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令和元年(2019年)11月29日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年11月29日)

知事記者会見
2019年11月29日(金曜)
14時00分~14時40分

知事冒頭発言

【知事】本日は、全部で5本になります。
まず、冒頭でありますけれども、先ほどニュースでも流れておりましたが、総理をお務めになりました中曽根康弘先生の急逝に心から哀悼の意を表したいと存じます。まさに巨星堕つという感じであります。
中曽根先生は、戦後最多の20回のご当選、そして科学技術、運輸、防衛、通産、行政管理など閣僚を歴任されまして、自民党の中でも総裁、幹事長、総務会長を歴任されました。中でも、土光敏夫氏が会長でいらっしゃった土光臨調などで改革案を練り上げられて、小さな政府路線で、電電公社、専売公社、国鉄、この3つの公社を民営化されたことは非常に大きな功績であったと感じます。
また、外交においても、レーガン大統領と緊密な関係を築かれて、背も高かったということから、世界でも活躍できる総理大臣という期待が国民の中にもあった方だと思います。今も、日の出町の方に行きますと、ここでレーガン大統領と中曽根氏が炉端会議をやったところというボードが出ている方でいらっしゃいます。
また、一人の歴史の証人でもあり、大所高所から日本を憂いておられる先生のお一人、政治家のお一人がいなくなってしまうということは、大変悲しき気持ちでいっぱいでございます。改めて哀悼の意を表したいと思います。

