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報道発表資料  2012年6月6日  生活文化局

東京都情報公開審査会の答申(第574号)について

 東京都情報公開審査会(会長 秋山收)は、「平成19年度実地検査の結果について」ほか1件を対象公文書と特定して一部開示とした決定及び「平成17、18、21年度の検査結果」ほか3件を不存在を理由に非開示とした決定に対する異議申立てについて、一部開示決定及び非開示決定はいずれも妥当である旨、東京都知事に答申を行った。

1 諮問の概要

(1) 諮問件名

 「平成19年度実地検査の結果について」ほか1件の一部開示決定及び「平成17、18、21年度の検査結果」ほか3件の非開示決定(不存在)に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 東京都情報公開条例7条2号(個人情報)、3号(事業活動情報)、4号(犯罪の予防・捜査等情報)に該当及び不存在

2 答申の骨子(結論)

 「平成19年度実地検査の結果について」ほか1件を対象公文書と特定して一部開示とした決定及び「平成17、18、21年度の検査結果」ほか3件を不存在を理由に非開示とした決定は、いずれも妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成22年8月23日
(2) 一部開示決定 平成22年9月21日 非開示決定 平成22年9月21日
(3) 異議申立て 平成22年11月30日
(4) 諮問 平成23年2月18日
(5) 答申 平成24年6月6日

4 審査会の判断の要旨

(1) 本件請求文書について

 本件異議申立てに係る請求文書は、「平成17年から平成22年の△△(特別養護老人ホーム)監査指導に関する全ての文書。特に1) 平成18年○月○日、○日のC氏担当の文書一切メモ等、2) 平成19年○月△△と東京指導監査部の話し合いに関するメモ等会議の全て、3) 平成18年○月当時職員(○○)と東京指導監査部(A、B、C)氏との会議記録(○月○日)午前中」である。
 上記のうち、監査指導とは、福祉保健局指導監査部が所管する指導検査を指すものと解されることから、いずれの請求も特別養護老人ホーム△△に対する指導検査に関するものであり、上記のうち「平成17年から平成22年の△△(特別養護老人ホーム)監査指導に関する全ての文書」(以下「本件請求文書1」という。)は、当該期間中に実施された△△に対する指導検査に関する文書であると認められる。
 また、「1) 平成18年○月○日、○日のC氏担当の文書一切メモ等(以下「本件請求文書2」という。)」、「2) 平成19年○月△△と東京指導監査部の話し合いに関するメモ等会議の全て(以下「本件請求文書3」という。)」及び「3) 平成18年○月当時職員(○○)と東京指導監査部(A、B、C)氏との会議記録(○月○日)午前中(以下「本件請求文書4」という。)」は、いずれも平成18年度の特定の年月日又は年月を記載したものであり、A、B及びCとは、平成18年度当時の指導監査室(現在は指導監査部)の職員3名を特定してその姓を記載したものである。

(2) 一部開示決定及び非開示決定について

 本件開示請求に対して、実施機関は、本件請求文書1については、「平成19年度実地検査の結果について」(以下「本件対象公文書1」という。)及び「平成20年度実地検査の結果について」(以下「本件対象公文書2」という。)を請求にかなう文書と特定して一部開示決定をした。また、本件請求文書1のうち「平成17、18、21年度の検査結果」並びに本件請求文書2、3及び4の各請求に対しては、いずれも不存在を理由とする非開示決定をした。
 なお、異議申立人の本件請求文書1の対象期間は「平成17年から平成22年」であるが、実施機関は、一部開示決定及び非開示決定において、平成17年度から21年度までの各年度の文書について決定している。
 この点について実施機関に説明を求めたところ、指導検査は年度毎に実施されるものであることから、年ではなく年度を請求の趣旨とし、平成22年度については、開示請求時点において指導検査事務が進行中であり、かつ、△△に対する実地検査(監査職員が施設等現地に出向いて行う検査)も実施されていなかったことから、請求趣旨に含まれないものと解した旨の説明があった。

(3) 審査会の審議事項について

 異議申立人は、異議申立書、異議申立ての対象に関して異議申立人から提出された補足文書及び意見書において、一部開示決定における非開示部分の開示を求める主張をしておらず、請求した文書の保管又は廃棄行為等についての異議等を述べていることから、審査会は、本件請求文書1の文書特定の妥当性及び本件請求文書2から4までの不存在の妥当性について審議する。

