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報道発表資料  2012年3月27日  生活文化局

東京都個人情報保護審査会の答申(第240号)について

 東京都個人情報保護審査会(会長 秋山收)は「推薦しない理由書」をその存否を明らかにしないで非開示とした決定及び「非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書」ほか2件を一部開示とした決定は、いずれも妥当である旨、東京都教育委員会に答申を行った。

1 諮問の概要

(1) 諮問件名

 「推薦しない理由書」の非開示決定及び「非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書」ほか2件の一部開示決定に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 東京都個人情報の保護に関する条例16条6号(行政運営情報)及び17条の3(存否応答拒否)に該当

2 答申の骨子(結論)

 「推薦しない理由書」をその存否を明らかにしないで非開示とした決定及び「非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書」ほか2件を一部開示とした決定は、いずれも妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成23年6月30日
(2) 非開示決定及び一部開示決定 平成23年7月14日
(3) 異議申立て 平成23年7月27日
(4) 諮問 平成23年9月30日
(5) 答申 平成24年3月27日

4 審査会の判断の要旨

(1) 本件対象保有個人情報について

 本件異議申立ての対象となった保有個人情報は、異議申立人が受験した平成22年度東京都公立学校非常勤教員採用候補者選考において、異議申立人に関して実施機関が作成した「非常勤教員採用選考推薦書兼業績評価書」(以下「非常勤推薦書」という。)、「平成22年度非常勤教員採用選考評定票」(以下「評定票」という。)及び「(都立全件)22再任用・再雇用・非常勤 判定資料」(以下「判定資料」という。)のうち、非開示とされた部分である。

(2) 本件請求個人情報について

 本件請求個人情報は、異議申立人の「推薦しない理由書」(以下「理由書」という。)の有無に関する情報である。

(3) 東京都公立学校非常勤教員採用候補者選考について

 東京都公立学校の教育職員を定年退職等した者(以下「定年退職者」という。)について、実施機関は、地方公務員法3条3項3号に基づく非常勤教員として雇用するための採用候補者選考を行っている。
 本件に係る非常勤教員採用候補者の選考は、「平成22年度東京都公立学校再任用職員、再雇用職員(教育職員)及び非常勤教員採用候補者選考の実施について(通知)」(以下「通知」という。)に基づき実施された。
 定年退職者が選考を申し込む場合は、1)受験希望者は学校長が配付する「非常勤教員採用選考申込書」(以下「受験申込書」という。)に必要事項を記入して学校長に提出する、2)学校長は受験者に関する非常勤推薦書を作成し、受験申込書を添えて「当該学校を所管する学校経営支援センター・支所」(以下「支援センター」という。)へ提出する、3)支援センターは学校長から提出された受験申込書及び非常勤推薦書を取りまとめ、関係書類とともに教育庁人事部選考課へ提出する。さらに、受験申込者の意欲及び意向を確認するために、東京都教育委員会が本人と面接を実施し、評定票を作成する、4)教育庁人事部選考課は平成22年度非常勤教員選考に資するために、選考の結果を一覧にした判定資料を作成することとなっている。

(4) 「非常勤推薦書」、「評定票」及び「判定資料」の条例16条6号該当性について

 「非常勤推薦書」について
 非常勤推薦書は、通知に定める非常勤教員選考の申込みに必要な文書であり、非常勤教員採用選考を申し込んだ教育職員に対する評定等が記載されており、校長の記載に係る部分と教育委員会の記載に係る部分から構成されている。
 審査会が非常勤推薦書を見分したところ、校長記載に係る部分については、「性格」欄、「推薦項目の評定」及び「総合評定(絶対評価)」に係るアルファベットで表した結果、「職務に対する適性」の結果、「適任と思う職務」欄の内容、「適任と思う職場」欄の内容、「推薦の有無」欄の結果及び「特記事項(意見等)」欄の内容がそれぞれ非開示とされている。また、教育委員会の記載に係る部分については、「教育委員会の意見」欄の内容が非開示とされている。
 これらの非開示とされた部分は、評定者が記載する評価、判断に係るものであり、このような評価、判断に係る情報を開示することとなると、評定者が苦情や圧力等が生ずることを危惧し、率直な評価、判断に基づく記載を避け、形骸化した当たり障りのない記載をすることとなることが想定される。その結果、採用選考担当者に必要な情報が十分に伝わらなくなり、非常勤教員の選考に係る事務に関し公正な判断を行うことができなくなるおそれがあると認められるので、条例16条6号に該当し、非開示が妥当である。

