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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成26年11月4日更新

舛添知事定例記者会見
平成26年11月4日(火曜)
14時00分~14時31分

知事冒頭発言

1 ベルリン市・ロンドン市への出張について

【知事】それではまず、10月27日から11月2日まで、ベルリンとロンドンに出張してまいりましたので、その報告からいたします。2つの都市を訪問して、駆け足でありましたが、大変充実した出張になったと思います。
 まず、友好都市20周年を迎えるベルリン市では、ヴォーヴェライト市長と両都市に共通の課題について意見交換をいたしました。そして、環境、都市づくり、文化等の分野で、都市間協力を進めるための合意書を締結いたしました。また、20周年記念行事として、「スマート・アンド・ソーシャル・シティ」と題して、都市づくりや環境に関するシンポジウムを両都市共催で開催し、私も市長とともに冒頭で基調講演を行いました。さらに、スマートシティの実例として、ユーレフ(EUREF)キャンパスを視察しました。地域内エネルギー循環システム、水素エネルギーの開発状況、電池自動車の開発を行っている状況などの説明を受けまして、我々が進めている都市づくり・エネルギー政策の参考とすることができました。今後とも、ベルリン市と都市間交流・協力を進めて、互いに学びあうwin・winの関係を築いていきたいと思います。
 ちょうどベルリンの壁の崩壊が今年の11月9日で、25周年記念であります。その直前でしたので、ブランデンブルク門に市長と一緒に行きまして、この25周年の歴史的なイベントということで、できればこのまま11月9日までベルリンにいてくれないかと言われたのですけれども、そういうわけにはいかないので、大きな風船で光の壁をつくるというので、それにメッセージを託して戻ってまいりました。
 次にロンドンでは、ロンドン大会を成功に導きましたボリス・ジョンソン市長とお会いしました。ちょうど市長さんは50歳で、64年の東京オリンピックの時に生まれたのだということをおっしゃっていました。市長から直接、ロンドン大会で得た教訓などについて伺うことができましたし、また、大都市の運営等について、有意義な意見交換ができました。会談後は、市長自らがオリンピックパークを案内してくださいまして、オリンピックレガシーの活用状況や、ロンドン大会を契機とした都市の活性化などについて、貴重な話をお伺いしました。また、オリンピック担当大臣を務められましたヒュー・ロバートソン大臣、それから、組織委員会を率いましたポール・ダイトン卿、IOCのクレッグ・リーディ副会長はじめ、多くの大会関係者にもお会いして、直接いろいろと議論をして教訓を伺うことができました。
 ロンドン大会では、60年以上前の1948年の前回大会で使用された既存施設を有効活用するなどして、会場計画を見直しておりました。競技会場の建設にあたって最も重要なことは、その施設が大会後も都民、国民の貴重な財産として有効活用されるのかをしっかりと検証することだと改めて感じました。一番大事なのは、早い段階から後利用を十分に考えた会場計画を立てることでありまして、修正する必要があれば、計画を果断に修正する必要があります。今回の視察で得ました教訓を活かして、マイナスの遺産をつくらない、プラスの遺産にするという決意で必要な見直しを行いたいと思います。
 さらに、ロンドンでは非常に伝統のある王立国際問題研究所、チャタム・ハウスと呼ばれていますが、ここにおいて講演を行いました。150人ぐらい来られていたと思いますが、聴衆と活発な質疑応答を行いまして、未来に向けて東京が力強く発展しているという姿をお示しすることができました。さらに、金融街であるシティに行きまして、東京の「国際金融センター構想」について、専門家と活発な意見交換を行いました。これをさらに東京の発展のために使いたいと思っております。そういう意味で、今回の欧州出張の成果を、2020年大会の成功、さらに今後の都政運営に活かして、東京を世界一の都市に向かって進めたいと思っております。

