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平成28(2016)年2月8日更新

報道発表資料

〔別紙〕

命令書の詳細

1 当事者の概要

  1. 申立人組合は、いわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は約300名である。
  2. 被申立人会社は、一般貨物自動車運送業等を営む株式会社である。埼玉県坂戸市や神奈川県厚木市のほか、全国各地に営業所や流通センターを設置し、顧客から委託を受け、物品の保管や配送を行っている。

2 事件の概要

 平成22年以降、給与の減額を伴う新給与制度の導入を巡り、当委員会のあっせんも交えて労使間の協議が続いた。その中で、会社は、24年12月に組合員が所属するY2センター(以下「センター」という。)社有車部門の閉鎖(以下「本件閉鎖」という。)を提案するに至った。
 25年2月、あっせんにおいて和解が成立し、24年11月まで組合員に対して旧給与制度が適用されていたことを確認するとともに、同年12月以降の新給与制度の適用については25年3月末までに交渉し解決すること、本件閉鎖についても同月末までに交渉し解決することを定める協定書(以下「前件協定」という。)が労使間で締結された。
 その後、本件閉鎖及びこれに伴うセンターに所属する組合員(以下「本件組合員」という。)の退職について労使間の協議が継続し、主に解決金について交渉が行われたが、その金額に隔たりがあり、本件組合員の退職について妥結に至らないまま、会社は、25年3月31日に本件閉鎖を実施し、5月以降、本件組合員には基本給及び通信費補助のみを支給した。
 本件閉鎖後も本件組合員の退職について協議が継続したが、解決金の金額の隔たりは解消せず、25年6月3日及び10日に、組合は、本件申立てを行った。
 本件申立て後の8月30日、本件組合員は、全員、会社との債権債務がないことを自署した退職届を会社に提出し、退職した。退職に当たり本件組合員には退職金等が支払われたが、会社は、組合に対する解決金を支払っていない。
 本件は、1)会社が、組合に対して、本件閉鎖等に関連して団体交渉の議題とされていた解決金を支払わないことが不誠実な団体交渉及び支配介入に該当するか、2)会社が、25年5月以降、本件組合員に対し、基本給及び通信費補助しか支給しなかったことは、不利益取扱い及び支配介入に当たるか、3)会社が、24年12月以降、本件組合員に対し、新給与制度に基づく給与と旧給与制度に基づく給与との差額を支払っていないことは、不利益取扱い及び支配介入に当たるか、が争われた事案である。

3 主文

 本件申立てを棄却する。

4 判断の要旨

  1. 争点1)について
     会社は、組合に対する解決金について、具体的な金額に言及することはあったものの、解決金の支払について労使が合意に達した事実は認められず、会社が解決金の支払を約束したとは認めることはできない。
     組合は、会社が本件組合員に退職届に債権債務がない旨の文言の記入を強要したなどと主張するが、退職届は、本件組合員全員が議論し、組合の副委員長からの助言を受けた上で、一旦検討のため提出を留保し、その後、組合の支部長が取りまとめて郵送にて提出したものであって、会社が記入を強要したとは認められない。
     また、組合は、団体交渉において会社が一貫して全く譲歩しなかったと主張するが、会社は一定の譲歩を示しており、かかる組合の主張は認められない。
     以上からすれば、会社が、組合に対して、本件閉鎖等に関連して団体交渉の議題とされていた解決金を支払わないことが不誠実な団体交渉及び支配介入に該当しない。
  2. 争点2)について
     25年5月当時、労使間において、従前の給与を引き続き確保するための具体的な方策は検討事項とはされていない状況であった。
     むしろ、会社が提示した和解案からすると、会社は、本件組合員の生活に配慮しようとしていたことが窺えるところである。
     そして、非組合員であったとしても基本給等以外の手当が支給されたとは認められないことを踏まえると、会社の対応は、不利益取扱い又は支配介入に該当するとはいえない。
  3. 争点3)について
     前件協定は、24年12月以降の給与制度については、25年3月末日までの解決を目指して交渉すべきことを定めるにとどまり、新旧いずれの給与制度が適用されるかについて触れるものではない。
     そして、会社が、新給与制度の適用について組合との交渉を拒絶していたわけではないこと、前件協定以降、労使間の懸案事項が本件閉鎖に関する問題に移行したことを踏まえると、会社の対応が不誠実であり組合の弱体化を図ったものとまでは認められない。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日
     平成25年6月3日、同月10日
  2. 公益委員会議の合議
     平成28年1月12日
  3. 命令書交付日
     平成28年2月8日

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