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平成27(2015)年3月23日更新

報道発表資料

〔別紙〕

主な審議内容

本件契約の取引対象

  • 本件契約は、契約書上は「FX自動売買ソフトウェア」の入ったUSBメモリ(商品)の売買契約となっているが、その実質は、申立人らとニュージーランドのFX取引業者(注1)との間の一任売買取引を相手方が取り次ぐ役務提供契約と解する余地がある。

 注1:相手方が申立人らに取引を勧めた「Deal Matrix Limited」について、関東財務局は平成25年12月5日付け「無登録で金融商品取引業を行う者について」により氏名等を公表した。

代金の返還~特定商取引法2条、4条、5条、6条1項、9条、9条の3、消費者契約法4条1項~

  • 本件の各契約締結過程を見ると、いわゆるアポイントメントセールス(訪問販売)に該当することから、特定商取引法の適用を受け、書面の法定記載事項の不備により、クーリング・オフが成立している。
    また、申立人らを勧誘するに際しての言動(100万円の対価の対象物を正確に告げない、申立人らが契約締結を即断しないと購入機会を逸すると思うよう仕向ける、消費者金融業者からの借入元本と利息が返済できるだけの利益が確実に得られると告げる)は、不実告知や断定的判断提供に該当することから、特定商取引法及び消費者契約法により取消すことも可能である。
    以上から、相手方は申立人らが支払った商品代金を返還する義務を負う。

禁止行為違反等~特定商取引法6条4項、7条4号(省令7条3号)など~

  • 本件契約締結過程において、相手方は、特定商取引法の禁止事項に当たる行為(販売目的を告げずに公衆の出入りしない場所へ消費者を呼び出しての勧誘)や適合性原則に違反する行為(代金を消費者金融業者から借金をして支払うように仕向ける)を行っている。
    さらに、本件の契約内容は、本来、金融商品取引法の適用を受けるべきものであるのに、「FX自動売買ソフトウェア」の売買を装うことで、金融商品取引法の適用を免れようとする脱法行為である。

損害賠償~民法709条~

  • 相手方が行った不実告知、適合性原則違反、金融商品取引法を免れようとする行為は、正確かつ十分な情報に基づいて自由に判断できる状況においてなされるべき消費者の自己決定権を侵害する不当な勧誘行為である。不当勧誘行為により不本意な契約締結がなされ、申立人らに財産的損害が発生していることから、相手方は、申立人らが消費者金融業者から借り入れた元本相当額及び借入利息相当額の損害賠償義務を負う。

事業者に対して~同種・類似被害の再発防止に向けて~

金融商品取引法の脱法行為について

  • 金融商品取引法は、投資一任契約(注2)について、投資運用業者として登録を求めている(同法2条8項12号、28条4項)。さらに投資一任契約の締結の代理や媒介をする場合は、投資助言・代理業としての登録が必要である(同法2条8項13号、28条3項)。
    本件の契約は「FX自動売買ソフトウェアの売買契約」というが、その実質は、日本の金融商品取引法の投資運用業の登録をせずに、投資一任契約をしている海外の業者の代理ないし媒介をしているものである。本件相手方のようなサービスを業務とする場合は、金融商品取引法の登録をしなければならない。

 注2:金融商品の価値等の分析に基づく投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づき投資を行うのに必要な権限を委任されることを内容とする契約

販売方法や破綻処理の問題について

  • 相手方は、申立人らに消費者金融業者から借金をさせて売買代金に充てさせた。その際に、収入を実際よりも高く申告させたり、返済計画を偽らせたりした。このような行為は、貸金業法の借主(消費者)保護のため設けられた規制を反古にするもので、許されない。
  • 相手方は、会社清算中であり、また資産不足であるとして、本件のあっせん・調停を拒否した。金融商品取引法や特定商取引法に照らして問題のある業務や取引をしながら、清算処理に逃げ込むことは許されない。

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