(4) 指導検査について

 福祉保健局指導監査部は、都民が安心して持続的に質の高い福祉サービスを利用できるように、サービスを提供する多様な事業者に対し、きめ細やかな指導を実施し、育成するとともに、事業者が法令を遵守し、適正なサービスを提供することはもとより、サービスの質がさらに向上するよう指導検査を実施している。
 △△は、社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームであり、社会福祉法人、特別養護老人ホーム、指定介護老人福祉施設、指定介護機関、指定短期入所生活介護(介護予防短期入所生活介護)事業者、指定通所介護(介護予防通所介護)事業者等に該当する。
 これらの事業等の定めは、社会福祉法、老人福祉法、介護保険法及び生活保護法にあり、各法令が定める東京都知事の検査権限に基づき、指導監査部は、「社会福祉法人・施設等指導検査実施要綱」及び「介護サービス事業者等指導及び監査実施要綱」等を定めて指導検査を行っている。
 これらの規定等によると、指導監査部が行う指導検査には、定例的に(おおむね2年に1度)実施される一般指導検査と、必要に応じて適宜実施する特別指導検査があり、検査対象は、毎年度検査計画策定に当たって法人及び施設等の指導状況等を勘案して選定されるため、一般指導検査であっても前年度に引き続いて検査対象となることもある。
 また、指導検査の結果は、適宜集約し、行政運営に資するため、運営指導所管部課に提供されるほか、指導検査結果のうち文書指摘事項及び改善状況については、原則として福祉保健局のホームページに掲載されることとなっている。

(5) 本件請求文書1の文書特定の妥当性について

 △△に対する指導検査は、平成16年度以降では、平成16年度、18年度、19年度、20年度及び22年度に実施されている。
 実施機関は、平成19年度及び20年度については、本件対象公文書1及び2を特定して一部開示決定を行い、「平成17、18、21年度の検査結果」に係る文書については、不存在を理由とする非開示決定を行った。
 以下、指導検査の実施状況と請求に係る文書の存否について検討する。

 平成19年度及び20年度の指導検査に関する文書について
 本件対象公文書1及び2は、いずれも、「実地検査の結果について」と「改善状況報告書の受理について」の2つの起案文書及び関係資料である。これらは、△△から事前に提出を受けるもので、指導検査に使用した「調査書」、実地検査において監査職員が検査結果等を記録した「実地検査指導事項票」、実地検査について上司に報告した「復命書」、△△あてに検査結果を通知した「実地検査結果通知」、通知を受けて△△から提出された「改善状況報告書」及び添付資料等であり、検査の実施手順に沿って検査内容を確認することができる一連の書類(以下併せて「指導検査文書」という。)となっている。
 なお、通常の指導検査の実施手順にかんがみれば、指導検査においては、この他に△△あてに調査書の提出を依頼した際の通知及び指導検査の実施通知が存在し得るものと思われる。この点について実施機関に説明を求めたところ、異議申立人は、本件請求文書1から4までの請求によって検査結果及び監査職員の発言等に係る指導検査の記録の開示を求めており、これらの通知は検査内容等を示す文書ではないことから、請求にかなう文書として特定しなかったとのことである。
 次に、指導検査の結果は運営指導所管部課に提供することとされていることから、当審査会はこの点について検討する。
 実施機関に説明を求めたところ、運営指導を所管する高齢社会対策部に対する検査結果の情報提供は、指導検査文書に係る起案を回付する際に起案文書の協議欄又は決定後供覧欄に押印を求めることによって行っており、文書は交付していないとのことである。当審査会において本件対象公文書1及び2を見分したところ、いずれの起案文書にも協議欄又は決定後供覧欄に高齢社会対策部の職員の押印が認められた。
 したがって、平成19年度及び20年度に実施された指導検査に関する文書は、本件対象公文書1及び2として特定された指導検査文書のほかには存在しない。

 平成16年度及び18年度の指導検査に関する文書について
 異議申立人は、業務報告は組織に共有されているものであり、犯罪や事件性がないという前提で3年間で廃棄することには疑問がある旨主張する。
 これに対して実施機関は、指導検査文書の保存期間は3年であり、平成16年度及び18年度の△△に対する指導検査文書は、開示請求がなされた時点で既に廃棄されており、保有していない旨主張する。
 当審査会において確認したところ、東京都文書管理規則に基づいて実施機関が定めた文書管理基準表において、指導検査文書の保存期間は3年と定められていた。また、文書を廃棄した際の起案も確認したところ、実際に、平成18年度の△△に対する指導検査文書は、平成22年○月○日(開示請求日以前)に廃棄決定が行なわれており、平成16年度の△△に対する指導検査文書についても、平成20年○月○日に「実地検査の結果について」を、平成21年○月○日に残る「改善状況報告書の受理について」を、廃棄決定したことが確認された。
 なお、「行政処分に係る文書であって、当該処分に関する事後の指導・監督上必要とされるもの」(「東京都文書管理規則の解釈及び運用について」第4 4(2) ア)など常時利用する必要があると認める文書については、東京都文書管理規則に従って常用文書として指定することにより保存期間の定めにかかわらず文書を保存することができるところ、平成18年度及び16年度の△△に対する指導検査文書については常用指定はなされていなかった。
 また、異議申立人は、本件対象公文書1の中に平成18年度の指導検査文書がある旨主張する。
 これに対して実施機関は、平成19年度の指導検査に必要な範囲で前年度の指導検査文書の写しを添付したにすぎず、本件対象公文書1の中に添付されたもの以外に平成18年度の指導検査文書は存在しない旨主張する。
 この点を確認するため、当審査会において本件対象公文書1を見分したところ、実施機関の主張どおりに平成18年度の「改善状況報告書の受理について」の起案文書、「改善状況報告書」、「実地指導結果通知書」及び「実地検査指導事項票」の写しが添付されており、実施機関の説明に不自然な点はない。

