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報道発表資料  2012年1月19日  生活文化局

東京都情報公開審査会の答申(第556号)について

 東京都情報公開審査会(会長 秋山收)は、「○○病院に係る医療法に基づく立入検査に関する公文書」の一部開示決定に対する異議申立てについて、別表に掲げる部分は開示すべきであるが、その他の部分については非開示が妥当である旨、東京都知事に答申を行った。

1 諮問の概要

(1) 諮問件名

 「○○病院に係る医療法に基づく立入検査に関する公文書」の一部開示決定に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 東京都情報公開条例7条2号(個人情報)、3号(事業活動情報)、4号(犯罪の予防・捜査等情報)及び6号(行政運営情報)に該当

2 答申の骨子(結論)

 「○○病院に係る医療法に基づく立入検査に関する公文書」の一部開示決定において非開示とした部分のうち、別表に掲げる部分は開示すべきであるが、その他の部分については非開示が妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成23年2月17日
(2) 一部開示決定 平成23年3月17日
(3) 異議申立て 平成23年4月27日
(4) 諮問 平成23年5月26日
(5) 答申 平成24年1月19日

4 審査会の判断の要旨

(1) 医療法に基づく検査について

 医療法25条1項によると、都道府県知事は、必要があると認めるときは、病院の管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 東京都においては、当該規定に基づき、「医療法25条1項の規定に基づく東京都立入検査実施要綱」を策定し、「医療機関を科学的で、かつ、適正な医療を行う場にふさわしいものとする」ことを目的として、各病院に対して、概ね3年に1回程度、立入検査を実施し、緊急を要する場合等はこれによらず適宜実施しているということである。
 なお、平成19年当時、要綱は策定されていなかったが、実施機関の説明によると、要綱の策定によって検査方法が大きく変わったわけではないということである。

(2) 本件対象公文書について

 異議申立人が「社会福祉法人○○ ○○病院の平成19年○○月頃の実地検査と改善報告書」の開示請求を行ったところ、実施機関が異議申立人に請求趣旨を確認した結果、請求内容は「社会福祉法人○○ ○○病院に対して、平成19年△△月に実施した、医療法25条1項に基づく立入検査結果(チェックリスト等の病院側提出物を含む。)及び改善報告書」である旨の補正が行われている。
 これに対して実施機関は、当該病院に対して行った平成19年△△月△△日付けの立入検査に係る立入検査復命書一式と改善状況等報告書一式を請求にかなう対象公文書として特定した。
 前者の一式とは、「立入検査復命書」(以下「本件対象公文書1」という。)、「立入検査指摘・指導事項一覧」(以下「本件対象公文書2」という。)、「立入検査結果表」(以下「本件対象公文書3」という。)、「立入検査対応表」(以下「本件対象公文書4」という。)、「平成19年度医薬品・医療機器に関する情報交換票」(以下「本件対象公文書5」という。)、「病院自主管理チェックリスト」(以下「本件対象公文書6」という。)、「標準数の算定に係る文書」(以下「本件対象公文書7」という。)及び「医療従事者名簿」(以下「本件対象公文書8」という。)のことであり、後者の一式とは、「改善状況報告書 確認・点検票」(以下「本件対象公文書9」という。)、「改善状況等報告書」(以下「本件対象公文書10」という。)及び「添付資料」(以下「本件対象公文書11」という。)のことである。
 これらの対象公文書について、実施機関が非開示とした部分及びその適用条項は、以下のとおりである。