 「評定票」について
 評定票は、非常勤推薦書と同様に、通知において定められた様式に、東京都教育委員会が指名した面接委員が被面接者と行った面接の結果を記載したものである。
 審査会が評定票を見分したところ、非開示部分には、面接委員の職名及び氏名、評定項目別の「評定」、「総合評定」、「所見及び特記事項」が記載されている。
 これらのうち、評定項目別の「評定」及び「総合評定」欄には、面接者の異議申立人に対する評価をアルファベットで表し、「所見及び特記事項」欄には、面接者の異議申立人に対する印象や特筆すべき事項について、面接委員の主観に基づく意見が具体的に記載されている。このような評価、判断に関する情報を開示することとなると、面接者が誤解や摩擦が生ずることを危惧し、当たり障りのない評価、判断及び意見を記載することが懸念される。この結果、採用選考担当者に正確な情報が十分に伝わらなくなり、非常勤教員の選考に係る事務に関し公正な判断を行うことができなくなるおそれがあり、条例16条6号に該当すると認められ、非開示が妥当である。
 また、面接委員の職名及び氏名については、これらを開示すると面接委員に被面接者からの問い合わせや苦情が寄せられたり、不当な圧力がかかることが懸念される。面接委員が被面接者と日常的に接している上司や人事管理を通常の業務とする者ではなく、選考の都度選任される者であることを勘案すると、面接委員が職名及び氏名が開示されることを憂慮し、率直な評価、判断に基づく評定を行うことを避け、当たり障りのない記載をすることが危惧され、採用選考担当者に正確な情報が伝わらなくなるおそれがある。また、面接委員の職名及び氏名が開示されることにより、面接委員の心理的負担が増大し、面接委員の確保が困難となるおそれがあることは否定できない。したがって、選考に関する事務に関し、適正かつ円滑な事務の遂行に支障が生ずるおそれがあると認められるので、条例16条6号に該当し、非開示が妥当である。

 「判定資料」について
 判定資料は、非常勤教員選考の主管課である教育庁人事部選考課が、平成22年度非常勤教員選考に資するために、選考の結果を一覧にしたものである。
 審査会が判定資料を見分したところ、表中下段の左端12列目、13列目、38列目から53列目まで及び70列目が非開示とされている。
 これら非開示とされた部分のうち、表中下段の左端12列目及び13列目には平成20年度及び21年度の異議申立人の業績評価が記載されている。このような人事管理に関する情報を開示することになると、校長等の評価者が誤解や摩擦が生じることをおそれ、当たり障りのない評価をし、その結果、採用選考担当者に必要な情報が伝わらなくなり、選考事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。したがって、条例16条6号に該当することが認められ、非開示が妥当である。
 また、表中下段の左端38列目から53列目までには、異議申立人に係る評価、判断を示す評語が記載されているが、これらはいずれも非常勤推薦書及び評定票の記載を転記したものであるから、前記ア及びイと同様の理由で、非開示が妥当である。
 次に、表中下段の左端から70列目は、教育庁人事部において選考の担当者が合否判定の要素としている事項が記載される欄である。この欄が開示されることになると、本来一定の範囲で実施機関が自律性を有すべき人事事務において、非常勤教員採用選考における合否判定の過程が明らかとなることが懸念され、その結果、選考事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあり、公正かつ円滑な人事の確保が困難になる。したがって、条例16条6号に該当すると認められ、非開示が妥当である。

(5) 「理由書」の条例17条の3該当性について

 条例17条の3にいう「当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるとき」とは、例えば、探索的な請求の場合など、開示請求に対し、当該保有個人情報は存在するが非開示とするという回答又は当該保有個人情報は存在しないという回答をすることによって、非開示とすべき情報が開示されることとなる場合をいう。
 実施機関は、理由書の存否を答えることにより、条例16条6号に規定する非開示情報を開示することとなるとして、条例17条の3に基づき存否応答拒否を行ったことから、本件請求個人情報が条例16条6号に規定する非開示情報に該当するかどうかについて、以下検討する。
 理由書は、非常勤推薦書の「推薦の有無」欄において、校長が「推薦しない」を選択した場合に限り、その理由を記載する別様式であり、校長が理由を記載する部分と校長が記載した理由に対する教育委員会の意見を記載する部分で構成されている。
 校長が、理由書を作成したか否かを明らかにすると、非常勤推薦書において校長が「推薦しない」を選択したか否かが明らかとなるので、校長から被選考者の推薦に対する率直な意見の表明が行われず、選考担当者に必要な情報が伝わらなくなる。その結果、非常勤教員採用選考にかかる事務に関し公正な判断を行うことができなくなり、選考事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるので、条例16条6号に規定する非開示情報に該当する。
 したがって、理由書の存否について答えることは、条例16条6号に規定する非開示情報である本件請求個人情報を開示することとなるので、条例17条の3の規定に基づいて本件開示請求を拒否した実施機関の決定は、妥当である。

※別紙 答申(第240号)(PDF形式:23KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3135
(所管部局)
教育庁人事部選考課
 電話 03-5320-6787

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