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報道発表資料  2014年8月12日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会 あっせん解決
「紹介による浄水器等の売買契約及びその販売ビジネス契約に係る紛争」

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から「紹介による浄水器等の売買契約及びその販売ビジネス契約に係る紛争」(平成26年3月13日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

申立人

 80歳代女性

相手方

 浄水器等の販売会社 (BとDは相手方の代理店)

主な契約内容

第1契約 第2契約 ビジネス契約
浄水器の購入(約17万円) 浄水器や健康食品等の購入(約25万円) メンバー登録申請

申立人の主張による紛争の概要は、次のとおりである。

 平成25年4月、知人Aが初対面のB(相手方の代理店)を伴って申立人宅を訪ねてきた。Bらは、水道の蛇口に浄水器を取り付け、浄水器をとおした水を飲んだ人は脳梗塞の後遺症がないなどと説明した。申立人は良いものだと思い、浄水器(約17万円)を購入することにした(第1契約)。契約書を書き終えると、Bは、1週間以内に3人紹介すると「メンバー」に、また3人を誘うとバックマージンが多くもらえる「代理店」になれるというビジネスの話を始めた。Bから誰に紹介するかと聞かれたため、申立人はとっさに知人3名の名前を挙げてしまった。すると、Bは1週間以内にその人達のところへ行きましょうと言った。

 名前を挙げた人達を誘う自信がなく、申立人が夜も眠れなくなるほど悩んでいるうちに、契約書に書かれていた8日間のクーリング・オフ期間は過ぎてしまった。Aに連絡すると、Aは浄水器を引き取ってその代金を分割で返してくれると言い、浄水器を取り外してくれたが、その後来なくなった。やきもきしていると、Bが申立人宅を訪ねてきて、「こんな良いものを外しちゃうの、もったいない。」と浄水器を使うよう勧められた。Aの返金に心配があったことから、申立人はBに頼んで、Aが取り外した浄水器をまた取り付けてもらった。

 7月、Bに誘われ相手方主催の商品説明会に参加し、「メンバー登録申請」をした。そこで知り合った代理店のDは、説明会の帰りに車で申立人を送ってくれたが、申立人宅の近所まで来ると、申立人を連れて浄水器の飛び込み営業を始めた。数件回って全て断られた。申立人は近所を回るのは体裁が悪くて嫌だったため、妹に連絡し訪問の約束を取り付けた。

 翌日、Dと一緒に訪問すると、妹は見ず知らずのDを連れてきたので嫌な顔をしたが、頼み込んで家に上げてもらった。Dは、妹とその夫に、「膝が痛ければこれを飲めばすぐ治る。」などと浄水器や健康食品を勧め、「お試し」と称して浄水器を取り付けて、結局買わせてしまった。
 その帰り道の車の中で、Dは申立人の息子用に浄水器を買いましょうと言って、契約書に勝手に浄水器や健康食品等(約25万円)を書き込んだ。Dから「これでメンバーになれる。」と言われたため、申立人はその気になってサインしてしまった(第2契約)が、息子に浄水器の取り付けを断られてしまった。後日、妹からすごい剣幕で「あんな高いものを買わせて、夫も怒っている。お金を返して。」と怒られたが、すでに妹を紹介したバックマージン(約2万6千円)を相手方から受け取ってしまっていた。

 申立人は、妹らに無理に勧めたことを反省し、息子用に買った浄水器等も余ってしまっていたため、9月に書面により解約を申し出たが、相手方は申立人が進んで商品説明会に参加しており、十分に説明を受けた上で契約締結しているため問題はないなどと主張し、紛争となった。

あっせん解決の内容

 本件取引は、特定商取引法によるクーリング・オフや不実告知取消し、消費者契約法による不実告知取消しが認められる事例である。そこで、委員会は、本件取引にかかる契約を解消し、相手方は支払済代金を申立人へ返還するとともに、申立人宅に設置した浄水器の撤去及び他の商品の引取りを行うことが妥当である、とのあっせん案を提示したところ、双方が合意し解決した。