1 大規模風水害対策の検証結果について

【知事】それでは、大規模風水害の検証結果がまとまりましたので、お知らせいたします。
9月には台風15号が、10月には台風19号、そして21号と相次ぎました。都内でも風水害による被害が発生したところであります。そこで、副知事をトップとした、大規模風水害検証会議を、今月6日に立ち上げ、区市町村からのヒアリング、そして都民向けのインターネットアンケートなども踏まえ、初動体制の整備や防災広報など、7つの視点から検証を行ったところであります。
その結果、合計35の対策について取り組むことといたしました。内訳ですが、補正予算、そして来年度の予算編成で対応中のものが11あります。そのほか、今後、新たに取り組むべきものが24で、合計35あります。
今申し上げました7つの視点に基づく検証結果についてでありますが、まず初動体制、この整備については、発災時の的確な対応のためには被害状況をまず素早く把握すること、そして情報を共有することが大事であるということが1点。今回の台風におきましては、多摩、島しょの市町村に都庁から都の職員、連絡要員、リエゾンと呼んでおりますが、これをあらかじめ派遣いたしました。この件については、各市町村の皆様方から非常に効果があったということで、今後は全区市町村に2名程度派遣する体制を構築してまいります。
また、計画運休という初めての事態ではございましたけれども、この対応については、台風が近づいてくる前から応急対策本部を設置しまして、計画運休に関する情報や、出勤抑制の呼びかけを実施したところでございます。今後、実効性をさらに高めるために、公労使による実務者会議を立ち上げます。そこで計画運休時の出勤のあり方について、各社、各組織で新たなルール化をしていただき、そのことを目指して議論を行っていただくという方向でございます。
それから、防災の広報でありますけれども、様々なツールを用いた情報発信の強化ということが極めて重要であると、今回も改めて痛感したところでございます。今回の災害対応でございますけれども、まずホームページにアクセスが殺到し、区市町村によっては閲覧不能になる事態も発生したということで、区市町村のホームページの状況を調査しアクセスが集中したときの改善ガイドラインを作成してまいります。
また、情報発信につきましては、これまでのツイッターに加えまして、災害対策本部会議を、まずはユーチューブや東京動画で発信するなど、新たな手段での広報も実施いたしました。今後は、チャットボットも導入しまして、都民の皆様方からの問い合わせには迅速に対応することや、民間防災アプリと新たに連携するなど、さらなる強化を推進してまいります。
次に、電源の確保対策です。これは重要です。被災者の情報収集、それから行政からの災害情報の伝達に、もはや不可欠の存在でありますスマートフォンや、タブレット端末などの充電環境を確保するということで、都立の一時滞在施設などに、帰宅困難者の皆様がスマートフォンなどを充電するこことができる環境を整備していくということであります。また、大規模、長期間の停電発生時におきましても、例えば病院の機能を維持していくために移動電源車を活用しました電源確保が可能となるような体制を整備することなどを検討してまいります。
それから、3番目の物資調達につきましては、災害時は在庫不足で迅速な物資調達が困難となるケースがあり得るということです。今回、特に風の強かった台風15号暴風雨の後に、屋根が飛ばされたなどで、雨漏りがするということからブルーシートの需要が大変高まりました。そして、これを備蓄の品目として新たに加えまして、都が一定数量備蓄をするということといたします。これまでは、連携する相手方との置き場所の問題などもあり、連携する企業などと、いざという時にそこからすぐ調達できるような手はずでやっていたということであります。
それから、台風19号の時ですけれども、このときは道路の崩落で、例えば奥多摩のほうで孤立地域が発生いたしまして、ドローンを活用した輸送を行ったことを皆様にも取材をしていただきました。今後は、物資の輸送力の向上に向けて、西多摩エリアで大型のドローンを活用した物資輸送の実証実験を実施していくということであります。
それから、避難対策ですけれども、今回の台風で東部の低地帯で大規模水害は発生いたしませんでしたが、広域避難のあり方については様々な議論がなされたところであります。加えて、計画運休ということも加わって、これまでとは様相が変わってくるわけです。今後、災害対策の検証のために、江東5区など関係区市と広域避難に関する課題についての検討を進めまして、国と共同で進めております広域避難に関する検討会へとフィードバックさせてまいります。
また、今回は、都立施設の一部を、緊急の避難先として提供いたしましたけれども、区市町村からは、今後、一層活用したいというご要望が寄せられております。そこで、洪水や浸水のおそれがない場所にあります都立の一時滞在施設を風水害時の避難先として活用していくために区市町村と順次、協定を締結してまいります。また、風水害時に対応いたしました指定緊急避難場所の早期指定、区市町村を支援してまいりたいと考えております。
それから、施設の整備と適切な維持管理についてのポイントとなりますが、河川の水位などの監視については、さらなる強化が必要でございます。そして、今後は、浸水被害を踏まえました監視カメラの設置拡大を進めてまいります。
また、台風19号により河川の水位上昇で、多摩川の樋門閉塞作業に危険が及び、操作ができないという事態が発生したわけでありまして、そこで樋門の安全対策として、地元区と連携して、住民の皆様に樋門を閉める情報を事前に提供するなど、操作状況の共有を図ってまいります。これに、樋門操作の遠隔化の検討も進めてまいります。
そして最後ですけれども、その他の風水害の対策として、マンションの浸水対策があります。マンション管理ガイドラインに、風水害対策に関します取組を追加いたします。それとともに、浸水対策ガイドラインを改めて周知していくというものであります。
それから、都営地下鉄ですけれども、浸水想定区域内にも駅が多々存在いたしておりまして、出入り口には止水板がありますけれども、その高さを見直すことや、止水板から防水扉への変更など、追加対策を検討してまいります。
昨年の総点検では、「災害は忘れる暇を与えず私たちを襲ってくる」というように申し上げたわけでございますけれども、早くも今年、その言葉が現実のものになっているわけであります。今回の検証の結果、来年度の予算編成で対応していくこととなる項目につきましては、年明けの査定でしっかりと精査してまいります。そして、今後も、不断の見直しを行うことによって、防災事業の一層のグレードアップを進め、セーフ シティーの東京を万全なものとしてまいりたいと考えております。
詳細は、総務局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:1,697KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 ICT人材の採用等について

