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報道発表資料  2017年03月27日  (公財)東京都医学総合研究所, 福祉保健局, 慶應義塾大学

グルタミン酸受容体の新たな機能の発見
松果体様器官形成にAMPA型グルタミン酸受容体が必須

(公財)東京都医学総合研究所の平井志伸研究員、岡戸晴生副参事研究員らは、慶應義塾大学理工学部の堀田耕司専任講師と共同で、AMPA※1型グルタミン酸受容体(以下AMPA受容体)の新しい機能を発見しました。これまでにAMPA受容体の機能は、哺乳類の成体の脳で興奮性シナプス伝達の担い手として、学習・記憶に重要な役割を担っていることが知られています。一方、この受容体は胎児期の早期より発現がみられますが、発生期における役割は明らかとなっていませんでした。AMPA受容体の発生期における役割を明らかにするために、AMPA受容体の機能を低下させる実験が役立ちますが、哺乳類ではAMPA受容体が4つ存在するため、そのような実験が技術的に困難でした。そこで本研究では、脊椎動物の祖先として知られる原索動物であるホヤを用いて解析しました。ホヤはAMPA受容体が1つのみで、さらに受精から成体になるまでの発生の過程が観察しやすいという点を活用しました。その結果、AMPA受容体が、哺乳類の松果体※2に相当する光受容感覚器形成に必須であること、さらに、変態※3という、多数の生物がもつ成体への変化を起こす現象にも必須であることを明らかにしました。本研究は、個体レベルでAMPA受容体の機能解析を行った初めての研究であり、AMPA受容体の発生における新たな機能を発見することに成功しました。

図

※別紙 詳細(PDF:207KB)

問い合わせ先

公益財団法人 東京都医学総合研究所
(研究に関すること)
公益財団法人東京都医学総合研究所神経細胞分化プロジェクト
電話 03-6834-2403
慶應義塾大学理工学部
電話 045-566-1700
(東京都医学総合研究所に関すること)
事務局研究推進課
電話 03-5316-3109
(慶應義塾大学に関すること)
慶應義塾広報室
電話 03-5427-1541

用語説明

※1 AMPA
人工アミノ酸

※2 松果体
哺乳類ではサーカデイアンリズム(約24時間周期のリズム)に従いメラトニンを分泌する器官として知られていますが、発生過程をみれば、頭頂眼(頭蓋の頂点にある「第3の目」)と相同のもので、ホヤ幼生の光感受性器官は松果体に相同な器官と考えられます。

※3 変態
ホヤの変態は、ホヤオタマジャクシ幼生が、海底に付着し、尾の退縮、体軸の回転、消化管形成などにより、成体に変化することです。

 

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