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平成27(2015)年6月25日更新

報道発表資料

〔別紙〕

命令書の詳細

1 当事者の概要

  1.  被申立人会社は、高圧ガスの配送、保安サービス業務等を営む株式会社であり、平成25年8月21日に株主総会で解散を決議した。本件申立時の会社の従業員数は約150名である。
  2.  申立人X1組合(以下「組合」という。)は、昭和43年12月26日に結成された、主として首都圏に事業所を有する企業で働く労働者が個人加盟して組織する、いわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は約850名である。
  3.  申立人X2支部(以下「支部」という。)は、東部労組に加入した会社の配送員らが、組合の下部組織として、平成22年11月10日に結成した労働組合であり、本件申立時の組合員数は10名である。

2 事件の概要

 被申立人会社は、LPガスボンベ配送、保安業務等を、雇用契約、業務委託契約等を締結した配送員に行わせていた。平成23年頃から、会社は、配送員との雇用契約を解除し、業務請負基本契約を締結するようになった。
 25年2月18日、会社は、業務の唯一の委託元である申立外Y2会社(以下「Y2」という。)から、債務不履行を理由に保安業務委託契約を解除され、6月20日には、Y2との配送業務委託契約の7月末日付けでの解除に合意したことから、8月以降業務が無くなることとなった。
 そこで、会社は、配送員との契約解除を決め、業務請負基本契約を締結している配送員で、引き続き配送業務への従事を希望する者を、会社と同様の配送システムを採用している別会社に配送員として紹介することとし、説明会を開催した。会社は、組合員に対しても、団体交渉において、雇用契約等の解除の合意を前提に、希望者を募った。この結果、配送員のうち組合員6名以外は、会社との雇用契約、業務請負基本契約等を合意解除した。
 7月29日、会社は、上記6名に対し、8月31日付けでの雇用契約等の解除を通知し、8月21日、株主総会で解散を決議した。
 本件は、1)配送員である組合員らが、労働組合法上の労働者に当たるか否か、並びに2)会社の事業廃止及び解散と、それに伴う組合員らとの8月31日付けの雇用契約等の解除が、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否かが争われた事案である。

3 主文

 本件申立てを棄却する。

4 判断の要旨

  1. 配送員の労組法上の労働者性について
     配送員の労務供給等の実態に即して検討したところ、1)配送員は、LPガスボンベの配送及び保安業務という会社の事業遂行に不可欠ないし枢要な労働力としてその組織に組み入れられており、2)会社は、配送員の労務供給に係る契約内容を一方的かつ定型的に決定していたといえ、3)配送員の報酬は、配送員の労務提供の対価とみるのが相当であり、4)配送員は、会社からの配送業務の依頼に応ずべき関係にあったものといえ、5)配送員は、配送業務につき、会社から指揮監督を受けるとともに、一定の時間的場所的拘束も受けていたといえる。一方、配送員には、独立した業務受託者としての性質を有するほどの顕著な事業者性は認められない。
     したがって、配送員は、会社との関係において、労組法上の労働者に当たるというべきである。
  2. 会社の事業廃止及び解散と、それに伴う組合員らとの8月31日付けの雇用契約等の解除について
     会社が、殊更組合を嫌悪し、組合員を会社から排除した上で、支部を解体するために事業を廃止し会社を解散したとまで推認するに足りる具体的な事実の疎明はなされておらず、その他、不当労働行為意思をもって事業廃止及び解散を行ったと判断するに足りる事情も窺えない。したがって、会社は、Y2から保安業務委託契約を解除され、その後配送業務委託契約も合意解除せざるを得なくなり、収益源を失った結果、事業廃止及び解散に至ったと解するのが相当であり、会社の事業廃止及び解散は、組合員を同社から排除し、支部の解体を企図して行われたとまではいえない。
     また、会社が事業廃止及び解散を決定した以上、配送員との雇用契約等は全て終了せざるを得ず、上記のとおり、事業廃止及び解散は不当労働行為に該当しないのであるから、それに伴う配送員との雇用契約等の解除も、基本的には不当労働行為に該当しないといわざるを得ない。
     したがって、会社の事業廃止及び解散と、それに伴う組合員らとの8月31日付けの雇用契約等の解除は、組合員であるが故の不利益取扱い、又は組合の運営に対する支配介入には当たらない。

5 命令交付の経過

  1.  申立年月日
    平成25年8月9日
  2.  公益委員会議の合議
    平成27年5月19日
  3.  命令書交付日
    平成27年6月25日

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