【知事】次に、ICT人材の採用についてのお知らせであります。都はSociety5.0の実現に向けて、この8月に、「TOKYO Data Highway基本戦略」を発表したところで、取組も日々進めているところであります。こうした取組をさらに加速し、「都政とICTをつなぎ課題解決を図る人材」として、新たな職種、「ICT」を作りまして、令和3年の4月1日付で職員の採用を行うことといたしました。令和2年については、既に職員人事が進んでおりますので、令和3年からということになります。
具体的な話ですが、新卒者などを対象にいたしまして、1類のB採用、民間などのICT分野の経験者、この方々を対象といたしましたキャリア活用採用を行っていくものというものであります。採用予定者数、試験の内容などの詳細については、1類B採用については来年の3月頃、既にキャリアのある方々の活用採用については来年の6月頃に人事委員会が公表する予定といたしております。5Gなど技術革新が進む今の時代であります。パイオニアとして、都政のデジタルシフトを進め、新しい東京の創造にチャレンジしていく気概のある方、志のある方にぜひお越しいただきたいと、このように考えております。
また、全ての職種を対象としました、都庁で働く魅力を知っていただくイベント「都庁セミナー2019」を行います。これは12月7日(土曜日)に東京ドームシティのプリズムホールで行います。その中で、「TOKYO Data Highway基本戦略」の講演なども行う予定といたしております。都庁で働くことに関心のある方にぜひ参加していただきたいと思います。
また、都庁セミナーの入場には予約が必要でございますので、詳しくは東京都職員採用のホームページをご覧いただいて、お申し込みいただきたいと思います。
詳細は、総務局にお聞きください。
※「1類」の正しい表記はローマ数字です。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:78KB)
(「新卒等・経験者対象 ICT人材採用を開始」は、こちらをご覧ください。)
(「「都庁セミナー2019」を開催」は、こちらをご覧ください。)

3 事業提案制度に係る投票の実施について

【知事】3つ目でありますが、毎年行っております事業提案制度、これは都民、大学研究者の皆様方から事業案を募集いたしまして、翌年度の予算案に反映するというものであります。都民や大学の研究者によります事業の提案制度を導入をしているところでありますけれども、今年度ご提案いただいた事業案につきましては、11月22日から都民による投票の受付を開始したところでございます。
今年度も、創意工夫に満ちた提案をいただいております。その中から都民提案13件に、それから、大学提案16件に絞っております。そして、都民の皆様に投票していただくという、このようなシステムであります。
これらの事業案のうち、都民の皆様からの投票結果を踏まえまして選考いたしまして、令和2年度の予算案に反映させていくというものであります。投票は、スマホなどから簡単にできます。都民提案、大学提案、それぞれにご投票いただければと思います。
現時点で、昨年度を上回る勢いで多くの投票をいただいておりますが、投票期間は12月5日までとなっておりますので、ぜひこの機会に多くの投票をお願いして、都政を都民とともに進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
詳細は、財務局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:118KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 東京グリーンボンドについて

【知事】次に、こちらも恒例となりましたが、東京グリーンボンドについてお知らせいたします。先日、多くの投資家の皆様にご賛同いただきまして、機関投資家向けの東京グリーンボンドを発行いたしましたが、これに続きまして、来月、個人向けの東京グリーンボンドを発行するというお知らせであります。
個人向け東京グリーンボンドの仮条件の決定をお知らせするところですが、この仮条件というのは、発行条件が最終決定する前に皆様方にお示しする債券の予定利率の範囲のことで、年1.00%から2.00%となっております。利率につきましては、今後、市場の環境などを踏まえて確定することになりますが、12月5日(木曜日)の午後に公表を予定いたしております。
今年度は、金利、そして為替の状況などを踏まえまして、米ドル建てで行います。規模として100億円相当での発行となります。売出期間は12月6日(金曜日)から12月17日(火曜日)までとなりますが、株式の売買のときには口座開設に時間がかかることもございますので、販売窓口となります金融機関に早めにお問合せをいただきたいと思います。
また、これは注意としてですが、外貨建ての債券というのは、為替リスクがございますので、十分に説明をお聞きになった上でご検討もいただきたいと存じます。
そして、この調達した資金でありますけれども、ご覧のような事業に充当されるものであります。投資を通じました皆様からの後押しで、引き続き環境施策を強力に推進して、スマート シティーの実現に向けた取組を加速させていきたいというものであります。これも、都民の皆様方の投資によって、都政を良くするということで、都民と進める都政という点でも同じことかと思います。
詳細は、財務局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:353KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 上野動物園におけるQRコード決済の実証実験の開始について

