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報道発表資料  2012年12月13日  生活文化局

高額な包茎手術の契約に係る紛争をあっせん解決
契約は民法の公序良俗に違反し無効

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長松本恒雄 一橋大学大学院法学研究科教授)から、「甲クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争」及び「乙クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争」(平成24年6月26日付託)の審議の経過と結果について、知事に報告がありましたので、お知らせします。

紛争の概要

 申立人の主張による紛争の概要は、以下のとおりである。

1 甲クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争

  • 申立人
    3名(20歳代の男性)
  • 契約金額
    申立人A:約210万円 申立人B:約220万円 申立人C:約110万円

《申立人の主張》
 雑誌やホームページ情報から手術費用は10万円程度と思い病院へ行ったところ、カウンセラーから、かなり重症で、基本手術では傷痕が目立つなど不安を駆り立てられ、高額な契約を結び、その日のうちに手術を受けた。

2 乙クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争

  • 申立人
    2名(10歳代と20歳代の男性)
  • 契約金額
    申立人A:約40万円 申立人B:約80万円

《申立人の主張》
 ホームページ情報から手術費用はキャンペーン価格6万3千円と思い病院へ行ったところ、放置したために重症になった写真や手術の傷痕が目立つ写真を示して説明され、不安になり高額な契約を締結した。未成年者の申立人Aについては、指示に従って保証人欄に自分で親の名前を書いたが、親の承諾を得ていなかった。

 甲クリニック及び乙クリニックの申立人は、後日、申立人が受けた手術は数万円程度のものと知り、適正な価格への減額を求めたが、相手方が応じなかったため紛争になった。

解決内容

 ホームページ等の表示を含む契約締結に至る一連の行為は、民法90条の公序良俗に違反し契約は無効である。
 ただし、申立人は、手術そのものについては当初の希望どおりの結果を得ていることから、甲クリニックには10万円、乙クリニックには6万3千円を支払うこととし、各クリニックは、申立人の既払金を基に清算をすること、また、未成年の申立人には、手術代金を請求しないこととしてあっせんし、合意した。

主な審議内容

1 契約締結過程の問題について

 下記の理由から、民法90条の公序良俗に違反し、契約は無効と考えられる。

  1. 甲クリニックのホームページ等の広告表示には、包茎手術75,600円及び105,000円がトップに掲載されており、また、乙クリニックのホームページにはキャンペーン価格の63,000円が強調表示されている。これらの表示は、ホームページ等を閲覧する一般人にはこの価格で包茎手術が受けられ、それ以外に費用はかからないと認識するものであった。
  2. 甲クリニック及び乙クリニックにおける受診時の説明では、傷痕は時間が経てば自然と目立たなくなることを十分伝えず、基本手術では手術後の傷痕が目立つことを強調し、また、美容形成手術や薬剤注入の効用や効果に関する説明も必ずしも十分ではなかった。医学的な専門知識を持たない申立人は、医師やカウンセラーの説明を信用せざるを得ず、推奨された内容を拒否することは事実上困難であった。
  3. 乙クリニックは、身分証明書等で未成年者と確認しつつ、親の承諾を得ることなく手術を行った。
  4. 上記の状況下において、甲クリニック及び乙クリニックは、若年者である申立人の収入に比べて手術等の費用が極めて高額であることを認識しつつ契約を締結させ、また、その支払いを可能にする高額なクレジット契約を結ばせるものであった。

2 申立人の利得について

  1. 包茎手術そのものについては、申立人は、当初の希望どおりの結果を得ており、利得が生じている。
  2. 包茎手術の多くは自由診療でなされており、一般的に10万円程度で手術が行われていること、申立人にホームページの表示等で申込みの誘引を行ったことなどを鑑みると、申立人の利得額は、甲クリニックは100,000円、乙クリニックは63,000円が妥当であるとした。
  3. 乙クリニックは、申立人が未成年であることを知りながら親の承諾を得ないで高額な手術契約をしているなどから、民法708条の不法原因給付により手術代金を請求できないとした。

同種・類似被害の再発防止のために

1 事業者に対して

 美容医療等の自由診療を行う医療機関のホームページ情報によるトラブルが多いことを受け、平成24年9月28日、厚生労働省は、自由診療の契約金額の範囲を示す等の規範を定めた「医療機関ホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」を作成した。包茎手術を行う医療機関は、当該ガイドラインの遵守を徹底すべきである。
 また、ホームページ等を見て来院した消費者に対して、いたずらに不安を駆り立てて契約を急がせたり、支払能力を明らかに超える高額な契約を結ばせないよう適切な対応をすべきである。

2 消費者に対して

 包茎について悩みをもつ消費者は自分だけで悩み、秘密にする傾向が強いため、情報を得る手段もインターネットや雑誌に頼る傾向にある。包茎で悩んだときは、こうしたホームページ等の情報だけを鵜呑みにせず、様々な方法で情報を集めて比較検討をした上で受診する必要がある。
 また、もし受診をして高額な契約を勧められた場合は、一旦は断り、恥ずかしがらずに身近な人や消費生活センターに相談する等、慎重な行動が求められる。

※別紙 東京都消費者被害救済委員会の概要
※別紙 東京都消費者被害救済委員会委員名簿
※別添 甲クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争案件 報告書(PDF形式:427KB)
※別添 乙クリニックとの高額な包茎手術の契約に係る紛争案件 報告書(PDF形式:429KB)

問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課
 電話 03-3235-4155

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