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平成27(2015)年3月10日更新

報道発表資料

〔別紙〕

1 当事者の概要

(1) 被申立人Y1労働組合(以下「Y1労組」という。)は、申立外Y4会社(従業員数は、26年3月31日現在、1,957名。以下「Y4」という。)及びその系列企業の従業員で組織する労働組合であり、本件申立時の組合員数は、約480名である。
(2) 申立人連合X1ユニオン(以下「X1ユニオン」という。)は、首都圏の労働者及び労働組合で組織する労働組合であり、本件申立時の組合員数は約4,000名である。
(3) 申立外Y2組合(以下「Y2労組」という。)は、いわゆる合同労組である。

2 事件の概要

 X2は、平成23年11月4日にY2労組に加入し、12月15日にY1労組と雇用契約を締結し、24年4月1日からY1労組の書記(専従職員)として勤務を始めた。
 X2の雇用契約では、同人がY1労組の組合員であることが雇用条件となっていた。
 勤務開始から7月頃にかけて、X2は、日本光電労組の会計処理に疑問を持ち、同労組執行委員長のYに対して意見を述べたが、Yは、Xの意見を取り入れなかった。
 Xは、25年2月頃に体調を崩し、2月8日以降勤務しなくなった。
 6月10日、新宿一般労組は、X2に対して「本年3月末での退会とする」旨を通知した。また、6月24日、Y1労組はX2に対し、雇用条件である「Y2組合員であること」との条件を満たさなくなったとの理由により、7月31日付けでの雇用契約の終了を通知した。
 6月25日、X2は、X1ユニオンに加入し、7月8日、同ユニオンは、同人の「解雇撤回」を求めて、Y1労組に対して団体交渉を申し入れた。
 X1ユニオンとY1労組との団体交渉が2回行われたが、話合いが進展せず、2回目の団体交渉は約15分で終了した。
 本件は、Y1労組が、X1ユニオンとの2回の団体交渉に誠実に応じたか否かが争われた事案である。

3 主文の要旨

 本件申立てを棄却する。

4 判断の要旨

(1) 第1回団体交渉について
 Y1労組は、X1ユニオンからのX2の解雇撤回要求につき、一応の回答や説明を行っていたといえる一方、X1ユニオンからはそれ以上の質問があったとの疎明はなく、交渉に支障が生ずるほど、具体的に不誠実な対応があった事情は窺えない。
(2) 第2回団体交渉について
1) 第1回団体交渉で、Y2労組が、X2の解雇理由として同人が休みがちであることを挙げたのに対し、X1ユニオンが、「パワーハラスメント」による心身の不調のために休まざるを得なかった旨主張したことにより、第2回団体交渉で、Y1労組は、Y3らの過去のどの言動が「パワーハラスメント」に該当するのか説明するよう求めた。
 X1ユニオンが、「パワーハラスメント」と解雇問題が密接に結びついているとの認識を示しているのであるから、Y1労組が、「パワーハラスメント」の存否について議論をしようとしたのは当然といえるものであって、「パワーハラスメント」を指摘したことの根拠を示さなければ解雇問題について話し合えないという意思表示をしたとか、話をすり替えたなどと評価するのは相当でなく、Y1労組が「パワーハラスメント」についての説明を求めたことが不誠実であったとはいえない。
2) X1ユニオン側は、再度、X2の解雇撤回を要求する旨を述べたものの、それに対する回答を聞かずに労働委員会に持っていく旨発言している。X1ユニオンは、要求に対する回答を確認せず、自らの要求が受け入れられないと解釈し、問題解決方法について議論を進めることもなく、労働委員会に持っていく旨述べて、団体交渉による解決を断念する態度を示したものといわざるを得ない。
3) また、第1回団体交渉で、X1ユニオンは、Y1労組の示した解雇理由が後付けしたものと思われると発言し、「いろいろ話を聞いたので、持ち帰って検討する。7月中にもう一度交渉したい。」と発言して終了しているが、第2回団体交渉でX1ユニオンがその検討結果を説明した事実は窺われない。
4) 一方、Y1労組は、解雇理由について一応の説明を行い、団体交渉を続ける意思を示していたのであるから、解雇理由等の説明が十分になされなかったとしても、その責めをY1労組に帰することはできず、団体交渉におけるY1労組の対応が不誠実であったとはいえない。
(3) その他、X1ユニオンは、Y1労組が、誠実に交渉しようとするX1ユニオンに対してからかうような行為を繰り返してきたとも主張する。確かに、組合員の解雇問題を解決する方針について、団体交渉以外の方法を選択する旨の発言をしたX1ユニオンに対し、Y2労組側交渉員が、「いいんじゃない。」と述べたり、X1ユニオンの第2回団体交渉終了直前の対応を捉えて「労働側が団交拒否っていうのも面白いですね。」と述べるなど、Y1労組の対応に配慮に欠ける点はあるが、上(1)(2)のとおり、Y1労組はX2の解雇の問題の解決に向けて不誠実な対応をしていたとはいえず、上記発言をもって不誠実な交渉態度であるとまではいえない。

5 命令交付の経過

(1) 申立年月日 平成25年8月2日
(2) 公益委員会議の合議 平成27年2月3日
(3) 命令書交付日 平成27年3月10日

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