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報道発表資料  2014年2月7日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会 あっせん解決
「在宅ワークの業務提供を前提としたシステム製品等の購入契約に係る紛争」

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から、「在宅ワークの業務提供を前提としたシステム製品等の購入契約に係る紛争」(平成25年7月4日付託)の審議の経過と結果について、報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

  • 申立人 30歳代女性
  • 契約金額 約40万円(システム製品等)
  • 申立人の主張による紛争の概要は、次のとおりである。
    申立人はパソコンを活用して安定的かつ継続的に行うことができる在宅ワークをしたいと考え、インターネットで情報収集をした上で選別して数社に対して資料請求をした。その中の1社から「電話面接を行い、あなたのやる気を確かめたい。ついては、その日時を指定したい。」との電話があった。
    指定された日の「電話面接」では意欲や仕事に充てることができる時間等を質問された。一方、申立人から業務の内容やどのような人がスタッフとして在籍しているかについて質問したところ、相手方からは「契約前には教えられない。契約し在籍者になればもちろん教えられる。」、「70歳代の方でも長年在籍していて、それで生計を立てている。」などの説明を受けた。説明内容を踏まえ、長く働いて安定した収入を得ることができるとの理解の上で契約を締結した。
    しかし、仕事は、指定された作業をするものであったが、複数の人が同一作業をする中での提出の早い者順であり、全くの無駄働きになることが判明した。また、提出人数や順番などの客観的基準についても説明されない不明朗なシステムであることを知るに至った。
    以上のような経緯から、申立人は相手方に対し、契約の取消し及びクーリング・オフを書面にて通知し、支払った代金の返還を求めた。これに対し相手方は、中途解約による5万円余の返金ならば応じるが、これ以上争うのであれば債務不存在確認訴訟を提起すると主張し、紛争となった。

あっせん解決の内容

 本件取引は、特定商取引法に定める業務提供誘引販売取引に該当し、本件で申立人に交付された契約書面には同法第55条第2項に定める記載事項等に多くの不備がある。そのため、クーリング・オフ期間の起算日は到来しておらず、申立人が行ったクーリング・オフは有効であり、本件契約は最初にさかのぼって解消されている。したがって、相手方は受領代金を全額返還するとともに、引渡し済みの商品を相手方の費用負担で引き取ることというあっせん案を委員会が提示をしたところ、当事者双方があっせん案を受託し解決した。

主な審議内容等

1 法定書面の問題点

 本件取引において、相手方が申立人に対して交付すべき契約書面(特定商取引法第55条第2項)について、書面の一体性、交付時期、法定記載事項、文字等の大きさなどの多くの不備がある。

2 勧誘における問題点

 特定商取引法第51条の2は、消費者に自主的かつ適切な選択の機会を確保するため、勧誘に先立って、契約の締結について勧誘をする目的である旨等を明らかにするよう定めている。ところが、相手方は申立人に対して業務提供誘引販売取引の契約の締結について勧誘をする目的であることを告げず、「電話面接である。」と告げ、採用するかどうかは申立人のやる気次第であるとして優位に立った勧誘を行っている。また、この電話勧誘に際して、長年在籍している者がいるという不実告知や契約前には仕事の内容については説明できないという不告知に該当する行為を行っている。
 その結果、申立人は、本件契約について、採用面接を受けているとの認識のもとに、さらに業務提供利益に関する不実告知などによる誤認が加わり、適切な選択の機会を与えられなかった。このような相手方の一連の勧誘行為は、申立人の本件契約の選択の自由を侵害する不当なものであり、重大な問題である。
 なお、不実告知や不告知によって誤認に陥って契約した場合には、消費者は、その契約を取り消すことができる。申立人は本件契約を取り消すこともできる。

3 本件相手方の対応について

 委員会のヒアリングへの出席を渋り、その予定日を大幅に遅らせたにもかかわらず、当日になって担当者の入院を理由に欠席した(入院についての証明資料の提出はない)。また、委員会からの質問に対し文書回答をしたものの、本来、概要書面や契約書面で明確にすべき義務がある業務の具体的内容については回答を拒否するなど、事案の真相解明に協力しなかった。

同種・類似被害の再発防止のために

1 事業者に対して

 勧誘目的を告げず「電話面接」と称することによって、優位な立場を確保した上で勧誘する行為は、電話をかけた際には開口一番で業務提供誘引販売取引の契約について勧誘する目的であることを告げるよう規定している特定商取引法に違反している。このような「面接」という形態はやめるべきである。
 本件事業者の対応は、特定商取引法で明確にすべき義務がある業務の具体的内容について回答しないなど、極めて不誠実なものであった。仮に意見の違い等があったとしても、顧客とトラブルが生じた以上、事業者は誠意を持って対応する責務がある。さらに、特定商取引法の趣旨をかんがみると、業務提供誘引販売取引における情報開示は、事業の根本をなすものであり、事業者は情報開示の徹底を期すことが強く求められる。

2 消費者に対して

 在宅ワーク等の検討をする際、どのようなシステムで業務依頼・受注があるのか、自分が希望すれば業務を選択できるのか、納品しても収入が得られない場合があるのか等につき、詳細に確認・チェックし、少しでも疑問点があったら契約を締結しない慎重さが求められる。
 また、事業者との応答だけで判断することには限界があるので、会社登記事項証明書を取得する、事業所を訪問するなどの方法によって、客観的に事業者の状況を把握することが求められる。

※別紙 東京都消費者被害救済委員会の概要
※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿
※別添 在宅ワークの業務提供を前提としたシステム製品等の購入契約に係る紛争案件 報告書(PDF形式:432KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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