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報道発表資料  2018年09月04日  総務局, 産業労働局, 福祉保健局

〔別紙3〕

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター第二期中期目標期間業務実績評価結果

東京都が設立した地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(以下「法人」という。)の第二期中期目標期間の業務実績評価について、お知らせいたします。

1 評価制度の概要

  • 法人の中期目標期間における業務実績については、地方独立行政法人法第28条及び東京都地方独立行政法人評価委員会条例第2条に基づき、知事は、附属機関である東京都地方独立行政法人評価委員会(以下「評価委員会」という。)の意見を聴いたうえで、評価を行うこととなっています。
  • 評価委員会は、矢崎義雄氏【注】(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会理事長)を委員長とし、計17名の外部有識者で構成されています。当法人については、委員長の矢崎氏【注】を中心とした高齢者医療・研究分科会に意見を聴いています。
    【注】崎の正しい表記は、「大」の部分が「立」。

2 評価方針と手順

  • 都が定め法人に指示した5年間の中期目標の達成に向け、法人が作成した中期計画の事業の達成状況を確認すること、法人の業務運営の改善・向上に資することなどを評価の基本方針とし、法人から提出された業務実績等報告書をもとに、法人に対するヒアリング等を実施するとともに、評価委員会から意見を聴取しました。

3 評価結果の概要(第二期中期目標期間:平成25年度から平成29年度まで)

  • 評価は、「項目別評価」と「全体評価」で実施しました。
  • 項目別評価は、「高齢者の特性に配慮した医療の確立と提供」「高齢者の健康の維持・増進と活力の向上を目指す研究」などの分野における、中期計画の計20項目について、事業の達成状況・成果を5段階で評価し、2項目を最上位の「S」と評定しました。
  • 全体評価は、項目別評価を基礎とし、法人の中期計画の達成状況全体について、「第二期中期目標期間において、おおむね着実な業務の達成状況にある」と評価しました。

(1) 項目別評価(20項目)

  • 評定S(中期目標の達成状況が極めて良好である)…2項目
    救急医療の充実、先進的な老化研究の展開・老年学研究におけるリーダーシップの発揮
  • 評定A(中期目標の達成状況が良好である)…8項目
    血管病医療、高齢者がん医療、認知症医療、高齢者に特有な疾患と生活機能障害を克服するための研究、収入の確保 など
  • 評定B(中期目標の達成状況概ね良好である)…10項目
    地域連携の推進、活気ある地域社会を支え長寿を目指す研究、適切なセンター運営を行うための体制の強化 など
  • 評定C(中期目標の達成状況がやや不十分である)…なし
  • 評定D(中期目標の達成状況が不十分であり、法人の組織、業務等に見直しが必要である)…なし

(2) 全体評価

ア 総評

  • 平成25年度から平成29年度までの第二期中期目標期間において、おおむね着実な業務の達成状況にある。
  • 病院事業については、三つの重点医療(血管病、高齢者がん、認知症)について、難易度の高い鑑別診断や低侵襲な治療を提供した。
  • また、救急診療体制の充実に継続的に取り組み、救急患者を積極的に受け入れ、24時間365日、都民が安心できる救急医療を提供した。
  • 研究事業については、病院と研究所を一体的に運営する法人の特徴を生かした研究や高齢者に特有な疾患・生活機能障害の研究を進め、機序解明や臨床応用に結びつく成果を上げた。
  • 中でも、福山型筋ジストロフィー症を含めた糖鎖異常症に係る研究成果に関し日本学士院賞を受賞するなど、難病の根本的な治療開発への寄与が期待される高い成果を上げた。
  • 更なる地域連携の強化や研究成果の普及・社会還元、内部統制の強化に向けた体制の整備・取組の充実、収支改善に向けた取組に期待する。

イ 都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項

<高齢者の特性に配慮した医療の確立と提供、地域連携の推進>

  • 血管病医療について、低侵襲かつ効果的な治療を積極的に実施するとともに、高度かつ多様な治療を提供する体制を整備した。
  • 高齢者がん医療について、低侵襲ながんの鑑別診断や治療を推進したほか、緩和ケア病棟の新設、がん相談支援センターの設置など患者・家族が安心して療養生活を営む環境を整備し、がん医療の充実に努めた。
  • 認知症医療について、早期診断の推進及び診断精度の向上を図るとともに、認知症疾患医療センター及び認知症支援推進センターとして、地域における認知症対応力の向上に貢献した。
  • 救急診療体制の充実に継続的に取り組み、救急患者を積極的に受け入れ、24時間365日、都民が安心できる救急医療を提供した。

<高齢者の健康の維持・増進と活力の向上を目指す研究>

  • 病院と研究所とが連携して研究を行い、これまで悪性度判定が困難であった症例に対して、染色体のテロメア長測定技術を利用し判定する「膵臓がん悪性度診断法」を確立するなど、臨床応用に結びつく成果を上げた。
  • 重点医療をはじめとする高齢者に特有な疾患や生活機能障害の研究を着実に推進し、乳がんホルモン療法の適用について新たな判定基準を確立し「乳がん診療ガイドライン」に掲載されるなど、機序解明や臨床応用につながる成果が現れた。
  • 福山型筋ジストロフィーを含めた糖鎖合成異常症に係る研究成果に関し日本学士院賞を受賞するなど、難病の診断・治療法の開発への活用が期待される高い成果を上げた。
  • 活気ある地域社会を支え、長寿を目指す研究について、認知症の疑いを家庭で簡単に確認できる「自記式認知症チェックリスト」を開発し、都が作成した普及啓発用のパンフレットに掲載された。
  • 法人において長年積み重ねてきた健康長寿に関する疫学研究の成果を中心に「健康長寿新ガイドライン」を策定、発表し、研究成果の普及や社会還元を図った。

ウ 法人の業務運営及び財務状況に関する事項

  • 第二期中期目標期間の初年度は、新施設への移転という重要課題に対し、法人が主体となって円滑に遂行し、移転後早期に業務を安定化させた。
  • 機動的な経営判断や弾力的な人員配置などが可能である地方独立行政法人の特性を生かし、診療情報の分析や経営戦略の検討を行う医療戦略室を新たに設置するなど、効果的・効率的な業務の推進を図った。
  • 救急患者の積極的な受入れや地域連携の強化、適切な退院支援の実施、新たな施設基準の取得など、病院として収入確保の取組を確実に行うとともに、研究所として共同研究や受託事業などの外部研究資金を積極的に獲得し、収入の確保に努めた。
  • 原価計算システムや診療材料の納入価格のベンチマークシステムの導入、原価計算の精度向上、後発医薬品の採用促進、材料管理の効率化など、コスト縮減に向けた様々な取組を行った。

エ 第三期中期目標期間の運営に向けて

第三期中期目標においては、都における高齢者医療・研究の拠点として、その成果の普及・還元を強力に推し進めるとともに、医療・研究で培った知見を踏まえ、高齢者の医療と介護を支える人材の育成を一層推進することが求められる。
これまで培った技術・知見、病院と研究所が一体化した法人である強みを生かし、高齢者が安心して暮らし続けることができる大都市東京にふさわしい地域包括ケアシステムの構築に寄与するとともに、業務を確実に遂行するため、法人の経営基盤をより一層強化することを望む。

※別添 「第二期中期目標期間地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価書」(PDF:1,672KB)

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