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報道発表資料  2012年2月2日  生活文化局

東京都情報公開審査会の答申(第560号)について

 東京都情報公開審査会(会長 秋山收)は、「土地調書(東京都足立区○○○丁目○番○)」ほか7件を一部開示とした決定は、妥当である旨、東京都収用委員会に答申を行った。

1 諮問の概要

(1) 諮問件名

 「土地調書(東京都足立区○○○丁目○番○)」ほか7件の一部開示決定に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 東京都情報公開条例7条2号(個人情報)及び4号(犯罪の予防・捜査等情報)に該当

2 答申の骨子(結論)

 「土地調書(東京都足立区○○○丁目○番○)」ほか7件を一部開示とした決定は、妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成22年8月26日
(2) 一部開示決定 平成22年10月22日
(3) 異議申立て 平成22年12月22日
(4) 諮問 平成23年2月10日
(5) 答申 平成24年2月2日

4 審査会の判断の要旨

(1) 収用事件について

 憲法29条は、私有財産を保障しているが、それとともに、公共のために必要がある場合は、正当な補償の下に、私有財産を収用できる旨規定している。
 土地収用法(以下「法」という。)は、この規定を受けて、権利者の意思にかかわらず土地を収用できる要件とその手続及び効果、損失の補償等について定めており、実施機関である収用委員会は、法に基づき各都道府県に置かれる行政委員会であり、公正中立な立場で収用裁決する権限が与えられている。
 起業者(法3条に列挙されている公共の利益となる事業を施行する者)が収用委員会に対して収用裁決の申請を行うためには、事業認定を受けなければならないが、本件のように都市計画事業の認可がある場合は、事業認定があったものとみなされ、起業者は、裁決申請の準備手続として、土地調書及び物件調書を作成し、権利者に対して署名押印を求めることとされている。
 裁決の申請には、起業者が土地の所有権を取得するための権利取得裁決申請と、建物等を移転させて土地の明渡しを求める明渡裁決の申立てがあり、前者には土地調書が、後者には物件調書がそれぞれ添付される。裁決の申請を受理した収用委員会は、提出された書類の写しを当該土地の所在する区市町村に送付し、当該区市町村において公告の上、その日から2週間縦覧されることとされている。そして、裁決の申請書の縦覧期間が終了すると、収用委員会は、収用裁決手続の開始を決定してその旨を公告し、土地登記簿に収用裁決開始の登記手続を行う。
 この後、収用委員会の審理を経て、同委員会が収用裁決を行うが、同委員会は、審理の途中において当事者に対して和解を勧めることもできる。また、審理は公開で行われるが、収用裁決及び和解については、法に公告等の規定はないので、収用裁決及び和解の有無並びにその内容については公表されていない。

(2) 本件対象公文書について

 本件異議申立てに係る対象公文書は、開示請求書に示された3件それぞれの「土地調書」、「物件調書」及び3件の地番等についての表示がある「都市計画道路補助第○○号線現況重ね図 縮尺250分の1」であり、これらは、起業者である足立区が作成して東京都収用委員会に提出したものであるが、いずれも法に基づく縦覧期間中、縦覧に供されていた文書である。
 実施機関は、これらのうち1件の「土地調書」については開示決定を、その他の対象公文書についてはすべて一部開示決定を行い、また、地積更正後の文書については、不存在を理由とする非開示決定を行ったところ、異議申立人は、このうちの一部開示決定について異議申立てを行ったものである。