質疑応答

【記者】時事通信の鈴木です。よろしくお願いいたします。幹事社から冒頭発言のありました先週の欧州訪問の件で2問質問させていただきます。まず、東京五輪の会場計画に関して、民間の知恵を入れて最初からやり直すといった趣旨の発言をされておりますけれども、この発言の趣旨というのを改めてお伺いしたいということと、あと大会開催基本計画の提出まで時間が限られてますけれども、その中ではどういった形で民間から意見を聞いて計画に反映させるかと、その辺についての知事のお考えをお伺いしたいんですけれども。

【知事】オリンピック会場計画については、この春に会場の見直しを表明して組織委員会、森会長とともに精力的に必要な見直しを行ってきました。都庁の担当のオリンピック・パラリンピック局にしてもそのことで忙殺されておりますけれども、しかし、オリンピックが終わってどうするのですかということの議論がまだ十分にはなされておりません。それで、ずっと前からこれはもっと官民を挙げて協力して大きなスキームを描かないといけないなということは感じていたのですけれども、要するに2012年のロンドン大会から2年経っていますね。そしてまだまだ一生懸命、レガシーをどうするかということを議論している。
 ですから、例えば一番わかりやすい例でいうと、カヌー、スラロームの会場、我々は葛西臨海公園の隣でやるということなのですけれども、どうしても競技施設というのは、競技のことだけを考える。しかしロンドンの場合は、その会場の6割方は、大会が終わった後に子供達が遊びに来たり、ロンドン市民がそこでカヌーを楽しんだりということをしっかり入れた上で、競技に使うのはたかだか4割なのです。しかし、それをやったおかげで大会後も沢山のロンドン市民が訪れてカヌー教室をやったり、水遊びをやったりということでマイナスの遺産になっていない。
 ですから、そういう観点がきちんと入っていますかというと、それは今、要するに葛西臨海公園にあったものを隣の下水道局の敷地に移すということで精いっぱいでした。そうすると、今のような発想は生まれていないから、カヌー人口は、全国でせいぜい300から400人しかいない、 毎日1人使ってやっと365日埋まるという感じでしょう。そうするとカヌー、スラローム会場をつくるときに隣にせっかく葛西臨海公園があるのですから、家族連れで遊びにきて、例えば、中学、高校のお兄ちゃん、お姉ちゃんはそこでカヌー教室をやる。その間もっと小さな小学校、幼稚園の子供達は臨海公園で遊ぶ。皆が終わったら夕方、家族、バーベキューをそこでできますから、バーベキューしましょうというような形でセットでやると、皆さん来て、使えるようになる。例えばこれが一番良い例ですね。
 それから、選手村も相当頑張って、今でも開発していました。そうすると選手村。これは、今の予定では、民間業、特定の民間業者に委託してやらせることにはなっているのですが、丸投げしてどうぞと言って、その民間業者に能力がなかったらどうするのですか。そこで、ポイントは、今のカヌー、スラローム会場の話で言ったように、全て終わった後のことをきちんと考えてやる。特に、常設、恒常的なものは、そうすると何が必要かというと、江東区でやります、中央区でやります、何々区でやります。そこの区民の皆さんが、ロンドンの例がそうなのですけれど、皆、その競技場に後利用に来てくれる。例えば、ロンドンというのは、小中学校にプールがほとんどないので、水泳競技をやった場所に、子供たちがそこで泳ぎに来られるというのを最初から入れてやっているわけです。そうすると何日も待たないと使えないぐらいに盛況だと。
 自転車の会場もそうなので、マウンテンバイクというのはものすごく難しいですよね。それを、終わった後、それほど難しくない、初心者ができるようなマウンテンバイク場もつくる形によって、自転車も、何日も待たないと自分の番が回ってこないぐらいに、非常に盛んに使われている。だから水泳競技の時にそういう発想があるのですか、自転車についてはあるのですか、カヌーについてはあるのですかというと、これは今からの話なのですけれども、既存の施設を使う場合にはそのままで良いのですけれど、きちんと競技場の変更というのを、場所の変更が決まった今からつくりますという、そのつくる段階から大事なのは、地元の人たちがそこで楽しめる、地元の意見を絶対に聞かないと駄目だと。それから、役人に商売をしろと言うと、そううまくできる訳ではないので、プロがちゃんとスポーツ施設も運営して儲かるようにするにはどうすれば良いか。かなりの黒字をロンドンオリンピックは出していますから、そういうこともですね、年末、それから最終的には2月までには計画を出さないといけないのです。だから、それは、大まかな計画なので、この会場をここにします、これはこれぐらいのところでやります、そこから、設計をする段階から、今のような地元の方々、民間の方々、その他いろいろな人たちの意見を入れて前に進めていかないといけない。
 それから、もう一つ大事なことは、我々はオリンピック・パラリンピックも大事ですけれど、これはあくまで一つのステップであって、長期的に東京を世界一にしようという都市づくりをやっているわけですから、そのためにこれを最大限活用する。ロンドンの場合は、本当に廃棄物の処理場のように捨てられたような地域を、ある意味で完全に、皆オリンピックを契機に新しい町に開発している。そういう観点から見ると、豊洲とか有明とか、埋め立て地を中心に今、選手村を中心にやろうとしていますね。大会が終わりました。選手村をマンションに変えます。6000戸できます。何万人かの人口の町ができます。その町が活性化するのか、何か侘しい、さびれた町になるのか、それは活性化して新しい東京の顔になってもらわないといけないのですから、当たり前のことですけども、オリンピック・パラリンピックという仕事と、東京の街づくりということが完全にリンクしているかどうかということになると、建設局なり、都市整備局なり、交通局なり、オリンピック・パラリンピック局、都庁の中でももうちょっとしっかり。それで、そこに一つのタウンができるのだったら、病院どうするのですかと、病院の話もしないといけない。ショッピングセンターもどうするのですか。それはやはり民間の知恵、地元の人たちの意見を早くから入れる形で、今から1年以内に大まかな建設計画つくった時に、それを入れておかないといけない。2年後になって、一旦計画をやって、それを動かし始めたらもうどうしようもないですから。2020年に、しまった、こんな街づくりをするのではなかったというふうになってはいけないということなので、競技施設の見直しも、大体終わりの段階ぐらいに達しているので、そろそろ、それと同時並行的に、今、私が言ったような観点でやらないといけない。この会見でも何度も申し上げていますけれども、ある意味で誰もが描いていない大きなグランドデザインを、皆、自分の範囲のところはしっかりわかっているけれど、全体をどうするの。それを今からやろうということで申し上げたので、鈴木さんの二つのご質問には大体お答えできたと思っております。

