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報道発表資料  2013年5月21日  建設局

葛西臨海水族園情報
世界初!無色透明な血液をもつ南極の魚、
オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)がふ化しました!!

 葛西臨海水族園(園長 西源二郎)で、展示中のコオリウオ科の一種オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)の卵のふ化が平成25年5月7日(火曜)から始まりました。そのふ化して間もない仔魚の展示を開始しますのでお知らせします。ふ化した卵は、平成25年1月12日に展示水槽内で産卵され、その後取り上げて育成水槽で飼育していたものです。
 南極大陸周辺の海にすむコオリウオ科の魚が展示されている水族館は世界でも当園だけで、オセレイテッド アイスフィッシュの産卵が観察されたのも世界初です。本種の卵の発生過程が観察・研究された例はなく、今回の成果は大変貴重なものです。

写真
【オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)のふ化直後の仔魚】

1.ふ化開始日

 平成25年5月7日(火曜)

2.ふ化個体数および大きさ(5月20日現在)

 約20個体、体長21~23ミリメートル

3.展示場所

 「世界の海」エリア「南極海2」水槽特設ケース内

4. 展示開始日

 平成25年5月23日(木曜)

5.展示予定個体数

 3個体

6.産卵からふ化までの経緯

 平成24年12月末、展示中のオスが水槽底の砂を尾鰭などで掘り、産卵床と思われるすり鉢状の窪みをつくり、また体の一部が黒く変化し、繁殖期に現れる「婚姻色」と思われたため、非公開の予備水槽のメスを同居させました。その後、両個体が一緒になって回転するように泳いだりする行動がみられたため、産卵が近いと判断し、夜間はビデオカメラで行動を記録しました。平成25年1月13日朝、水槽内に数百個の卵(直径4.4ミリメートル)を発見し、ビデオを確認したところ、1月12日午後11時13分に産卵があったことがわかりました(平成25年1月18日発表済)。
 オスを予備水槽へ取り出した後、メスは産卵床の中心で卵を保護していましたが、受精卵と未受精卵が混在していたため、卵の腐敗を避けるために全ての卵を水槽から取り出し、非公開の育成水槽で飼育を続けていました。育成水槽の水温はおよそ2~3度、ふ化に要した日数は最短114日でした。本種の生息海域の水温はもう少し低いことから、自然状態でふ化に要する日数はもう少し長いものと考えられます。

7.ふ化仔魚の特徴および現在の状況

 仔魚はふ化直後から、成魚での特徴である大きな口が開いており、歯も確認することができます。腹部にはまだ大きな卵黄を持っており、しばらくはここから栄養を得てこれを吸収して成長するものと考えられます。
本種のふ化初期の生態については研究例がないものの、体長34~56ミリメートルのやや成長した仔魚をプランクトンネットで採集した研究例では、胃の中から主に小型のオキアミ類が多く見つかっています。当園でも、アミ類やブラインシュリンプなど、小型の甲殻類の給餌を試みましたが、今のところ摂餌は確認できていません。
 現在、水槽底にいることが多いものの、時々水面まで泳ぎ上がる様子が観察されています。上述の研究では、大型の仔魚は表層から水深400メートルの広い範囲で採集されていますので、水底から離れ、浮遊生活を送るものと考えられます。

【参考】

オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)

写真
  • 学名
    Chionodraco rastrospinosus
  • 英名
    Ocellated Icefish
  • 分類
    スズキ目ナンキョクカジカ亜目カンニクティス(コオリウオ)科
  • 分布
    サウスオークニー諸島、サウスシェトランド諸島から南極海大西洋区スコシア海域
  • 全長
    約55センチメートル
  • 生態
    本種が属するコオリウオ科の魚類はわずか16種のみからなるグループで、南アメリカ南部(パタゴニア)近海に分布する1種以外はすべて南極大陸周辺海域の水深5メートル程度の浅瀬から1000メートルを超える海底に生息している。体表には側線部分以外に鱗が無く、頭部は扁平な形を呈する。最大の特徴は、脊椎動物で唯一ヘモグロビン(※)をもたないため、血液が無色透明なことである。また、ほとんどの魚の鰓が赤色やピンク色をしているのに対し、コオリウオの鰓はクリーム色をしている。
    ※ヘモグロビンとは:赤血球に含まれているタンパク質でヒトを含む全ての脊椎動物の血液中に存在する。鉄を含むヘムという分子をもっているため赤色に見える。ヘモグロビンは肺や鰓などで結合した酸素を体内の各組織へ運ぶ働きがある。
  • 展示までの経緯
    当園では、以前から南極海の魚類を展示しており、展示を充実させるべく、平成22年度から情報収集を行ってきました。その中で、日本水産株式会社が南極で行うナンキョクオキアミ操業の際に、一緒に採集される魚類の情報を得ました。このため、漁獲物の船上蓄養を依頼するとともに、荷揚げするためのチリ帰港にあわせて当園職員が出張し、採集生物を譲り受けることとしました。平成23年8月10日に採集生物を受け取り、空路で日本に輸送し、8月19日、オセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)、ノトセニア(ナンキョクカジカ)科のブラントスケイリーヘッド(ウルメウロコギス)、ストライプトロックコッド(ウロコギス)の3種が無事、当園に到着しました。
    オセレイテッド アイスフィッシュは8月24日より世界の海エリア「南極海2」水槽で一般公開を開始し、ブラントスケイリーヘッド、ストライプトロックコッドについても、平成24年2月より世界の海エリア「南極海1」水槽で展示を開始しています。

ご案内

【葛西臨海水族園】
<開園時間>
 9時30分~17時00分(入園は16時00分まで)
<休園日>
 毎週水曜日(祝日のときは、翌日)
<入園料>
 一般:700円、65歳以上:350円、中学生:250円
※小学生以下及び都内在住、在学の中学生は無料

※開園日については東京ズーネットでご覧いただけます。

問い合わせ先
(公財)東京動物園協会
葛西臨海水族園
 電話 03-3869-5152 17時00分まで
建設局公園緑地部管理課
 電話 03-5320-5365

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