 平成17年度及び21年度の指導検査に関する文書について
 平成17年度及び21年度は、△△に対する指導検査が行われていないことから、実施機関が当該年度の指導検査に関する文書を不存在としたことは、妥当である。

 平成22年度の指導検査に関する文書について
 当審査会において実施機関に確認したところ、△△に対する平成22年度の実地検査は、本件開示請求より数月後に実施された旨実施機関から説明があり、福祉保健局のホームページにおいても、指摘事項の有無とともに△△に対する実地検査の実施年月日が公表されていたことが確認できた。
 このため、開示請求日及び非開示決定日において、平成22年度の検査結果に係る文書は作成されておらず、存在しない。

 したがって、本件請求文書1については、本件対象公文書1及び2以外には存在しないと認められる。

(6) 本件請求文書2、3及び4の不存在の妥当性について

 実施機関が、本件請求文書2、3及び4を不存在としたことについて検討する。

 本件請求文書2について
 本件請求文書2は、その日付及び監査職員を特定する記載から、平成18年度の△△に対する実地検査を担当した特定の監査職員の作成した文書を請求しているものと認められる。
 実地検査は、運営管理、利用者サービス及び会計経理の各観点から検査を行なうため、通常は3人の監査職員が分担して検査に当たっている。各監査職員は、担当した分野の検査項目等があらかじめ印字された「実地検査指導事項票」を用いて、それぞれ実地検査の結果を記載し、持ち帰って指導検査文書として一体的に保存管理することにより、部内において復命及び施設あての通知等を行なう際に活用している。
 当審査会で本件対象公文書1及び2を見分したところ、平成19年度及び20年度においては各分野の「実地検査指導事項票」が添付されており、指導検査文書として一体的に活用されていることが確認できた。そして、平成18年度の指導検査文書については、前記4(2) オ(イ)で述べたとおり、廃棄決定が行われた文書であるため存在しないが、本件対象公文書1の中に平成18年度の「実地検査指導事項票」の写しの一部が添付されており、本件請求文書2は存在しなかった。
 さらに、指導検査を主務とする指導監査部が、「実地検査指導事項票」とは別に個々の監査職員が作成したメモ等の実地検査の記録を組織として保存すべき特段の理由は見当たらないことを踏まえると、実施機関が、本件請求文書2を不存在としたことは妥当である。

 本件請求文書3及び4について
 異議申立人は、指導監査員の発言及び指導検査について疑念があり、文書がないという説明で済ませる事案ではない旨主張し、面談行為はなかったということであれば、監査職員3人(A、B及びC)氏への確認を願いたい旨主張する。
 これに対して実施機関は、面談行為があったことについては否定はしないが、面談に係る記録については作成及び保存していない旨主張する。
 本件請求文書3及び4は、本件開示請求書にある日付の記載から、平成18年度の実地検査日以降に実施された会議の内容を求めたものであり、異議申立人の主張及び実施機関の説明から、本件請求文書3は、指導監査部と△△との面談について、本件請求文書4は、指導監査部と△△の特定の施設職員との面談について、それぞれその記録を請求しているものと認められる。
 当審査会において本件対象公文書1及び2を見分したところ、開示部分及び非開示部分のいずれにも平成18年度当時の面談に係る記載は見当たらず、また、異議申立人が主張する監査職員の発言等に係る記載も見当たらなかった。
 実施機関は、指導検査文書以外の文書として面談記録を作成及び保存するとするならば、苦情等の広聴に係る文書の取扱いになる旨説明する。
 この点について審査会が確認したところ、実施機関の文書管理基準表では、広聴に係る文書については、その内容によって、5年、3年、1年又は1年未満の保存期間の定めがある。実施機関では、広聴に係る文書について、保存期間が1年以上という区分の文書を現在保有しておらず、また、保存期間が1年未満の資料文書については、1年未満の期間内において適宜廃棄しているとのことである。このことに照らせば、面談記録が苦情等の広聴に係る文書の取扱いを受けたとしても、平成18年度当時の事案に係る記録文書を実施機関が保有していないとすることに不自然、不合理な点は認められない。よって、面談記録を実施機関が指導検査文書以外の文書としても保有していないとすることは妥当であると認められる。
 異議申立人は、文書がないという説明で済ませる事案ではない旨主張するが、その具体的な理由の記載はなく、面談の記録文書の存否について検討する限りにおいて、指導検査文書及び広聴に係る文書の他に、指導監査部が面談記録を保有しなければならないとする特段の事情も見受けられない。
 したがって、実施機関が本件請求文書3及び4を不存在を理由に非開示とした決定は妥当である。

※別紙 答申(第574号)(PDF形式:215KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3134
(所管部局)
福祉保健局指導監査部指導第一課
 電話 03-5320-4287

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