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報道発表資料  2017年04月05日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会があっせん解決
脱毛エステの中途解約に係る紛争

本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から、「脱毛エステの中途解約に係る紛争」(平成28年10月18日付託)があっせん解決したと知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

申立人(消費者)

20歳代女性

相手方(事業者)

脱毛エステティックサービス事業者

申立人の主張による紛争の概要

平成28年1月、「全身脱毛し放題、月額○○円」という広告を出しているエステ店(以下「店」という。)へ出向いた。全身脱毛をしたいと伝えたところ、契約担当者から全顔脱毛も勧められ、全身と全顔の脱毛施術契約をし、個別クレジット契約も結んだ(クレジット支払総額42万3,620円、35回払、支払月額約1万2千円)。全身は脱毛し放題、全顔は12回の施術が受けられると説明された。
その後、全身と全顔の脱毛施術を各4回受けたが、効果を感じなかったため、7月に解約を申し出たが、電話しても担当者が不在であったり、店まで出向くよう言われたりして、すぐに解約手続をしてもらえなかった。
後日、中途解約計算書が送られてきたが、各施術の回数が8回として単価が計算され、そのうち各4回分が施術済みとして、精算金額が算定されていた。それによれば、申立人は、支払済みの約6万円とは別に、約15万円を追加で支払わなければならなかった。
申立人は、施術回数について「全身は無制限の脱毛し放題、顔は12回」という説明だったのに、中途解約すると8回分の単価で精算を求められることに納得できないと伝え、個別クレジット契約書には、全身全顔の区分なく「脱毛20回」と表示しており書面不備ではないかと申し入れたが、店側は申立人の主張を認めなかった。

あっせん解決の内容

「全身脱毛し放題」については「12回+保証料」、「全顔脱毛」については「12回」で単価を算出しなおして、提供済み役務対価相当額(各4回分、約11万2千円)を算定し、解約損料の請求は認めない、とするあっせん案を当事者双方へ提示した。
提供済み役務対価相当額と申立人支払済額(約6万円)の差額(約5万2千円)を、申立人が相手方に支払うことで合意し、解決した。

消費者へのアドバイス

脱毛エステのように、長期間継続的にサービスを受ける契約をする場合は、サービスの回数や期間、単価を特に注意深く確認して契約するか否かを判断しましょう。

主な審議内容

1 全身脱毛の精算について

「脱毛し放題」の解釈

「脱毛し放題 8回完了後1年保証 役務提供期間1年間」と契約書に表示されている一方で、相手方は8回施術後も無償の「無期限、無限定」の脱毛施術を約束していた。
この無期限・無限定の施術は、脱毛エステティックサービスの施術という社会通念上独立して経済的価値を有する役務であり、このような役務を有償と解す消費者庁の見解にしたがえば、本件無期限・無限定の施術は、特定商取引法上、有償取引として扱う必要がある。

精算額の算定

しかし、「無期限・無限定」として施術単価を算出すると限りなく0円となり、事実上、ビジネスとして成り立たない。そこで、本件申立人の契約した「脱毛し放題」料金を、他の契約者が施術を受けた平均回数分(12回)の料金と、12回を超える回数の施術を保証する保証料金に分け、12回のうち4回の役務提供を受けたとして、提供済み役務対価相当額を算出することとした。

2 全顔脱毛の精算について

全顔は、全身とは異なり、「8回完了後4回保証、回数8回 役務提供期間1年間」と契約書に表示されている。相手方は、「4回保証」について無償と扱っているが、前述のとおり有償として扱うべきであるので、「12回」で施術単価を算出し、提供済み役務対価相当額を算定しなおした。

3 解約損料について

特定継続的役務提供契約では、特定商取引法の規定範囲内で解約損料を定めることができ、本件契約においても規約で定められていた。しかし、本件では、相手方は申立人による中途解約の申出をすぐに受け入れないなど、申立人の中途解約を回避するような事情が認められたことから、信義則(民法1条2項)に照らして、解約損料を認めないこととした。

東京都消費者被害救済委員会

設置の目的

東京都は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として東京都消費者被害救済委員会を設置しています。

紛争処理の仕組み

消費者から、東京都消費生活総合センター等の相談機関に、事業者の事業活動によって消費生活上の被害を受けた旨の申出があり、その内容から都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争であると判断されたときは、知事は、委員会に解決のための処理を付託します。
委員会は、付託を受けた案件について、あっせんや調停等により紛争の具体的な解決を図り、個別の消費者の被害を救済するとともに、解決にあたっての考え方や判断を示します。

結果の活用

紛争を解決するにあたっての委員会の考え方や判断、処理内容等は、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせし、同種あるいは類似の紛争の解決や未然防止にご活用いただいております。

同種・類似被害の再発防止に向けて

1 事業者に対して

(1) 脱毛エステ広告に散見される問題点と求められる是正

脱毛エステの広告において、「月額9,900円」「月額9,500円」等とあたかも月謝制で脱毛サービスが受けられるような表示や「初月+2ケ月目0円」「今なら初月から3か月分0円」等と当初数か月分の施術料金が無料であるように読める表示がなされている。このような表示は、個別クレジットによる分割払金額を役務提供料金と誤解させるもので、特定商取引法43条の虚偽誇大広告や景品表示法5条の優良有利誤認表示に該当する可能性が高い。
とりわけ、20歳代前半の若者――個別クレジット等の分割払金の負担と脱毛エステサービスの1回分の施術料金とを明確に区別できていない者も少なくない――をターゲットにする広告については、特に誤解をもたらさないよう、広告表示を改めるべきである。

(2) 求められる契約書面及び概要書面の記載内容

中途解約により消費者が負担する提供済み役務の対価を算出するための施術単価が不明瞭であったり、標榜していた「脱毛し放題」「無制限」という契約内容を契約書面等に記載していなかったりすると、本件のような中途解約時の精算トラブルにつながる。
役務提供事業者は、特定商取引法の中途解約規定や精算方法の表示義務の規制の趣旨をよく理解し、役務提供の実態に合わせた契約書面等を作成することが求められる。

(3) 個別クレジット会社の加盟店管理義務(割賦販売法35条の3の5)

広告や契約書面・概要書面に関する問題があった場合は、個別クレジット会社によるエステ事業者に対する是正指導が必要である。
特に本件では、クレジット契約書の役務提供回数欄の記載は「20回」とされており、エステ事業者の契約書面や概要書面の表示と矛盾していた。個別クレジット会社とエステ事業者との十分な意思疎通がなされていない証左と考えらえるので、早急に改善がなされるべきである。

2 行政

脱毛エステサービスは、サービス内容が多様で中途解約でのトラブルも多いことから、そのトラブルの内容を分析し、繰り返し消費者への注意喚起を行うことが求められる。
また、消費者に誤認を与えるような広告に対して、特定商取引法や景品表示法に基づく事業者指導を迅速に行い、場合によっては行政処分を課すことが求められる。

※別紙 脱毛エステの中途解約に係る紛争 報告書(PDF:615KB)
※別紙 東京都消費者被害救済委員会 委員名簿(PDF:126KB)

※困ったときにはまず相談を!!
おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

イラスト

問い合わせ先

東京都消費生活総合センター 活動推進課
電話 03-3235-4155

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