トップページ > 都政情報 > 報道発表 > これまでの報道発表 > 報道発表/平成25(2013)年 > 7月 > 不当労働行為事件(平成24年)の概要について

ここから本文です。

報道発表資料  2013年7月25日  労働委員会事務局

不当労働行為事件(平成24年)の概要について

 24年の不当労働行為事件の概要は下記のとおりです。
 なお、平成24年中に取り扱った事件等の概要をまとめた『都労委年報 平成24年』を発行しました。この年報は、都民情報ルーム、東京都労働資料センター、都議会図書館、国立国会図書館などで閲覧できます。

1 新規受付事件の概要

新規の救済申立ては103件、平成21年以降4年連続100件超で高止まり

合同労組からの申立てが4年ぶりに減少~自ら組合を結成しての申立てが増加

 合同労組からの申立ては71件(68.9%)あり、平成20年以降4年連続して増加傾向にあったが、24年は減少に転じた。これまでは、労働条件等に不満を持った労働者が、職場に労働組合がないため合同労組に加入していたが、近年は、自ら会社内に労働組合を結成し、当委員会に救済申立てを行うといったケースが増えてきたことが要因の一つとみられる。

不当労働行為の類型で最も多いのは「団体交渉拒否」

 不当労働行為とは、労働三権を具体的に保護するため、労働組合法第7条により、使用者に禁止している行為であり、「不利益取扱い」、「団体交渉拒否」、「支配介入」、「報復的不利益取扱い」の4類型がある。このうち、24年は、使用者が「団体交渉拒否」を行ったとする申立てが最も多かった(88件、新規受付の85.4%)。「団体交渉拒否」事件が最も多い傾向は平成18年から続いている。(図1参照)

画像

2 団体交渉拒否事件の概要

「団体交渉拒否」事件で最も多い使用者の拒否理由は「雇用関係にない」

 「団体交渉拒否」事件は、正当な理由なく使用者が団体交渉を拒否する場合と、団体交渉には応じるが使用者の対応が不誠実である場合とに大別できる。88件のうち、前者に該当するものは40件で、全く団体交渉に応じていないとする申立てであった。このうち、最も多い拒否理由は「使用者ではない」「雇用関係にない」など、団体交渉を受ける立場にないとするものが最も多く、9件だった。この背景には、会社法等の法改正により、企業組織再編が活発化したことや、労務供給の形態が請負・委任契約の形式をとるなど、雇用関係が複雑な様相を呈していることが要因の一つと考えられる。以下、「応答・連絡無し」、「開催条件を一方的に設定」、「裁判等で係争中」、「既に決着済み」と続いている。

団体交渉の議題で最も多いのは解雇問題

 会社が「団体交渉拒否」を行ったとして組合が申し立てた事件における交渉議題を分析すると、解雇、雇止め、退職勧奨など、雇用契約の終了に関するものが47件(42.9%)で最も多く、以下、賃金未払いなどの賃金問題が23件(22.3%)、懲戒処分・配転などの人事問題が13件(11.6%)と続いている。(図2参照)

画像

3 その他の不当労働行為事件の概要

2番目に多い類型は「支配介入」

 「支配介入」は51件(49.5%)で、23年に引き続き、2番目に多くなっている。この例としては、少数の労働者で会社に新組合を結成するも、既存の社内組合との間で差別的な扱いを受けたり、組合を脱退するよう、会社が組合員に働きかけたとする申立てが7件あった。そのほか、「組合をやめたら賃金を支払う」と会社が持ちかけたり、組合事務所がある工場の取壊しを理由に退去を迫ったとする申立てがあった。

3番目に多い類型は「不利益取扱い」

 「不利益取扱い」は45件(43.7%)で、19年以降、割合は減少傾向にある。この例としては、労働者が組合員であることを会社が知ったところ、突然、解雇や雇止めを通告された(9件)、再雇用を拒否された(9件)、減給された(9件)、組合役員を懲戒処分にされた(4件)とする申立てがあった。そのほか、再雇用において、非組合員は役員待遇にし、組合員は従前と全く異なる職務に就かせたり、組合員だけ別のフロアに異動させるといった申立てもあった。

