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報道発表資料  2014年6月19日  病院経営本部

都立駒込病院において、C型肝硬変治療薬の医師主導治験を実施します
新しい肝硬変治療薬の開発を目指して

 都立駒込病院は、C型肝炎ウイルス(以下「HCV」という。)に起因する肝硬変(以下「C型肝硬変」という。)の患者を対象とした医師主導治験(※1)を実施いたします。
 C型肝硬変は、HCVが原因となって肝細胞が壊され、線維化を生じることにより、肝機能の著しい低下を招きます。症状の進行により、黄疸、腹水、食道静脈瘤といった様々な重篤な合併症が生じる不可逆性の難治性疾患です。HCV感染者は、現在世界で約1億7千万人、国内では約200万人と推定され、ウイルスが治療により排除されない場合、かなりの割合で肝硬変に進展すると考えられています。しかし、症状の進行したC型肝硬変に対しては、有効な治療薬が存在せず、C型肝硬変に対する新たな治療薬の早期開発が求められています。
 このような中、駒込病院肝臓内科部長木村公則は、公益財団法人東京都医学総合研究所小原道法博士との共同研究において、米国で大腸がんや白血病などの治療薬として治験実施中のPRI-724が、C型肝硬変の線維化を改善させる効果があることをマウスモデルで確認しました。その結果を受け、日本人のC型肝硬変の患者に、PRI-724を投与した際の安全性、有効性を確認することを目的に、本治験を実施します。本治験によって、PRI-724がC型肝硬変の患者への有効な治療薬となることを目指しています。

1 背景

(1) 対象疾患の病態

 C型肝硬変は、HCVの感染に起因する慢性肝炎が進展した病態です。慢性肝炎の病期にHCVが排除されない場合、感染した肝細胞が炎症によって壊され、肝臓内で細胞外基質が過剰に蓄積し、線維化を生じることにより肝硬変に至り、黄疸、腹水、食道静脈瘤及び肝性脳症といった肝不全による様々な重篤な合併症が生じます。肝の線維化を伴い、不可逆的かつ進行性の病態であることから、患者のQOLを著しく低下させる難治性の疾患です。また、C型肝硬変患者のうち年率約7%が肝細胞がんを発症すると報告されており、肝臓がん発症の主な危険因子の一つと考えられています。

C型肝硬変に至る推移
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(2) 治療の現状と課題

 現在、C型肝硬変の治療には、インターフェロン(以下「IFN」という。※2)等による抗ウイルス療法が行われます。IFN療法は、HCVを体内から排除することにより、持続的な肝障害を終息させ、肝硬変の進行を抑制することができます。しかし、副作用が強く、特にC型肝硬変の患者に多い高齢者の方には投与できない場合もあり、また病態の進行に伴う肝線維化を改善することは困難な場合が多いとされています。現時点で治療薬が無いとされる肝線維化治療薬の早期の開発が期待されています。

(3) 医師主導治験に至る経緯

 駒込病院肝臓内科部長木村公則は、公益財団法人東京都医学総合研究所小原道法博士との共同研究において、米国で大腸がんや白血病などの治療薬として治験中のPRI-724が、C型肝硬変の線維化を改善させる効果があることを、HCV肝硬変マウスモデルで確認しました。
 その結果を受けて、日本においてPRI-724をC型肝硬変の治療薬として製品化することを目的に、本医師主導治験を実施します。

2 治験の概要

(1) 治験名

 「C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者を対象としたPRI-724の非盲検・用量検討試験(第1相)」

※第1相の数字の正しい表記はローマ数字です。

(2) 目的

 C型肝硬変患者に対する、PRI-724(持続静脈内投与、12週間)の安全性及び忍容性の検討

(3) 治験実施場所

 都立駒込病院 東京都文京区本駒込3丁目18番22号

(4) 対象患者

 C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変患者

(5) 対象患者数

 18名

(6) 治験期間

 平成26年7月中旬から平成28年3月31日まで(予定)

(7) 治験の方法

 1週間の持続静脈内投与期間と1週間の観察期間をもって1サイクルとし、6サイクル(合計12週間)実施します。治験薬の投与中は入院の必要があります。

PRI-724の投与方法
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(8) その他

 本医師主導治験は、厚生労働省科学研究費補助金(肝炎等克服緊急対策研究事業)(研究代表者:木村公則)により行われています。

用語説明

※1 医師主導治験

 平成14年7月の薬事法改正により、製薬企業等と同様に医師が自ら治験を企画・立案し、実施することが可能になりました。この治験の準備から管理を医師自ら行うことを医師主導治験といいます。医師主導治験では、治療に必要とされているにも関わらず、採算性の問題等で製薬会社が治験を実施できない薬や、既に承認されている薬の適応症を拡大することなどを目的に、医師が自ら治験の計画を立てて治験を実施します。

※2 インターフェロン

 ウイルスなどの感染を受けたときに細胞内、特に白血球、リンパ球などで作られるタンパク質です。抗体のように特定のウイルスにのみ反応する物質とは異なり、非特異的にウイルス増殖を抑制する物質であり、免疫活性化作用、腫瘍細胞の増殖抑制作用なども持っています。現在、医薬品として種々のインターフェロンが承認されていますが、消化器病領域では、B型及びC型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患の抗ウイルス治療に用いられています。

※別添 東京都立駒込病院の概要

問い合わせ先
駒込病院事務局庶務課
 電話 03-3823-2101

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