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報道発表資料  2012年1月19日  生活文化局

東京都情報公開審査会の答申(第554号)について

 東京都情報公開審査会(会長 秋山收)は、「東京都議会議事堂(22)昇降機設備改修工事に係る見積書」の一部開示決定において非開示とした部分のうち、別表に掲げる部分は開示すべきであるが、その他の部分は非開示が妥当である旨、東京都知事に答申を行った。

1 諮問の概要

(1) 諮問件名

 「東京都議会議事堂(22)昇降機設備改修工事に係る見積書」の一部開示決定に対する異議申立て

(2) 非開示理由

 東京都情報公開条例7条3号(事業活動情報)に該当

2 答申の骨子(結論)

 「東京都議会議事堂(22)昇降機設備改修工事に係る見積書」の一部開示決定において非開示とした部分のうち、別表に掲げる部分は開示すべきであるが、その他の部分は非開示が妥当である。

3 答申までの経過

(1) 開示請求 平成23年1月11日
(2) 一部開示決定 平成23年2月8日
(3) 異議申立て 平成23年2月14日
(4) 諮問 平成23年3月14日
(5) 答申 平成24年1月19日

4 審査会の判断の要旨

(1) 工事契約について

 東京都における工事の施行については、東京都工事施行規程(以下「規程」という。)で基本的な事項を定めており、工事主管課は、まず工事の設計を行い、設計図面、工事仕様書等のほか、工事費を積算して工事設計内訳書を作成し、これらの書類から構成する工事設計書により設計内容を確定する。次に当該設計を踏まえて起工の手続を行い、起工の決定後、契約事務主管課へ契約締結を依頼する。
 契約事務主管課は、この依頼を受けて、工事の予定価格を決定し、競争入札、随意契約等の方法により契約を締結する。予定価格について、東京都契約事務規則12条及び13条では、仕様書、設計書等によって価格を予定することとし、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めることとしている。

(2) 工事費の積算について

 工事費は、直接工事費、共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等の各種目から構成する工事価格に消費税及び地方消費税相当額を加算して算出する。このうち、直接工事費は、工事目的物を造るために直接必要となる費用であり、共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等は、共通費である。
 工事費の積算について、規程9条では、工事の設計は別に局長が定める設計基準に基づき行い、この設計基準において積算に関する基準等について規定するものとしており、これを受けて財務局長が定めた設計基準(平成13年4月1日改定)では、積算は別に定める積算基準によることとしている。そして、財務局が定めた積算基準(建築工事編)(平成22年4月1日改正)では、積算の目安となる単価、係数、取扱い等を積算標準として別に定めることとした上で、標準的な工事の単価は原則として積算標準により設定するが、積算標準に記載のない単価及び積算標準によりがたい単価については、建設資材定期刊行物に掲載された調査価格を参考とし、建設資材定期刊行物に掲載された調査価格が存在しないものはカタログによる公表価格を参考とし、カタログによる公表価格が存在しないものは見積りを参考として設定することとしている。

(3) 本件対象公文書について

 本件異議申立てに係る対象公文書は、実施機関が東京都議会議事堂(22)昇降機設備改修工事の工事費積算のため単価設定を行うに当たり、積算標準に記載された単価、建設資材定期刊行物に掲載された調査価格及びカタログによる公表価格のいずれも存在しない項目について、昇降機設備工事の実績を有する事業者に見積りを依頼し、これに応じて事業者が提出した見積書(以下「本件対象公文書」という。)である。
 実施機関は、本件開示請求の内容のうち、「予定価格設定のために業者から入手した下見積り」に対して本件対象公文書を特定したものであり、見積書を提出した事業者の印影は条例7条4号に、担当者印影は同条2号及び4号に、見積りの総額並びに「単価」及び「金額」の項目に記載された金額(以下併せて「見積金額」という。)は同条3号に該当するとして、それぞれ非開示とする一部開示決定を行っている。

(4) 審査会の審議事項について

 異議申立人は、異議申立書及び意見書において、見積金額の開示を求める旨主張していると認められるので、審査会は、当該部分を非開示としたことの妥当性について判断する。

(5) 条例7条3号該当性について

 見積りの総額
 審査会が本件対象公文書を見分したところ、見積金額のうち、見積りの総額は、事業者が行った見積りの合計金額であるので、これを公にしても個別の見積りの価格情報や生産技術上の情報が明らかになるとは認められない。
 また、審査会は、東京都が競争入札又は随意契約の方法により契約を締結した昇降機設備工事の複数の事例を抽出し、本件事業者を含む複数の事業者について、工事費積算の際に東京都の依頼に応じて事業者が提出した見積書の総額と、競争入札又は随意契約の際に当該事業者が提示した金額との関係式において、一定の乗数が存在するか否かを調査した。その結果、各事業者とも事例によって乗数は異なり、幅のあるものであることが認められた。このことからすると、見積りの総額を公にすることにより本件における乗数が明らかになっても、類似の工事における本件事業者の価格設定の方針が推測されるなど、競争上又は事業運営上の地位が具体的に侵害されるとは認められず、条例7条3号本文に該当しない。
 なお、実施機関は、見積りの総額について、条例7条3号に該当するとして非開示としているが、審査会は、同条6号該当性についても検討する。
 まず、上記のとおり、見積りの総額を公にしても事業者の競争上又は事業運営上の地位が具体的に侵害されるとは認められないことから、事業者から見積書提出の協力を得られなくなるおそれがあるとは認められない。
 また、実施機関が工事費積算のため単価設定を行うに当たって見積りを参考とする場合は、個別の見積りを参考として単価を設定するものであるから、見積りの総額を公にしても個別の単価設定の方法、過程等が具体的に推測されるとは認められない。したがって、事業者において見積書に記載する金額情報の操作が行われることにより実施機関が実勢を反映した見積書の提出を受けられなくなり、このため適正な単価設定、工事費積算、予定価格決定を行うことが困難になるなど、契約に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとも認められず、条例7条6号に該当しない。
 以上のことから、見積りの総額は開示すべきである。

 「単価」及び「金額」の項目に記載された金額
 審査会が本件対象公文書を見分したところ、見積金額のうち、「単価」及び「金額」の項目に記載された金額は、直接工事費については昇降機設備等の事項ごとの材料費・機器類費、労務費、運搬費等の見積りの金額及びこれらを合計した金額であり、共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等については種目ごとの見積りの金額及びこれらを合計した金額である。
 これらの金額は、事業者における価格体系及び価格構成が推測され、また、個別の価格設定の概要が推測されることとなる情報であって、このような情報が競合他社に提供されると、事業者は、その後の事業活動において競争上不利な立場に置かれることとなると認められる。
 したがって、「単価」及び「金額」の項目に記載された金額は、後述する部分を除き、公にすることにより、事業者の競争上又は事業運営上の地位が損なわれる情報であると認められるので条例7条3号本文に該当し、その内容及び性質から同号ただし書のいずれにも該当しないので、非開示が妥当である。
 ただし、「金額」の項目に記載された金額のうち、見積りの総額の部分は、前記アで判断したのと同様に条例7条3号本文及び6号に該当せず、開示すべきである。

別表

本件対象公文書名 開示すべき部分
見積書
  • 見積りの総額
  • 「金額」の項目に記載された金額のうち、見積りの総額の部分

※別紙 答申(第554号)(PDF形式:24KB)

問い合わせ先
生活文化局広報広聴部情報公開課
 電話 03-5388-3134
(所管部局)
財務局建築保全部庁舎整備課
 電話 03-5388-2787

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