【知事】次に、今日からQRコード決済を活用した実証実験を、恩賜上野動物園の入場の際に実施するということでございます。恩賜上野動物園ですが、入場口は3カ所ございまして、そのうち表門と弁天門、ここは有人の窓口になっておりますが、ここでQRコードでスマホ決済ができるようになるというもので、これは都立の施設では初めての取組となります。
対応する決済サービスですけれども、ご覧のように、PayPay、LINEPay、Alipay、WeChatPayの4つとなっております。都といたしまして、このQRコード決済の利用開始をPRするためにも、これらの決済サービスの事業者などと協力しまして、アプリ上でのプッシュ型広告の配信なども行ってまいります。
さらに、主に中国からの観光客をターゲットにしまして、中国版のツイッターである微博(ウェイボー)を通じて海外にも周知していきたいと考えています。これから東京2020大会控えており、一つの実証実験といたしまして、これをベースにしながら、今後のインバウンド利用の多い都立施設を中心にこの導入を進めることでインバウンドを含めました入場者の利便性を向上したり、窓口事務の効率化を図るということでキャッシュレス化を進めていきたいと考えております。
詳細は、会計管理局及び建設局にお聞きください。

(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)(PDF:143KB)
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】東京新聞の原です、幹事社から。まず冒頭ご発言ありました風水害対策なんですけれども、今、縷々説明をいただいたんですが、この中で特に今回の一連の災害でですね、知事として最も課題として思われた点、それから、これと連動するんですが、最優先でですね、取り組むべき課題というのを現時点でどういうふうにお考えなのかというのをお願いします。

【知事】一般的に、これまでかなり地震対策ということでは進めてきたかと思いますが、今回、水害という災害について、多くの都民の皆様方がリアルに捉えられるようになったのではないかと思います。それぞれの地域によって状況が違いますから、だからこそ、その方がおられるところではどうしてください。避難場所はどこですというような的確な情報を提供すること、また、つながる情報を提供することが必要だろうと改めて感じたところでございます。また、何よりも停電、今回、特に千葉などで起こった基地局の電力までがダウンしてしまうというような事態になった時にどう対応するのかということで、危機管理の要諦は最悪のことを考えよということでございますので、まず最悪のことを考えながら、その中でベターな、時にはもちろんベストな方策を実行していくということに尽きるのだろうと思います。今日は幾つも発表いたしましたが、どれも欠かすことのできない重要なポイントだと思います。それぞれ担当部局も違いますが、セーフ シティー東京をつくろうという共通の意思を持って、また責任を持って都政として取り組んでいきたいと考えております。また、区市町村との連携ですが、今回、リエゾンという職員を2人送ったということが、区市町村の皆様方からすれば、情報の共有と、それから安心感につながったということだと思います。区市町村とうまく連携をとりながら、地域によって災害の困難さは違いますので、それらも踏まえながら対応していきたいと、そのことをまとめさせていただきました。
なお、至急対応すべきことについては、ご承知のように、今回、第四回定例議会において補正予算として計上させていただいておりますので、審議いただきたいと存じます。

【記者】幹事社からもう1点。オリンピック絡みなんですが、先日ですね、世界アンチドーピング機構、WADAがロシアの組織的なドーピングに絡んでですね、処分案を報告されました。国としてのロシア国としてのオリンピック参加というのができなくなる可能性が高くなってきたんですが、東京オリンピックの開催都市としてですね、このオリンピックというのは商業主義だとか、勝利至上主義だとかですね、いろんな観点で指摘もされてるところなんですが、今回のドーピングの扱いについてもですね、五輪の意義とか評価にもかかわりかねないものだと思うんですが、開催都市の知事として、今回の事態はどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。

【知事】今回の件については、報道を通じて承知いたしておりますが、仰るように、ドーピングで金メダルを獲るというようなことになりますと、スポーツのフェア精神であるとか、そういったこととまた全然別な話になってしまいます。公平公正な競技を歪めるものでございますので、決して許されるものではないと思います。また、アンチドーピングの取組を推進しまして、東京大会がクリーンな大会となるように、この件については、国、組織委員会とも連携して準備に万全を期してまいりたいと考えております。

【記者】新建新聞の斯波です。恐れ入ります。風水害についてお伺いしたいと思います。計画運休での出勤についてなんですけども、これ、おそらくガイドラインをつくるんだと思うんですが、テレワークとかですね、柔軟な働き方なんかも非常に大事になってくると思いますので、そこら辺、どうお考えかというのがまず1点です。
もう1点は、広域避難に関してなんですけども、江東5区は特に人口250万人ありまして、なかなかどこに逃げていいのかとか、行政で公的な避難先を探すのはちょっと難しいんじゃないかといった議論もある中で、避難先を自分で探したりとか、自助共助というのを促す都民の意識改革というのも、おそらく訴えかけなければいけない事態なんではないかと考えますが、その点についてお願いします。

