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石原知事記者会見

平成23年5月19日更新

石原知事定例記者会見録

平成23年(2011)年5月13日(金曜)
15時01分~15時20分

知事冒頭発言

【知事】私から申し上げることはありません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】2点お伺いしたいのですが、まず1点。知事がかねてからご指摘をされていた自動販売機の使用電力についてなのですけれども、業界団体の方が自主的な取り組みとして夏場の間、順番で自動販売機の冷却機能を止めるということで、全体として25%以上、使用電力を削減するという取り組みをするということを、今日、発表しているのですけれども、知事はかねてから、政府が政令によって制限をするような取り組みをするべきじゃないかというふうに指摘をされてこられたわけですが、こうした業界の自主的な取り組みということについて、知事はどうお考えでしょうか。

【知事】結構だと思います。この間も仙谷(由人 内閣官房副長官)君に会って話したのですけれども、「具体的に出来ることをとにかくやってくれ」と。「はい、はい」と言うけれども、何も意思表示がないので、その前に業界が他の国の現況と比べて自粛をするということは結構だと思います。ただ、ほかにもやることがある。政府が政令でやることたくさんあるのに。抽象的にパーセンテージを云々するだけで、後は皆さんにお任せしますというのも変な話なんだよ。

【記者】25%程度の削減、業界の自主的な取り組みでそういうことになりそうなのですけれども、この程度で良しとするというようなお考えでしょうか。

【知事】これは、何も、自動販売機業界だけの責任ではありませんから。これから、今まで、東京電力を含めて電力の供給を受けてきた首都圏がどういう状況になるか、ほかに、節電の責任もある業界もたくさんあるだろうし、それがどこまで、政府の命令でやるか、あるいは自主的にやるかということになって、夏場になってみなければ、にわかに分からないことと思いますけれども。私もああいう意見を出して、首都圏の4知事も合意して、政府に申し込んだことで、業界が自主的に動いてくれたということは、はるかに政府の動きよりも早くて結構なんじゃないですか。

【記者】もう一点、先週末にかけてですが、小笠原諸島が世界自然遺産に登録濃厚ということを、諮問機関から勧告が出たということがあった訳ですけれども、これによって、特に地元では観光客の増加に期待をする声があるのですが、その中で一つ課題となるのが交通アクセスの問題ということなのですけれども、小笠原の空港の建設という問題は以前よりも課題としてある訳ですが、この点について知事、今のお考えをお聞かせいただければと思うのですが。

【知事】私が代議士の頃、小笠原も選挙区でしたが、私もその頃から、随分、いろいろ試みましたし、調査もしました。友達の小型飛行機の会社の飛行機も借りて、例えばエンジンが2つついているビーチクラフト(飛行機)なんかで、八丈で給油したら、仮に小笠原の天候悪くて着陸できなくても引き返してこれないかと、そういうのも調べたんだけれども、洲崎のあそこ埋め立てて、かつて、日本の海軍が小さな飛行場持った訳ですけれども、飛行機の性能も違ってきたし、それから環境問題もうるさくなってきたんで、洲崎に飛行場を作るのは非常に難しい。かと言って、兄島、いろいろ珍しい生き物があって、かつての環境庁が反対して頓挫しましたが。いいんじゃないですか、行かない方が、人が。船動いているんだから。日本人は船に乗る旅行に慣れてないかもしらないけれども、この日本の中で、二十数時間かかってしか行けないところがあるのも、私は結構なことと思います。海好きだから言う訳じゃないけれども。
 それから、言いたいのは、そうなったら国が責任持って、もうちょっと、自然の管理をしろと。私、議員やめてから、しばらくして、知事になりまして行ってみたら、あの宝石みたいな南島が荒れ果てていて、たまげた。それで、村民の合意を得て、入島制限して、数年間、あそこをクローズにして、その後レンジャー制度を作って、レンジャーの案内なかったら人が入れないようにした。それで初めて、南島が戻ってきました。国は、島の村の同意も得て、レンジャー制度を出発して、南島再開した時に、林野庁の役人がにやにや笑いながら来た。てめえら何もしないくせに、事が良くなったら、式にだけ参列して、国の体たらく、そんなものでね。富士山だって、荒れに荒れている。あそこの県議会議員でとんでもないやつがいて、5合目のところに、勝手に店つくって、どんどんそいつの店だけ拡大して、あの5合目の駐車近辺、荒れに荒れた。私、「あれでいいのかね」と言って、都知事になってからその問題を指摘して、それがフィードバックされて、国は何も言わないけれども、山梨県の県議会でも問題になって、その人間、結局、議員も落選しました。国は何も動かないね。環境問題、自然の保護については。だから私は、その限りにおいて、船に限られた人間が乗っていくのは結構だけれども、いいじゃないですか、素晴らしい自然を見に行くんだったら少し苦労して船に乗って。飛行機で行って見てすぐ帰ってくることもないと思う。あそこは、新しい島民が増えて、価値観というのか、情念の違う新島民が出来てきて、その連中は、飛行場つくること反対です。私は、それは、島民としてあそこに住み着いて、島を愛している人間達の、ある意味で一つの意思だと思うし、どれが賛成、どれが反対ということじゃなしに、私は、そういう村民もいるということ、彼ら、小笠原、非常に評価して、一生そこで過ごそうということであそこに住み着いているということも、とても大事な自然と人間の関わりの表示だと思います。とにかく、国は何もしてこなかった。何もしてこなかった。他にどうですか。どうぞ。

