不当労働行為救済命令書交付-THE事件 > 別紙 命令書交付詳細

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報道発表資料  2017年08月08日  東京都労働委員会事務局

〔別紙〕

命令書詳細

1 当事者の概要

  1. 申立人組合は、中小零細企業で働く労働者を中心に組織された個人加盟のいわゆる合同労組である。本件申立時の組合員数は、約3,000名である。
  2. 被申立人会社は、清掃員派遣業、不動産業などを業とする株式会社である。本件申立時の従業員数は、不明である。

2 事件の概要

X1及びX2は、会社と雇用契約を結び、ホテルの客室清掃業務に従事していたが、平成27年6月分以降の給与が本来支払われるべき金額より少なく、同年9月分以降の給与は支払われなかったことから、11月、組合に加入した。組合は、X1及びX2の未払賃金等を議題とする団体交渉を会社に申し入れ、組合と会社とは、12月10日に団体交渉を行い、28年1月13日に次回の団体交渉を行うこととした。
27年12月9日、会社と雇用契約を結んでホテルの客室清掃業務に従事していたX3ら10名は、勤務先ホテルの担当から、明日以降仕事がないので来ないように言われたが、会社に確認すると、翌日も同ホテルへ行くよう指示された。12月10日、X3ら10名は、ホテルに出勤したが、仕事はないと言われ、就労できなかったため、組合に加入した。
12月14日付けで、組合は、会社に対し、X3ら10名の雇用や賃金から天引きした振込手数料の返金等に係る団体交渉を申し入れたが、20日、会社のY1社長は、振込手数料の天引きを了承しなければ今後の雇用についての話合いには応じない等と述べた。
12月22日付けで、組合は、会社に対し、X3ら10名の雇用問題等について、改めて団体交渉を申し入れた。
28年1月13日、X1及びX2の未払賃金等に係る団体交渉が予定されていたが、Y1社長は、組合に対し、X1及びX2の件とX3ら10名の件との要求事項等の整理を求め、同日予定されていた団体交渉の開催に応じなかった。
組合は、会社に対し、1月13日付けで、同日の団体交渉の不開催に抗議し、改めて、X1及びX2の未払賃金など雇用問題に係る団体交渉を申し入れ、その後、27日付けで、X1及びX2並びにX3ら9名(1名が組合を脱退し、この時点で9名となっていた)の雇用問題に係る団体交渉を申し入れたが、これらの申入れに対し、会社は、応答しなかった。
本件は、会社が、組合の27年12月14日付け、22日付け、28年1月13日付け及び27日付けの各団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるかが争われた事案である。

3 主文の要旨

  1. 組合が平成28年1月27日付けで申し入れた団体交渉に誠実に応じること。
  2. 文書の交付
    要旨:組合の平成27年12月14日付け、22日付け、28年1月13日付け及び27日付けの各団体交渉申入れに応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。
  3. 履行報告

4 判断の要旨

  1. 会社は、組合の27年12月14日付け、22日付け、28年1月13日付け及び27日付けの各団体交渉申入れに応じておらず、団体交渉は開催されていない。
    会社は、団体交渉を拒否する意思も拒否した意思もなく、多忙な中でスケジュール調整をしていると主張するが、会社は、本件各団体交渉申入れに対し、具体的な回答や日程の調整を全く行わないまま、開催に応じていないのであるから、会社の主張は、採用することができない。
  2. 会社は、X2と28年3月15日に和解したと主張するが、同人は、同日付「覚書」及び同「普通退職ならびに債権債務不存在の確認書」の内容がY1社長の説明とは異なっていたため、会社が振り込んだ金員を6月3日に返金しているのであるから、会社とX2との間で未払賃金の問題が解決したということはできない。
    会社は、27年12月分の組合員の賃金を28年1月29日に振り込んだとも主張するが、会社が支給したのは、会社の計算した給与額であって、組合の要求額とは異なっている上、会社は、組合の要求する解雇予告手当及び振込手数料天引き分は、支給していない。そして、組合が、28年6月17日、組合の計算による未払賃金額等の資料を会社に送付したのに対し、会社は何ら応答していないのであるから、組合と会社との間に未解決の未払賃金問題が存在していることは明らかであり、団体交渉開催の必要性は失われていない。
  3. 以上のとおり、団体交渉を開催していないことに理由があるとする会社の主張は、いずれも採用することができず、このほかに、会社が団体交渉に応じないことに正当な理由があると推認できるような事情は特に認められないことから、会社が本件各団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。
  4. なお、本件申立て後の28年6月10日に当委員会の立会団交が行われたが、立会団交で組合員の未払賃金等の問題が解決したわけではなく、その後、組合が立会団交を踏まえて改めて未払賃金等を請求したのに対し、会社は何ら応答していないのであるから、立会団交が行われた事実は、上記判断を左右しない。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日 平成28年3月10日
  2. 公益委員会議の合議 平成29年5月9日
  3. 命令書交付日 平成29年6月14日及び同年8月7日

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