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報道発表資料  2018年02月07日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会に付託
アーティスト等育成所属契約に係る紛争(2件)

本日、東京都消費生活条例に基づき、東京都知事は、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子弁護士・東京経済大学現代法学部教授)に、「アーティスト等育成所属契約に係る紛争」2件の処理を新たに付託しましたので、お知らせします。

付託案件の概要

1「甲社とのアーティスト等育成所属契約に係る紛争」

申立人A:声優志望(20歳代前半女性)、契約金額:約53万円

申立人の主張による紛争の概要

申立人Aは、スマートフォンで甲社の新人発掘オーディションというサイトを見て、応募した。書類審査、集団面接に合格したと連絡があり、平成28年12月に、スタジオで個別の実技審査を受けた。面接担当者から、この演技ではオーディションのグランプリは無理だが、君にはいいものがあるから一度事務所に来ないかと言われ、改めて事務所へ出向いた。そこで初めて育成所属契約の説明を受け個別クレジット契約とともに申し込んだが、後日、親に相談し、甲社とクレジット会社にクーリング・オフを申し出た。個別クレジット契約は成立しなかったが、育成所属契約はクーリング・オフができない旨記載された書面があるとして、甲社からレッスン代12万円を除く約41万円の解約金を求められた。翌年7月末、甲社から契約の履行を求められ、消費生活センターに相談したところ、甲社から解決金約11万円を提示された。レッスンや所属に係るサービスを受けていないので、高額な解決金の請求に納得できない。

2「乙社とのアーティスト等育成所属契約に係る紛争」

申立人B:歌手志望(20歳代前半男性)、契約金額:約52万円

申立人の主張による紛争の概要

申立人Bは、スマートフォンで乙社の新人発掘オーディションというサイトを見て、応募し、実技審査までとおり、乙社から育成所属契約を勧められたが、高額なので断った。
平成29年5月頃、乙社から連絡があり、公募していないCD制作オーディションに、前回オーディションの実技審査時に録音した申立人Bの音源を出してよいかと問われ、承諾した。後日、CD制作オーディションに合格したと乙社から連絡があり、今後の説明をするというので事務所へ出向いたところ、まずは育成所属契約が必要と言われ、断れず契約した。しかし、印鑑を持参しなかったため、個別クレジット申込書については持ち帰り押印して乙社へ送るよう言われた。申込書を送らなければ育成所属契約も成立しないと思い、乙社から申込書を送るよう再三連絡があったが、無視していた。10月に、約52万円の支払を求める催告状が内容証明郵便で届いたので、消費生活センターへ相談した。乙社は無条件での解約に応じないというが、契約は成立していないのだから、請求に納得がいかない。

【参考】オーディションを契機とするレッスンや所属契約等に関する相談件数の推移(東京都内)

相談件数推移のグラフ
※平成29年度は1月末日現在の登録数

主な問題点と付託理由

  1. 申立人らの主張によれば、相手方から50万円を超える育成所属契約の勧誘を受けることを知らされないで、事務所へ出向き、育成所属契約及びクレジット契約の勧誘をされている。このような勧誘方法は、特定商取引法のアポイントメントセールス(訪問販売)に該当するのではないだろうか。
    また、相手方から渡された書面には、クーリング・オフができない旨記載されていた。このような書面の交付は、クーリング・オフ妨害に当たり、クーリング・オフによる解除が可能ではないだろうか。
  2. 申立人らの主張によれば、約50万円を一度で支払えないだろうと、相手方から個別クレジット契約を勧められ、育成所属契約と個別クレジット契約を申し込んだが、申立人らの個別クレジット契約は成立しなかった。しかし、相手方は、個別クレジット契約が成立しない場合は自動的に自社割賦とする旨の規定を設け、契約金や解約金の請求を行っているようである。この規約やその適用は妥当だろうか。
  3. 育成所属契約の中途解約として考えた場合、レッスン等のサービス提供前の解約申出であっても、レッスン代以外の費用(約40万円)を支払わなければならないという条項は、消費者契約法に照らして問題があるのではないか。
  4. 都内の消費生活センターには、オーディションを契機とする芸能関係のレッスンや所属契約等に関する相談が多数寄せられており、特に今年度の増加が著しいことから、付託した。

東京都消費者被害救済委員会

設置の目的

東京都は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として東京都消費者被害救済委員会を設置しています。

紛争処理の仕組み

消費者から、東京都消費生活総合センター等の相談機関に、事業者の事業活動によって消費生活上の被害を受けた旨の申出があり、その内容から都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争であると判断されたときは、知事は、委員会に解決のための処理を付託します。
委員会は、付託を受けた案件について、あっせんや調停等により紛争の具体的な解決を図り、個別の消費者の被害を救済するとともに、解決にあたっての考え方や判断を示します。

結果の活用

紛争を解決するにあたっての委員会の考え方や判断、処理内容等は、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせし、同種あるいは類似の紛争の解決や未然防止にご活用いただいております。

※困ったときにはまず相談を!!
おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

※別添 東京都消費者被害救済委員会委員名簿(PDF:120KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
電話 03-3235-4155

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