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平成28(2016)年3月28日更新

報道発表資料

〔別紙〕

1 当事者の概要

  1. 申立人組合は、昭和57年9月25日に結成された労働組合であり、本件申立時の組合員数は、31名(うち会社従業員は、再雇用で就労していた1名)である。
  2. 会社は、石油卸売及び販売業を営む合同会社であり、平成22年12月現在の従業員数は770名である。

2 事件の概要

 申立人組合の組合員で、会社の従業員であったX2は平成22年3月31日、同じくX3は同年8月31日、会社を定年退職した。
 会社は、X2及びX3が定年退職者再雇用制度の再雇用基準(過去3年間の業績評価の平均が標準以上の者)を満たしていないとして、両名との定年後再雇用契約の締結を拒否した。
 本件は、会社がX2及びX3を再雇用しなかったことが、両名が組合員であることないし組合活動を行ったことを理由とする不利益取扱いに当たるか否かが争われた事案である。

3 主文の要旨

 本件申立てを棄却する。

4 判断の要旨

 (1) X2の業績評価について
  1) X2の担当していた業務の業務量は、かなり少ないといわざるを得ない。
  2) X2の所属していたカード・オペレーションズにおける他の主要業務は、企画立案や対外折衝等を含む非定形的な業務であったが、X2はこれらには主たる担当者としては関与していなかった。会社は、X2に対して、もし管理職を目指すのであればより難易度の高い業務を担当した方が良いと助言したが、X2は、そのような業務を担当することは避けたいし、新しい業務や難しい業務にチャレンジすることについての興味はない旨を答えた。
 なお、X2は、EADS(評価に関する提出書類)について、全く記載せずに、あるいは一部のみを記載して上司に提出するなど、自らの業績を高く評価してもらうことに熱心でなかったことも窺われる。
  3) 以上の事実を総合すれば、X2が担当業務を遂行するに当たって、大 きなトラブルやミスはなかったことを考慮しても、同人の平成18年から20年までの評価は、業績評価について会社が有している裁量を逸脱しているとまでの事情を認めることはできず、組合加入ないし組合活動を理由とする不当なものであるということはできない。

 (2) X3の業績評価について
  1) X3の担当していた業務の業務量は、かなり少ないといわざるを得ない。
X3は、労災として頸肩腕症候群に罹患していたことから、それによって業務量が少ないことを理由として低評価を行うことは不当であるとの組合の主張も理解できないではない。しかしながら、昭和57年には症状固定、治癒の認定がなされていたことやX3の欠勤中には他の従業員がX3の業務の代替をしていたことなどを考えれば、業務量が少ないことを理由として低評価を行ったとしても、必ずしも不当であるとまではいえない。
 組合は、Z1労組(申立人組合は、同労組から分離、独立して結成された。)を脱退し非組合員となったIが労災認定以前から労災扱いとして賃金カットがなされず再雇用もされていることや、48年頃に労災認定を受けた2名がZ1労組を脱退し再雇用されていることが、組合員であるX3に対する差別の証左であるとも主張する。確かに、Iの事案は、X3とは異なり、労災認定以前から労災扱いとして賃金カットがなされていなかったものではあるが、そのことをもって、直ちにX3に対する差別があったとまでみることはできない。また、48年頃に労災認定を受けた2名が、Z1労組を脱退し、再雇用されているという事実も、そのことだけでX3に対する差別を認めることは困難であり、その他、同人に対する差別的取扱いを推認するに足りる疎明はない。
  2) X3は、欠勤が多く、書類の転送業務に支障が出たり、請求書の転送が遅れて取引先からクレームを受けることもあった。X3は、欠勤中の業務を同僚がカバーしている事実について確認することもなかったし、カバーした従業員に感謝の意を伝えるという配慮にも欠け、外部倉庫に預けられている会社の在庫評価計算関係の重要な文書を、保存期限到達前に誤って廃棄しようとしたこともあった。
 X3は、タイの政情不安による空港封鎖という事態において、極力業務に支障が生じないように努力した事実は認められるものの、上記の事実を勘案すれば、同人の業務については、その質においても問題があったといわざるを得ない。
  3) 以上の事実を総合すれば、X3の平成19年から21年までの評価は、業績評価について会社が有している裁量を逸脱しているとまでの事情を認めることはできず、組合加入ないし組合活動を理由とする不当なものであるということはできない。

 (3) 以上のとおり、会社のX2及びX3に対する本件業績評価については、同人らの組合所属ないし組合活動を理由として低評価がなされたということはできない。
 そして、会社の再雇用制度では、「過去3年間の業績評価の平均が標準以上の者」であることが雇用条件となるところ、X2及びX3は、いずれもこの基準を満たしていなかったのであるから、同人らが再雇用されなかったこともまた、同人らの組合所属ないし組合活動を理由とするものであるということはできない。
 したがって、会社が、X2及びX3を再雇用しなかったことは、同人らが組合員であることないし組合活動を行ったことを理由とする不利益取扱いには当たらない。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日
     平成23年3月30日
  2. 公益委員会議の合議
     平成28年2月16日
  3. 命令交付日
     平成28年3月28日

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