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報道発表資料  2013年9月5日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会 報告
「リゾートクラブ会員権の預託金返還に係る紛争」あっせん・調停不調

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長松本恒雄 前 一橋大学大学院法学研究科教授(現 国民生活センター理事長))から、「リゾートクラブ会員権の預託金返還に係る紛争」(平成25年3月27日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

申立人

 80歳代男性

契約金額

 45万円(預託金)

紛争概要(申立人の主張による概要は、次のとおりである。)

 申立人は昭和50年に預託金45万円を支払い、リゾートクラブ会員権の契約を締結し、平成7年に退会手続きを行ったが、預託金は返還されなかった。
 その後、平成22年に預託金返還請求書を提出したところ、相手方から、会則により、返還請求提出から10年据置いた平成32年から10年かけて分割返済することになるとの回答があった。
 申立人は、退会届を出してから預託金全額返還までに30年も要するとは契約時に聞いておらず、即時に預託金を全額返還するよう求めたが、相手方がこれに応じなかったため、紛争になった。

〈相手方事業者〉

  • 名称:富士コンサル株式会社(蓼科ソサエティ倶楽部)
  • 所在地:東京都渋谷区渋谷2-15-1 渋谷クロスタワー25階

あっせん・調停の結果

 相手方に預託金45万円の即時全額返還を求めるあっせん案・調停案を提示したが、相手方が同意せず、あっせん・調停不調となった。

委員会が示したあっせん案・調停案の内容

  • 本件では、入会契約締結後に会員にとって著しく不利な会則の改定がなされたが、会員の個別的な承諾を得ていないため、拘束力はないと考えられる。また、入会当時の契約内容が不明であり、預託金の返還時期についての特約は確認できない。申立人は平成7年に既に退会していることから、預託金45万円の即時全額返還というあっせん案を提示したところ、申立人は受諾したが、相手方は受諾しなかった。
  • 同様の内容で調停案の受諾を勧告したが、相手方は受諾しなかった。

相手方があっせん案・調停案に同意しなかった理由

  • 当リゾートクラブは会則にのっとり運営している。預託金返還も会則の規定どおりの対応になり、多くの退会者もこれに沿って手続きをしているため、この会則に背くことはできない。
  • 退会10年経過後に請求可能となる預託金の返還請求は平成22年になされているが、退会日の10年後である平成17年に請求を受けたとする据置期間の短縮案を委員会に提案したが、聞き入れてもらえなかった。

主な審議内容

1 会則の改定について

 ゴルフ場やリゾートクラブ等の会員契約では、退会に伴う預託金請求権について一定の据置期間が設定される場合が多く、会員契約締結当時に当事者間で合意されている場合は、それが合理性を有する限り、当事者を拘束する。
 ただし、契約成立後における契約条件の一方的変更は、変更するに当たり合理的な理由があり、かつ、そうすべき必要性がある場合に初めて認められるのであり、しかも会員の権利義務に著しい変更を生じないなど合理的かつ必要な限度でのみ認められる。
 本件では、契約締結時に据置期間の定めがなされていたと認められるような証拠や事情はなく、据置期間の定めがないとすれば、預託金についての返還猶予に関する規定がないことになる。よって、預託金返還請求権(預託金返還義務)は退会時に生じると考えられる。

2 会則の不当性について

 退会申出から、30年経過しないと預託金全額が返金されないという契約当事者の権利を著しく制限する条項は、公序良俗(民法第90条)に違反し無効であると考えられる。

同種・類似紛争の再発防止のために

1 事業者に対して

  • 正当な理由もなく、会員の預託金返還請求権の行使等を実質的に不可能にするに等しいような条項は、一方の契約当事者の基本的な権利を著しく制約するものとして無効であると考えられる。よって、事業者としてはこのような条項を設けるべきではない。
  • 預託金返還請求権のような会員の重要、かつ、基本的な権利にかかわる会則を不利益に変更する場合は、会員の承諾を得ないで一方的にこれを行っても、会員に対して効力を及ぼすことはできないことに留意すべきである。

2 消費者に対して

 リゾート会員権契約は、長期に渡るサービスの提供契約であることを踏まえて、次のことに注意する。

  • 契約後、事情が変わり、解約することも考えられるので、契約に際しては、預託金返還に関する条項やその裏付けとなる事業者の資力なども、十分検討を行う。
  • 年会費は、預託金などと比較すると少額であるが、長期間払い続けるとその総額は大きくなる。また、施設を利用しなくても負担し続けなければならないことなどにも留意する。
  • 契約書などの書類は、大切に保管し、事業者から送られてくる書類にも、重大な通知が含まれていないか注意を払う。

※別紙 東京都消費者被害救済委員会の概要
※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿
※別添 リゾートクラブ会員権の預託金返還に係る紛争案件 報告書(PDF形式:385KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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