 本件対象公文書1
 本件対象公文書1は、検査職員が作成した復命書の表紙にあたる文書であり、病院の概要及び実績、検査年月日、前回及び今回の検査結果、次回立入計画などが記載されている。
 実施機関は、本件対象公文書1のうち、「調剤数」、「外来処方せん数」、「収容患者数」、「患者収容率」、「立入区分」欄、「局長指摘事項」欄、「判定及び経過」欄及び「次回立入計画」欄(以下併せて「本件非開示情報1」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書2
 本件対象公文書2は、実施機関が作成して復命書に添付したものであり、実施機関の説明によると、検査結果として別途病院に通知したものである。
 実施機関は、本件対象公文書2のうち、「指摘」欄、「指導」欄、「項目」欄、「根拠法令」欄及び「不適合内容」欄(以下併せて「本件非開示情報2」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書3
 本件対象公文書3は、実施機関の説明によると、検査職員の現場でのメモであり、復命書に添付されることによって、組織共用文書とされたものである。
 実施機関は、本件対象公文書3のうち、「判定」欄及び「結果内容」欄(以下併せて「本件非開示情報3」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書4
 本件対象公文書4は、本件対象公文書3と同趣旨の文書で、本件対象公文書3とは別の検査職員が作成したものである。
 実施機関は、本件対象公文書4のうち、「結果内容」欄(以下「本件非開示情報4」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書5
 本件対象公文書5は、平成19年度の医療法改正により、医薬品等の適正管理が医療法に組み込まれたことに伴い、薬事監視課の検査職員が、検査における聞き取りや現場確認に基づいて整備状況を本票に記入したものを医療安全課の検査職員に渡し、それをもって医療法上の検査に代えたものである。
 実施機関は、本件対象公文書5のうち、「評価」欄(以下「本件非開示情報5」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書6
 本件対象公文書6は、実施機関が本件検査前に病院に送付し、病院が事前に回答を記載したものを、検査当日に実施機関の職員が受け取って検査を行うもので、職員による書き込みが随所になされている。当該様式は、現在に至るまでに数次の改訂がなされており、現行の様式は、実施機関のホームページ上で広く公にされている。
 本件対象公文書6のうち、「【1】医療従事者数」の「標準数」欄、「現在数」欄、「過△不足数」欄、「充足率(%)」欄、「労働時間数」及び「備考」欄、「【2】診療体制関係」の「回答」欄及び「回答」欄以外の記載部分、「【2】診療体制関係」別紙の「勤務時間」欄、「病床種別」欄、「患者数」欄、「日勤勤務者数」欄、「夜勤勤務者数」欄、「勤務体制」欄及び「収容率 %」欄、「【3】個人情報の取扱い関係」の「回答」欄及び「回答」欄以外の記載部分、「【4】管理関係」の「回答」欄及び「回答」欄以外の記載部分、「【5】給食関係」の「回答」欄、「【6】コメディカル関係」の「回答」欄並びに「回答」欄以外の記載部分(以下併せて「本件非開示情報6」という。)が非開示部分であり、実施機関は、「【1】医療従事者数」の「備考」欄については条例7条2号に該当するとし、その他の非開示部分については同条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書7
 本件対象公文書7は、医療従事者に係る標準数の計算を検査職員が行った際のメモであり、復命書に添付されることによって、組織共用文書とされたものである。
 実施機関は、本件対象公文書7のうち、「【1】医療従事者数」の「判定」欄、欄外の記述、「《標準数の算定》」の入院患者数、外来患者数及び「外来院内処方箋数」欄(以下併せて「本件非開示情報7」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書8
 本件対象公文書8は、検査を受けるにあたって病院が作成した、医師等の医療従事者の名簿であり、従事者一人ひとりについて、「ID」欄、「所属部署」欄、「職種」欄、「役職」欄、「氏名」欄、「生年月日」欄、「免許登録番号」欄、「免許登録年月日」欄、「免許交付者名」欄、「精神保健指定医指定番号」欄、「精神保健指定医指定年月日」欄、「常勤・非常勤の別」欄、「勤務先名称」欄、「入社日」欄及び「勤務日・勤務時間」欄が設けられた表形式の文書になっており、該当事項がある欄には具体的な情報が記載されている。
 本件対象公文書8のうち、「ID」欄、「所属部署」欄(医師及び歯科医師を除く。)、「職種」欄(精神保健福祉士を除く。また、医師、歯科医師、看護師、准看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、作業療法士、栄養士、臨床心理士及び看護助手については「職種」欄の一部)、「役職」欄(医師を除く。)、「氏名」欄(医師及び歯科医師を除く。)、「生年月日」欄、「免許登録番号」欄、「免許登録年月日」欄(医師及び歯科医師については「年」を除く。)、「免許交付者名」欄(医師及び歯科医師を除く。)、「精神保健指定医指定番号」欄(医師のみ該当)、「精神保健指定医指定年月日」欄(医師のみ該当)、「常勤・非常勤の別」欄(院長を除く。)、「勤務先名称」欄、「入社日」欄、「勤務日・勤務時間」欄及び歯科医師に係る欄外の記述が非開示部分(以下併せて「本件非開示情報8」という。)であり、実施機関は、「職種」欄(医師、歯科医師、看護師、准看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、作業療法士、栄養士、臨床心理士、看護助手及び精神保健福祉士を除く。)を条例7条2号及び3号に該当するとし、歯科医師に係る欄外の記述を同条6号に該当するとし、その他の非開示部分を同条2号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書9
 本件対象公文書9は、実施機関が本件対象公文書10を受けて改善内容を点検し、今後の対応について総括したものである。
 実施機関は、本件対象公文書9のうち、「指導区分」欄、「指摘・指導事項」欄、「◎局長指摘」欄、「○部長指摘」欄、「○部長指導」欄及び「確認欄」(以下併せて「本件非開示情報9」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書10
 本件対象公文書10は、本件対象公文書2を受けて、病院が改善状況等を実施機関に報告したものである。
 実施機関は、本件対象公文書10のうち、「指導事項」欄及び「改善状況及び改善計画」欄(以下併せて「本件非開示情報10」という。)を条例7条3号及び6号に、当該文書に押印されている病院の印影を同条4号に該当するとして非開示とした。

