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平成28年(2016年)8月5日更新

都政のしくみ/都と区市町村[都と特別区]

1 大都市制度としての特別区

わが国の地方自治制度は、原則として市町村と府県とによる二層制を採用しています。

しかし、交通、環境、防災・安全、インフラ整備など、都市特有の問題について膨大な行政需要を抱える大都市においては、市町村、都道府県という画一的な事務配分のもとで的確な対応をすることが困難となっています。

そこで、現在の地方自治法は、大都市制度として指定都市、中核市の各制度と特別区制度を採用しています。

指定都市、中核市の各制度は、市が府県の行う事務の一部を担うのに対し、特別区制度は、特別区が一般的に市町村が行う事務を行うとともに、都が大都市行政の一体性及び統一性を確保するために必要な市の事務の一部を担うというものです。

2 特別区の沿革

昭和22年、地方自治法の施行により、都の区は新たに特別区となり、特別地方公共団体として位置づけられました。特別区には、原則として市に関する規定が適用され、区長も公選によるものとされました。

しかし、都は、特別区について条例で必要な規定を設けることができるとされ、さらに、従来から都が処理していた事務の多くは引き続き都が行うとされていました。

また、特別区配付税条例により都区間の財政調整制度が発足し、配付税を分与することで、特別区相互間の調整を図ることとなりました。

昭和27年、自治法の改正により、区長は公選制から都知事の同意を得て区議会が選任する議会選任制に改められ、特別区の自治権は大幅に制限されることとなりました。特別区の事務は義務教育、公園等の10項目に制限され、これ以外の市の事務は都が処理することとされました。

このように、特別区は大都市の内部的な特別地方公共団体であると位置付けられ、都が特別区の区域内において市たる性格を併せもつとされました。

さらに、この改正によって、特別区財政調整交付金による財政調整が行われることになりました。これは、特別区の財源不足額について、都の一般会計から平衡交付金を交付するものです。

昭和40年、自治法の改正により、特別区の事務は限定列挙から一部例示列挙に改められ、福祉事務所に係る事務等が特別区の事務とされました。さらに、財政上の措置として今日の都区財政調整制度が設けられました。

その後、各区において区長の公選制復活を軸とした自治権拡充運動が展開され、昭和50年の自治法の改正により、区長は再び公選制となり、特別区は都に留保されたものを除き、原則として一般の市の事務及び保健所設置市の事務を処理することとされるなど大幅な改正が行われました。

また、これまで都が処理してきた事務のうちで特別区が処理することが適当なものは、できる限り特別区に移すこととされ、都市公園の設置・管理、婦人福祉資金の貸し付け等の事務が都から特別区に移管されました。

しかし、この昭和50年の改正後においても、なお、都と特別区の役割分担が不明確になっていることや、特別区の自主性が阻害されていること、また、都が広域的立場からの大都市行政に徹しきれないなどの問題が指摘されました。このため、平成12年の自治法改正によって、住民に身近な行政で移譲が可能なものは出来るだけ特別区の事務とするとともに、大都市の行政の一体性確保の要請に配慮しつつ、特別区の自主性、自律性を強化する方向で制度の見直しを行うこととされました。

この法改正によって、特別区は「基礎的な地方公共団体」として位置付けられるとともに、一般廃棄物の収集・運搬・処分の事務などが都から移管されました。また、大都市の一体性・統一性の確保に配慮しつつ、特別区の自主性・自律性を強化する観点から、配置分合等の手続きの改正や特別区財政調整交付金の原資である調整財源の法定化、都からの税源移譲等が行われました。

3 今日の特別区

(1) 特別区の性格

特別区は、次の点について一般の市と異なります。

  • 特別区の存する区域において、市町村が処理する事務のうち、大都市地域における行政の一体性・統一性の観点から一体的に処理する必要のある事務(上下水道の設置管理、消防等)については、都が処理します。特別区は、基礎的な地方公共団体として、都が処理するものを除き一般的に市町村が処理する事務を処理します。
  • 都は、条例に基づいて都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整を行います。
  • 市町村税の一部が都税とされています。