4 事件内容の傾向

再雇用問題、パワハラ問題、非正規雇用問題の増

 組合員が定年後の再雇用を会社に拒否されたとする事件が多く見受けられた(9件)。これは、平成25年4月の高年齢者雇用安定法の改正によって継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されることが少なからず影響を与えたとみられる。
 また、会社からパワーハラスメントを受けたことなどを端緒とし、その対応を巡って集団的労使紛争に発展した事件も多かった(12件)。例えば、上司からパワハラを受けた複数の労働者が合同労組に加入し、会社に分会を結成し団体交渉を申し入れたところ、会社は組合員をそれぞれ異なる勤務地に配転させたとする申立てがあった。
 一方、組合員が非正規社員である事件は16件(15.5%)あった。例えば、有期雇用の労働者が組合員であることを会社に伝えたところ、雇止めとされたとする申立てがあった。

5 終結事件の概要

過去5年で最多の31件の命令を発出

 平成24年は、約6割が和解により終結となり、約3割が命令等を発出するに至った。

問い合わせ先
労働委員会事務局総務課
 電話 03-5320-6984

≪参考≫ 平成24年中の取扱件数及び概況

1 不当労働行為審査事件

(1) 取扱件数

(単位:件)
区分
取扱件数 終結件数
繰越 新規 命令 和解 取下
24 327 103 430 31 67 23 121
23 332 115 447 24 78 18 120
22 301 125 426 17 54 23 94

(2) 概況

  1. 24年における不当労働行為審査事件の取扱件数は、前年に比べ17件減少して430件となった。
    新規係属件数は、前年を12件下回り、103件となった。過去10年をみると、16年および20年を除き、100件を上回っており、14年及び22年の125件が最多であった。
  2. 24年に全国で新規に申し立てられた事件のうち、当委員会の新規係属事件数の占める割合は、29.1%となっている。

2 労働争議調整事件

(1) 取扱件数

(単位:件)
区分
取扱件数 終結件数
繰越 新規 解決 取下 打切 不調
24 47 124 171 81 10 55 0 146
23 35 147 182 63 10 62 0 135
22 60 153 213 92 26 59 0 178

(2) 概況

  1. 労働争議調整事件の取扱件数は、前年から11件減少し、171件であった。
    新規係属件数は、124件で、前年に比べると23件減少した。
  2. 新規係属事件を調整事項別にみると、「団交促進」が82件で最多であり、「団交促進」を交渉事項別にみると、「賃金・一時金等」が最も多く37件、次いで「解雇」が31件、「賃金以外の労働条件」が13件となっている。
  3. 24年に全国で新規に係属した事件のうち、当委員会の新規係属事件数の占める割合は、26.8%となっている。

補足説明

労働委員会

 労働委員会とは、使用者による不当労働行為があった場合における労働組合や組合員の救済や、労働組合と使用者の間の労働条件や組合活動のルールを巡る争いの解決など、集団的労使関係を安定、正常化することを主な目的として、地方自治法及び労働組合法に基づき設置された合議制の行政委員会である。
 公益の代表者(公益委員)、労働者の代表者(労働者委員)、使用者の代表者(使用者委員)の三者で構成されており、東京都労働委員会では、各13名、計39名で構成されている。

不当労働行為の類型

 不当労働行為とは、労働三権を具体的に保護するため、労働組合法第7条により、使用者に禁止している行為であり、以下のとおり4つの類型ある。

  1. 不利益取扱い(同法同条第1号)
    労働組合の組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことなどを理由にその労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。また、労働組合の加入しないこと、あるいは脱退することを雇用条件とすること。
  2. 団体交渉拒否(同法同条第2号)
    正当な理由なく団体交渉を拒否すること(誠実に交渉を行わないことを含む。)
  3. 支配介入(同法同条第3号)
    労働組合活動への嫌がらせや脱退勧奨などにより労働組合の組織・運営に干渉すること
  4. 報復的不利益取扱い(同法同条第4号)
    労働委員会に救済申立てをしたことなどを理由に労働者に不利益な取扱いをすること

合同労組

 企業の枠を超えて一定の地域で個人加入を原則として組織される労働組合。
 職種別や産業別に組織したり、地域を限定したりするなど、様々な形態がある。

ページの先頭へ戻る