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報道発表資料  2016年11月17日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会があっせん解決
光回線契約に伴う心当たりのないオプションサービスに係る紛争

本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から、「光回線契約に伴う心当たりのないオプションサービスに係る紛争」(平成28年6月7日付託)があっせん解決したと知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

相手方(事業者)

2社

  • 甲社:インターネット関連のオプションサービス提供事業者
  • 乙社:甲社の代理店かつ電気通信事業者(丙社)の二次代理店

※甲社によれば乙社は平成28年4月頃廃業とのこと。
事業者間の関係については下記<図>を参照

申立人(消費者)

4名(20~30歳代)

申立人の主張による紛争の概要

申立人らは、チラシを見て電話で光回線契約とプロバイダの契約を申し込み、インターネットの利用開始後しばらくしてから、クレジットカードでの心当たりのない引き落としに気付いた。引落し金額や請求の名称などを手がかりにインターネットで調べ、乙社(光回線契約の申込時の代理店)に電話をした。
乙社によれば、光回線契約を申し込んだ際に、甲社の提供するインターネット接続のサポートやセキュリティ等オプションサービスの契約をしており、クレジットカードで引き落とされているのはその利用料金とのことだった。
申立人らは、このようなオプションサービスについて、サービス内容や利用金額の説明を受けた記憶はなく、契約した覚えもなかった。甲社から契約内容が記載されているというはがきを送ったとのことだが、申立人らは全員、そのようなはがきを受け取っていないと主張している。
申立人らは、これまで支払った利用料金(約3~5万円)を全額返金するよう乙社に求めた。乙社は、電話で説明してクレジットカード情報も聞いた、解約には応じるが返金はしない、と主張した。

あっせん解決の内容

オプションサービス契約については、主観的にも客観的にも意思の合致がなく、契約は成立していない。代理店乙社の不手際のリスクは甲社が負うべきで、甲社は、クレジットカード会社経由で徴収した料金を、申立人らに全額返還する。

主な審議内容

1 契約の成立について

本件では、申立人らはサービス内容も知らず契約した覚えはないと主張しているのに対し、甲社は、代理店乙社が電話でオプションサービスの説明をして申込みを受けたと、オプションサービス契約の成立を主張している。
契約の成立が当事者で争われている場合には、契約成立を主張する者(本件では甲社)が、契約の成立について証明責任を負うが、契約成立を証する契約書等は存在せず、契約内容を記したというはがきを申立人らへ送付したことを客観的に示すものもない。したがって、契約は成立していないといわざるを得ない。

2 特定商取引法の電話勧誘販売の該当性

光回線契約の勧誘チラシを見て電話をかけた申立人らに、乙社がオプションサービスの説明をして契約したと甲社は主張するが、この販売方法は特定商取引法の規定する「電話勧誘販売」に該当する。
仮にオプションサービス契約の成立を認め、その上、甲社の主張するはがきが送付されたと仮定しても、特定商取引法で定める事項が記載された書面交付がなされていないため、クーリング・オフによる解除が可能である。

3 その他の問題点

乙社と代理店契約をしていた甲社は、相次ぐ苦情により乙社の不当な行為の存在を認識し得たはずであり、消費者の十分な意思確認をするための適切な措置を採るべき義務があり、これを怠った場合には過失による不法行為が認められる余地がある。

<図>光回線契約及びオプションサービス契約の事業者間の関係
画像

 

<表>本件申立人の支払い状況
  申立人A 申立人B 申立人C 申立人D
支払期間 7か月 10か月 7か月 2年2か月
支払合計金額 27,972円 29,970円 27,972円 51,900円

同種・類似被害の再発防止と現在発生している同種被害への対応に向けて

1 オプションサービス提供事業者に対して

  1. 本件オプションサービス提供事業者は、集客と契約締結の媒介という業務の重要な部分を代理店に行わせながら、代理店に対する監督・指導といえるようなことはほとんど行わず、代理店の業務を放任していたことが今回の消費者被害を招いた。代理店が行った業務により、消費者に損害を与えることのないよう、選任・監督・指導に注意を払い事業者としての責務を果たすことが望まれる。
  2. 本件では、オプションサービスの内容はオプションサービス提供事業者のホームページを見ないと分からないものであった。しかも、契約後に付与されるIDやパスワードがないとホームページの詳細を見ることができないという、消費者にとって不親切な仕組みであった。
    消費者が正しいサービスの選択をするためには、契約前にサービス内容を確認できることは最低限の条件であるので、このような仕組みは早急に改善されるべきである。
  3. 本件オプションサービス提供事業者は、本委員会が紛争処理する前には、申立人らの返金要求に応じようとしなかった。相次ぐ苦情により問題を認識し得たにもかかわらず、問題が公然化するまで返金を拒む姿勢であったことは遺憾である。消費者からの苦情に対して真摯に対応し、迅速に公正な処理をすべきことが望まれる。

2 電気通信事業者に対して

本件申立人は全員、電気通信事業者に苦情を申し出たが、申立人らによると事業者の対応は概ね「自社とは関係ない」というものだった。一方、電気通信事業者によれば、可能な範囲で対応をしていたという。
電気通信事業者は、代理店に対する選任・監督・指導義務を負う立場にある。本件が自社の業務の一部を代理店に行わせる過程で生じた苦情であることを鑑みれば、苦情の迅速・公正な解決に向けて真摯な対応を行うことと併せて、消費者が認識しえない業務委託関係や苦情に関する代理店のやりとり等、解決に必要な情報を消費者へ提供するなどすべきだろう。

消費者へのアドバイス

同種・類似の被害に遭わないために、次の点に注意しましょう。

個人情報の提供は慎重に
不正利用による不利益を被る可能性に留意しよう

金銭の管理に注意を払う
クレジットカード利用明細はこまめにチェックしよう

東京都消費者被害救済委員会

設置の目的

東京都は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関として東京都消費者被害救済委員会を設置しています。

紛争処理の仕組み

消費者から、東京都消費生活総合センター等の相談機関に、事業者の事業活動によって消費生活上の被害を受けた旨の申出があり、その内容から都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争であると判断されたときは、知事は、委員会に解決のための処理を付託します。
委員会は、付託を受けた案件について、あっせんや調停等により紛争の具体的な解決を図り、個別の消費者の被害を救済するとともに、解決にあたっての考え方や判断を示します。

結果の活用

紛争を解決するにあたっての委員会の考え方や判断、処理内容等は、東京都消費生活条例に基づき、広く都民の方々や関係者にお知らせし、同種あるいは類似の紛争の解決や未然防止にご活用いただいております。

※別添 光回線契約に伴う心当たりのないオプションサービスに係る紛争案件 報告書(PDF:856KB)
※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿(PDF:134KB)

問い合わせ先

東京都消費生活総合センター活動推進課
電話 03-3235-4155

 

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