 本件対象公文書11
 本件対象公文書11は、本件対象公文書10の「改善状況及び改善計画」欄に記載された改善内容をさらに具体的に説明するために病院が自主的に添付した病院の運営に関して病院内部で使用するために作成された資料である。
 実施機関は、本件対象公文書11の全体(以下「本件非開示情報11」という。)を、条例7条3号及び6号に該当するとして非開示とした。

(3) 非開示部分の妥当性について

 本件非開示情報1について
 本件非開示情報1のうち「調剤数」、「外来処方せん数」、検査前日の「収容患者数」及び「患者収容率」は、医療法に基づく医療機能情報提供制度によっても公表されていない病院の詳細な医療実績に関する情報であり、これらを公にすることにより、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうと認められる。また、「立入区分」欄、「局長指摘事項」欄、「判定及び経過」欄、「次回立入計画」欄は、病院が受けた検査に係る評価に関するものであり、これを公にすることにより、指摘・指導の該当の有無や件数のみによって単純に病院の優劣が比較されるなど病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうと認められる。
 以上のことから本件非開示情報1は、条例7条3号本文に該当し、実績数字及び該当の有無等を記載したものにすぎず、その記載の程度から同号ただし書のいずれにも該当しないと認められるので、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報2について
 審査会が本件非開示情報2を見分したところ、「根拠法令」欄には、法令名だけでなく通知名も記載されており、「不適合内容」欄には、本件対象公文書6の項目が直接反映されたものもあれば、そうでないものもあり、また、改善を求めるものもあれば、一層の充実を求めるにすぎないものもあった。このように取り扱いの異なる情報が並列に記載されたものを開示することとなると、記載項目の数だけ病院に非があるかのような誤解を招き、当該病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうことから条例7条3号本文に該当すると認められる。
 また、本件対象公文書2は病院に通知され、病院からは本件対象公文書10により改善状況等が報告され、それを受けた実施機関の確認を経ていることから、本件非開示情報2が本件請求当時公にすることが必要なものとは認められず、条例7条3号ただし書のいずれにも該当しない。
 以上のことから、本件非開示情報2は、条例7条3号本文に該当し、同号ただし書のいずれにも該当しないことから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報3について
 本件非開示情報3は、検査職員が書き込んだ内容に当たる部分であり、審査会が見分したところ、検査現場における確認事項を書き留めたものにすぎず、本件対象公文書2に反映されている内容もあれば、そうでないものもあり、必ずしも整理されたものではないことが確認できた。
 このような事務整理前の情報を開示することとなると、検査結果の適切なとりまとめや病院に対する検査結果の正確な通知が困難になり、今後の検査事務の適正な遂行に支障を生じるおそれがあると認められることから、本件非開示情報3は、条例7条6号に該当するので、同条3号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報4について
 本件非開示情報4は、本件非開示情報3と同じく検査職員が書き込んだ内容に当たる部分であり、上記ウで検討したとおり、条例7条6号に該当するので、同条3号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報5について
 本件非開示情報5は、検査職員が検査現場で所定の整備状況を確認した上で評価である「○」「×」を記載したものであり、公にすることにより、薬事に関する病院の内部管理に係る整備状況が明らかになり、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうと認められるため、条例7条3号本文に該当する。
 また、本件非開示情報5は、整備状況の有無を表したものにすぎず、その記載の程度から同条3号ただし書のいずれにも該当しないと認められることから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報6について