【知事】まず1点目でございますが、計画運休というのは初めての対策でありました。よって、新しい対応策を決めていかなければならないということから、今回、公労使会議の中で、特に計画運休など、避難体制について、ということで集まっていただくことといたします。その中で、例えばこの都庁の中でも今回、まず隗より始めよということで、誰が来なくてはならない人なのか、それから、様子を見てから来てもいい部署なのか、担当とか、それらを決めていくということによって、その人たちは自宅待機なりをして、そこでテレワークで対応するなど、これ、働き方改革ともつながりますけれども、様々な対応策について、それぞれの業種、規模によって、異なる部分はあるかもしれませんが、実際にこういう事態が既に発生していることを踏まえて、計画運休のときにはこうするという新しい働き方の安全なあり方を検討していくという、そのベースをつくっていきたいと考えています。
では、どこへ避難すればいいのかということですが、以前、マイ・タイムラインをお配りして、お子さんたちが楽しみながらということで、それぞれの地域で特に前もって台風や水害が来そうなことが察知できる、特に水害に対しての自らの対応マニュアル、もしくはその家庭にとっての対応マニュアルを皆様に準備していただく。ゲーム感覚でやってもらいたいというのを、ゲームを超えて、リアルな対策として取り組んでいただきたいということで、改めてこのマイ・タイムラインのキットを、必要な方にもお配りするようにいたしております。一方で、では、どこに避難すればいいのかというのは、先ほどの計画運休と同じように、鉄道が使えないと隣に行くわけにもいかないし、反対に隣の県の方がこちらに逃げるかもしれないということで、ますます混乱になってしまうことも考えられます。計画運休になると逃げる方法が自転車とか、歩いてとか、車になると今回の被害を、亡くなられた方々も車の中で亡くなられた方もかなり多かったわけですね。そういった新しい事態に、だからこそ、この避難はどこでするのか。特に江東5区はどうするのか。垂直避難と言っても、では、どこか高いところがあるのかなど、一つ一つ細やかに見ながら対策を立てていき、そのことを周知していく必要があろうかと思っています。大変重要なことですし、また、最近は気象庁の言いぶりも、「これまで経験したことのない」とか「命を守る行動」とか、色々な言葉が出ているので、できるだけ分かりやすく、避難と指示と勧告と、どっちがどうなんだということも含めて、分かりやすく伝えて、そして皆様に、それこそ命を守る行動をどうすればいいか、家族の中でもしっかりと共有していただく、そのような積み重ねが必要だということだと思います。

【記者】時事通信の真島です、お願いします。IRの誘致のことに関してお伺いしたいんですけれども、きょう、北海道が誘致を見送るというような表明をしました。そのことに関して、まずこのニュースをどのように受けとめたかが一つ、そして、もう一つが、今回の北海道の判断を受けて、東京都として知事のご判断や戦略に変わることがあるのか、お聞かせください。

【知事】北海道の対応につきましては、これはもう北海道がお決めになることであります。それから、IRについては、東京は、かねてより申し上げておりますようにメリット、デメリットの両方がございますので、これまで申し上げてきたように、海外の事例や経済効果について調査を行い、また、これまでに再三申し上げているようにさまざま要素がございますので、それを踏まえて引き続き総合的な検討を重ねていきたいと考えております。

【記者】MXテレビの奥野です。ヒアリについてお伺いできればと思います。昨日ですね、青海ふ頭のほうでヒアリが500個体以上見つかったということで、今回も定着は確認されていないということなんですが、都内でヒアリが見つかるのはことしでもう5件目ということで、春先にヒアリは活動が活発化していくという生き物でもあるということから、不安の声も広がっているんですけれども、改めて都の対策と、あと注意喚起があればお願いいたします。