主な審議内容等

1 浄水器等の売買契約について

 第1契約及び第2契約ともに、取引行為の態様から、いずれも特定商取引法上の訪問販売に該当し、相手方が申立人に交付した書面にクーリング・オフ等に関する重要事項の記載がなかったことから、クーリング・オフ行使が認められる。また、相手方代理店等が行った商品説明等に病気に効くといった不実告知がなされていたことから、取消しも認められる。さらに、両契約は消費者契約であることから、消費者契約法による重要事項(商品の性能等)の不実告知取消しも認められる。

2 連鎖販売取引の該当性について

 本件取引は、浄水器等の売買契約とビジネス契約とは別個独立の契約で、連鎖販売取引とは異なると相手方は主張している。しかし、第1契約の浄水器の売買契約締結直後に、販売ビジネス参加の勧誘が行われ、申立人は両者を一体的なものと考えていた。また、妹を紹介した際に「メンバー登録申請」をした申立人が「販売担当者」とされ契約締結がなされていること(あっせん型)、申立人に交付されたパンフレットの記載や代理店の説明によれば、ビジネス参加のためには、浄水器の購入が条件であり、メンバー登録申請から7日以内に50万円の売上が求められ、メンバーになろうとすれば自分自身で浄水器等を購入せざるを得ない状況が認められること(特定負担)、申立人がビジネスで成功するためには、販売だけでなく所属メンバーを育成する必要があり、その育成によって得られる「育成利益」や「代理店利益」等のバックマージンはビジネス参加者らの浄水器代金が原資と考えられること(特定利益)を勘案すると、本件取引は連鎖販売取引に該当する。この場合、連鎖販売取引の法定書面の不交付によるクーリング・オフや上記1と同様の事由による不実告知取消しが認められる。

同種・類似被害の再発防止のために

1 事業者に対して

 本件取引においては、パンフレット等の行き過ぎた表示、不適正な勧誘行為や法定書面の不交付など、法令違反が疑われる点が多くみられた。景品表示法及び特定商取引法等の規律の遵守を徹底されたい。
 また、ビジネス契約については、不当なインセンティブの排除、疑義のない形での契約環境の整備、消費者への正確な情報提供を行うための体制確保など、コンプライアンスの強化・徹底が強く望まれる。

2 消費者に対して

 健康の維持・増進に関わる商品については、効果が人によって異なることを理解し、イメージに惑わされることなく、慎重に判断することが望まれる。また、紹介料等の収入という利益の提示は魅惑的であるが、それによる不利益も十分考慮して判断して欲しい。さらに、自宅等への急な訪問や、知人・親戚による紹介のために断りにくい状況であることは想像に難くないが、迷ったときにはいったん保留したり、契約締結後であっても家族や友人等に相談するなど、第三者の意見を聞くことも有用である。

3 行政に対して

 健康関連機器や健康食品について、規制緩和の動きがあるからこそ、表示や取引の適正確保のため、積極的な関与を求める。具体的には、景品表示法の改正趣旨(行政の指導監視体制の強化等)を踏まえた迅速かつ適切な権限行使や、勧誘における不当な表示や事実の裏打ちのない説明等に対する特定商取引法による行政指導等の一層の徹底を求める。
 また、紹介料等名目の収入とあわせての販売契約や販売組織への取り込みについては、連鎖販売取引の該当性が疑われるが、特定商取引法及び同規則における定義は難解である。所管省庁においては、事業者が連鎖販売取引の問題性とその該当性を自覚できるようなガイドラインの提示に努められたい。

※別添 紹介による浄水器等の売買契約及びその販売ビジネス契約に係る紛争案件 報告書(PDF形式:680KB)
※別添 委員会の概要については、東京くらしWEBをご参照ください。
※別添 東京都消費者被害救済委員会委員名簿

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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