 実施機関は、条例7条3号及び6号を適用した本件非開示情報6のうち、病院が記載した部分については同条3号に該当し、実施機関の職員により書き込みがなされた部分については同条6号に該当する旨説明するので、以下、これらの該当性について検討する。
 はじめに、病院が記載した部分である「【1】医療従事者数」の「標準数」欄、「現在数」欄、「過△不足数」欄、「充足率(%)」欄、「労働時間数」及び「【2】診療体制関係」から「【6】コメディカル関係」までの「回答欄」並びに「【2】診療体制関係」別紙の「勤務時間」欄、「病床種別」欄、「患者数」欄、「日勤勤務者数」欄、「夜勤勤務者数」欄、「勤務体制」欄及び「収容率 %」欄について検討する。
 審査会が本件対象公文書6を見分したところ、20頁以上にわたって各質問及び回答項目が並んでおり、非開示部分には、病院がそれぞれに該当する回答内容を記載したり、選択項目にチェックや丸を入れている。これらの記載内容は、病院を運営していく上での個別具体的な内部管理事項であり、「【1】医療従事者数」から「【6】コメディカル関係」までの6つの部門全ての記載内容が公にされることとなると、病院管理の全容が明らかとなり、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれることから、条例7条3号本文に該当すると認められる。
 しかしながら、これらのうち「【1】医療従事者数」について検討すると、各病院が有すべき各医療従事者の標準数については、医療法21条1項等に定めがあり、また現員は、医療法6条の3第5項により東京都のホームページ上で公にされていることに鑑みると、検査日現在における標準数と現員の数とが明らかになったとしても、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうとは認められない。
 したがって、「標準数」欄、「現在数」欄のうちの「計」欄、「過△不足数」欄及び「充足率(%)」欄については、条例7条3号本文に該当するとは認められず、開示すべきである。また、「【2】診療体制関係」別紙の「勤務時間」欄及び「勤務体制」欄についても、診療体制関係の記載事項としては一般的な内容であり、公にしても当該病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうとは考えられないため、条例7条3号本文に該当するとは認められず、開示すべきである。
 次に、上記の開示すべきであるとした部分を除いた病院が記載した部分について、条例7条3号ただし書の該当性を検討する。立入検査後、実施機関は、病院に改善状況等の報告を求めており、それを受けて改善状況を確認している。これらのことを勘案すると、平成19年当時の病院の回答に不備があったとしても、現在公にすることが必要であるとは認められず、条例7条3号ただし書のいずれにも該当しない。
 以上のことから、条例7条3号を適用した本件非開示情報6について、別表記載の部分については開示すべきであるが、その他については非開示が妥当である。
 続いて、本件非開示情報6のうち、条例7条6号を適用した、「【2】診療体制関係」から「【4】管理関係」まで及び「【6】コメディカル関係」の「回答」欄以外の記載部分等、実施機関の職員により書き込みがなされた部分について検討する。
 審査会が本件対象公文書6を見分したところ、職員の書き込みは記載の体裁が一定しておらず、検査現場において職員が備忘的に書き留めた内容であると認められる。このような事務整理前の情報を開示することとなると、検査結果の適切なとりまとめや病院に対する検査結果の正確な通知が困難になり、今後の検査事務の適正な遂行に支障を生じるおそれがあることから、職員の書き込みがなされた部分は、条例7条6号に該当すると認められるので非開示が妥当である。
 次に、本件非開示情報6のうち、「【1】医療従事者数」の「備考」欄について検討する。審査会で見分したところ、この「備考」欄には、「医師」、「正看護師」、「准看護師」、「看護補助者」及び「作業療法士」に係る個人情報が記載されていることが確認できた。これらの情報は、本件対象公文書8に基づく情報であり、他の情報と照合することによって個人を識別できる情報であることから条例7条2号本文に該当し、その内容及び性質から同号ただし書のいずれにも該当しないと認められるので非開示が妥当である。