【記者】すみません、ちょっともう1点いいですか。ロンドン市長との会談で、両都市の関係強化についても合意されたということですけども、今後、連携を深めるために、いつまでにどういった形で協定を結ぶのかとか、あるいはオリンピック以外に何か、分野で何か、連携分野で柱なのがあればお聞かせください。

【知事】ロンドンも大都市ですから、非常に参考になるところは東京、ロンドン、お互いにあります。ニューヨーク、ベルリン、パリ、モスクワ、北京、大体姉妹都市。普通、ロンドンもそうかなと思ってしまうのですけれど、実はそうではなくて、協力しましょうという協定のようなものはかつてあったようなのですけれど、もうなくなくっている。ロンドン市長も私もそのような状況なのかということで、これはもう少し協力をしましょうということなので、どういう形になるかは具体的に話を、例えば、姉妹都市などという形ではまだしていませんけれども、とにかく協力を進めましょうということで、我々にとってはロンドンの経験というのは、自転車の話にしても非常にいろいろな意味で参考になるわけですから。そういう話をしたので、本当は11月にロンドン市長がお見えになる予定がキャンセルになったので、おそらく来年来られるだろうということなので、まずは東京に来られればその時に、こういうことで協力しようということを、それぞれ事務方で、下準備をしようということです。そこから先は今からまた詰めていきたいと思っています。

