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平成27(2015)年3月23日更新

報道発表資料

〔別紙〕

1 当事者の概要

(1) 申立人組合は、主に東京西部地区に就業場所をもつ労働者により結成されたいわゆる合同労組であり、本件申立時の組合員数は約60名である。
 組合の下部組織として、平成24年8月20日に会社に勤務する組合員により結成された分会があり、本件申立時の分会員数は3名である。
(2) 被申立人会社は、肩書地に本社を置き、アパレル製品等の企画・製造・販売等を目的とする有限会社である。本件申立時の従業員は約100名である。

2 事件の概要

 平成24年8月20日、会社のZ店に勤務するAは、会社から従業員割引制度の不正利用等を理由に雇用契約期間中の解雇を通告された。
 このため、Aは、組合に加入するとともに、分会を結成し、分会長に就任した。8月28日、組合は、第1回団体交渉において、本件解雇の撤回を求めたところ、会社は、同月31日にこれを撤回した。
 その後、本件解雇の撤回の理由等を議題として9月20日に第2回団体交渉が開催された。組合は、11月8日、本件解雇を撤回した経緯の説明等を求めて団体交渉を申し入れたが、会社は、人事を統括するBの海外出張を理由として25年2月20日の第3回団体交渉まで団体交渉に応じなかった。
 会社は、2月26日に開催された第4回団体交渉において、3月31日をもって、Aとの間の雇用契約を期間満了による終了とし、更新しないことを予告し、3月31日、本件雇止めを行った。
 本件は、1) 会社が、24年11月8日に組合が申し入れた団体交渉を、Bの海外出張を理由に25年2月20日まで応じなかったことが正当な理由のない団体交渉拒否に、2) 本件雇止めが組合員であるが故の不利益取扱いに、それぞれ該当するか否かが争われた事案である。

3 主文の要旨

(1) 会社は、組合員Aとの雇用契約が25年4月1日付けで更新されたものとして取り扱い、同人を原職又は原職相当職に復帰させるとともに、復帰までの間の賃金相当額を支払わなければならない。
(2) 文書の交付
 要旨:会社が、24年11月8日に組合が申し入れた団体交渉に25年2月20日まで応じなかったこと、及び組合員Aの雇止めが、いずれも不当労働行為であると認定されたこと。今後、このような行為を繰り返さないように留意すること。
(3) 前各項の履行報告

4 判断の要旨

(1) 団体交渉の拒否について

 1) 本件においては、24年11月8日以降、少なくとも本件不正利用を含めたAの雇用契約に関する議題は、速やかに団体交渉において協議されるべき状況にあった。このような状況を考慮すると、会社が、3か月超にもわたり団体交渉の交渉員を確保せずに団体交渉に応じないことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当するというべきであり、Bが海外出張に従事していたことをもって正当な理由と評価することはできない。
 2) また、類似の事態が再発していること等からすれば、将来、会社が交渉員の業務上の都合を理由に長期間団体交渉を延期させる事態が再発する虞が消滅したとはいえず、救済の必要性が失われたとはいえない。

(2) 本件雇止めについて

 1) 本件雇止めの理由について
 組合員Aは、22年2月以降、特に更新手続を行わずに雇用継続されていたこと等からすると、通常であれば、25年4月1日以降も雇用継続されたものと推認されるところである。
 会社は、本件雇止めは、Aの問題行為、特に本件不正利用を最大の理由として行ったものであり、十分に合理的な理由があると主張する。
 しかし、会社がAに単独でのレジ操作権限を与えたことや同様の違反行為については過去に特に注意・指導していないこと等からすると、本件雇止め当時、会社が本件不正利用を含めた従業員割引制度の違反行為を問題視していたとはいえない。本件雇止めの他の理由についても雇止めにつながるような重大なミスとまでは認められない。
 したがって、上記の会社の主張は採用することができない。
 2) Aの組合加入の前後における会社の対応の差異等について
 Aは、組合加入前にも、本件不正利用と同様の違反行為を行っているが、その際には、会社は特に注意・指導等をせずに同人との雇用契約を継続している。
 また、会社においては、他にも同様の違反行為があったものと思われるが、従業員割引制度の違反行為を理由に雇止めとなったのは分会長であるAのみである。
 3) 本件雇止めの時点における労使関係等について
 会社が、本件解雇の撤回の経緯等に係る団体交渉を3か月余も延期した上、団体交渉においてもその見解を示すことを避け続けていたことに加え、Aは、分会長として組合活動を行っていたこと、Aの雇用問題は組合の最大の懸案事項であったことも考慮すれば、会社が分会長であるAを排除することを意図していたと推認せざるを得ない。
 4) したがって、本件雇止めは、Aが組合の分会の分会長であるが故の不利益取扱いに該当する。

5 命令交付の経過

(1) 申立年月日 平成25年 2月7日
(2) 公益委員会議の合議 平成27年 2月17日
(3) 命令交付日 平成27年 3月23日

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