(3) 本件非開示部分について

 実施機関が一部開示決定において非開示としたのは、以下の部分である。

 土地調書
 土地所有者の印影

 物件調書
 (ア) 1枚目
 物件所有者及び建物根抵当権者代理人の印影並びに「関係人(物件所有者)」の住所及び氏名
 (イ) 2枚目以降の「7 物件がある土地の所在」における物件の明細を示す表中の「物件の種類(大きさ等を含む)」欄、「数量」欄、「物件の所有者の氏名」欄(ただし、空欄を除く。)、「所有権以外の権利の種類及び数量」欄、「所有者以外の権利者の氏名」欄及び「実地の状況」欄(ただし、空欄を除く。)
 (ウ) 物件調査書
 「立木配置図」又は「工作物等配置図」、「樹木表」のうち「樹木名」欄、「目通」欄又は「目通センチメートル」欄、「枝巾」欄又は「枝巾センチメートル」欄、「高さ」欄又は「樹高メートル」欄、「数量」欄及び「単位」欄
 (エ) 立会人署名押印部分
 物件所有者の住所、署名及び印影並びに抵当権者代理人の住所、署名及び印影
 (オ) 最終頁
 物件所有者及び建物根抵当権者代理人の印影

 都市計画道路補助第○○号線現況重ね図 縮尺250分の1
 土地収用事件の権利者以外の個人の氏名

 実施機関は、上記の非開示とした部分のうち、印影及び署名については、条例7条2号及び4号に該当するとして、その他の非開示部分については、条例7条2号に該当するとして、非開示とした。
 異議申立人は、これらのうち、物件調書における樹木に関する部分について非開示とした決定の取消しを求めているので、審査会においては、上記イのうち樹木に関する各部分(以下併せて「本件非開示情報」という。)について、非開示とした決定の妥当性を検討する。

(4) 条例7条2号該当性について

 本件では、樹木の所在は明らかになっている。本件非開示情報は、土地の所有者は公示されていることから、樹木所有者と土地所有者が同一人であって特定の個人を識別することができる情報であるか、又は、樹木所有者と土地所有者が同一人でなくても、公共事業の施行に際しては周辺住民に対する説明会が開催され、関心がもたれていたであろうこと、収用手続上の収用委員会の審理が公開で行われていること、土地の使用状況の変遷等から、周辺住民その他関係者にとっては、他の情報と照合することによって特定の個人を識別することができる情報である。
 また、本件非開示情報は、収用にあたって作成された物件調書に記載された情報であり、当該土地に存する樹木名、本数及び大きさ等、補償額の算定根拠となる樹木の明細が記載されており、これらは個人の財産に関する情報でもある。
 これらのことから、本件非開示情報は、条例7条2号本文に該当し、本件のような個人の土地に植栽されている樹木に関する情報は、通常一般に公にされていないことから、同号ただし書イに該当せず、その内容及び性質から同号ただし書ロ及びハにも該当せず、非開示が妥当である。
 以上により、本件非開示情報は、いずれも条例7条2号本文に該当し非開示が妥当であると認められるので、署名及び印影に係る4号該当性については判断するまでもなく非開示が妥当である。

 異議申立人は、法により公衆の縦覧に供されていた土地調書・物件調書等は、直接利害関係を有する者に対し、それも訴訟にもなりうる本件においては開示すべきである旨主張する。
 この点について審査会で検討したが、情報公開制度は、広く何人に対しても開示請求を認めるものであり、開示請求者が誰であるかは考慮されないものである。仮に、開示請求者が本件開示請求の対象地に対して直接的な利害関係を有するとしても、そのことにより、本件非開示情報を開示することはできない。
 また、法に基づく縦覧は、関係人等に意見書提出の機会を付与すること、隠れた権利者を発見すること及び土地所有者等に収用裁決手続開始の決定・登記の予告をするために設けられたものであるとされており、2週間という定められた期間内に、指定された場所に出向いて初めて閲覧することができることに鑑みると、縦覧期間終了後の相当の期間を経た開示請求時点においては、なお公にされている情報とはいえないことから、縦覧に供されていたことを根拠として開示を求める異議申立人の意見は採用することができない。
 その他の異議申立人の主張は、当審査会の判断を左右するものではない。

※別紙 答申(第560号)(PDF形式:26KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3134
(所管部局)
収用委員会事務局
 電話 03-5320-7061

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