 本件非開示情報7について
 本件非開示情報7のうち、「【1】医療従事者数」の「判定」欄及び欄外の記述は、実施機関の説明によると、検査現場において職員が備忘的に記載するものである。このような事務整理前の情報を開示することとなると、検査結果の適切なとりまとめや病院に対する検査結果の正確な通知が困難になり、今後の検査事務の適正な遂行に支障を生じるおそれがあると認められることから、条例7条6号に該当し、同条3号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。
 次に、本件非開示情報7のうち、「《標準数の算定》」の算定式の入院患者数、外来患者数及び「外来院内処方箋数」欄について検討する。
 これらは、医療従事者の標準数を算出するため、算出に必要な病院の実績数値を記載したものである。これらは、医療機能情報提供制度においても公表されていない病院の医療実績であり、公にすることにより、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうと認められることから条例7条3号本文に該当し、その内容及び性質から同号ただし書のいずれにも該当しないことから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報8について
 本件非開示情報8のうち、歯科医師に係る欄外の記述を除く非開示部分について検討する。各従事者に係る「ID」欄から「勤務日・勤務時間」欄までの非開示情報は、個人に関する情報で特定の個人を識別できるものであり、条例7条2号本文に該当すると認められる。以下、同号ただし書について検討する。
 医師及び歯科医師については、資格制度上及び患者に対する院内掲示情報等から明らかであるところの、所属部署、役職、免許登録年、免許交付者名等については、すでに開示されており、非開示部分には、法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報は含まれておらず、条例7条2号ただし書イには該当しないと認められ、その内容及び性質から同号ただし書ロ及びハにも該当しない。
 次に、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、作業療法士及び精神保健福祉士について検討すると、非開示部分のうち「免許交付者名」については、法令規定上明らかであり、法令等の規定により公にされている情報に当たることから条例7条2号ただし書イに該当し、開示すべきであるが、その他の非開示部分については、同号ただし書イに該当するものはなく、その内容及び性質から同号ただし書ロ及びハにも該当しないので非開示が妥当である。
 続いて、准看護師、栄養士、臨床心理士、看護助手及びその他について検討すると、非開示部分には、法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報は含まれておらず、条例7条2号ただし書イには該当しないと認められ、その内容及び性質から同号ただし書ロ及びハにも該当しないので非開示が妥当である。
 また、「職種」欄のうち、その記載の全部を非開示としている部分について、実施機関は、これらの職種については、病院がどのような職種を何人雇用するかの法令等の定めがなく、病院の内部管理事項にあたるため、これらの「職種」欄は、条例7条3号にも該当する旨説明する。この点については、審査会としても是認できるところであり、その内容及び性質から同号ただし書のいずれにも該当しないことから、「職種」欄のうち、その記載の全部を非開示としている部分については、条例7条3号にも該当すると認められる。
 次に、本件非開示情報8のうち、歯科医師に係る欄外の記述について検討する。審査会が見分したところ、欄外の記述は、歯科医師に係る医療従事者数の算定を検査職員が行った際のメモ書きとして具体的数値が記載されていることが確認できた。実施機関は、検査職員の書き込みであることから条例7条6号に該当する旨説明するが、各々の数値は、上記で条例7条2号に該当すると判断した個人情報又は本件非開示情報6で、同条3号に該当すると判断した病院の事業運営情報に当たり、それぞれ同条2号又は3号に該当することから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報9について
 本件非開示情報9は、今後の対応方針を示す指導区分、本件対象公文書2から転記された指摘・指導事項等、「◎局長指摘」、「○部長指摘」、「○部長指導」の区分に応じた不備の程度を示す内容及び改善状況の確認結果について「○」又は「要確認」等の表記で実施機関が改善状況等を評価した内容から構成されている。
 本件対象公文書2から転記された部分については、前記イで述べたとおり、条例7条3号本文に該当し、同号ただし書のいずれにも該当しないことから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。
 次に、転記された部分以外の非開示部分について検討する。
 立入検査は、1)病院の自主チェック、2)検査、3)指摘・指導事項の通知、4)改善状況報告、5)改善状況報告の確認・点検、を一連のサイクルとして、これらの積み重ねによって、医療機関の自主的な管理運営を促し、改善を図る仕組みになっていると考えられる。本件非開示情報9を開示にすることによって、病院の不備に対する行政の指導の程度や今後の対応方針が公にされることとなると、今後の検査に向けて行政がどのような方針をもって検査に臨むかが病院に了知され、行政の関心の度合いに応じて、病院が自主的な取組みに消極的になったり、他の病院に今後の検査対策に利用されるおそれがあるなど今後の検査事務に支障を生じるおそれがあると認められる。
 以上のことから、本件非開示情報9のうち、本件対象公文書2から転記された部分以外の非開示部分については、条例7条6号に該当すると認められるので、同条3号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報10について
 本件非開示情報10のうち、病院の印影は、偽造等犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由があると認められるので、条例7条4号に該当し、非開示が妥当である。
 次に、本件非開示情報10のうち、「指導事項」欄及び「改善状況及び改善計画」欄について検討する。
 「指導事項」欄は、本件対象公文書2の内容を転記したものであり、前記イで述べたとおり、条例7条3号本文に該当し、同号ただし書のいずれにも該当しないことから、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。
 「改善状況及び改善計画」欄は、指導事項に対する改善内容を病院が記載したものであり、指導事項が何であるかを推察させる記載内容となっているだけでなく、本件対象公文書6の記載内容以上に病院の内部管理情報を詳細に記載したものであるため、公にすることにより、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうものと認められる。したがって、「改善状況及び改善計画」欄も条例7条3号本文に該当し、改善状況を報告したものであることから、同号ただし書のいずれにも該当しないので、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 本件非開示情報11について
 審査会で本件非開示情報11を見分したところ、3点目の添付資料及び5点目の添付資料には、一般的な内容が含まれており、これらの内容は、病院によって独自性が発揮されるような性質のものではなく、開示しても、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうものとは認められないことから条例7条3号本文には該当しない。
また、このような情報を、実施機関が開示したとしても、今後の検査において、病院が資料の提出に消極的になるとは考えられず、検査事務に支障が生じるおそれがあるとは認められないことから条例7条6号にも該当しない。
 したがって、3点目の添付資料及び5点目の添付資料のうち、別表記載の一般的な内容を示す部分については、開示すべきである。
 本件非開示情報11のうち、開示すべきものを除いた部分については、詳細な病院の内部管理情報が記載されており、公にすることにより、病院の事業運営上の地位その他社会的な地位を損なうと認められることから条例7条3号本文に該当し、改善状況報告に添付されたものであることから、同号ただし書のいずれにも該当しないので、同条6号該当性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。