【記者】日経新聞の木寺です。受動喫煙対策についてお伺いしたいと思います。先週、出張に行かれている間に、第1回の有識者による検討会がありました。この検討会への知事の期待、3月までに終わるということなんですけれども、その着地点といいますか、その検討会の報告をもとに、どういう今後動きがあるのかということをお伺いしたいのが1点と、それから2点目が、以前に知事のほうからも、受動喫煙防止で、条例も選択肢の1つであるというご発言があったかと思いますが、その後、9月には自民党からですね、一律の条例などによる分煙の義務化とかですね、喫煙については慎重論を求めるような要望書も出ています。条例の制定の可能性、それから、もし制定する場合ですね、どういった内容、その義務化が妥当なのかとかですね、そのあたりの、ちょっと、お考えもあわせてお伺いしたいと思います。

【知事】私が出張中の10月29日に検討会が開かれたというのは、中身はちゃんと報告を受けております。完全禁煙論の方もおられれば、分煙論の方がおられたりする。それから逆に分煙も禁煙も困るという方も、また飲食店を経営しているからというような方もおられるし、たばこの業界の方もおられるので、今後ともさまざまな意見を聞いていきたいと思います。最大のポイントは、やはり受動喫煙を防止するということ。これが最大公約数になろうかと思うのです。私は吸いませんから肺がん予防のためにもお吸いにならないほうが良いですよとお勧めするけれども、吸っているのは俺の趣味だから、命縮めようと好きなことをやりたいというその趣味までは止めることはできないけれど、だけどあなたの煙で私の健康を害すのは止めてくださいというところまでは言えると思うので。それで、要するに分煙、いや、受動喫煙防止が完璧になされていなくて、例えば、個々に何も仕切れなくて、こっち側の人、たばこ吸って良いですよと、だから、我々も受動喫煙しますから、今から完璧にボックスのような形で、そこに入ってください。外に煙全然出さないでください。そういうことをもっと進めることが必要だと思うので、都庁内の喫煙ボックスも完璧に密閉性ではないと思いますので、そういうことをやることによって、少なくとも都庁の中では受動喫煙はありませんと。漏れてきたら意味ないですから。
 その点で、例えば路上で、ながらたばこっていうのをやれないように、いろいろな区でそれぞれ対策を打っていますけれど、そういうこともあり得るだろうし、だから最大公約数的に言うと、受動喫煙をやらないためのいろいろな仕組み、今言ったハード面でのそういう喫煙ボックス、それを最初から条例で必ず何個置きなさいというようなことはできないでしょうから、それを進めて、何らかの形でそれに誘導するような、そういう施策をとれるか、そういう形だろうと思うのです。というのは、なかなか、もう少し議論をして聞いた上で条例化できるかどうかというのは、これまた課題なので、とにかくできるところから、今言ったような完全な受動喫煙防止のための施策をどんどんやっていくということが必要だと思います。ただ、どうしてもオリンピック開催地としては、それでは不十分だという意見も、海外からは非常に多いですね。
 ですから、そういう中で、6年先へ向けて、どういうふうにやっていくか。ただ、どうしても、たばこを吸いながら食事をしたいのだという人は、このお店はそれが可能ですというのを出してやるのかどうなのか。ただ、今までのデータだと、禁煙と謳った方がお客さんは増えているというデータはありますね。そういうことで、もう少し、この検討会議の状況を見て、たばこを吸わせてくれという方の意見も、次に聞いてみたいと思っています。

【記者】日本テレビの久野村です。改めてなんですけども、ロンドンがオリンピックの大会後に抱えているなと思われた課題や苦労点というところと、あと、その課題の中でも、東京も直面するのではないかということが、知事、見えたところがあればお願いいたします。

