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平成28(2016)年9月28日更新

報道発表資料  2016年09月28日  労働委員会事務局

F事件命令書交付について

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

1 当事者

申立人 X1(組合)
被申立人 Y1(株式会社)、Y2(学校法人)

2 事件の概要

  1. 被申立人Y1の従業員であったAは、Y1が被申立人Y2から請け負っていた大学構内の保安警備業務に従事していたところ、平成13年11月、大学構内においてY2に勤務する女性に対して性的いやがらせ行為を働いたこと等を理由に解雇された。そこで、Aが加入していた申立外X2組合は、Y1とAの解雇撤回や謝罪等に関する団体交渉を行い、また、Aは、Y1を相手とした解雇の無効確認訴訟も提起したところ、18年3月、Y1はAの解雇を撤回した。その後も、X2とY1とは、Aの就労場所や賃金等の復職条件をめぐって団体交渉が行われたが合意にいたらず、Y1は、22年8月以降、団体交渉に応じなかった。
    24年8月、Aは、X2に脱退届を提出して、申立人X1に加入し、X1は、Y1に対し、解雇の謝罪や紛争の金銭解決等の可能性等について団体交渉を要求した。ところが、X2は、Aの脱退を認めず、Y1とX1との団体交渉等はX2に対する不当労働行為になる等、Y1に主張したため、Y1は、X1とX2との間で交渉権限が調整・統一されるまで団体交渉には応じられない旨をX1に回答した。
  2. Y2に対しても、X2から数度にわたり本件解雇に関する事実関係等について団体交渉の申し入れがあり、また、X1からも24年9月以降、数度にわたり解雇の謝罪や金銭解決等について団体交渉の申し入れがあったが、Y2は、AとY1との間の労使紛争に関しては当事者でないとして、団体交渉に応じなかった。
  3. 本件は、1)Y1が、X1からのAに関する団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か、2)Y2は、Aとの関係で、労働組合法上の使用者に当たるか否か、Y2が労働組合法上の使用者に当たる場合、Y2が、X1の団体交渉申入れに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否かが争われた事案である。

3 命令の概要(一部救済)

<主文>

  1. Y1は、X1がAに係る未解決の問題について団体交渉を申し入れたときは、誠実に応じること。
  2. その余の申立ての棄却。

4 判断のポイント

  1. 労働組合の組合員には所属組合からの脱退の自由が認められ、AがX2に脱退届を提出している以上、24年8月以降、Aは、X2に所属していないことが認められる。そうすると、Aは、二重在籍状態にあるとはいえず、Aの労働条件等にかかる団体交渉について、X2とX1とで二重交渉を生じるおそれがある状態にはなかったといわざるを得ない。Y1は、Aの脱退届の提出の事実を認識していたのであるから、たとえX2から抗議等を受ける可能性があったとしても、X1との団体交渉に応ずべきであったといわざるを得ず、これに応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。
  2. Y2は、Aの労働条件等について雇用主であるY1と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあったとは認めがたく、Y2がAの労働組合法上の使用者に当たるとはいえないから、Aに関する団体交渉に応じていないことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たらない。

※別紙 命令書の詳細(PDF:165KB)

問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6985

 

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