ここから本文です。

平成27(2015)年1月29日更新

報道発表資料

〔別紙〕

紛争の概要(詳細)

 申立人の主張による紛争概要の詳細は、次のとおりである。

 平成24年5月、申立人は英会話を学ぼうと、インターネットで見つけた英会話教室に説明を聞きに行った。マンツーマンレッスンを希望していること等を伝え、その場でクラス分けのテストを受け、入学の申し込みをした。
 250ポイントを購入すれば、ポイント単価が安くなると勧められたが、高額になり、ポイントが消化できるかも不安だったので150ポイント分だけ購入することにした。支払は英会話教室が行っている分割払い(自社割賦)を利用した。ポイントの有効期間は初回の授業から2年間だった。
 当初は順調に週2、3回のペースで通っていたこともあり、同年7月に追加で100ポイントを購入した。追加ポイント分は、前回購入のポイントと合わせて250ポイントとして単価を下げて再計算してくれた。前回同様分割払いで契約した。
 しかし、学業が忙しくなり、半年後には通うのが週1回のペースになり、1年後には、全く通えない状態になってしまった。
 解約の手続をしなければと思いつつも、入会時の説明で5万円払えばいつでも解約できると聞いていたこともあり、忙しさに追われて手続等に行けなかった。
 有効期限の2週間前にポイントのことで話がしたいと英会話教室の担当者から連絡があり教室に行った。もうすぐポイントの有効期限が到来するが、新たにポイントを購入すれば、購入したポイントと同数のポイント分の有効期限を延長できると勧誘されたが、中途解約できると聞いていたので、中途解約を申し出た。
 しかし、中途解約は、スクール所定の書面により、有効期限内(1ヶ月未満は切捨て)に申請するように、という規定が契約書裏面に記載してあり、その規定を理由に有効期限の2週間前の中途解約申請には応じられないと相手方が申立人の申請を受け入れず、紛争となった。

主な審議内容

1 中途解約条項の有効性について

(1) 中途解約の期間制限について

 特定商取引法は、特定継続的役務提供契約において、事業者が役務の提供を受けようとする者に交付すべき書面に、「役務の提供期間」を記載しなければならないと定めている(特定商取引法第42条第2項第4号)。
 また、同法第42条第2項の書面を受領した日から8日間経過した後は、将来に向かってその契約の解除(中途解約)を行うことができると定めている。
 このことから、中途解約権を制限する規定は、役務提供受領者に不利な規定であり、同法第49条第7項により無効とされる。

(2) 中途解約の書面性について

 特定商取引法第49条第1項は、中途解約について書面を要求していない。したがって、中途解約について書面を要求する規定もまた、役務提供受領者に不利な中途解約を制限する規定であり、同条第7項により無効である。

2 返還金額について

 本件契約は、相手方による自社割賦によるものであったため、中途解約の清算では、役務提供事業者が返還しなければならない金額を規定している特定商取引法第49条第2項、第4項及び第6項は適用されず、割賦販売法第6条第1項第4号及び第6号の定めによる(関連商品については同項第1号及び第2号)。

 返還金の算出に当たって、役務提供事業者(相手方)が受領できる金額については、以下を合算したものとした。

  1. 提供された特定継続的役務の対価に相当する金額(第6号イ)
    本件の場合、1ポイント当たりの単価は、契約締結の際の単価を上限とした。また、役務提供の開始時に発生する初期費用についても、「提供された役務の対価」といえる合理的な範囲のものとして、相手方が受領できると解した。
  2. 割賦手数料(当該役務の割賦提供価格に相当する金額から当該役務の現金提供価格に相当する額を控除した額)(第6号イ)
    消費者保護の観点から、特定商取引法及び割賦販売法は、中途解約に際して、それぞれの法律で定められた金額を上限としてしか、役務提供事業者は受領できないという形式で規定し、受領できる金額を厳格に制限している。
    本件契約においては、中途解約に際して、割賦手数料に関する定めがないため、役務提供事業者の受領金額に割賦手数料を含めないこととした。
  3. 当該特定継続的役務提供契約の解除によって通常生ずる損害の額として、当該役務ごとに特定商取引法第49条第2項第1号ロの政令で定める額(第6号ロ)
    本件の場合は5万円
  4. 関連商品が返還されない場合、当該関連商品の割賦販売価格に相当する額(第2号)
    本件の場合、関連商品として、受領済の教材

同種・類似被害の再発防止のために

1 事業者に対して

(1) 法令遵守について

 役務提供期間の中途解約を制限するような、消費者にとって不利となる約款は、たとえ、内容が理解しやすいものであったとしても、また、消費者が納得していたとしても、特定商取引法に反するものであり、改めなければならない。

(2) わかりやすい説明・表示について

 事業者は、約款を定める際には、消費者に対して、わかりやすい表示を用いなければならない。また、契約の勧誘時には、約款と異なる説明をすることのないよう注意する必要がある。

2 消費者に対して

 勧誘に際して、相手方から説明された内容が、契約書に記載されているかどうかも含めて、契約書の内容をよく確認し、慎重な判断を行うことが大切である。

3 行政に対して

 同種、類似被害の再発防止の観点から、ホームページ等を通じて、トラブル事例を紹介していくことが期待されるとともに、被害発生の初期段階において消費者安全法第38条に基づく注意喚起等の活用も、併せて期待される。

 困ったときにはまず相談を!!
 おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

ページの先頭へ戻る