【知事】やはり、良いことばかりではなくて、相当なお金がかかっているので、都市整備だけで3兆から4兆円ぐらいかかっていると思います。
 それから、メーンスタジアムを今、東京でいうと8万人と、これだけのものをとてもではないけれど集められないので、半分ぐらいに座席を減らす工事を300億円ぐらいかけてやっているのです。そうすると、最初から大きくしてどうだったのかという話になるので、結局、今またやり直しをしている。大きくつくるのも良いけれど、小さくする時にまたお金がかかるのだなという感じがしています。
 それと、自転車は、ボリスバイクということで、シェアサイクルをやっているのだけれども、私は、今回行って、ベルリンとロンドンというのは、東京と道が似ている。スウェーデンに行った時は、スウェーデンは道が広くて、ストックホルムの例なのですけれども、車道、自転車道、歩道と完全に分けられて、こんなに広い道で良いなと思ったのですけれども、やはり、ベルリンも東京も、やはり大きな町で混雑しているから、ロンドンの自転車レーンは、東京の青い線でペンキを塗っている、あれと同じぐらいの大きさしかないのです。それから、バスレーンと一緒になっている。聞くと、しょっちゅう事故が起こっているということなので。
 それから、ベルリンは、本当は自転車が歩道を走らない方が良いのですけれど、仕方なくて、歩道を走らせている例がある。やはり、自転車もそうやって事故がないようにするにはどうすれば良いかというようなことで、それぞれ苦労しているのだなというふうに思って。かといって、渋滞が緩和されたわけではありません。やはり、ロンドンはものすごい渋滞が続いていますので、その点、我々が三環状をつくることによって渋滞減らそうとしているので、お互いに学び合うところがあるなと思っています。
 しかし、何といっても、国際金融との話との絡みですけれど、やはり、東京にいるよりロンドンにいたほうが世界中の情報が集まるなと、これは確かなので、そこがやはり我が国、我が東京がロンドンに負けているというような感じがしています。
 それから、もう一つは、めちゃくちゃ物価が高いです。世界一の都市は、世界一ではないと思うぐらい、物価が、同行の方々も、何でこんなに高いのだと思うぐらい高かったので。だから、私は、チャタム・ハウスで講演した時に、とにかく安い。300円で牛丼が食えるということを一生懸命訴えてきたので、ああいうふうに物価の高い街になっては困るなというのも一つ感想でした。

【記者】毎日新聞の竹内です。二点ほどお伺いします。一つがですね、ロンドンでの記者会見でも、知事、ちょっとおっしゃられてたと思うんですが、都民の野球場をですね、壊して施設をつくろうという計画があると。で、非常に不満がたまっているというような感じで、かなり強い憂慮を示されていたと思うんですが、これ、おそらく大井のホッケー場のことを指されているのかと思うんですが、地元区民からですね、万の単位で、代替施設を求めるような要望書が知事のところにも出ていると思います。ここについて、何か野球場をですね、今後どうにかするために、何かお考えはありますでしょうか。
 で、二点目がですね、これも会見で少しお伺いしたんですが、葛西臨海公園のですね、脇にあるカヌーのスラローム施設のことなんですが、底地については、下水処理施設のですね、処理場の更新用の用地として確保されてて、今後も、あと40年程度でですね、そこの土地が必要になるんじゃないかと言われています。都民の基本的なですね、生活を守るという意味でのですね、必要性と、もう一つは、オリンピックのレガシーを残すという部分で、二つの部分が非常にかち合っていると思うんですが、何か基本的…、ここ折り合いをつけるためにですね、何か具体的なイメージというのはお持ちでしょうか。