 なお、異議申立人は、病院の運営主体が社会福祉法人であることから、法人の社会的な役割や公共性に鑑み開示すべき旨主張する。医療機関は、都民の健康と生命を守るという公共的な使命を有するが、病院の運営主体は、医療法人財団・社団、学校法人、株式会社、生活協同組合、公益財団法人、一般社団法人、個人等様々であり、これら病院運営主体の種別によって、立入検査の取扱いを異にする理由にはなり得ないことから、異議申立人の主張は採用することができない。

※別表 開示すべき部分

病院自主管理チェックリスト ・「【1】医療従事者数」の「標準数」欄、「現在数」欄のうちの「計」欄、「過△不足数」欄、「充足率(%)」欄
・「【2】診療体制関係」別紙の「勤務時間」欄、「勤務体制」欄
医療従事者名簿 ・看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、作業療法士、精神保健福祉士の「免許交付者名」欄
改善状況等報告書の添付資料 3点目の添付資料について
・1枚目のうち以下を除く部分
10行目の4文字目以降、11行目の16文字目から20文字目まで
・2枚目のうち以下を除く部分
表のうち2段目以降、最終行の3文字目と4文字目
・3枚目から7枚目
・8枚目のうち以下を除く部分
8行目の3文字目以降、9行目の3文字目以降、下から2行目の18文字目から23文字目まで、最終行の1文字目から6文字目までと9文字目以降
・9枚目のうち以下を除く部分
6行目の括弧内、8行目の括弧内、10行目の括弧内、12行目の括弧内、13行目の括弧内、14行目の括弧内、18行目の括弧内、19行目の括弧内、20行目の12文字目から14文字目までと括弧内、21行目の12文字目から16文字目までと括弧内、23行目の括弧内、24行目の12文字目から24文字目までと括弧内、25行目の括弧内、26行目の括弧内、27行目の2文字目から13文字目まで、30行目の括弧内
5点目の添付資料について
・1枚目のうち以下を除く部分
3行目の3文字目以降、7行目の3文字目以降、10行目の1文字目から5文字目までと7文字目から11文字目まで
・2枚目のうち、1行目、表の最上段のすべて、最下段の1文字目、2文字目及び5文字目
・3枚目から5枚目
・6枚目のうち以下を除く部分
上段右枠内の書き込み、中段右枠内の5行目の5文字目から9文字目までと15文字目以降、6行目、8行目の行末から3文字目以降、9行目の1文字目から6文字目まで、最下段の左右の枠内

※別紙 答申(第556号)(PDF形式:46KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3134
(所管部局)
福祉保健局医療政策部医療安全課
 電話 03-5320-4432

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