【知事】今、お話にありましたように、昨日、青海のふ頭のコンテナターミナルで、ヒアリの働きアリ500個体以上ですね、それとサナギに幼虫の確認があったということであります。国の方では、これらのヒアリは、隣接するターミナルで、先月、発見された女王アリから生まれたものではない、定着したものではないと、別物という見解を示されたものと、このように捉えております。
青海ふ頭では、先月、ヒアリが発見されましてから、殺虫餌を面的に散布いたしまして、全域で既に開始しているということであります。徹底的な駆除を行うために、来年の3月末まで、月2回継続して実施する予定としております。青海ふ頭の周辺地域では、昨日までに道路や民間商業施設などでも調査を実施しておりますが、現時点でヒアリは確認されていないということであります。
当面、今、申し上げましたように、3月までの殺虫餌の面的散布を十分に行うということと、それからヒアリの活動が活発になるのは春ということでございますので、それに備えて、今後も国、関係機関と協力して、改めて調査、関係者の呼びかけを実施してまいります。ヒアリの定着を許すことがないように、徹底して対応していきたいと考えております。

【記者】NHKの成澤です。冒頭、知事からご発言もありましたが、亡くなられた中曽根元総理大臣と知事との思い出話といいますか、エピソードといいますか、そういったものがありましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

【知事】まず、改めて哀悼の意を捧げたいと思います。また、101歳という大変なご長寿を遂げられたと、ご長寿であられたということでございます。
思い出といえば、1990年の冬、11月かと思いますけれども、ちょうどイラクの湾岸戦争の勃発の直前でありますが、クウェート在住の邦人が、いわゆるホステージというゲストと、それから人質、ゲステージか、そういうふうな呼び名で、拘束されて、イラクの各地、例えばダムのすぐそばとかですね、人間の盾として各地に置かれるような事態になって、合計百数十名おられたということであります。
私は当時、キャスターでもありましたけれども、日本アラブ協会の事務局長もやっておりましたので、その関係で人質解放のための交渉もやっておりました。そして、そこで交渉をさらに現実のものにするために、当時の中曽根総理、当時、自民党から離れていらしたと思いますけれども、お声をかけさせていただきまして、そして日本から飛んできていただいて、当時の大統領であったサッダーム・フセインと直接に交渉していただき、その上で100名近くが日本に特別機で一緒に帰るということができたわけであります。
その下準備をさせていただいたことになりますけれども、そうやっていざとなったときには、そういう存在としての中曽根元総理の意味といいましょうか、存在感というのを改めて感じたところであります。
それと、色々とお話をする機会もございましたけれども、主権とは何ぞやということを、非常に熱心に私に直接、お教えいただいたということ、よく覚えております。本当にお世話になったことを改めて思い出しながら、謹んで哀悼の意を表したいと思います。

【記者】日経新聞の亀です。一部の報道に、新国立競技場の固定資産税が非課税になる見通しというのがありました。もし、国がそういう非課税について要望すれば、都は課税者ですから、都としてどういうふうに対応されるお考えがあるのか。民間の事業者のそういった経営の、やりやすくなるということもありますが、その点、どのようにお考えになっているのかお願いいたします。

【知事】一部報道で非課税の話が出ておりますけれども、東京都といたしまして、まず課税の認定というのは、民間事業者による供用開始後に、書面や現地調査を行って、事業の目的や内容などを丁寧に聞き取った上での判断ということになります。また、事業者も、運営計画も、今の時点では定まっていないわけでございまして、この段階で課税だ、いや、非課税だといったような判断は軽々にできるものではないと、このように考えております。今後、調査などを行っていくものといたしております。

【記者】共同通信の井上です。夏の高校野球、甲子園についてお伺いします。萩生田光一文部科学大臣が、おとといの衆議院の委員会で「アスリートファーストの観点から言えば、夏の開催は無理だと思う」と発言されました。ただ、夏の開催というのはもう定着していて、萩生田大臣ご自身も、きょうの会見では中止するとまでは言っておらず、健康対策をきちっとしてほしいという趣旨の内容の発言をされているんですけれども、同じスポーツ競技の開催として夏の開催に疑義を呈して、マラソンのことで疑義を呈しておられた知事として、今回の発言、どのようにお考えでしょうか。

【知事】あまり詳細は聞いておりませんけれども、春はいいということになって、色々と深読みができますね。アスリートの健康を考えるというのも1点あるかとは思いますけれども、これについては近く高野連が理事会を開かれるということなので、そういったことをしっかりと議論していただきたいと、このように思います。

(テキスト版文責 政策企画局政策調整部政策調整課)

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