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平成28(2016)年6月28日更新

報道発表資料

〔別紙〕

1 当事者の概要

  1. 申立人組合は、いわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は約200名である。
  2. 被申立人会社は、一般貨物自動車運送業等を営む株式会社である。東京都Z町等に営業所等を設置している。本件申立時における従業員数は約200名である。

2 事件の概要

組合と会社とは、平成12年以降、団体交渉のルール(代表者の参加)や賃金規程、賞与(一時金)の支給等について交渉を継続し、組合から3回にわたって不当労働行為に対する救済申立てがなされ、その都度、和解による協定等が締結されてきたが、20年冬季以降の賞与不支給等を巡って、その後も継続的に団体交渉が行われた。
21年4月頃、会社は、月2億4,000万円の売上高があれば賞与を支給できる旨を発言し、その後の第124回団体交渉においても同発言の事実を認めたものの、経費の増加等を理由に25年夏季賞与及び同年冬季賞与を支給しなかった。
労働時間の短縮による賃金減額等の問題が発生したこともあり、組合は、当委員会に25不48事件を申し立てた。組合と会社とは、同事件において、25年11月13日、和解協定書(以下「前件協定書」という。)を締結した。同協定書の第4項には、26年1月から1年間、月額5,000円のエコ奨励調整手当を支払うこと、27年以降の同手当の存続、改定について、組合に資料を提供し誠実に協議すること、従前締結した協約を遵守すること等が定められていた。しかし、組合と会社との間の同手当に関する協議は妥結に至らず、会社は、27年1月以降、同手当を支給していない。
また、組合と会社とは、前件協定書により、団体交渉には、基本的に社長が出席することで合意していたが、26年3月開催の第133回団体交渉及び第134回団体交渉に、社長は出席しなかった。
本件は、1)第133回団体交渉及び第134回団体交渉に、社長が出席しなかったことが不誠実な団体交渉及び支配介入に該当するか否か、2)会社が、25年夏季賞与及び同年冬季賞与を支払わないことが、第124回団体交渉において合意した事項に反し、支配介入に該当するか否か、3)27年1月以降のエコ奨励調整手当に関する会社の対応が不誠実な団体交渉及び支配介入に該当するか否か、が争われた事案である。

3 主文

  1. 会社は、従前締結した協定書の条項(団体交渉への社長出席)を遵守しなければならない
  2. 会社は、27年1月以降のエコ奨励調整手当に関する団体交渉に誠実に応じなければならない
  3. 文書の交付及び掲示
    要旨:団体交渉に社長が出席しなかったこと及び27年1月以降のエコ奨励調整手当に関する会社の対応が不当労働行為と認定されたこと。今後、同様の行為を繰り返さないよう留意すること。
  4. 前項の履行報告
  5. その余の申立ての棄却

4 判断の要旨

争点(1)について

当時、社長が団体交渉に出席できない程の健康状態であったことを推認させる事情も特に見当たらず、社長が第133回団体交渉及び第134回団体交渉に出席しなかったことは、団体交渉への社長出席を定めた協定書に違反する行為である。
また、当該団体交渉に、実質的な交渉権限を委ねられた解決能力のある担当者が出席していたとは認められない。
したがって、社長が団体交渉に出席しなかったことは不誠実な団体交渉に該当するとともに、協定書を無視するものであって組合の交渉能力の弱体化を図った支配介入に該当する。

争点(2)について

  1. 第124回団体交渉において、会社は、月2億4,000万円の売上高があれば賞与を支給できる旨の発言の事実を認めているが、この発言をもって、売上高が月2億4,000万円を上回った場合には賞与を支給することを会社が確約したものとみることはできず、支配介入に該当しない。
  2. 組合は、賞与に関する団体交渉における会社の対応が支配介入であると主張するが、問題となった25年夏季賞与及び同年冬季賞与に係る団体交渉については、賞与支給の基準が主な交渉事項とならなかったのであるから、会社に非があるとまではいえない。26年夏季以降の賞与に関する団体交渉については、会社の対応に問題がないとはいえない面もあるが、これらは本件申立て後の事情であり、判断を左右するものではない。

争点(3)について

  1. 会社が、27年1月以降のエコ奨励調整手当について正式な会社提案を提示したのは同手当の終期後の27年1月であったこと、同手当の評価査定表について特に組合の疑問を解消させるような対応を行わなかったこと、組合が開示を求めた資料を開示しなかったこと等からすると、会社の対応は不誠実な団体交渉に該当する。
  2. 上記1)のとおり会社の対応は不誠実な団体交渉に該当し、このことは前件協定書に違反するものである。そして、社長が団体交渉に一度も出席しないことなど、前件協定書を締結した後の一連の会社の交渉姿勢を合わせて考慮すれば、会社の対応は支配介入にも該当する。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日
    平成26年4月7日
  2. 公益委員会議の合議
    平成28年6月7日
  3. 命令書交付日
    平成28年6月28日

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