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報道発表資料  2016年4月26日  労働委員会事務局

不当労働行為事件(平成27年)の概要について

 労働委員会は、平成27年に扱った不当労働行為救済申立事件等の状況をまとめた「都労委年報 平成27年」を発行し、労働委員会ホームページにも掲載しましたのでお知らせします。
 この年報による平成27年の不当労働行為事件に係る新規申立てや終結の概要は、以下のとおりです。

新規受付事件の概要

新規申立ては117件で、ここ数年は高止まりの傾向
合同労組からの申立ての割合は、前年と同程度の約7割

  • 不当労働行為救済申立事件に係る新規申立ては117件で(表1、2)、前年(平成26年)より減少したものの、平成21年以降7年連続で100件を超えており、高止まりの状況が続いている。
  • 合同労組からの申立ては82件と、前年同様、全体の約70%を占めている。(表3)
  • 被申立人の企業規模別では、従業員49人以下が33件(28.2%)と最も多い。(表4)

※合同労組:一定の地域で企業の枠を超え、主に組合の無い中小企業の労働者などを対象に個人で加入できる労働組合

申立て内容は、前年同様、「団体交渉拒否」に係るものが最多

  • 使用者による「団体交渉拒否」があったとされる新規申立てが96件で、前年同様、新規受付の約82%を占めている。また、不利益取扱いは43件、支配介入は54件と、それぞれ前年と同程度の数であった。
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不当労働行為の類型
  • 「不利益取扱い」
     組合員であることを理由に解雇等の不利益な取扱いを行うこと等
  • 「団体交渉拒否」
     正当な理由なく団体交渉を拒否すること又は団体交渉に応じても誠実に対応しないこと等
  • 「支配介入」
     組合員への脱退勧奨や組合運営に干渉すること等

  • 「団体交渉拒否」に係る96件の申立てのうち、使用者が交渉そのものに応じないとの申立ては43件、交渉に応じても誠実に対応していない旨の申立ては53件であった。
  • 団体交渉そのものに応じないもの(43件)のうち、合同労組が申立人となった事件は36件(83.7%)、その半数の18件は未払賃金や解雇等の問題が起きてから労働組合に加入した、いわゆる駈け込み訴え事件である。前年も、使用者が団体交渉そのものに応じないものの中で合同労組が申立人であったのは40件(85.1%)、そのうち駆け込み訴え事件は22件(55.0%)であり、2年続けて同様の傾向となった。使用者が団体交渉を拒否する理由としては、業務多忙等で都合がつかないとするものや申入れ事項を団交では話し合わないとするものが多かった。これらのことから、社外の合同労組から団交申入れがあった際の使用者の対応如何により労使紛争が発生するという実態が窺える。
  • 「団体交渉拒否」に係る申立てが多い傾向は平成18年から続いており、20年以降は毎年70%以上を占めている。

団体交渉の議題では、前年同様、賃金問題が最多
労働時間等の労働条件に係るもの、解雇問題が続いている

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  • 「団体交渉拒否」に係る申立てにおける交渉議題では、賃金未払いなどの「賃金・賞与」の問題が41件(26.3%)で最も多く、前年(25.8%)とほぼ同割合であった。「賃金以外の労働条件」に係るものが32件(20.5%)、「解雇」が22件(14.1%)と続いている。(右のグラフ参照)「賃金以外の労働条件」の主なものとしては、休憩時間の明確化や労働時間短縮といった労働時間管理に係るもの、定年後再雇用を含む雇用形態の変更や雇用の継続に係るもの、休日や休暇日数の変更に係るものがあった。

非正規社員関連の事件では、解雇・雇止め等が大幅に減少

  • 紛争の発端が、非正規社員に関連していた事件の申立ては18件(15.4%)で、前年(31件、23.5%)から減少した(表5)。このうち、解雇や雇止めなどの雇用等終了に関わるものが9件(50.0%)で、前年の31件中20件(64.5%)から大幅に減少した。一方で、無期雇用への転換を求める等の契約内容変更に関わるものが6件(33.3%)で、前年の2件(6.5%)から増加した。

終結事件の概要

終結事件は139件で前年と比べ大幅に増加
関与和解の占める割合が6割を超え、最近10年間で最高率
命令発出件数が減少し、終結事件に占める割合が5年ぶりに2割を下回った

