トップページ > 都政情報 > 報道発表 > これまでの報道発表 > 報道発表/平成24(2012)年 > 3月 > 東京都個人情報保護審査会の答申(第234号)について

ここから本文です。

報道発表資料  2012年3月1日  生活文化局

東京都個人情報保護審査会の答申(第234号)について

 東京都個人情報保護審査会(会長 秋山收)は、「2008年○月○日以降の○○が在籍する小学校で作成された学校健診、健康・成長記録の一切(2010年○月末まで)」の非開示決定及び「児童票(1) (受付番号○○)」ほか20件の一部開示決定に対する異議申立てについて、これらの決定は妥当である旨、東京都知事に答申を行った。

1 諮問件名

(1) 諮問件名

 「小学校で作成された学校健診、健康・成長記録」の非開示決定(不存在)及び「児童票(1) (受付番号○○)」ほか20件の一部開示決定に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 不存在並びに東京都個人情報の保護に関する条例16条1号(法令秘情報)、2号(開示請求者以外の個人に関する情報)、6号(行政運営情報)及び8号(法定代理人との利益相反情報)に該当

2 答申の骨子(結論)

 「2008年○月○日以降の○○が在籍する小学校で作成された学校健診、健康・成長記録の一切(2010年○月末まで)」を不存在を理由として非開示とした決定及び「児童票(1) (受付番号○○)」ほか20件を一部開示とした決定は妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成22年7月8日
(2) 非開示及び一部開示決定 平成22年9月6日
(3) 異議申立て 平成22年11月8日
(4) 諮問 平成23年9月30日
(5) 答申 平成24年3月1日

4 審査会の判断の要旨

(1) 児童相談業務等について

 児童相談所について
 児童福祉法2条は、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」ことを規定し、同法12条1項は、都道府県が児童相談所を設置する義務を定め、同条2項は、児童相談所の主たる業務を定めている。また、都における児童相談所は、東京都児童相談所条例1条に基づき設置され、東京都児童相談所処務規程に基づき、児童及びその保護者に対する相談援助活動を実施している。

 児童相談所長の権限について
 児童福祉法及び児童福祉法施行細則に規定された児童相談所長の権限は、以下のとおりである。
 (ア)児童相談所長は、児童福祉法25条の規定による通告を受けた児童等について、必要があると認めるときは、児童養護施設に入所させることができる(児童福祉法27条1項3号及び児童福祉法施行細則1条1項1号)。
 (イ)児童相談所長は、必要があると認めるときは、児童養護施設への入所措置をとるに至るまで、児童に一時保護を加え、又は適当な者に委託して一時保護を加えさせることができる(児童福祉法33条2項及び児童福祉法施行細則1条1項5号)。
 (ウ)児童相談所長は、児童福祉法25条の規定による通告を受けた児童等について、必要があると認めるときは、児童又はその保護者を児童福祉司等に指導させることができる(児童福祉法27条1項2号及び児童福祉法施行細則1条1項1号)。

 本件の経緯について
 本件開示請求及び異議申立ては、未成年者である子○○(以下「本児」という。)に代わって、本児の法定代理人である母親が行ったものである。
 本件の経緯は、以下のとおりである。(略)

(2) 実施機関の決定について

 実施機関は、本件請求個人情報については、都では該当する文書を取得していないとして本件非開示決定を行い、また、別表1の開示請求に対しては、別表2に記載の情報を対象保有個人情報と特定し、条例16条1号、2号、6号及び8号を適用して本件一部開示決定を行った(非開示とした部分を以下「本件非開示部分」という。)。
 そこで、審査会は、本件非開示決定及び本件一部開示決定それぞれの妥当性について、以下に判断する。

(3) 本件非開示決定の妥当性について

 本件請求個人情報は、「○○(本児の名前)が在籍する小学校で作成された学校健診、健康・成長記録」であるところ、実施機関が説明するように、児童相談所がこれを取得、保有しなければならないという規定はない。児童福祉施設最低基準12条2項は、児童福祉施設の長は、児童が通学する学校における健康診断が行われた場合であって、当該健康診断が定期又は臨時の健康診断の全部又は一部に相当すると認められるときは、定期又は臨時の健康診断の全部又は一部を行わないことができるが、この場合、児童福祉施設の長は、児童が通学する学校における健康診断の結果を把握しなければならない旨規定しており、本件の場合、本児が入所している児童養護施設において、本児の健診結果を取得し保有していることが推認される。
 ところで、児童養護施設には、東京都児童福祉施設条例に基づき都が設置した施設と社会福祉法人が設置した施設とがある。都が設置した施設は、平成18年度から指定管理者である東京都社会福祉事業団により管理運営されていることから、仮に、本児が都が設置した施設に入所していた場合、当該施設が保有している情報の保有主体が都であるか否かについて、以下検討する。
 指定管理者に施設の管理運営業務を行わせる場合には、都と指定管理者の指定を受けた事業者とが協定を締結することとされているところ、都と東京都社会福祉事業団とで締結された協定には、施設の管理運営業務に伴って生じる個人情報の保有主体について、明確な定めはなかった。
 一方、都が設置した各児童養護施設では、それぞれ個人情報保護方針が定められており、本人が、自己の個人情報について開示、訂正、利用停止を求める権利を有していることを確認し、これらの申出があった場合には速やかに対応する旨記載されている。そして、実際に、自己の個人情報について開示等の申出があった場合には、個人情報の保護に関する法律に基づき、開示等の手続を行っているとのことであった。
 このような実態にかんがみると、都が設置した児童養護施設が業務に伴って取得し保有している情報の保有主体は、都ではなく当該施設であると認められ、仮に、本児が都が設置した施設に入所していたとしても、当該施設が保有している健診結果は、都として保有しているとはいえない。
 そして、児童養護施設から任意提出を受けるなどの理由により○○児童相談所が保有していることも考えられることから、健診結果及びそれ以外の小学校で作成された健康や成長に関する記録の保有の有無について、審査会が実施機関に再度調査を依頼したところ、保有していないことが確認された。
 したがって、本件請求個人情報について、不存在を理由に非開示とした実施機関の決定は、妥当である。

