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平成27(2015)年1月28日更新

報道発表資料

〔別紙〕

紛争の概要(詳細)

 各申立人の主張による紛争概要の詳細は、次のとおりである。

申立人A

 伊豆に所有する別荘と畑用の土地を高齢のために手放そうと考えるようになり、平成24年5月に、案内はがきを送ってきた相手方に電話をすると、すぐに営業担当の男性が自宅まで訪ねてきた。
 営業担当者から「畑も入れて土地がこんなにあるのならすぐに売れます。」、「全部を引き受けます。」、「一生売れるまでがんばります。」と言われたため、相手方に売却を任せることに決め、その日のうちに専任媒介契約を締結した。専任媒介契約書の有効期間欄には、売れるまで売るということで「自動更新」と担当者が記入した。
 また、「売るための必要経費」と言われ、特別依頼広告掲載申込みを併せて締結し、預入金60万円を支払った。
 契約後、現地案内等の報告書が1回と物件が掲載された新聞広告が5回送られてきたが、担当者からの連絡はなく、売却活動はどのような状況であるかを自分の方から担当者に問い合わせるばかりであった。
 平成26年になり、相手方の事務所移転により連絡が取れなくなったことから心配になり、消費生活センターに相談をして、広告費用等の明細を求めた。しかし、相手方から出された明細の内容は納得いくものではなかったことから契約解除を申し出たところ、相手方は、現地案内や新聞広告等の経費を差し引くと約4万円しか返金できないと主張したため紛争となった。

申立人B

 軽井沢に所有する別荘地の売却を考えていたところ、以前から売却案内のはがきの送付があった相手方から、自宅を訪問すると電話があった。来訪されては困ると思い、話を聞くために、平成25年6月に、妻と娘の二人を相手方の事務所に出向かせることにした。
 二人が事務所に行くと、最初から専任媒介契約書を出され、サインをするように言われた。別荘地はすぐに売却できるとの話で、特別依頼広告(預入金50万円)について、「3日以内に振り込まないと動けません。」、「50万円は売れた時に先方に上乗せしてお返しします。今はお借りするだけです。」と説明されたため、専任媒介契約と同時に特別依頼広告掲載申込みを締結した。
 その後、現地案内等の報告がないままに媒介契約期間の3か月が経過した。更新を勧められた際に、特別依頼広告については特に説明がなく、専任媒介契約のみを更新した。その後の3か月間に物件が掲載された新聞広告が2回送られてきたが、専任媒介契約に基づく文書による報告はなかった。後日、買手が1人いると言われたが、価格の折り合いがつかなかった。
 支払った広告費用等に関する明細を求めたところ相手方は応じず、申立人は契約期間で広告などの履行がなかったことを理由に全額返金を求め、紛争となった。

主な審議内容

1 専任媒介契約に係る問題点

  • 宅地建物取引業法(以下「宅建業法」という。)に定める2週間に1回の報告義務が履行されていなかった。
  • 専任媒介契約書について、申立人Aの契約期間欄に「自動更新」と宅建業法上問題となる記述があったほか、物件を特定する項目等の記載にも不備がみられた。

2 特別依頼広告に係る問題点

  • 具体的な使途や金額の目途を明示せずに、特別広告などに係る費用を事前に包括的に預かることは、宅建業法に係る国土交通省の告示やガイドラインに反する行為である。
  • 特別広告や遠隔地への出張費について、見積書を示すなどの事前の説明がなく、請求に当たり明細書や領収書による金額の立証もなされなかった。

3 錯誤無効等法律上の問題点

  • 媒介契約の勧誘時及び契約時の説明等において、相手方は申立人に対して、まとまった金額の支払いをして特別広告を依頼することが当然必要であると誤信させるような説明をしており、申立人は特別広告の内容を理解せずに、必要な契約と誤信して特別依頼広告掲載申込みをしたとみられる。
  • このことにより、特別依頼広告掲載申込みについては、民法による錯誤無効、消費者契約法による重要事項不告知による取消しが可能であると考えられる。

同種・類似被害の再発防止のために

1 事業者に対して

  • 別荘地等の媒介契約の締結に当たっては、売却の見込みについて正確な情報提供を行い、消費者が容易に希望価格で売却できると誤認することがないよう注意する必要がある。
  • 売却するためには不動産の広告や調査が必要であると、広告、調査・管理契約等の締結を誘導したり、媒介契約と一体の契約であるとの認識を与えてはならない。
  • 国土交通省のガイドラインを遵守し、特別広告などに係る費用については見積書による事前の説明、実施後の報告を適切に行うべきである。また、請求に当たっては明細書や領収書により金額の立証をして行うべきである。

2 消費者に対して

  • 近年、本件のような別荘等の売却に伴う広告・管理・測量等の契約締結に関する相談が増えており、これら相談の契約者の半数以上が60歳以上である。
  • 別荘・別荘地、原野の媒介契約等を締結するに当たっては、上記の事業者に対する注意点について、十分に確認することが必要である。
  • 契約者が高齢の場合には、本人だけではなく、家族など複数の者で一緒に説明を受け、十分に話し合うことが必要である。

※困ったときにはまず相談を!!
 おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

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