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平成27(2015)年6月25日更新

報道発表資料

〔別紙〕

命令書の概要

1 当事者の概要

  1. 被申立人会社は、昭和30年に設立された、ガス(LPガス及び都市ガス)の供給、ガス機器・住宅機器の販売等及び関連する管工事施工、輸送等のガス事業を営む株式会社であり、平成25年4月1日現在の従業員は685名である。
  2. 申立人X1組合(以下「組合」という。)は、昭和43年12月26日に結成された、主として首都圏に事業所を有する企業で働く労働者が個人加盟して組織する、いわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は約850名である。
  3. 申立人X2支部(以下「支部」という。)は、組合に加入したY2の配送員らが、組合の下部組織として、平成22年11月10日に結成した労働組合であり、本件申立時の組合員数は10名である。

2 事件の概要

 被申立人会社は、申立外Y2株式会社(以下「Y2」という。)の唯一の委託元として、LPガスボンベ配送、保安業務等を委託していた。申立人支部は、Y2と、雇用契約、業務委託契約等を締結した配送員で組織されている。
 25年2月18日、会社は、債務不履行を理由に、Y2との保安業務委託契約を解除し、さらに、6月20日には、7月末日をもって配送業務委託契約も解除することとした。
 Y2は、配送員に対し、業務終了に伴う同社と配送員との契約を解除することについて説明会を開催し、組合と団体交渉を行った上で、配送員と、合意による契約の解除を進めた。この結果、配送員のうち組合員6名以外は契約解除に合意した。7月29日、Y2は、組合員6名に対し、8月31日付けで雇用契約等の解除を通知した。
 8月6日、組合は、会社に対し、組合員の雇用確保等を求めて団体交渉を申し入れたが、同日、会社は、組合員とは契約関係にないとして団体交渉を拒否した。
 8月21日、Y2は、株主総会で解散を決議した。
 本件は、会社が、Y2の配送員である組合員との関係で、労働組合法上の使用者に当たるか否か、使用者に当たる場合には、会社が、25年8月6日に組合の申し入れた団体交渉を拒否したことに正当な理由があるか否かが争われた事案である。

3 主文

 本件申立てを棄却する。

4 判断の要旨

 Y2の経営は基本的に会社に依存しており、会社は、Y2との関係において、取引上優位な立場を有し、事実上強い影響力を発揮していたものと認められる。
 しかし、Y2は、自らの責任で配送員を使用し、会社から委託された業務を遂行していたといえ、配送員の増員等も自らの判断により行っていた。配送員との契約は、Y2が独自に締結しており、契約内容や契約の相手方の決定に会社が関与していることを窺わせる事実の疎明はない。また、会社が、会社の子会社に、Y2の配送員を雇用させる権限を有していた、あるいは、支配決定していたことを窺わせる事実の疎明もない。配送員に対する労務指揮については、会社の従業員が配送員に対して、配送システムの説明を行うことはあったものの、会社が配送員に対して委託した業務の指揮監督を直接行っていたわけではない。また、配送員の勤務時間、休暇等に関しても会社の関与はみられず、Y2の配送員との雇用契約等の内容や配送単価の決定への関与も認められない。
 上記のほか、会社が、Y2の配送員の雇用や基本的な労働条件、人事管理について関与していたことを窺わせる事実の疎明はない。
したがって、会社は、Y2の配送員である組合員との関係においては、基本的な労働条件等に対して、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有していたとはいえず、労働組合法上の使用者には当たらないことから、会社が、組合の申し入れた団体交渉を拒否したことには正当な理由がある。

5 命令交付の経過

  1. 申立年月日 平成25年8月26日
  2. 公益委員会議の合議 平成27年5月19日
  3. 命令書交付日 平成27年6月25日

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