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報道発表資料  2013年2月21日  生活文化局

「会員制ビジネススクールの契約に係る紛争」あっせん・調停不調

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長松本恒雄 一橋大学大学院法学研究科教授)から、「会員制ビジネススクールの契約に係る紛争」(平成24年8月23日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

 申立人の主張による紛争の概要は、以下のとおりである。

申立人

 3人(20歳代前半の女性)

契約金額

 申立人A:約47万円 申立人B:約73万円 申立人C:約44万円

  • 申立人A、B、Cは、会員である友人等の紹介で会員制のビジネススクール(以下、「スクール」という。)を知り、役務提供期間が2か月で期間を過ぎると返金はないことを内容とする、リーダー学・営業学・投資・対人関係等の講座がパックになったコースの契約を締結した。
  • Aは、契約の際、本校はマルチ商法でもねずみ講でもないので人を紹介させるようなことはないと説明を受けたが、入学後、勧誘を求められ、当初の説明と異なることから中途解約を申し出た。
  • Bは、入学後、生ゴミ処理機の説明会で代理店になると利益を得られるとの説明を受け、スクール勧誘及び生ゴミ処理機の営業を内容とする代理店契約を締結した。契約後、勧誘業務に抵抗があり契約解除を申し出た。
  • Cは、説明日に、アルバイト収入しかなく高額の契約をすることはできないことを伝えたが執拗な勧誘を受け断りきれず契約した。契約後、支払困難であることから中途解約を申し出た。
  • これらに対して、スクールが応じなかったことから紛争になった。

<相手方事業者>

  • 名称 SCT株式会社(旧社名:SUNBI株式会社)
  • 所在地 東京都渋谷区

あっせん・調停の結果

 相手方があっせん案・調停案に同意せず、あっせん・調停不調

あっせん案・調停案の内容

  • スクール受講契約は、実態は期間の定めのない継続的役務提供契約であり、民法の準委任契約に該当し、申立人らはいつでも中途解約ができる。精算は、1回あたり受講料×受講回数+20,000円※1で行う。
    ※1 特定商取引法の特定継続的役務提供契約(学習塾)の中途解約時の損害賠償額を類推適用(49条2項1号)
  • 代理店契約は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引に該当するが、相手方は必要事項が記載された「契約書面」を交付する義務を果たしておらず、クーリング・オフが認められる。
    ⇒Aに87,000円を返還する、Bに68,875円を返還するとともに生ゴミ処理機を引き取る、Cについては精算の必要なしとする。

相手方が主張するあっせん案・調停案に同意しなかった主な理由等

  • 委員会が認定した事実は、多くの点で真の事実関係と異なっている。そのため、あっせん案及び調停案は実態を踏まえない、過度に当社に不利な、不合理な内容となっている。真実を踏まえれば、このような内容にはならないはずであると考えるので受諾することはできない。
  • 現在、当社は、スクール事業等の新規の取扱いを中止しているので、今後新たに当社と同種の取引関係に入る消費者は生まれず、当社の実名を公表する必要はない。

主な審議内容

1 スクール受講契約について

  1. 契約の実態
    本件契約は、契約期間を2か月と定める一方で、期間満了後においても終身にわたり何回でも受講することができ、その対価は無料とするものである。しかし、実際には標準的な受講生が28単位の授業を2か月で修了することは極めて困難である。契約の実態は、期間の定めのない継続的役務提供契約である。
  2. 中途解約に係る法的考え方
    契約は、民法の準委任契約に該当するので、委任に関する規定が適用され、申立人らはいつでも中途解約ができる。期間の定めのない準委任契約である本件契約は、申立人らの中途解約により将来に向かって消滅する。準委任契約において契約の一方当事者は相手方に不利な時期に解除した場合は相手方に損害を賠償しなければならない。
  3. 本件における違約金条項
    本件契約条項では、契約期間を2か月としそれ以降の中途解約清算を認めていないが、その実態は期間の定めのない継続的役務提供契約であり、中途解約において受講料全額を損害賠償として徴収する旨の違約金条項と解することができる。契約は消費者契約に該当するので消費者契約法9条1号の適用を受け、平均的損害を超える部分について違約金条項は無効である。

2 代理店契約について

 代理店契約は、スクール及び生ゴミ処理機の顧客開拓に関する営業業務を内容とするものであり、スクール及び生ゴミ処理機の代理店として売上金額の一部が報酬として相手方から支払われる旨が契約条項に定められている。そして、契約の締結により申立人はデモンストレーション用の生ゴミ処理機一台の購入代金、研修費、代理店登録料を相手方に支払っている。
 本件契約は、相手方が提供する業務に従事することにより利益が得られると申立人を誘引し、営業に必要であるとして申立人に商品購入等を行わせているので、特定商取引法の業務提供誘引販売取引に該当する。
 そして、本件では、契約締結時に交付された契約書面にクーリング・オフに関する記載が欠けているなど、特定商取引法が定める必要事項が記載された契約書面が交付されていないので、クーリング・オフ期間は進行しておらず、クーリング・オフは可能である。

委員会からのコメント―同種・類似紛争の再発防止のために―

1 事業者に対して

 事業者は、勧誘の際には、目的を明示するとともに、契約内容について必要かつ十分な正しい説明をすること、消費者が自主的な選択をするために十分な熟慮期間を確保すること、消費者が断った場合にはそれ以上勧誘をしないようにすべきである。
 また、消費者と契約する場合には、提供する役務の内容と、何に対する対価であるのかなどを明確にする必要がある。
 契約書の契約条項には、契約内容の実態に即した合理的な中途解約清算条項を設けるべきである。

2 消費者に対して

 本件スクール受講契約の勧誘について、事業者は会員による紹介制度を取り、会員が食事やセミナーに友人等を誘い、引き続き社員とともに契約の即断を迫るものである。
 消費者は、親しい友人に誘われた場合であっても、迷ったり不必要と感じた場合には、きっぱり断ることが大切である。
 また、契約の締結を検討する場合には、事業者について十分調べること、契約書などを十分検討して契約内容・対価・中途解約ルールなどが合理的で納得できるものかどうか、慎重に検討することが重要である。

※別紙 東京都消費者被害救済委員会の概要
※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿
※別添 会員制ビジネススクールの契約に係る紛争案件 報告書(PDF形式:267KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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