【知事】後者の方から申し上げますと、今のところ、今度作るカヌースラローム会場の施設は20年位もつものだと聞いています。ということは、20年後に更新するかどうするかということで、40年後、おそらく下水道技術の更なる開発とか発展があって、今の状況と40年後はまた違っている可能性があると思います。
 ですから、そういう意味で、一方の下水道の話は40年ですから、技術開発と、その前に最低20年後にカヌーの会場を見直すということで、そういう観点で、今の指摘された課題については見ていきたいと思っています。
 それから、都内のどこでもそうですけれども、平日、土日に関わらず、公園などで野球場があるところは取り合いになって、皆待って使っています。そうすると、皆さんが非常に不満なことは、野球場を潰して使うということ。そのあたり、今、検討中なのですけれども、代替施設をどうするかということがきているので、逆に話をしたのは、地元の人たちの要望に密接にお応えしながらやることがいかに大事かということを申し上げたので、野球場のこと、それで、しばらく建設していて、試合は建設が終わるまで使えない訳ですから、今回の全体の見直しの中でそのことも一環として検討したいと思ってます。

【記者】すいません。ということは、カヌースラローム施設については、とりあえず恒久施設ということであって、もう20年というのを一つの恒久の目途とされているんでしょうかね。

【知事】いや、上手くいかないといけないのですけれど、どんどんカヌー人口が増えて、カヌーのメッカになった。これはとても壊す訳にいかないという時にどうするかということを、20年後に一遍考え直す時期が来る。おそらく、それまでの間に下水管の配置とかいろいろなことで違う技術が出てきて、あれを使わないで良いかもしれないということも十分考えられると思います。そういう総合的な観点から見たいと思っています。

【記者】読売新聞の山村と申します。昨日、空港から帰ってきたときも質問に出ていたことなんですけども、サンゴの密猟についてですね、お伺いします。きょう、大臣、国交大臣の方がですね、東京都とも連携して対応策を練っていきたいというふうにおっしゃっているんですけれども、都としてどのような取組をしていくんでしょうか。

【知事】これまでも既に国交省、水産庁にしっかりとやってくださいと申し上げて、我々は、取り締まるべき手段を持っていない訳ですから。それで、また官邸の方にも、直接総理、官房長官に対して、しっかりやってくださいということは今週、申し入れに行こうと思っております。
 今、時間調整中ですので、国が中心になって、我々も、警視庁の方は機動隊含めて小笠原に派遣して、万が一の対応をするようにしていますので、全力を挙げて政府と協力しながらやっていきたいと思っています。

【記者】MXテレビの鈴木と申します。11月の1日の早朝に終了した渋谷-六本木間の終夜バスについてなんですけれども、赤字がおよそ300万円を見込んでいるということで、舛添知事の政策ではないんですけれども、見えた課題と、今後の、経験をどう生かしていくかについて教えていただけますか。

【知事】ハロウィンの夜だね、皮肉なことに。賑わったと思いますけれども。渋谷で降りて、そこから先、電車がないので。私が渋谷で降りてどうするか。そこからタクシーに乗ったら、私の家はタクシー代が300円位儲かったというだけの話であって、他の交通機関との連携がないと、これは駄目だということの一つの証ですね。
 そして、やはりニーズがないところに無理に持ってきても駄目なので、そこはやはり、そういう観点から、例えば羽田空港が国際化して、深夜・早朝の便ができました。都心から空港に行くバスの便も、それに合わせて増やしている訳です。そうすると、これは飛行機に乗る方々にとって、非常に便利が良い。そういう大きなグランドストラテジーの下でやらないと、ぽっと人気取りとか、ちょっと思いつきでやっても駄目なので、先ほどの鈴木さんの話ではないけれども、やはり全体の大きなグランドデザインを描いた上で、交通体系はやらないといけない。
 ボリス・ジョンソンさんと話した時に、交通とセキュリティー、この二つが一番大事で、そこで強力なチームを作ってやったから、これは成功したということを言っていたので、その点でも、私は総合的な交通体系、交通がアキレス腱だということを申し上げていたので、まさにこういう実験をやってみると、単独で六本木-渋谷だけを動かしても、ほとんど意味を持たない、赤字になるということの証左だったと思います。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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