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報道発表資料  2014年5月22日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会報告
「過去に購入した原野売却のために複数業者と次々に契約した土地
管理契約等に係る紛争」あっせん解決

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長村千鶴子弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から、「過去に購入した原野売却のために複数業者と次々に契約した土地管理契約等に係る紛争」(平成25年11月27日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

申立人

 80歳代男性

契約内容

 相手方及び契約金額等

北海道の土地(原野) 茨城県の土地(山林)
土地管理契約等 A社:約32万円、C社:21万円 B社:約53万円
一般媒介契約 D社:既払金なし E社:既払金なし

※一般媒介契約に係る報酬は、土地の売買契約が成立した時に発生する。

申立人の主張による紛争の概要は、次のとおりである。

  • 申立人は、約40年前に購入した土地(原野、山林)を北海道と茨城県に所有していた。
  • 平成24年6月にA社(土地管理業者)から「北海道の土地を持っていないか。」と突然電話があった後にA社社員の来訪を受け、非常に高く売れると説明されて売却を決心した。売却のためには整地などが必要と言われ、A社と2年間の土地管理委託契約を約32万円で締結し、併せてD社(宅地建物取引業者、A社のグループ会社)と一般媒介契約を締結した。
  • 平成25年1月には、E社(宅地建物取引業者)から「茨城の土地を売らないか。今が売り時」と電話があり、来訪したE社社員から土地売却のために必要と言われた2年間の土地管理調査委託契約(約34万円)をB社(土地管理業者、E社のグループ会社)と締結した。併せてE社と一般媒介契約を締結し、その1か月半後には、間口伐採の名目で新たに土地管理調査委託契約(約19万円)をB社と締結した。
  • 平成25年7月には、C社(土地管理業者)から電話があった後にC社社員の来訪を受け、既にA社と契約している北海道の土地は売出価格を下げれば売却できると言われ、A社と一部期間が重複する2年間の土地管理調査契約(21万円)を締結した。
  • その後、消費生活センターに相談して各社に解約通知を出し、A社、B社及びC社には法定書面不交付によるクーリング・オフを主張したが、相手方が応じないために紛争になった。

あっせん解決内容

  • A社、B社及びC社と締結した土地管理契約等は、特定商取引法の訪問販売に該当する。申立人が交付された各申込書面の記載内容には不備が見られるため、法定書面不交付によるクーリング・オフの行使が認められ、申立人の支払った契約金は全て返還された。
  • D社及びE社と締結した土地の一般媒介契約は合意解除し、双方に債権債務が無いことを確認した。

主な審議内容

土地管理契約等について

特定商取引法の適用

 土地の管理や調査を内容とする契約は宅地建物取引業に該当しない。いずれも事業者の訪問により契約を締結しているため、特定商取引法の訪問販売に関する規定が適用される。

書面交付義務及びクーリング・オフ

 各社から申込書面は交付されているが、契約書面は交付されていなかった。
 また、各申込書面には役務内容について役務ごとの金額の内訳が適正に記載されてはおらず、ほかにも日付や担当者名の正確な記載がない等書面の不備があり、特定商取引法の法定書面交付義務に違反する書面と認められた。
 このことから、法定書面不交付によりクーリング・オフが行使され、各契約は解除される。

過量販売による解除

 特定商取引法第9条の2では、訪問販売により、通常必要とする回数、期間、分量を著しく超える役務提供契約を締結した場合には、1年以内であれば過量部分の契約を解除できる。申立人の締結したC社との契約は、業務提携関係にあるD社のグループ会社であるA社との契約と、その内容が重複しており、また、B社の2番目の契約内容は最初の契約と重複していることから、過量販売に該当し、申立人は解除権を取得する。よって、解約通知の発信により契約は消滅する。

不実告知による取消し

 勧誘の際、申立人は、土地を売却するために土地管理契約等が不可欠であると誤認させられ、かつ契約を締結して役務の提供を受ければ売却希望価格に近い価格で土地が売却できると誤認させられた可能性がある。A社、B社及びC社による一連の言動は、特定商取引法第6条に該当し、不実告知による取消権が申立人に与えられると考えられる。

一般媒介契約について

中途解約

 本件各土地の地目は原野や山林であるが、建物の敷地に供する目的での取引対象とされているので、宅地建物取引業法が適用され、申立人はいつでも中途解約をすることができる。
その場合、土地売買成立により得られたであろう報酬相当額は、成功報酬主義の観点から、損害には含まれず、申立人はD社及びE社に対し、中途解約による損害賠償を負わない。

脱法の可能性

 A社及びC社はD社と、B社はE社と本店所在地を同じくする等の密接な関係を有している。宅地建物取引業者が実質上一体である関連会社を利用し、当該会社に一般媒介契約以外の契約を締結させて利益を取得する行為は、一般媒介契約における成功報酬主義の脱法行為に該当する疑いがあり、仮に該当するならば、強行規定違反で民法第90条、第91条により契約が無効となる可能性がある。

同種・類似紛争の再発防止のために

<原野商法二次被害>
 過去に原野商法の被害にあった消費者に対して、土地が高く売れるなどと勧誘し、そのための土地管理サービスなどの契約をさせ費用を請求するといったトラブル

事業者に対して

  • 土地管理業者は勧誘及び契約に当たり、土地の売買の可否、土地売却価格及び販売条件等について正確な情報を提供するとともに、クーリング・オフ等を記載した適正な法定書面による契約を行うべきである。
  • 一般媒介契約を行う宅地建物取引業者は、土地に関する価格等の正確な情報を提供し、必要な限度で契約を締結すべきである。また、売買契約成立時に獲得できるはずの成功報酬部分を事前に得る手段として、関連会社を利用して消費者と一般媒介契約以外の契約(土地管理契約等)を締結させて利益を得るのであれば、問題であり、許されない。

消費者に対して

  • 土地を売却するために必要と勧誘される土地管理契約等には、十分に注意が必要がある。土地が売れない場合には、管理費の支払いだけが嵩んでいくおそれがある。このようなトラブルに巻き込まれないためには、勧誘を受けても直ぐに契約を結ばず、まずは家族等とよく相談することが大切である。また、最寄りの消費生活センターに相談することも重要である。
  • 高齢者の契約に当たっては、家族等が同席するなど周りの見守りが肝要である。

※別添1 「過去に購入した原野売却のために複数業者と次々に契約した土地管理契約等に係る紛争」の概要(PDF形式:211KB)
※別添2 過去に購入した原野売却のために複数業者と次々に契約した土地管理契約等に係る紛争案件報告書(PDF形式:766KB)
※別添3 委員会の概要については、東京くらしWEBをご参照ください。
※別添4 東京都消費者被害救済委員会委員名簿

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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