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平成27(2015)年3月13日更新

報道発表資料

【別紙】

1 当事者の概要

 1) 組合は、いわゆる地域合同労働組合で本件申立時の組合員数は約150名である。
 2) B(個人)は、杉並区高円寺において社交飲食店の営業許可を得ていた3店舗において、自ら「社長」を名乗り、「オーナー」とも呼称されていたが、いずれも本件結審時には閉店している。

2 事件の概要

 A1ら3名は、飲食店舗Y1、同Y2及び同Y3で就業していたが、平成25年1月から5月分に未払賃金があったので、X組合に加入した。
 組合は、7月9日及び8月6日、Bに対し、3店舗を同人が経営しているとして、A1ら3名の未払賃金に関する団体交渉を申し入れた。Bは、本件申立て後の26年1月12日に行われた団体交渉に出席したものの、責任者ではないと述べ、その後の団体交渉には応じなかった。
 本件は、Bが組合員3名の使用者に当たり、組合が申し入れた組合員らの未払賃金に係る団体交渉に対する同人の対応が、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否かが争われた事案である。

3 主文

 1) Bは、申立人X組合が、平成25年7月9日及び8月6日に申し入れた組合員3名の未払賃金に関する団体交渉を、使用者に当たらないとして拒否してはならず、誠実に応じなければならない。
 2) Bは、本命令書受領の日から1週間以内に、以下の文書を申立人組合に交付しなければならない。「当方が、平成25年7月9日及び8月6日に貴組合の申し入れた貴組合員3名の未払賃金に関する団体交渉に応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。」
 3) Bは、前各項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。

4 判断の要旨

 1) Bは、3店舗において、「社長」を名乗り、従業員らの採用や賃金を決定し、業務について指示するなど、経営者として従業員らの労働条件について決定権限を持っていたことが推認される。
 Bは、平成26年4月7日に行われた第3回調査期日に出席し、自分は3店舗を経営しておらず、組合員3名の使用者ではないと主張して、このことを立証する資料(店舗の賃貸借契約書等)を提出する旨を述べたものの、これを提出しておらず、当委員会からの連絡に対しても一切応答しなかった。これらの事実を総合すれば、Bは、組合員3名の使用者に当たると認められる。
 2) Bは、1月12日の団体交渉に出席しているが、この際も、責任者ではないと述べ、2月17日の団体交渉を欠席し、その後の組合の再三の申入れに対してもなんら回答せず、団体交渉を拒否し続けている。
 3) 組合は、Bに団体交渉を申し入れていたものの、同人が応じないため、やむなく店舗従業員らに交渉を求めたが、店舗従業員らは、合意した店舗の賃貸借契約書や未払賃金に係る資料の提出を履行せず、また、交渉会場に現れないなどの対応を繰り返した。それでも組合が再三申入れに赴いた結果、ようやく4月15日に組合と店舗従業員らは、解決金の分割払いについて合意書を締結した。しかし、店舗従業員らは、組合に自身の連絡先等の情報を一切教えず、支払いが誰からのものか不明であるなど、その支払いは不安定で、将来の履行が約束されているわけではない。したがって、使用者たるBが団体交渉に応ずる必要がなくなっているとはいえない。
 4) 以上のとおり、Bが団体交渉に応じていないことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。

5 命令交付の経過

 1) 申立年月日 平成25年12月3日
 2) 公益委員会議の合議 平成27年2月17日
 3) 命令交付日 平成27年3月12日

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