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平成28(2016)年1月25日更新

報道発表資料

〔別紙〕

命令書の詳細

1 当事者の概要

  1. 申立人組合は、企業の枠を越えて組織される、いわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は141名である。
  2. 申立人支部は、組合の下部組織として結成され、組合員は、主に被申立人Yの東京校に勤務する非常勤講師であり、支部を当事者追加した時点での組合員数は6名である。
  3. 被申立人Yは、昭和45年に創立された「Z養成所」を前身として、現在、C1専門学校(東京都)及びC2専門学校(大阪府)を運営する学校法人である。

2 事件の概要

 Aは、Yと有期雇用契約(平成24年9月27日から平成25年2月28日)を締結し、英語及びロシア語の講師として、Yが運営する専門学校であるC1専門学校に勤務していた。
Aは、Yに採用される前から、既に申立人組合に加入していたが、その旨をYに通知していなかったため、25年1月22日、組合は、Aが組合員であることをYに通知した。その後、2月1日、Yは、Aに対して、雇止めを通知した。
6月7日、組合は、Yに対して、申立人支部(以下「支部」といい、組合と支部とを併せて「組合ら」という。)の結成を通知するとともに、C1専門学校のT校舎正門前にてビラ配りをしたところ、複数の職員が、ビラを配る組合員の前に立つ等の行為を行った。また、10月18日、組合らは、同校舎の正門前で再びビラ配りをしたところ、職員は、組合員の前に立つ等の前回と同様の行為を行うとともに、組合員がビラを配ろうと差し出した手の方向に、自らの体や手を動かす等の行為を行った。また、職員は、ビラ配り終了後に、T駅方向に移動する組合員の後ろに続く形で、駅付近まで移動した。
本件は、Aの雇止めが組合員であるが故の不利益取扱いに、また、25年6月7日及び10月18日に行われたビラ配りにて、Yの行った行為が組合の運営に対する支配介入に、それぞれ当たるか否かが争われた事案である。

3 主文

  1. 被申立人Yは、申立人組合又は支部が行う組合ビラの配布を妨げてはならない。
  2. 文書の交付及び掲示
    要旨:組合のビラ配りにおけるYの行為が、組合活動を妨害する不当労働行為と認定されたこと。今後、同様の行為を繰り返さないように留意すること。
  3. 前項の履行報告
  4. その余の申立ての棄却

4 判断の要旨

  1. Aの雇止めについて
    1. Yは、Aを雇止めとした主な理由は同人の学生満足度調査や授業点検の結果が悪かったからであると主張しているところ、Yの校長は、同人の学生満足度調査結果の具体的な順位や数字等を挙げて、能力不足や資質の欠如を証言しており、また、Aは、授業点検にて、同人が授業で日本語を多用することや、学生を授業に集中させていない等の問題点を挙げて指導を受けたことが認められる。
      一方で、組合は、Aによる証言はなく、また、上記の校長証言を覆す証拠の提出もしていない。さらに、同人が学生等から高い評価を受けていたと認められる証拠もないことから、同人の勤務成績が良好であったと認めることはできない。
    2. Yは、Aへの雇止め通知とほぼ同時期において、次学期に再契約をする講師には、担当授業の希望を聴取する書類を配布しており、また、その時期は契約期間満了の1ヵ月前でもあることから、必ずしも、Aへの雇止め通知が不自然な時期に行われたとはいえない。
    3. よって、YがAを雇止めとしたことは、同人が組合員であるが故の不利益取扱いであると認めることはできない。

  2. ビラ配りについて
    1. 職員は、ビラを配ろうとする組合員らの前に立ち、登校する学生に向かって、両手を広げて登校を促す動作を繰り返し、また、組合員が、目の前に立つ職員を避けてビラを差し出そうすると、職員は、組合員の動きに合わせて自らの手や体を動かした。さらに、職員は、道路を歩く学生に自動車が接近しても、危険を知らせたり、道路の端によける指示をしていない。このことから、これらの職員の行為は、学生の安全を確保するための誘導等ではなく、組合のビラ配りを妨害するものであることは明らかである。
    2. ビラ配りが行われた時の労使関係は緊張した状況にあり、また、組合に対応した職員の様子や、複数の職員が同じ行動をしていたことからすれば、ビラ配りにおける職員の行動は、Yから何らかの指示を受けて行われていたとみるのが相当である。
    3. 組合が配布したビラは、Yへの要求事項等を表明する内容であり、また、ビラ配りの態様も、正門前の公道上で、組合員が学生や教職員に穏やかに声を掛けながらビラを手渡すものであり、特に混乱を生じさせるものではなかったことが認められる。
    4. 以上のとおり、Yの行為は、公道上において、組合らが学生や教職員に対して平穏に行っていたビラ配りを妨害したものであり、組合の運営に対する支配介入に該当する。
      なお、ビラ配り後に、職員が、組合員らに続く形で駅まで移動したことは認められるが、その際に、組合員に対する具体的な妨害や威迫等があったとは認められず、この行為は支配介入に該当しない。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日 平成25年6月6日
  2. 公益委員会議の合議 平成27年12月15日
  3. 命令交付日 平成28年1月25日

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