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報道発表資料  2014年4月17日  労働委員会事務局

不当労働行為事件(平成25年)の概要について

 平成25年中の不当労働行為事件に係る新規申立てや終結の状況を『都労委年報平成25年』としてまとめましたので、その概要を発表します。この年報は、都民情報ルーム、東京都労働資料センター、都議会図書館、国立国会図書館などで閲覧できます。

新規受付件数は15%増、内容も複雑化の傾向

新規受付事件の概要

新規の救済申立ては118件、前年比15%の増

 平成21年以降5年連続100件超で高止まりの状況が定着している。
 合同労組からの申立ては63.6%で、前年同様高い割合を占めている。

「不利益取扱い」、「支配介入」が増加傾向

 不当労働行為とは、労働三権を具体的に保護するため、労働組合法第7条により、使用者に禁止している行為であり、主に、「不利益取扱い」、「団体交渉拒否」、「支配介入」の3類型があり、平成25年は、使用者が「団体交渉拒否」を行ったとする申立てが最も多く(87件、新規受付の73.7%、(図1)参照)、この傾向は平成18年から続いている。
 しかし、近年は、「不利益取扱い」の申立てに占める割合は増加傾向にあり、「支配介入」も21年以降、5割近い割合で推移している。
 また、「団体交渉拒否」のみを争点とする事件は41件(34.7%)で、2年連続で申立てに占める割合が低下したのに対し、複数の不当労働行為を申し立てる事件は66件(55.9%)と3年連続で上昇しており、件数では過去10年で最多であり、事件の複雑化の傾向が推察される(後記「労使関係の対立が険悪化した事件が急増」参照)。

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(不当労働行為の類型)

「不利益取扱い」・・・組合員であることを理由に解雇等の不利益な取扱いを行うこと等
「団体交渉拒否」・・・正当な理由なく団体交渉を拒否すること等
「支配介入」 ・・・組合員への脱退勧奨や組合運営に干渉すること等

団体交渉の議題は賃金問題が解雇を上回る

団体交渉で取り上げられている議題を分析

 会社が「団体交渉拒否」を行ったとして組合が申し立てた事件における交渉議題を分析すると、賃金未払いなどの賃金問題が39件(35.5%)で最も多く、以下、解雇、雇止め、退職勧奨など、雇用契約の終了に関するものが30件(27.3%)、懲戒処分・配転などの人事問題が13件(11.8%)と続いている。((図2)参照)
 なお、平成24年は、解雇等に関するものが47件で、全体の約4割を占め、最も多かった。

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労使関係の対立が険悪化した事件が急増

「不利益取扱い」と「支配介入」の申立てが増加

 複数の不当労働行為を申し立てる事件のうち、特に「不利益取扱い」と「支配介入」の両方があったとする事件の申立てが、前年の5件(4.9%)から25年は19件(16.1%)と大幅に増加している。これらの事件の典型例は、従業員の組合加入や、組合結成を契機にして、会社が当該組合員に不利益な取扱いを行うとともに、組合の影響力を抑えるため、組合運営を妨害するといった紛争である。主な例を挙げると、次のとおりである。

  • 組合を結成したところ、会社が突如組合員が働く事業所のみを閉鎖した。
  • 組合を結成したところ、組合員の勤務場所を隔離した。
  • 組合を結成したところ、執行委員長を配転させた。
  • 組合を結成しようと従業員を勧誘していたら、合理的理由もなく懲戒解雇された。
  • 廃業し事業は別会社に承継されたが、組合員だけは採用されなかった。

 これらの事例のように、労使関係が対立的となり、険悪化した紛争が当委員会に申し立てられるケースが多かったといえる。

非正規雇用関係の事件が1.7倍に、雇用形態も複雑化の様相

事件の傾向・特徴

非正規雇用問題の増

 全国の雇用者に占める非正規社員の割合は、年々増加し、平成25年には約4割となった。こうした状況を反映し、平成25年において、紛争の発端が非正規社員に関連する事件の申立ては27件(22.9%)あり、平成24年の16件(15.5%)から急増している。その内訳は、12件(44.4%)が雇止め、9件(33.3%)が賃金不払いなどの問題であった。

企業再編を契機とする不当労働行為事件の増

 近年、独占禁止法、商法、会社法等の一連の会社法制の制定・改正により、企業再編ルールが緩和され、事業譲渡や企業買収、子会社の設立・解散といった組織再編が活発化し、こうした動きは多くの労働紛争を惹起し、不当労働行為事件として当委員会に申し立てられる。平成25年の事例を挙げると、事業承継を行い、従前の労使で締結した労働協約を引き続き承継させることについて、新たな使用者との間で問題となった事件や、ベンチャー制度で設立された子会社が、親会社に団体交渉を申し入れて拒否された事件などがあった。

複雑化する雇用関係を背景にした事件の増

 平成25年に組合から申立てのあった不当労働行為事件のうち、相手方の被申立人が組合員と直接の雇用関係にはない事件は、15件あり、その内訳は以下のとおりであった。

  • 親会社・・・3件
  • 委託元・・・4件
  • 事業譲渡先・・・2件
  • 派遣先・・・2件
  • 関連会社・・・4件

 こうした傾向は、昨今の雇用関係の複雑化を反映したものと推察され、これらの事件は、労働組合法に規定する「使用者」あるいは「労働者」に該当するか否かが争点となっていくことも考えられる。

命令発出割合が増加傾向

2年連続で30件以上の命令を発出

 平成25年は、112件の事件が終結し、3年連続して100件を超えた。そのうち、命令の発出件数は、前年と同程度の30件であった。終結事件に占める命令件数の割合は、平成22年に18%であったものが、年々増加し、平成25年は、26.8%となった。

問い合わせ先
労働委員会事務局総務課
 電話 03-5320-6984

≪参考≫ 平成25年中の取扱件数及び概況

1 不当労働行為審査事件

(1) 取扱件数

(単位:件)
区分
取扱件数 終結件数
繰越 新規 命令 和解 取下
25 309 118 427 30 67 15 112
24 327 103 430 31 67 23 121
23 332 115 447 24 78 18 120

(2) 概況

  1. 25年における不当労働行為審査事件の取扱件数は、前年に比べ3件減少して427件となった。
    新規申立件数は、前年から14.6%増の118件となった。過去10年をみると、16年および20年を除き、100件を上回っており、22年の125件が最多であった。
  2. 25年に全国で新規に申し立てられた事件は365件で、当委員会の新規申立事件数の占める割合は、32.3%となっている。

2 労働争議調整事件

(1) 取扱件数

(単位:件)
区分
取扱件数 終結件数
繰越 新規 解決 取下 打切 不調
25 25 106 131 43 22 32 0 97
24 47 124 171 81 10 55 0 146
23 35 147 182 63 10 62 0 135

(2) 概況

  1. 労働争議調整事件の取扱件数は、前年から40件減少し、131件であった。
    新規申立件数は、106件で、前年に比べると18件減少した。
  2. 新規申立事件を調整事項別にみると、「団交促進」が51件で最多であり、「団交促進」を交渉事項別にみると、「賃金・一時金等」が最も多く26件、次いで「賃金以外の労働条件」が19件、「解雇」が12件となっている。
  3. 25年に全国で新規に申し立てられた事件は424件で、当委員会の新規申立事件数の占める割合は、25.0%となっている。

 

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