【記者】環境省がスーパークールビズなるものを考えまして。勤務中にアロハシャツやTシャツでもオーケーということで、自治体にも呼びかけていくというのですが、知事、どのようにお考え……。

【知事】結構だね。アロハシャツ大好きだよ。ネクタイ締めている人間が高級じゃないんだから、こんな衛生に悪いものはない、本当に。それから、何故、サマータイムやらないのかね。成田が譲歩して11時まで空港開けるようになって、羽田が国際化したことで慌てた訳だけれど、成田が10時までで制限してたんで飛んでこれなかったんだけど、11時になったら飛んでくる飛行機たくさんあるわけですから。だから、サマータイムやったらいいんです。やらないね、国は。はい、どうぞ。

【記者】国が国家公務員の給与の10%削減を言い出してますが、地方公務員にもそれを求めるという意向を示していますが、いかが思われますか。

【知事】平均的にどちらが高いか知りませんが、東京は随分、給料カットしてきました。遅れて、国も何か同列のことやり出したけれども。人事院の勧告というのは、国の役人や政治家にとっての防波堤だから。あのおかげで彼らは何もせずに、歳費のカットもせずに、人も減らさずに済んできたんだけれど、そうもいかなくなってきたので、人事院の勧告も都並みのことをするようになってきたけれど、財政多端の時に、公務員の数も減らす、政治家の数も減らす、給料減らすというのは結構なことじゃないですか。東京でもそれは受けて、同列にやりますよ、やろうと思ったら。

【記者】人勧制度についてもやめるという意向を民主党の方では示しているようですが。

【知事】人事院の勧告なんて、本当に、既存の官僚の体制にとっての防波堤であったんですから、あんなのものは本当にやめて、もっと合理的に、それこそ外部監査も入れて、合理的な給与体系にしたらいいんです。どうぞ。

【記者】知事、岩手の方にいらっしゃっていましたけれども、実際にお話、知事とされて、今後、補正予算なり活かしていこうというふうな施策として……。

【知事】どこの補正予算?

【記者】都の補正予算で震災時の被災地支援として……。

【知事】東京都がじかに、財政的に、金銭の面で、他県を援助するのは出しゃばった話だし、その段階じゃないですよ。国が体系を立てた上で、足りないところは、地方どうしが力を出し合うということはあり得るだろうけれども、今から東京が、おかげで財政健全化しましたから何を差し上げますという段階じゃないんじゃないですか。それは全然違うね、行政の体系としても。はい。

【記者】政府が浜岡原発を止めることに決めたようですが、その判断について、石原都知事はどういうふうにお考えになりますか。

【知事】今日の産経新聞に、ああいうものを決定する時の、政治の運営の手だてについて、非常に的確な分析、批判を中曽根(康弘 元内閣総理大臣)さんがしていらっしゃる。お読みください、産経新聞。それに尽きます。非常にいいコメントをしている。私がくどくど言うよりも、それ読んでください。都民の皆さんも読まれたらいい。はい、ほかにどうぞ。

【記者】東京都の環境確保条例(都民の健康と安全を確保する環境に関する条例)に関してですけれども、東電が電力供給量を確保したいということで、確保条例の窒素酸化物の規制の免除を申し入れ、要請をして、東京都が認められたということがありますけれども、その後、広野火力発電所の復旧状況なども分かってきまして、夏までに復旧が可能ということになりました。東京都は一度認めてしまった規制の免除ですけれども、供給量の確保が出来たということをもって免除をまた取り消すというようなことは……。

