた多摩地域の実現に向けて取り組んできました。

 平成29年には、人の暮らしと自然が調和し、誰もが輝くまちを目指して、2020年に向けた実行プランを踏まえた当面の取組のほか、2020年の先を見据えた多摩の目指すべき地域像と、その実現に向けた施策の方向性を示した「多摩の振興プラン」を策定し、多摩地域の持続的な発展に向けて取り組んでいます。

このほか、都と市町村間における、行政上の多くの課題の総合的かつ円滑な実施のため、各種の協議会等が設けられています。その中でも、都市町村協議会は、都と市町村のトップマネージメントによる協議機関としてさまざまな行政課題について、都と市町村とが、互いに十分な意思の疎通を図りながら、相互の機能分担と協力関係を確立し、具体化する場として設置されています。

このように、都と市町村は、相互に緊密な連携のもとに、住民福祉の向上を図っています。

(4) 都の地方行政機関

都においては、特定の事務を処理するために設置される地方行政機関(保健所等)のほかに、知事の権限に属する事務一般を分掌させるために必要な地域に設ける支庁を、島しょ地域に4カ所(大島支庁、三宅支庁、八丈支庁、小笠原支庁)設置しています。

各支庁は、その管轄区域における知事の権限に属する事務をほぼ全面的に分掌し、また、知事の権限の一部について委任を受け執行しています。

どの支庁も、島しょ地域住民の利便を図るとともに、町村との緊密な連携のもとに都施行事業の円滑な推進を図っています。

3 特別地方公共団体

地方公共団体には、普通地方公共団体(都道府県および市町村)のほかに、特別地方公共団体があります。特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合(一部事務組合および広域連合)および財産区になります。そのうち、東京都の市町村では、一部事務組合と広域連合、財産区が設置されています。

(1) 一部事務組合

一部事務組合は、普通地方公共団体および特別区の事務の一部を共同して処理するため設けられるもので、事務の共同処理方式として、広く活用されています。

市町村を構成団体とする一部事務組合は、令和3年4月1日現在29あり、内訳としては、ごみ・し尿処理のためのものが10、病院事務のためのものが3、その他が16となっています。

 

(2) 広域連合

広域連合は、普通地方公共団体および特別区の事務のうち広域にわたり処理することが適当であると認められるものに関し設けられるもので、平成19年3月、75歳以上の高齢者の医療制度に係る事務を処理する都内初の広域連合「東京都後期高齢者医療広域連合」が、都内全区市町村を構成団体として設立されました。

(3) 財産区

財産区とは、市町村または特別区の一部で、財産又は公の施設の管理及び処分について法人格を与えられた特別地方公共団体です。財産区は、固有の議決機関を有しませんが、知事が必要と認める場合には、財産区議会又は総会を設けることができます。これらを設けていない場合は、財産区管理会を設けることができます。

東京都には1市2町に8つの財産区があり、全て財産区管理会が設置されています。

4 市町村の財政制度

地方公共団体の財源には、地方税、地方交付税、国庫支出金、地方債等さまざまな種類のものがあります。

これらの財源は、その性質によって、分類の仕方はさまざまですが、その一つに一般財源と特定財源の別があります。一般財源は、使途が定められていない財源で、地方税、地方交付税等がこれに当たります。特定財源は、主に決められた事業にしか使えない財源で、国庫支出金、地方債等がこれに当たります。

また、財源の調達が自主的にできるか否かによって、自主財源と依存財源に分類されます。自主財源には、地方税、使用料、手数料等が該当します。地方交付税、国庫支出金、都支出金、地方債等は依存財源で、依存の相手方は、国または都の財政です。

地方自治の立場からは、使途や調達にほかから制約を受けず、かつ、自ら調達できる財源として、地方税が最も望ましい財源といえます。

市町村の主要な財源として、次のものがあります。

(1) 市町村税

市町村税は、市町村がその一般的な行政経費に充てるために、地方税法及び条例の規定に基づいて住民から徴収する税で、市町村の基本的な経費の財源となる普通税と、特定の事業の財源となる目的税があります。

普通税は、特別な理由がない限り、どの市町村でも課税することとなっており、市町村民税、固定資産税、軽自動車税等があります。

また、目的税には、一定の要件を備えた市町村が必ず課税しなければならない入湯税、事業所税と、課税するかどうかの判断が市町村に委ねられている都市計画税等があります。

(2) 地方交付税

地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方公共団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する制度です。

地方交付税の総額は、国税のうち所得税、法人税の33.1%、消費税の19.5%、酒税の50%及び地方法人税の全額からなる法定5税分と特例加算分等の合算となっています。地方交付税は普通交付税と特別交付税からなり、普通交付税の額は交付税総額の94%、特別交付税の額は残りの6%となっています。

なお、平成23年度には、東日本大震災に係る復旧・復興事業等の地方負担額の全額を措置するための、震災復興特別交付税が創設されました。

(3) 地方特例交付金

地方特例交付金は、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除の実施等に伴う減収を補填するための交付金です。

地方交付税の交付・不交付を問わず全地方公共団体が交付対象となります。

(4) 地方譲与税

地方譲与税は、国税として徴収された地方揮発油税、自動車重量税等の特定の税収を一定の基準によって、国から地方公共団体に譲与するものです。

なお、航空機燃料譲与税及び森林環境譲与税については、使途が制限されています。

(5) 国庫支出金

国庫支出金は、特定の行政目的を達成するために、その経費に充てることを条件として、国が地方公共団体に交付する支出金です。

国庫支出金には、国が義務として経費の全部または一部を負担する国庫負担金、国がその事務の執行を奨励したり、地方公共団体の財政を援助する目的で交付する国庫補助金、国の事務の委託に伴う国庫委託金があります。

(6) 都支出金

都支出金は、都が市町村に対して主として特定財源として交付するものであり、その性格は国庫支出金と同様です。

東京都の市町村は、待機児童の増加や山間島しょ地域の過疎化など、各地域に応じたさまざまな課題を抱えています。そこで、都では、広域行政の立場から市町村に対する財政援助や都独自の施策を遂行するための各種の補助制度の充実を図っています。

(7) 地方債

地方債は、公共施設の建設事業に要する経費等の財源となる長期借入金です。

地方公共団体は、地方税等その年度に調達される収入により歳出を賄うのが原則ですが、大規模な建設事業で多額の経費を要する場合などは、地方債により調達します。

平成17年度までは、市町村が地方債を発行するには都知事の許可が必要でしたが、平成18年度からは、都知事と協議を行う制度に移行しました。

なお、都では「東京都区市町村振興基金」を設置し、市町村の公共施設整備等の財源として貸し付けを行っています。

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