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報道発表資料  2015年12月10日  労働委員会事務局

N事件命令書交付について

 当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

1 当事者

  • 申立人
    X(組合)
  • 被申立人
    Y1(株式会社)

2 事件の概要

  1. 平成24年4月17日、Z局で6か月間の期間雇用社員として勤務していたAは、通勤途上で右足を負傷し、勤務できなくなった。8月23日、会社がAに対し雇止めを示唆したため、Aは、同月24日、組合に加入した。10月1日、Aの雇用契約は更新された。
  2. 25年2月26日、Z局の部長B1は、Aに電話をかけ、雇用契約について話したいとして、Aの自宅へ行く旨を伝えたが、Aが組合同席を求めたところ、4月1日以降の雇用契約の更新はしないことや「雇止め予告通知書」を郵送すること等を伝えた。
  3. 3月12日(第1回)及び同月25日(第2回)に雇止め予告通知の撤回等を交渉事項とした団体交渉が開催されたが、第2回団体交渉において、会社は、団体交渉の進展は見込めないとの判断に至った旨の文書を読み上げ、団体交渉を打ち切り、退席した。
  4. Aは、3月31日付けで雇止めとなり、組合は、4月1日以降、Aの雇止め等について団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。
    本件は、1)会社が25年3月31日付けでAを雇止めとしたことが組合員であるが故の不利益取扱いに、2)B1が2月26日にAに電話し、雇止めを告げるまでの一連の経緯が組合に対する支配介入に、3)2回の団体交渉における会社の対応が不誠実な団体交渉に、また、同団体交渉における会社の発言が組合活動に対する支配介入に、4)会社が3月25日をもって団体交渉を打ち切り、その後団体交渉に応じていないことが正当な理由のない団体交渉拒否に、それぞれ当たるか否かが争われた事案である。

3 命令の概要 <主文(要旨)>

  1. 文書交付及びZ局への掲示
    要旨:3月12日及び同月25日の2回の団体交渉における不誠実な対応並びにその後の団体交渉拒否が、不当労働行為であると認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。
  2. 履行報告
  3. その余の申立て棄却

4 判断のポイント

  1. Aの欠勤が長期にわたり、復帰の見通しが立たない場合には契約更新を行わないという会社の姿勢は、組合加入の前後で変化していないことから、組合員であるが故の不利益取扱いとはいえない。
  2. B1の電話での発言には、組合の関与を排除した中でAに雇止めを認めさせようとする具体的な言動は認められない。会社は、組合の団体交渉申入れに速やかに対応し、実際に2回団体交渉が行われているのであるから、組合活動を妨げることを意図したものと評価できず、支配介入に当たるとまではいえない。
  3. 2回の団体交渉において、会社は、就業規則の規定をAに適用することが相当なのかについての実質的な回答を行っておらず、第2回団体交渉においては、交渉の進展状況にかかわらず打ち切る意図をもって臨み、実際に打ち切ったことが窺われることから、団体交渉における会社の対応は不誠実であったといわざるを得ない。団体交渉における会社発言は、B1が組合同席を避けた理由を説明する趣旨であり、同席を避けたことは支配介入とは認められないため、この点を説明する発言も支配介入には当たらない。
  4. 2回の団体交渉において、会社の説明が十分に尽くされたとはいい難いのであるから、会社が、Aの雇止めに関する団体交渉を打ち切り、その後組合の申し入れた団体交渉に応じていないことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

※別紙 命令書の詳細

問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6991、03-5320-6979

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