【知事】当然でしょう。環境の保全と電力の供給というのは、非常に強い相互関係がありますけれど、都民が何をとるかトレードオフの問題だけれども、電力は供給されて、今みたいに贅沢に電力使う必要もないけれど、節電しながら、普通の市民生活が維持されるんだったら、当然並行して、東京が先にいっている環境の保全のために、有力な会社が協力するのは当たり前じゃないですか。

【記者】今のは、撤回するという・・・。

【知事】それが確保されたら当然のことですよ。

【記者】ありがとうございます。もう一つ確認ですが、確認というかご見解を伺いたいのですが、一方で国の方も環境影響評価法の適用除外ということを、環境省と資源エネルギー庁と法制局で災害復旧の名で今回認めるということにしました。

【知事】それは国に聞いてくれ、国に。

【記者】はい。ですけれども、環境影響評価を、本来やるべきものをしないということを認めたがために、品川の大井町の火力発電所に環境影響評価法の手続きなしに東電が作ろうと、増設をしようとしていますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

【知事】それはこれから詳しく調査して、見解を述べます。はい、どうぞ。

【記者】東京の下水道の処理施設から、焼却灰の方から高濃度の放射能が検出されました。これに関して、国の基準というのはいまだかつてないわけですけれども、ただ、汚染されているものを、今基準がないからといって、セメントなどに再利用されていますけれども、これを続けていていいのかという風な素朴な疑問があるのですけれども、ご見解を伺いたいと思います。

【知事】これは非常に難しい問題です。私もさっき聞きましたけれども。これも一種のトレードオフの問題だけれども、上水道と違う下水というのは色々なものが混ざっていますし、色々な形で放射能というのは飛散するし、それが、どういう形でどういう物質に集約されて汚染度を上げているか、私もつまびらかにしませんが。しかし、それが、非常に多量で長い時間通じて、人間の健康にとって好ましくないというのなら別ですけれど、こういう緊急時に、普通の日常生活、アフリカ行っても、自然の中で放射能浴びながら生きているわけだから、宇宙からの。それをもってよしとする訳じゃありません。ただ、これから、もう少し詳細に調べて、数値次第ではきちんとした対処をしなくちゃいけない問題だと思います。今限りではその認識です。

【記者】今、再利用という形で進められてはいるのですけれども、別にとめる必要はないということでしょうか。

【知事】それは分かりません。程度の問題です。これからもっと詳細に調べた上で、都の対処を決めます。今、にわかに白か黒かと言われても、これからどれだけ続くのか、物質にどれだけのものが含まれているか、数値の問題と継続性の問題もありますから、これからの大事な課題だと思っていますけれども。はい、どうぞ。

【記者】政府の方が、今日、15%節電の決定をしました。都庁自身もそうですし、また、企業、家庭に向けて節電の取り組みが重要になってくると思いますが、都としてはどのような……。

【知事】都は都なりにやっています、これからもやります。15%節電なら。都庁にとっては難しいことじゃないし、家庭にとってもそんな難しいことじゃないでしょう。ただ、企業にとっては、企業の体質からして、生産の手段を持っているような、そういう例えば工場なら工場というものは色々な問題出てくると思うけれども、それは仕分けして、持ちつ持たれつで、我慢するところは我慢し、作るものはちゃんと作ってもらうためなら電力を供給するということは、そのあんばいが必要なんじゃないでしょうか。はい、どうぞ。

【記者】公務員の給与カットに連動して、都の職員の給与をカットする考えはあるのでしょうか。

【知事】国は自業自得なんだ、本当に。まず自民党の政権の責任もあるけれど、野放図なことやってきたから財政が今みたいになって。だけど、こういう世の中ですから、日本の財政そのものが多端なんで、国がやるんだったら、地方の自治体もそれに協力して、せめて同列の賃金のカットというのはすべき時にはしなくちゃいけないと思っています。

【記者】同列?

【知事】それはそうでしょう。今までずっと、東京の方はやってきて、国がやっとそれに追いついてきたんだから。

【記者】10%だったら10%に準じていくという。

【知事】相対的な問題、それは。国は今まで何もしなかったんだから。やっと都並みなことをやるようになってきたんだから。財政状況から見れば、東京は富裕団体になっているんだから、議会も努力し、職員も努力して、ここまでこぎつけたわけですから、それにまで、同列なことをやるというのは酷といえば酷かもしれないけれど。しかし、時代が時代ですから、私たち、それは甘んじて我慢もします。その分使うものは都民のために使ったらいいんで。はい、どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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