  • 平成27年の終結事件数は139件(前年は124件)で、新規受付事件数(117件)を上回る件数の終結をみた。このうち和解で終結したのは95件(68.3%)で、前年の76件(61.3%)から増加した。特に、都労委が関わって和解に至ったもの(関与和解)が終結事件全体の60.4%を占める84件(前年は64件(51.6%))で、過去10年間での最高率となるとともに、終結事件数の大幅増に寄与した。
    都労委においては、当事者の納得性が高く、将来に向けてより良い労使関係を構築しうることから、和解を積極的に勧めている。この間の景気回復の影響が、企業における賃上げなど、労働条件の改善の動きにつながり、関与和解による解決が進んだものと考えられる。
  • 命令の発出件数は、25件(22本)であり、4年ぶりに30件を下回った。終結事件に占める命令発出件数の割合は約18%で、5年ぶりに20%を下回った。
  • 平成27年に発出した命令22本のうち、中央労働委員会に再審査が申し立てられたのは12本あった。また、取消訴訟が提起されたものはなく、再審査申立てや取消訴訟提起がなく命令が確定したものは9本で、平成27年末時点で未確定が1本であった。

問い合わせ先
労働委員会事務局総務課
 電話 03-5320-6984

表1 不当労働行為救済申立事件取扱件数

(単位:件)
区分
23年 24年 25年 26年 27年
取扱件数 447 430 427 447 440
前年繰越 332 327 309 315 323
新規申立て 115 103 118 132 117
終結件数 120(1) 121 112 124(1) 139
※終結件数欄の括弧は、一部分離命令で外数

表2 全国の事件数で都労委の占める割合(新規申立て)

(単位:件)
  23年 24年 25年 26年 27年
全国 376 354 365 371 347
うち都労委 115 103 118 132 117
割合 30.6% 29.1% 32.3% 35.6% 33.7%

表3 合同労働組合の申立て事件数

(単位:件)
  23年 24年 25年 26年 27年
新規申立て 115 103 118 132 117
うち合同労組の申立て 89 71 75 96 82
割合 77.4% 68.9% 63.6% 72.7% 70.1%

表4 被申立人従業員規模別件数

(単位:件[%])
規模
23年 24年 25年 26年 27年
新規申立て 115
[100.0]
103
[100.0]
118
[100.0]
132
[100.0]
117
[100.0]
49人以下 39
[33.9]
21
[20.4]
30
[25.4]
34
[25.8]
33
[28.2]
50~99人 13
[11.3]
15
[14.6]
10
[8.5]
11
[8.3]
11
[9.4]
100~199人 10
[8.7]
24
[23.3]
13
[11.0]
13
[9.8]
13
[11.1]
200~299人 5
[4.3]
8
[7.8]
11
[9.3]
8
[6.1]
7
[6.0]
300~499人 11
[9.6]
2
[1.9]
7
[5.9]
11
[8.3]
6
[5.1]
500~999人 9
[7.8]
6
[5.8]
12
[10.2]
12
[9.1]
6
[5.1]
1,000人以上 16
[13.9]
17
[16.5]
30
[25.4]
29
[22.0]
29
[24.8]
不詳 12
[10.4]
10
[9.7]
5
[4.2]
14
[10.6]
12
[10.3]

表5 紛争の発端が非正規社員に関連していた事件数

(単位:件)
区分
23年 24年 25年 26年 27年
新規申立て 115 103 118 132 117
うち紛争の発端が非正規関連の申立て 22 16 27 31 18
割合 19.1% 15.5% 22.9% 23.5% 15.4%

補足説明

労働委員会

 労働委員会とは、使用者による不当労働行為があった場合における労働組合や組合員の救済や、労働組合と使用者の間の労働条件や組合活動のルールを巡る争いの解決など、集団的労使関係を安定、正常化することを主な目的として、地方自治法及び労働組合法に基づき設置された合議制の行政委員会である。
 公益の代表者(公益委員)、労働者の代表者(労働者委員)、使用者の代表者(使用者委員)の三者で構成されており、東京都労働委員会では、各13名、計39名で構成されている。

不当労働行為の類型

 不当労働行為とは、労働三権を具体的に保護するため、労働組合法第7条により、使用者に禁止している行為であり、以下のとおり4つの類型ある。

  1. 不利益取扱い(第1号)
     労働組合の組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことなどを理由にその労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。また、労働組合の加入しないこと、あるいは脱退することを雇用条件とすること。
  2. 団体交渉拒否(第2号)
     正当な理由なく団体交渉を拒否すること(誠実に交渉を行わないことを含む。)
  3. 支配介入(第3号)
     労働組合活動への嫌がらせや脱退勧奨などにより労働組合の組織・運営に干渉すること
  4. 報復的不利益取扱い(第4号)
     労働委員会に救済申立てをしたことなどを理由に労働者に不利益な取扱いをすること

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