(2) 特別区の事務

前述のように、特別区は、原則として一般の市の事務を処理するものとされています。

また、法令上都知事の権限に属する事務の一部を、事務処理の特例として、条例の定めるところにより、区長が管理・執行するものとしています。

(3) 特別区の組織等

特別区の組織は、法令上特別の定めをするものを除くほか、一般の市の場合と同様であり、議会、長及びその補助機関並びに行政委員会及び委員で構成されています。

(4) 一部事務組合

一部事務組合は、普通地方公共団体及び特別区の事務の一部を共同して処理するため設けられるもので、特別区の地域においては、人事委員会に関する事務等を共同処理する特別区人事・厚生事務組合のほか、競馬の執行に関する事務等を共同処理する特別区競馬組合が設置されています。

また、平成11年10月、火葬場及びこれに併設する葬儀式場の設置及び管理運営に関する事務を共同処理する臨海部広域斎場組合が、港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の5区により設立されました。

さらに、平成12年4月の清掃事業の移管に伴い、不燃・粗大ごみの処理施設の管理・運営等に関する事務を共同処理する東京二十三区清掃一部事務組合が設立されました。

(5) 広域連合

広域連合は、普通地方公共団体及び特別区の事務のうち広域にわたり処理することが適当であると認められるものに関し設けられるものです。

平成19年3月、75歳以上の高齢者の医療制度に係る事務を処理する都内初の広域連合「東京都後期高齢者医療広域連合」が、都内全区市町村を構成団体として設立されました。

4 都区協議会

都と特別区は、地方自治法に基づき、相互の連絡調整を図るため、都区協議会を設置しています。

都区協議会は、具体的な執行権限を持つものではなく、諮問機関に類似した性格を有するものですが、都知事は、都区財政調整条例を制定、改正する場合には、あらかじめ都区協議会の意見をきくこととなっています。

5 特別区の財政制度

特別区は、市としての事務を都と分担して処理する特別な大都市制度のもとにあることから、財政制度においても次のような特例が設けられています。

(1) 特別区税

特別区が課する税目は、法定普通税として特別区民税(市町村民税個人分)、軽自動車税、特別区たばこ税と鉱産税であり、法定目的税として入湯税があります。なお、市町村税のうち、市町村民税法人分、固定資産税、特別土地保有税、事業所税と都市計画税は、都と特別区の特例として地方税法により都税とされています。

都と特別区の特例は、市としての事務の都と特別区との分担に応ずる財源の配分を目的としていますが、この特例に加え、(3)の都区財政調整制度により財源配分の均衡化を図っています。

(2) 地方交付税

地方交付税は市町村の重要な財源の一つですが、地方交付税の算定上、都と特別区は一体として一つの団体とみなされているため、各特別区は地方交付税の直接的な交付対象団体となっていません。

(3) 都区財政調整制度

都区財政調整制度は、都と特別区における大都市制度である「特別区制度」を前提としたもので、特別区の財政制度の最大の特徴です。

これは、都及び特別区並びに特別区相互間の財源の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するために設けられたものであり、都区間の財源配分と特別区相互間の財源調整という二つの重要な機能をもっています。

基本的なしくみは、都が課税・徴収する市町村税のうち、固定資産税、市町村民税法人分、特別土地保有税の収入額の一定割合と法人事業税交付対象額と固定資産税減収補填特別交付金との合算額の一定割合(令和2年度より、特例的な対応として、55%から55.1%に変更〔注〕)を財源として、各特別区に「特別区財政調整交付金」として交付するものです。

〔注〕令和2年度 都区財政調整方針≪抜粋≫
 都区財政調整は、基準となる財政上の需要と収入の差を普通交付金とする仕組みであり、都区間の配分割合は、中期的には安定的なものを定める必要がある。
しかしながら、配分割合に関しては、児童相談所の運営に関する都区の連携・協力を一層円滑に進めていく観点から、今回、特例的な対応として、特別区の配分割合を令和2年度から0.1%増やし、55.1%とする。
 今回の特例的な対応により変更した分も含め、令和4年度に、配分割合のあり方について、改めて協議することとする。

交付金には、普通交付金と特別交付金の2種類があり、交付金の総額の95%が普通交付金、5%が特別交付金となります。普通交付金は、都が各特別区の基準財政需要額と基準財政収入額を算定し、需要額が収入額を超える特別区にその財源不足額に応じて交付し、特別交付金は、災害等により特別の財政需要があるなど特別の事情のある特別区に交付します。

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