(4) 本件一部開示決定の妥当性について

 条例16条1号該当性について
 児童虐待の防止等に関する法律(以下「児童虐待防止法」という。)6条は、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。」と定めている。また、同法7条は、「市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所が前条1項の規定による通告を受けた場合においては、当該通告を受けた市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所の所長、所員その他の職員及び当該通告を仲介した児童委員は、その職務上知り得た事項であって当該通告をした者を特定させるものを漏らしてはならない。」と定めている。
 審査会が見分したところ、別表3に掲げる非開示部分には、本児に対する虐待事実について、児童相談所へ通告した者の情報とその通告内容が記載されている。これらの情報は、本児に対する虐待を通告した者を特定し得る情報であり、児童虐待防止法の定めるところにより実施機関が外部に明らかにすることが禁じられており、条例16条1号に該当するので非開示が妥当である。
 なお、別表3に掲げる部分には、実施機関が同条6号又は6号及び8号にも該当するとした情報も含まれるが、上記で述べたとおり、当該情報は同条1号に該当するので、6号及び8号該当性について判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 条例16条8号該当性について
 前記(1) ウで述べたような状況の下で、本児の母親が、法定代理人として行った本件開示請求により、別表4に掲げる非開示部分に記載された本児の言動を含む本児に関する様々な情報を知ることとなると、本児と母との心理的な距離を適度に保つことができなくなり、適切な母子関係の構築を阻害することにもなりかねず、その結果、実施機関が主張するように、本児の家庭への復帰の機会を閉ざすことにもつながることから、未成年者である本児の利益に反すると認められ、条例16条8号に該当するので非開示が妥当である。
 なお、別表4に掲げる部分には、実施機関が同条6号又は6号及び2号にも該当するとした情報も含まれるが、上記で述べたとおり、当該情報は同条8号に該当するので、6号及び2号該当性について判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 条例16条6号該当性について
 審査会が見分したところ、別表5に掲げる非開示部分には、開示請求者以外の者とのやり取りの内容に基づく分析や判断に関する記録が記載されており、これらを明らかにすると児童相談所の業務運営や相談内容についての評価・判断の過程や基準が明らかとなるおそれがあり、児童相談所の相談援助業務の適正な遂行に支障が生じるおそれがある。
 また、今後、職員が相談者の意向等を考慮して、正確な内容の記載を躊躇することが予測され、記載内容が形骸化し、援助方針を決定するための公正な判断が行われなくなるおそれがあり、児童相談所の相談援助業務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあると認められ、条例16条6号に該当するので非開示が妥当である。
 なお、別表5に掲げる部分には、実施機関が同条2号にも該当するとした情報も含まれるが、上記で述べたとおり、当該情報は同条6号に該当するので、2号該当性について判断するまでもなく、非開示が妥当である。

別表1

1 2008年○月○日以降、長女○○に関し在籍小学校と児童養護施設間でやり取りがあった連絡内容の一切(2010年○月○日まで)
2 2008年○月○日以降の長女○○に関する健康記録、外部医療機関受診及び投薬加療の記録一切(眼科、小児科等全科について○月○日まで)
3 2008年○月○日○○病院医師から長女○○と法定代理人○○に関して通告された内容の一切及びその手段や時刻等の記録の一切
4 2008年○月○日の通告を受け○日に一時保護を決行するまでの調査及び会議に関する一切(日付・場所・人員・内容の詳細)
5 2009年及び2010年の長女○○の誕生日祝いの記録一切(写真、画像、文字による記録、音声記録を含む。)
6 ○○児童相談所が保有する2008年○月○日の○○の一時保護から現在に至るまでの指導経過記録票一切(2010年○月○日まで)

別表2

1 児童票(1) (受付番号○○)
2 児童票(2)(その1) (受付番号○○)
3 児童票(2)(その2) (受付番号○○)
4 児童票(3) (受付番号○○)
5 児童票(4) (受付番号○○)
6 児童票(5)心理学的所見 (受付番号○○)
7 児童票(6)医学的所見 (受付番号○○)
8 児童票(7) (受付番号○○)
9 児童票(1) (受付番号△△)
10 児童票(2)(その1) (受付番号△△)
11 児童票(2)(その2) (受付番号△△)
12 児童票(3) (受付番号△△)
13 児童票(4) (受付番号△△)
14 指導経過記録票 (受付番号○○)
15 指導経過記録票 (受付番号△△)
16 心理ケア加算対象児童の状況<児童養護施設>
17 緊急受理会議録
18 虐待通告・相談受付票
19 受理会議資料
20 緊急対応詳細
21 はがき

別表3から5まで

 (略)

※別紙 答申(第234号)(PDF形式:32KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3135
(所管部局)
福祉保健局少子社会対策部家庭支援課
 電話 03-5320-4127

ページの先頭へ戻る