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報道発表資料  2013年9月3日  生活文化局

東京都消費者被害救済委員会 報告
「訪問販売によるモバイルデータ通信契約の解除に係る紛争」あっせん解決

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長松本恒雄 前 一橋大学大学院法学研究科教授(現 国民生活センター理事長))から、「訪問販売によるモバイルデータ通信契約の解除に係る紛争」(平成25年2月4日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。
 なお、この結果を受け、国に法改正等を要望するとともに、関連の業界団体に対して情報提供します。

紛争の概要

申立人

 40歳代男性

契約金額

 約4万5千円(解約料約3万8千円+1か月余分の通信料等)

紛争概要(申立人の主張による概要は、次のとおりである。)

  • 光回線を契約していた申立人は、突然訪問してきた若い男性から勧誘用のチラシ1枚を示され、LTE通信について、「モバイルWi-Fiルータで持ち運べ、速度も速く、エリアも広範囲にカバーし、今より便利に、通信料金も安くなる」等の説明を受け、玄関先でパソコンを接続して見せられた。
  • ITが苦手な申立人は、専門用語ばかりで十分理解できなかったが、話が進み断ることができなくなり、今より速度が速くなり携帯できて便利になるならと思い契約をしてしまった。
  • 契約後冷静に考えると外出先でパソコンを使う必要もないので、友人に相談して解約通知を出した。しかし、相手方からは通信料と解約料など合計で約4万5千円の請求があった。
  • モバイルWi-Fiルータも受取っておらずサービスも受けていないので申立人はクーリング・オフを主張したが、相手方はクーリング・オフ適用のない通信契約だと拒否したために、紛争になった。

あっせん解決内容

  • 申立人が勧誘時に受けた説明は、チラシに基づいており、対応エリア、通信速度の点で実態に即した内容ではなかったため、重要事項の不実告知にあたり、消費者契約法第4条第1項第1号により取消しが可能であるとするあっせん案を両者が受諾し、解決した。
  • 契約は取消しにより無効であり、両者間に債権債務は存在しないことを確認した。

主な審議内容

1 情報の提供と誤認について

 本件契約の相手方は、大手通信事業者の回線を卸して再販する電気通信事業者であり、その大手回線業者が不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)違反で消費者庁の措置命令の対象となった内容と同様のチラシを使用して勧誘した。
 申立人は提示されたチラシ記載内容である広範囲の通信エリア、高速通信を重視して契約に至ったのであり、消費者契約法第4条第1項第1号の重要事項の不実告知により取消し可能と判断した。
 また、申立人に訪問勧誘した業者は契約先電気通信事業者ではなく、その販売代理店のフランチャイジーであった。申立人に契約相手方や窓口等の情報が与えられないことは消費者の権利行使を阻害するものであり、適切な連絡先等の明示が必要である。

2 不意打ち的な勧誘について

 訪問販売の典型的な問題が存在し、通信契約に特定商取引法の適用があるならば当然にクーリング・オフが認められる場面であると判断した。

3 複雑な契約形態

 本件は契約当事者の他に、勧誘行為に関しては代理店とそのフランチャイジー、商品の品質に関しては大手回線業者とその実際の回線サービス提供者が係り、非常に複雑な構造になっている。事業者間で、どの業者がどのような責務を負うのか、消費者から見えやすい体制を構想し実行する必要がある。

同種・類似紛争の再発防止のために

1 事業者に対して

 消費者に対するわかりやすく、誤解を与えない説明が求められる。また、電気通信事業者が代理店等他の事業者に勧誘させる場合には、不適切な勧誘が行われていないかモニタリングし、契約者の真意の確認や苦情を直に受付ける必要がある。

2 消費者に対して

 契約締結の前には必ず、どの業者とどのような契約をするのか、負担する費用は何に対する対価なのか、解約する場合には費用や手続きはどうするのか等を確認する。
 いくつかのプランがある場合には、比較検討して自分のニーズや生活スタイルに合ったプランを選択するようにして欲しい。

3 行政に対して

  • 電気通信事業法第26条では、電気通信事業者に加え、媒介、取次ぎ及び代理を業として行う者に対しても、消費者への書面による説明義務を課している。これら勧誘業者等が書面を交付し、法律を遵守した勧誘をするよう総務省は適切な監督をすべきである。
  • 訪問販売や電話勧誘販売であっても、通信契約はクーリング・オフが適用されない。
    電気通信事業法を改正して消費者保護に必要な条項を加える、又は特定商取引法適用除外を外して通信契約にも適用するなどの法的対策を講じるべきである。
  • 通信技術は進歩が速く、消費者が正確に商品やサービスを判断すべき十分な情報を得ることが難しいため、有利不利、優良不良を判断できる表示を義務付ける景品表示法によるガイドラインの作成を行うべきである。

※モバイルデータ通信とは
 「無線を使い、パソコン等をインターネットに接続できるサービス」のこと。当該契約は、携帯電話会社の電波を「モバイルWi-Fiルータ」というインターネット接続用端末機器内でWi-Fi電波に変換し、無線対応の端末等を利用できるようにするサービス契約。プロバイダ契約と無線回線契約が含まれている。

※Wi-Fi(ワイファイ)とは
 無線LAN(家の中などワンフロア、数10メートル程度の狭い範囲内で通信可能)の一種。Wi-Fiとは、米国の業界団体 Wi-Fi Alliance が発行している標準規格のブランド名である。

※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿
※別添 訪問販売によるモバイルデータ通信契約の解除に係る紛争案件(PDF形式:501KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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